Edgeでブラウザのタブが増えるとき、先に触る5つの機能

Edgeはタブが増えやすい。理由は使い方ではなく作りにある。リンクから開いた文書も、PDFも、検索結果も、サイドバーの道具から送られたページも、全部が同じ横一列に着地する。午後になるころには題名が消えてアイコンだけが並んでいる。一方でEdgeは、この状態に対する仕掛けを主要なブラウザの中でも多く持っている。しかもその多くは、既定では切ってあるか、目に入らない場所にしまってある。もう一度タブを閉じて回るより、5つの機能がそれぞれ何を解いているのかを知っておくほうが早い。

5つの機能は、それぞれ別の問題を解いている

スリープタブは機械の負担を扱う。垂直タブは読めるかどうかを扱う。タブグループは1つの窓の中でのまとまりを扱う。コレクションは残しておきたい材料を扱う。ワークスペースは、数日後に同じ作業へ戻ることを扱う。宣伝文から受ける印象より重なりは少なく、全部を一度に入れると、落ち着くどころか賑やかな画面になりやすい。

どれかを触る前に決めるべきなのは、いま何が嫌なのかになる。ファンが回るのは負担の問題になる。目的のタブが見つからないのは可読性の問題になる。窓を閉じた拍子に午後の調べ物が消えるのは保存の問題になる。この3つには別々の答えがある。

スリープタブと、眠らない10の条件

これは設定しなくても動いている機能で、そのぶん設定画面を開いたことがない人が多い。

[スリープ] タブを使用すると、2 時間後にバックグラウンド タブがスリープ状態になり、デバイス上のアクティブなタブ、新しいタブ、その他のアプリケーションのリソースが解放されます。 出典: support.microsoft.com

2時間は既定値で、変更できる。設定などから設定、システムとパフォーマンス、パフォーマンスと進むと、タブを自動的にスリープ状態にする設定と、スリープまでの長さの一覧がある。眠ったタブは、資源を手放したことを示すために薄く表示され、クリックすればすぐ元に戻る。

「効いていない」という不満のほとんどを説明するのは、除外の条件のほうになる。Microsoftは、サイトが眠らなくなる活動を公開している。現在表示されているタブであること、別のページとブラウジングインスタンスを共有していること、社内のイントラネットのサイトであること、開発者ツールで調べている最中であること、音声を再生していること、ウィンドウや画面をキャプチャしていること、カメラやマイクを使っていること、キャストなどでミラーリングされていること、設定のブロックリストに入っていること、WebUSBを使っていることの10項目になる。チャットや会議の道具が並んだ窓でタブが眠らないのは正しい動きで、通話中のページを眠らせたら壊れるからになる。

逆に、絶対に眠らせたくないサイトを指定する欄も同じ画面にある。常にアクティブにするサイトの一覧にURLを丸ごと登録し、各行の三点のメニューから編集や削除ができる。薄くなる表示が気になる場合は、非アクティブなタブをフェードする設定を切ることもできる。

垂直タブは「読める」ことを買う機能

横のタブバーには限界がある。おおむね20枚を超えると題名が消えてアイコンだけになり、同じサービスから開いた2つの文書はアイコンが同じになる。垂直タブは一覧を窓の横に移し、題名が題名として読める幅を与える。

引き換えに渡すのは横幅になる。ノートパソコンの画面では、開いたままの一覧がページの領域をそれなりに削る。気になる場合はアイコンだけの幅に畳める。得られるのは、探す動作が「見比べる」から「読む」に変わることと、閉じるときの当てずっぽうが減ることになる。

見落とされやすい効き方がもう1つある。題名が読めると重複が見える。実は数の多い窓では重複が大きな割合を占めている。同じ文書を午前中に3つの経路から開いた3枚は、アイコンでは見分けがつかず、題名なら一目で分かる。

タブグループとコレクションは役割が違う

タブグループは、関連するタブを1つの窓の中で隣り合わせに置き、名前と色を付けて、畳めば1つの札にする。これは作業中の記憶を支える道具になる。窓が生きているあいだだけ続くので、数時間で終わる仕事には合い、2週間続く案件には合わない。

コレクションはまとめる道具ではなく残す道具になる。自分で選んで追加し、ブラウザを閉じても残り、メモを添えられる。この違いが効くのは、タブグループを保存場所として使うことが、調べ物が消える原因の代表格だからになる。

ワークスペースは作り直されている

Edgeのワークスペースは、関連するタブを名前の付いた集まりにして、あとでそのまま開き直せる機能になる。この機能は作り直されていて、新しい版は古い版の上位互換ではない。Microsoftが違いを表で公開している。

項目 以前のワークスペース 新しいワークスペース
想定する使い方 グループ間で共有される複数のタスク 個別に使用する複数のタスク
共有とグループ作業 サポートされている サポートされていない
他のユーザーの招待 招待して参加させられる 招待できない
必要なバージョン バージョン 114 以降 バージョン 144 以降
OneDrive の記憶域 十分なストレージが必要 必要ない
タブのロック サポートされている サポートされていない
メニューの並び順 作成順、ユーザーが並べ替え可能 最近使った順

この表の中で使い方が変わるのは2行になる。新しい版では共有とグループ作業と参加がサポートされておらず、タブのロックも無くなっている。共有のワークスペースを、同僚にリンク一式を渡す軽い手段として使っていた場合は、別のやり方に移す必要がある。

必要な条件もはっきり書かれている。Windows 10、Windows 11、またはMac OSが動いているデスクトップであること。デスクトップのみで、Edgeのバージョンは144以降。MicrosoftアカウントまたはMicrosoft Entraのアカウントでサインインしていること。同期はプロファイル設定の同期から、ワークスペースとタブグループをオンにする必要がある。ワークスペースが見当たらない、古いままだ、という症状はここに戻ってくることが多い。

作り方は、左上の検索タブのアイコンからワークスペースの管理を開き、新しいワークスペースの一覧から、今のタブで作るか空で作るかを選ぶ。名前とテーマはその場で決め、あとから各ワークスペースの三点のメニューで変えられる。

週に一度の見直しは、順番を決めるとうまくいく

機能は数が増えることの痛みを減らすが、増えること自体は止めない。まだ使うかもしれないタブを勝手に閉じる仕組みはEdgeに無いからになる。数を一定に保つのは短い定期の見直しで、これは順番を決めておくほうがうまくいく。

最初に重複を閉じる。何も失わないので迷いが起きない。次に本当に終わったページを閉じる。予約が確定したもの、送信が終わったフォーム、読み終えた記事になる。次に、実際には用事であるタブを、用事を置いている場所へ移す。タブは日付を持てないので、置いたままだとそのうち見えなくなる。ここまでで残るのは、毎日開くアプリか、終わっていない案件のどちらかになり、ワークスペースに入れるべきなのは後者だけになる。

金曜に15分あれば1週間分は片づく。順番を固定する理由は、難しい判断から始めると簡単なところまで到達しないからになる。嫌な気分で終わった見直しは、次の週に行われない。

見直しの効果は、閉じた枚数では測らない。翌週の月曜に、開いている枚数が先週の月曜より減っているかどうかで測る。減っていないなら、閉じ方ではなく、毎日開くアプリが一覧に混ざっていることが原因である場合が多い。その場合は見直しの回数を増やしても数字は動かない。

検索タブは、いっぱいの窓から抜ける最短の道

左上にある、ワークスペースの管理につながるあの操作は、本来はタブの検索になる。数文字打つと、開いているタブが題名とアドレスで絞り込まれる。目的のタブを探す作業が、見比べる作業から打つ作業に変わる。

困ったときだけでなく、意識して使う価値がある。1つしか開いていないはずのサービスのドメインで検索すると、その複製が全部出てくる。重複は失うものが無いので、いちばん安く閉じられる。1週間開きっぱなしの窓では、重複が全体の4分の1を占めることも珍しくない。

もう1つの習慣は、タブバーではなく検索結果の側から閉じることになる。タブバーで閉じるのは細い的を狙う操作で、押し間違えると必要なものが消える。その経験こそが「何も閉じないほうが安全だ」という学習を作る。

同じ機能は他のブラウザにも来ている

Edgeを使い続ける理由の一部はタブまわりの作り込みだったが、その差は縮んでいる。Chromeは垂直タブを標準の機能として搭載しており、1つの窓に2つのページを並べる分割ビューもある。Macでは Command+Option+N で開く。

これで決着がつくわけではない。スリープタブ、コレクション、ワークスペースは、Chrome側の同種の機能とは挙動が違うし、プロファイルの扱いも違う。ただ、垂直タブのためだけにEdgeを選んでいたのなら、いまは選び直せる状態にある、ということになる。

同時に、行き止まりの位置が両者で同じであることも意味している。どちらもタブとログイン状態を1つのプロファイルの中に持つので、同じサービスの2つのアカウントを同時に開きたくなった瞬間に、まったく同じ壁に当たる。

内蔵の機能が届かないところ

5つの機能はすべて1つのプロファイルの中で動いている。残る不便は、その境目に集まっている。

プロファイルはCookieを1組しか持たない。同じサービスの2つのアカウントは、タブをどうまとめても、どんな色を付けても、眠らせても、同時にはログインできない。仕事のメールと個人のメールを1つのワークスペースに入れておくと、開いたときにどちらかが弾かれるか、片方が黙ってもう片方を追い出す。よく取られる対処はEdgeのプロファイルをもう1つ作ることで、これは動くが、窓の切り替えと、拡張機能や設定をもう一式持つ手間が毎回かかる。

もう1つの境目は、タブとアプリの違いになる。メール、チャット、カレンダーは毎日開き、ログイン状態を抱え、通知を運ぶ。スリープタブはこれらをほぼ眠らせない。正しい判断だが、垂直タブで見つけやすくしても、検索結果と同じ一覧に並んでいることは変わらない。ここを前提にした道具は、サービスごとに残り続ける窓と、窓ごとのログイン状態を与える。アプリごとに独立したワークスペースという形は、タブの一覧とは別の形になる。考え方はワークスペースに、同じ役割を持つ他のブラウザとの違いはWaveboxとの比較に整理してある。

どこから変えるか

まず垂直タブを1週間だけオンにする。一覧が読めるようになると、他の判断が自分から見えてくる。次にパフォーマンスの画面を一度だけ確認して、スリープまでの長さと、絶対に眠らせたくないサイトを2つか3つ登録する。

そのうえで、案件が変わっても毎朝同じ顔ぶれが開いているなら、それはタブではなくアプリになる。窓として扱う道具で何ができるようになるかはできることに、どのサービスがそのまま入るかは使えるアプリに書いてある。

よくある質問

Edgeでスリープしないタブがあるのはなぜですか?

Microsoftが眠らなくなる活動の一覧を公開しています。表示中のタブ、別のページとブラウジングインスタンスを共有しているページ、社内のイントラネットのサイト、開発者ツールで調べているページ、音声を再生中のページ、画面やウィンドウをキャプチャ中のページ、カメラやマイクを使用中のページ、キャストされているページ、ブロックリストのページ、WebUSBを使っているページが該当します。

Edgeのワークスペースは同僚と共有できますか?

新しい版ではできません。Microsoftの比較表では、共有とグループ作業と参加は以前の版ではサポートされ、新しい版ではサポートされていないと明記されています。他のユーザーを招待することもできません。新しい版はEdgeのバージョン144以降が必要で、OneDriveのストレージは不要になっています。

タブグループとワークスペースはどう使い分けますか?

タブグループは今の窓の中でタブを名前と色でまとめる仕組みで、窓が閉じるまでのあいだ有効です。ワークスペースは保存された集まりで、同期を有効にしてサインインしていれば別の端末からも開き直せます。半日で終わる作業はタブグループ、来週も戻る案件はワークスペースが向きます。

これらの機能で同じサービスの2つのアカウントを同時に使えますか?

使えません。5つの機能はどれも1つのプロファイルの中で動き、プロファイルはサイトごとにCookieを1組しか持ちません。Edgeのプロファイルをもう1つ作れば2つ目のログイン状態を持てますが、窓の切り替えと設定の二重管理が発生します。窓ごとにログイン状態を分ける作りのブラウザは、この分け方が最初から入っています。

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