Chromeプロファイルの使い方|分ける単位と運用の決め方

Chromeプロファイルの使い方は、基本の操作だけなら3つで済みます。 右上のプロファイルのアイコンから[Chrome プロファイルを追加]を選んで作り、同じアイコンから切り替え先を選び、要らなくなったら[Chrome プロファイルを管理]から削除します。 ただ、作り方を覚えたあとに多くの人が迷うのは、何を単位に分けるか、どこまでが分かれてどこからが分かれないか、という運用の側です。 この記事では、Googleのヘルプに載っている画面の名前どおりの手順を先に示し、そのあとで分ける単位の決め方と、増えすぎたときの片付け方までを順に扱います。

Chromeプロファイルで分かれるものと分かれないもの

プロファイルは、Chromeの中にもう1つ別のChromeを作る仕組みです。 Googleのヘルプは次のように説明しています。

プロファイルを使用すると、Chrome 上の情報全体(ブックマーク、履歴、パスワードなど)を、プロファイルごとに分離できます。 出典: support.google.com

分かれるのは、ブックマーク、閲覧履歴、保存したパスワード、拡張機能、テーマ、そしてサイトのログイン状態(Cookie)です。 ログイン状態が分かれるので、仕事用のプロファイルでは会社のGoogleアカウント、個人用のプロファイルでは私用のGmailに、それぞれログインしたままにできます。 同じSlackに2つのワークスペースで入りたいときも、プロファイルを分ければ互いに干渉しません。

反対に、分かれないものもあります。 Mac本体のダウンロードフォルダ、OSの通知の設定、キーボードのショートカット、そしてMacのアカウントそのものは共通です。 また、ヘルプには、デバイスを使う人は他のどのプロファイルにも切り替えられるという注意があります。 プロファイルはパスワードで守られた部屋ではなく、引き出しを分けているだけだと考えると、使いどころを誤りません。 家族とMacを共用するなら、macOSのユーザーを分けるほうが確実です。

同期の範囲も押さえておきます。 新しいプロファイルでGoogleアカウントにログインすると、ブックマークやパスワードなどの設定がそのアカウントに保存され、ログインしている他のデバイスからも使えるようになります。 つまり「プロファイル」と「Googleアカウント」は別物で、プロファイルの中でアカウントにログインするかどうかは選べます。 ログインしないプロファイルは、そのMacの中だけで完結します。

プロファイルを作る・切り替える・管理する手順

ここからは、Googleのヘルプにある画面の名前どおりに手順を並べます。 Macでの操作を前提にしています。

新しいプロファイルを作る

  • Chromeを開き、右上のプロファイルのアイコンを選ぶ
  • [Chrome プロファイルを追加]を選ぶ
  • Googleアカウントでログインするか、アカウントなしで続けるかを選ぶ
  • 名前、写真、テーマカラーを設定する

Googleアカウントでログインした場合、プロファイル名は自動的にアカウント名になります。 あとで見分けやすくするため、名前は「取引先A」「経理」のように用途で付け直すのがおすすめです。

別のプロファイルに切り替える

右上のプロファイルのアイコンを選び、切り替え先のプロファイルを選ぶと、そのプロファイルの新しい窓が開きます。 キーボードで操作したい場合は、Chromeのキーボード ショートカットの一覧にあるとおり、Macでは ⌘+shift+m で「別のユーザーでログインする、ゲストとしてブラウジングする」ためのメニューが開きます。 マウスを右上まで動かす回数が、1日に何十回もある人ほど効きます。

起動時にプロファイルを選べるようにする

  • 右上のプロファイルのアイコンを選ぶ
  • [その他の Chrome プロフィール]で[Chrome プロフィールを管理]を選ぶ
  • 下部にある[起動時に表示する]をオンにする

これで、Chromeを起動するたびにプロファイルの一覧が出るようになります。 朝いちばんに仕事用だけを開きたい人に向いた設定です。

名前・写真・テーマカラーを変える

[Chrome プロファイルを管理]で、編集したいプロファイルの右上にあるその他アイコンから[編集]を選びます。 いま使っているプロファイルだけを変えるなら、プロファイルのアイコンから[プロファイルをカスタマイズ]を選ぶ方法もあります。 変更は自動的に保存されます。

プロファイルを削除する

[Chrome プロファイルを管理]で削除したいプロファイルを選び、その他アイコンから[削除]を選び、確認の画面でもう一度[削除]を選びます。 ヘルプには、削除するとそのプロファイルのブックマーク、履歴、パスワードなどがパソコンから削除されると書かれています。 Googleアカウントに同期していない情報は戻せないので、消す前にブックマークの書き出しなどを済ませておきます。

ゲストモード・シークレットモードとの使い分け

プロファイルとよく混同されるのが、ゲストモードとシークレットモードです。 3つは目的が違います。

仕組み ログイン状態の保存 向いている場面
プロファイル 残る(プロファイルごと) 仕事と私用、取引先ごとなど、ずっと分けて使う
ゲストモード 閉じると削除される 他の人にMacを貸す、共用のパソコンを使う
シークレットモード 閉じると削除される 自分のMacで、履歴を残さずに一時的に見る

Googleのヘルプでは、ゲストモードは他の人にパソコンを貸すときや、図書館などの共用パソコンを使うときのためのものとされています。 ゲストモードでは他のプロファイルの情報を見ることも変えることもできず、終了すると閲覧の記録がパソコンから削除されます。 自分のMacで記録を残さずに見たいだけなら、ヘルプはシークレットモードを案内しています。

毎日使う取引先のアカウントをシークレットモードで開いている人は、閉じるたびにログインし直すことになります。 繰り返し使うものはプロファイル、1回きりのものはシークレットモード、と分けると手間が減ります。

分ける単位を先に決める

プロファイルの使い方で差が出るのは、作る前の設計です。 分ける単位には、大きく3つの考え方があります。

人で分ける

Macを家族と共用している場合の分け方です。 ただし前の節で触れたとおり、プロファイルは他の人も切り替えられます。 人で分けたいなら、Chromeのプロファイルよりも、macOSのユーザーを分けるほうが向いています。

役割で分ける

「仕事」「個人」「副業」のように、自分の役割で分ける方法です。 数が少なく、迷いにくいのが利点です。 2つから3つで足りる人の多くは、この分け方に落ち着きます。

取引先やアカウントで分ける

フリーランスや代理店のように、取引先ごとにGoogleアカウントやSlackを持たされる人の分け方です。 取引先のアカウントは取引先の情報を扱うため、他の取引先のブックマークや拡張機能と混ざらないこと自体に意味があります。 一方で、取引先が5社を超えたあたりから、窓の数が増えて目的のプロファイルを探す時間が目立ってきます。

迷ったときは「同時にログインしておく必要があるか」で決めます。 同時に開いておく必要がないなら役割で大きく分け、同時に必要なものだけを別のプロファイルにします。 Googleのサービスだけが複数あるなら、プロファイルを増やさずに、1つのプロファイルの中で複数のアカウントに同時にログインする方法でも足ります。 ただしこの方法では、Googleのヘルプにあるとおり、デフォルトのアカウントの設定が適用される場合があります。

拡張機能とテーマの決め方

プロファイルを作った直後に決めておくと後が楽になるのが、拡張機能とテーマカラーです。

拡張機能はプロファイルごとに別々に入ります。 パスワード管理や広告ブロックのように、どのプロファイルでも使うものは、プロファイルを作るたびに入れ直す必要があります。 逆に、取引先から指定された拡張機能は、その取引先のプロファイルにだけ入れておけば、他の作業に影響しません。 拡張機能は読み取れる範囲が広いものもあるため、仕事用のプロファイルには必要なものだけを入れておくのが無難です。

テーマカラーは見分けのための道具です。 プロファイルの窓は見た目がほとんど同じなので、色を変えておかないと、どの窓が何のプロファイルかを毎回確かめることになります。 仕事は青、個人は緑、のように色と用途を結び付けておくと、窓を見ただけで分かります。

増えすぎたときの片付け方

プロファイルは作るのが簡単なぶん、気付くと増えています。 3か月に1度くらいの間隔で、次の順に見直すと整理しやすくなります。

  • [Chrome プロファイルを管理]を開き、一覧を並べる
  • しばらく開いていないプロファイルを洗い出す
  • 取引が終わった取引先のプロファイルは、必要なブックマークを書き出してから削除する
  • 役割が重なっているプロファイルは、1つにまとめる

削除は戻せないので、消す前に同期の状態を確かめます。 Googleアカウントにログインしていたプロファイルなら、ブックマークやパスワードはアカウント側に残ります。 ログインしていなかったプロファイルは、そのMacの中にしか情報がありません。

プロファイルではなくアプリ単位で分けるという選択

プロファイルは「ブラウザ全体」を分ける仕組みです。 そのため、Gmail、Slack、Notionをそれぞれ2つのアカウントで使う人は、プロファイルの窓を行き来しながら、さらにその中のタブを探すことになります。 切り替えが1日に数回なら問題になりませんが、数十回になると、窓を探す数秒のあいだに作業の流れが途切れます。

この問題に対しては、Webアプリを1つずつ登録して、アプリごとにログイン状態を分けるアプリ集約ブラウザという道具があります。 macOS向けのある製品のワークスペースの説明では、アプリごとにCookieの入れ物を分けるため、Gmailを3つ同時にログインしたままにできるとされています。 同じサービスに別のアカウントで入るには、登録済みのアプリを右クリックして「別アカウントとして追加(セッションを分ける)」を選ぶ手順です。 料金のページによると、無料版はワークスペース1つ、アプリ3つまでで、この多重ログインは月額980円(年額8,800円、買い切り19,800円)のProの機能です。 14日間は登録もクレジットカードも要らずにすべての機能を試せます。 対応はmacOS 12以降で、ほかの製品との違いはWaveboxとの比較などのページにまとまっています。

プロファイルとアプリ集約ブラウザは、どちらか一方を選ぶものではありません。 役割の大きな区切りはプロファイルで分け、その中で頻繁に行き来するアプリだけを別の道具に移す、という組み合わせもできます。 まずはいま開いているプロファイルの数と、1日に切り替える回数を数えてみると、どちらに手を入れるべきかが見えてきます。

よくある質問

Chromeのプロファイルはいくつまで作れますか?

Googleのヘルプには、作れるプロファイルの数の上限は書かれていません。 ただ、プロファイルごとに窓や拡張機能が増えるので、数が多いほど探す手間とMacの負担が増えます。 役割で分けて2つから3つに収め、同時に必要なものだけを足していく使い方が管理しやすいです。

プロファイルを削除するとGoogleアカウントも消えますか?

消えません。 プロファイルを削除すると、そのプロファイルのブックマーク、履歴、パスワードなどがパソコンから削除されますが、Googleアカウント自体は残ります。 アカウントに同期していた情報は、別のプロファイルや別のデバイスでログインし直せば使えます。

プロファイルを切り替えるショートカットはありますか?

Macでは ⌘+shift+m で、別のユーザーでログインしたり、ゲストとしてブラウジングしたりするためのメニューが開きます。 そこから切り替え先のプロファイルを選べます。 起動のたびに選びたい場合は[起動時に表示する]をオンにしておくと便利です。

家族とMacを共用するならプロファイルで十分ですか?

プロファイルは、Macを使う人なら誰でも他のプロファイルに切り替えられます。 閲覧履歴やログイン状態を家族から守りたい場合は、macOSのユーザーを分けるほうが向いています。 一時的に貸すだけなら、終了すると記録が削除されるゲストモードが使えます。

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