Googleアカウントの追加方法|Macで使い分ける3通り
Googleアカウントの追加方法を調べる人が本当に困っているのは、手順そのものではありません。追加したあとに起きる取り違えのほうです。ブックマークから開いたスプレッドシートが仕事用ではなく個人用のアカウントで開く。共有リンクを踏んだら「アクセス権がありません」と出る。ドライブに保存したはずのファイルが見当たらない。これらは操作ミスではなく、追加の仕方が状況に合っていないことから起きます。追加には性質の違う3通りがあり、直したい症状によって選ぶものが変わります。
「アカウントを追加する」には3つの意味がある
同じ言葉で呼ばれていますが、中身はまったく別の作業です。
- 同じ保存領域にアカウントを足す。Googleが用意しているアカウント切り替えを使う方法で、いちばん手軽です
- ブラウザの保存領域そのものを分ける。ChromeやSafariのプロファイル機能を使い、Cookieごと別にします
- アカウントごとに窓を固定する。どのアカウントで見ているかを、画面上の位置で分かるようにします
1つ目は数十秒で終わります。2つ目は数分かかりますが、取り違えの原因を根から断ちます。3つ目は前の2つの上に乗せるもので、日に何十回も行き来する人ほど効きます。順に見ていきます。
やり方1: Googleのアカウント切り替えに足す
同じブラウザで複数のGoogleアカウントを同時に使う正規の方法です。Googleにログインした状態で右上のプロフィール画像を選び、メニューから「アカウントを追加」を選んで、追加したいアカウントでログインします。以降は同じメニューから行き来できます。
この方式では、アドレスバーのURLに /u/0 /u/1 のような番号が入ります。この番号はアカウントの名前でも重要度でもなく、そのブラウザにログインした順番です。3番目に追加したアカウントは /u/2 になります。同じ番号が別のパソコンでは別のアカウントを指すため、/u/1 を含むURLをそのまま他人に送ると、相手の環境では違うアカウントで開きます。共有するときは番号を外したURLを使います。
追加したアカウントを一覧から消したいときは、ログイン画面側の操作になります。myaccount.google.com を開いて右上のプロフィール写真を選び、ログアウトを選んでから「アカウントを削除」を選ぶと、削除アイコンから一覧を整理できます。他のブラウザにも同じアカウントが残っている場合は、そのブラウザごとに同じ操作が要ります。
取り違えの正体はデフォルトアカウントにある
やり方1で追加したアカウントは対等ではありません。Googleのヘルプは、複数のアカウントにログインしている状態では、利用者がどれを使っているのかGoogle側で判断できない場面があり、そのときはデフォルトのアカウントの設定が適用されることがあると説明しています。新しいブラウザのウィンドウを開いた場面が、その例として挙げられています。
では、どれがデフォルトのアカウントに当たるのか。これもヘルプに書かれています。
多くの場合、デフォルトのアカウントとは、最初にログインしたアカウントになります。モバイル デバイスでは、デバイスのオペレーティング システムや使用するアプリによって、デフォルトのアカウントが異なります。 出典: support.google.com
つまり、朝いちばんに私用のアカウントでログインした日は、その日の判断がつかない場面すべてで私用が優先されます。メールソフトやチャットから踏んだリンク、他のアプリから開いたドキュメント、新しいウィンドウで開いた画面。どれも仕事用で開いてほしいのに、私用に落ちます。
直す方法は1つしかありません。いったんすべてのアカウントからログアウトし、業務で主に使うアカウントを最初にログインさせることです。順番を入れ替えるだけの操作で、5分もかかりません。ただし、この直し方は「どちらか一方を優先する」だけで、両方を対等に扱いたい人の問題は解決しません。そこから先はやり方2の領域です。
なお、設定そのものは混ざりません。
ご使用のアカウントごとに個別の設定を管理できます。複数のアカウントにログインする際に、アカウント間でアカウント設定が共有されることは通常ありません。たとえば、アカウントによって異なる言語設定やログイン手順を指定できます。 出典: support.google.com
混ざるのは設定ではなく、Googleがどれを使うか判断できない場面での振る舞いです。設定を見直しても直らないのは、そもそも設定の問題ではないからです。
やり方2: ブラウザのプロファイルごと分ける
デフォルトアカウントの影響を受けたくないなら、Cookieの保存領域から分けます。Chromeの場合はプロファイル機能です。
プロファイルを使用すると、Chrome 上の情報全体(ブックマーク、履歴、パスワードなど)を、プロファイルごとに分離できます。 出典: support.google.com
右上のプロフィールアイコンから「Chrome プロファイルを追加」を選び、名前とテーマカラーを決めて、そのプロファイルで目的のGoogleアカウントにログインします。プロファイルごとに専用のウィンドウが開くので、テーマカラーを変えておくと、窓の色だけでどちらか判別できます。Macでは、プロファイルごとのウィンドウをDockに登録しておくと、起動から目的のアカウントまで一直線になります。
Safariにも同じ考え方の機能があります。
生活の環境ごとにプロファイルを作成して、個人用の閲覧環境と勤務先用や学校用などの閲覧環境を分けることができます。 出典: support.apple.com
設定のプロファイル欄から作成し、切り替えは「ファイル」メニューの新規ウインドウから該当プロファイルを選びます。作成したプロファイルとは別に「個人用」が常に存在します。パスワードについては例外があり、iCloudキーチェーンに保存したものはどのプロファイルからでも使えます。
ここで押さえておきたいのは、プロファイルは取り違えを防ぐ仕組みであって、施錠ではないことです。Chromeのヘルプは、同じパソコンを使える人は他のどのプロファイルにも切り替えられると書いています。他人から中身を守りたい場合はmacOSのユーザーアカウントを分けるのが本筋です。
| アカウント切り替えで追加 | プロファイルで分ける | |
|---|---|---|
| 準備の手間 | 数十秒 | 数分 |
| Cookieの分離 | されない | される |
| デフォルトアカウントの影響 | 受ける | 受けない |
| 拡張機能 | 共通 | プロファイルごと |
| 見分けやすさ | メニューを開くまで不明 | 窓の色とアイコンで分かる |
やり方3: アカウントごとに窓を固定する
プロファイルまで分けても、まだ残る手間があります。目的のプロファイルの窓を探す手間です。ウィンドウが10枚並んでいれば、色が違っても目で追う時間はかかります。
そこで効くのが、アカウントを窓の位置に固定する考え方です。仕事用のGmailは常に左の画面、私用のGmailは右の画面、というふうに置き場所を決めてしまえば、どちらを開いているかを確認する動作そのものが要らなくなります。macOSには操作スペースが最大16個まで用意されているので、案件ごとに面を割り当てることもできます。
キーボードだけで切り替えたい場合は、同じアプリのウィンドウを巡回するショートカットが使えます。プロファイルの窓を2枚だけ開いておけば、キー1つで往復できる状態になります。窓の数を絞るほど、この操作は速くなります。
「追加したのに直らない」ときに見る4か所
手順どおりに追加しても症状が消えないことがあります。原因はだいたい次の4つのどれかに落ちます。
- 共有されたURLに番号が残っている。相手が送ってきたURLに
/u/1が入っていると、自分の環境では違うアカウントで開きます。番号の部分を消してから開き直すと、正しいアカウントに乗ります - デフォルトのアカウントがそのまま。ブラウザの外から踏んだリンクだけが違うアカウントで開く場合は、これが原因です。切り替えメニューを何度触っても直りません
- そもそも共有先が別のアドレス。ファイルが共有されているのが、いま追加したアカウントとは別のアドレスというケースです。共有元に、どのアドレス宛てに共有したかを確認するのが最短です
- 古いログインが残っている。過去に使っていたアカウントがログイン一覧に残っていると、切り替えの選択肢が増えて事故が起きやすくなります。使っていないものは一覧から削除しておきます
この4つで直らない場合は、アカウントの追加ではなく保存領域の分離が必要な状況だと考えて、やり方2へ進むのが早道です。
アカウントを増やす前に決めておくこと
追加そのものは簡単なので、つい増やしてしまいます。ただし、増やした分だけ「いまどれで見ているか」を確認する回数が増えます。増やす前に3つ決めておくと、後から効いてきます。
1つ目は上限です。日常的に切り替えるアカウントを3つまでに抑えている人と、7つ抱えている人では、確認にかかる時間がまるで違います。年に数回しか使わないアカウントは、そのときだけログインする運用でも困りません。
2つ目は見分けの手がかりです。プロファイルを作るなら、名前と色とアイコンを最初に決めます。あとから付けようと思っても、増えてから付けるのは面倒です。
3つ目はブックマークの置き場所です。プロファイルを分けるとブックマークも分かれるため、どちらに置くかを決めていないと同じページを両方に登録することになります。仕事の資料は仕事側だけ、と決めておくと迷いません。
追加の仕方を、症状から逆に選ぶ
3通りのどれを選ぶかは、いま起きている症状で決まります。
- たまに別アカウントを見るだけなら、やり方1で足りる。プロファイルを増やすと管理対象が増えるだけになります
- 外部から踏んだリンクが毎回違うアカウントで開くなら、やり方2。デフォルトアカウントの判定はページが描画される前にGoogle側で終わっているため、切り替えメニューでは直りません
- 2つのアカウントを同時に見比べる必要があるなら、やり方2が必須です。同じ保存領域では、1サービスにつき同時に開けるのは1つの状態だけです
- 1日に何十回も行き来するなら、やり方2に加えてやり方3を重ねます
窓の割り当てを道具側に持たせるという解き方
3通りを並べて分かるのは、手間の総量が「保存領域をいくつ作るか」ではなく「毎回どこを見に行くかを覚えていられるか」で決まる点です。プロファイルを5つ作っても、その5つが同じ見た目のウィンドウとして混ざっていれば、探す時間は減りません。
Webアプリを1つのアプリにまとめる種類のブラウザは、この割り当てを最初から道具の側に持たせています。アプリごとに独立したワークスペースを持つ作りでは、同じGmailを2つのアカウントで並べても、それぞれが別の場所に固定されるため、どちらを見ているかを確かめる操作が消えます。何を単位として分けられるかはできることにまとまっており、案件や役割で面ごと切り替える仕組みはワークスペースで説明されています。GoogleのサービスやSlackなど、どのサービスを窓として扱えるかは使えるアプリで確認できます。
似た発想の道具は複数あり、通知の扱いや料金の考え方が違います。自分の詰まりが取り違えなのか通知なのかで選ぶ相手が変わるため、Waveboxとの比較やShiftとの比較のような比較を先に見ておくと、乗り換えの判断が早くなります。
よくある質問
Googleアカウントを追加すると、前のアカウントはログアウトされますか?
されません。追加したアカウントは同時にログインした状態で保たれ、右上のプロフィール画像から行き来できます。ただし、判断がつかない場面ではデフォルトのアカウントの設定が使われるため、優先したいアカウントは最初にログインさせておくのが安全です。
URLに出てくる /u/0 や /u/1 は何を表していますか?
そのブラウザにログインした順番です。最初にログインしたアカウントが0番、次が1番になります。アカウントの名前と結び付いた固定の番号ではないため、この番号を含むURLを他人に送ると、相手の環境では別のアカウントで開くことがあります。
仕事用と私用を完全に分けるには、どこまでやればよいですか?
ブラウザのプロファイルを分けるところまでやれば、Cookieも履歴も拡張機能も別になり、デフォルトアカウントの影響も受けなくなります。ただしプロファイルは施錠ではないので、他人に見られたくない場合はmacOSのユーザーアカウントごと分ける必要があります。
追加したアカウントを一覧から消すにはどうしますか?
myaccount.google.com を開き、右上のプロフィール写真からログアウトを選び、「アカウントを削除」を選ぶと一覧を整理できます。別のブラウザにも同じアカウントが残っている場合は、そのブラウザでも同じ操作が必要です。