Chromeのプロファイルを変更する|3種類の変更と手順

プロファイルを変更したい、という言い方には少なくとも3つの意味が混ざっている。いま作業する相手を別のプロファイルに移したいのか、Macを起動したときに開くプロファイルを変えたいのか、それとも「仕事用」という名前のプロファイルに紐づくGoogleアカウントそのものを入れ替えたいのか。手順はそれぞれ別で、片方をやってももう片方は変わらない。うまくいかないという相談の多くは、3番目をやりたいのに1番目の操作をして、古いブックマークが残ったまま困っている状態になっている。

どの変更をしたいのかを先に決める

操作に入る前に、望んでいる結果を言葉にしておくと迷わない。

いま別の立場で作業したいだけなら、右上のアイコンから選ぶ操作で終わる。設定を触る必要はない。朝いちばんに開くプロファイルがいつも違うのを直したいなら、起動時の挙動が設定の場所になる。仕事用のプロファイルを別のアドレスのものにしたいなら、ログアウトとログインをやり直すことになり、これは3つの中で唯一データが消えうる操作になる。

順番も決まっている。作り替えを伴う3番目に手を付ける前に、1番目と2番目で済む話ではないかを確かめたほうがよい。切り替えの手数が面倒なだけなら、アカウントを触る必要はどこにもない。

もう1つ、同じ言葉に隠れている場合がある。変えるべきなのはプロファイルではなく、見分け方のほうだ、という場合だ。正しいプロファイルを開いているのに、それが正しいと確認できないまま別の窓に打ち込んでいるなら、直す対象は名前と色になる。これは後ろで扱う。

表示中の窓を別のプロファイルに切り替える

右上のアバターのアイコンを押して、移りたいプロファイルを選ぶ。選んだプロファイルは新しいウィンドウで開く。

ここで押さえておきたいのは、いま手前にあった窓は元のプロファイルのまま残るという点になる。窓が作り替えられるわけではない。この事実が、不具合に見える2つの現象を説明する。開いていたタブが付いてこないのは、タブが開いた側のプロファイルに属しているからだ。そして1日の終わりに窓が増えているのは、切り替えのたびに1つ足されて、置き換わっていないからになる。

切り替えたあとに古い窓を閉じれば数は抑えられるが、そのタブは失われる。開いたままにすれば作業は残るが、よく似た窓が2つ並び、隅の小さなアイコンだけで見分けることになる。なお、開いているタブを別のプロファイルへ移すメニューは用意されていない。移したいときはアドレスをコピーして、移動先の窓で開き直す。頻繁に開くページなら、移動先のプロファイル側でブックマークに入れてしまえばこの手間は消える。ブックマークはプロファイルごとに保存されるため、2つの一覧が混ざることはない。

起動時に開くプロファイルを変える

既定では、最後に使ったプロファイルがそのまま開く。夜のうちに再起動したMacが、翌朝いきなり違う立場で立ち上がるのはこのためだ。これを止めるのが、起動時にプロファイルを選ばせる設定になる。

新しいブラウザ セッションを開いたときにすべての Chrome プロフィールを表示するよう設定を調整できます。 出典: support.google.com

場所は、右上のアイコンから[Chromeプロファイルを管理]へ進み、その画面の下にある起動時に表示する項目になる。有効にすると、Chromeが勝手に判断せずどのプロファイルで開くかを尋ねてくる。毎朝クリックが1回増える代わりに、間違った立場のまま午前中を過ごす種類の失敗がなくなる。

朝に開くプロファイルが決まっているなら、Chromeを開いてから直すのではなく、最初からそれを開く形にもできる。起動オプションでフォルダ名を指定する方法で、ランチャーやショートカットに登録しておけば1動作で済む。

open -na "/Applications/Google Chrome.app" --args --profile-directory="Profile 2"

指定するのは画面に出ている表示名ではなく、ディスク上のフォルダ名になる。表示名を後から変えてもフォルダ名は作成時のままなので、両者は一致しない。目的のプロファイルの窓でchrome://versionを開けば、そのプロファイルのパスが出るので末尾を書き写せばよい。存在しないフォルダ名を書いてもエラーにはならず、その名前で空のプロファイルが新規に作られて開く。ログアウトしたようにしか見えないので、打ち間違いに気づくまで時間を取られる。

名前と色と写真を変える

3つの変更のうち、効果が大きいのに後回しにされやすいのがこれになる。右上のアイコンから現在のプロファイルをカスタマイズする項目を選ぶか、プロファイルの管理画面から対象の編集に進む。変更はその場で保存される。

読みやすい状態にするための選び方は3つある。1つ目は、名前をメールアドレスではなく短い語にすること。切り替えの一覧では長い名前が途中で切られるため、同じドメインのアドレスが2つ並ぶと見分けがつかなくなる。2つ目は、色を大きく離すこと。青と紺は選択画面で並べれば別物に見えるが、視界の端では同じ色になる。3つ目は、同じ人物の2つのアカウントには写真を設定すること。既定のままだとイニシャルが同じ文字になる。

この変更はプロファイルの中身を1つも変えない。変えるのは、間違った窓に1時間分の作業が入る頻度のほうになる。損失がいちばん大きく、設定にかける時間がいちばん短いのがこの部分だ。

なお、勤務先から配布されたアカウントでログインしているプロファイルでは、名前やテーマの変更を含めていくつかの項目が管理者側で固定されていることがある。設定画面に組織による管理を示す表示が出ている項目は、手元の操作では戻せない。名前が会社のアカウント名に固定されて変えられない場合は、その1つだけ色で見分ける、あるいはそのアカウントを専用のプロファイルに隔離して窓を常時分ける、といった回避に切り替えたほうが早い。

紐づくGoogleアカウントを入れ替える

3つの中で唯一、取り返しがつかなくなる可能性があるのがこれになる。あるアドレスでログインしているプロファイルは、別のアドレスで入り直しても別のプロファイルにはならない。ブックマーク、履歴、保存したパスワード、拡張機能、サイトごとの許可はプロファイルに属していて、アカウントに属していない。入り直しても、それらはその場に残る。

きれいな状態にしたいなら、設定を開いて同期を止め、そのうえでログアウトする。ログアウトの過程で、同期していたデータのローカルの控えを消すかどうかを尋ねられる。組織が管理しているアカウントの場合、この削除が選択ではなく強制になっていることがある。そこまで済ませてから新しいアドレスでログインすると、1つの立場だけを持つプロファイルになる。

残したいものは、ログアウトより前に外へ出しておく。ブックマークは管理画面からHTMLファイルとして書き出せて、別のプロファイルでそのまま読み込める。パスワードはCSVで書き出せるが、取り込みが終わったらファイル自体を消しておきたい。なお、削除のほうはさらに直接的で、ヘルプにも警告が書かれている。

Chrome からプロファイルを削除すると、そのプロファイルのブックマーク、履歴、パスワードなどの設定がパソコンから削除されます。 出典: support.google.com

勤務先のアドレスが別の勤務先のアドレスに変わるような場合は、既存のプロファイルを作り替えるより新しく作ったほうが早い。作り替えは、この1年で許可してきた拡張機能とサイトの権限を、もう権限を持たないはずの文脈へそのまま引き継いでしまう。

変更しても変わらないもの

プロファイルより上の層にあるものは、どれに切り替えても動かない。

項目 プロファイルに追随するか 補足
ブックマーク・履歴・パスワード する プロファイルごとに別の保存先
拡張機能とその設定 する 入れたプロファイルにだけ入る
ダウンロードの保存先 個別に設定しない限りしない 既定では同じフォルダ
他のアプリから踏んだリンク しない OSはChromeを開くだけ
Dockのアイコンとアプリ切り替え しない プロファイルが何個でも1つ
Chrome本体のバージョン しない アプリは1つ

3行目のダウンロード先は、変えられるのに放置されやすい項目になる。既定のままだと、仕事用のプロファイルで落とした請求書と個人用で落としたファイルが同じフォルダに並び、どちらのセッションが取得したのかは残らない。設定のダウンロードの項目でプロファイルごとに保存先を分けておけば、後から探す手間も、うっかり別の相手に渡す事故も減る。分離を本気でやるつもりなら、ここは最初に触る価値がある。

日々の摩擦がいちばん大きいのは下から3行目になる。チャットやメールから踏んだリンクは既定のブラウザに渡され、ブラウザが自分の判断で窓を選ぶ。プロファイル側のどの設定でもこれは変えられない。OSが選んでいるのはアプリで、窓を選んでいるのはアプリの側だからだ。

リンクが届く窓を手なずける

OSがプロファイルではなくアプリを開く以上、意味のある問いは「Chromeがどの窓を使うか」になる。実際には、直前に手前にあったChromeの窓が使われる。予測できない挙動に見えて、こちらから握れる挙動になっている。

そこから出てくる習慣は小さい。チャットの中の仕事のリンクを押す前に、仕事用のプロファイルの窓を一度手前に出しておく。それ以降のリンクはそこに届く。上品ではないが、違うアカウントで開いてしまってから切り替えてアドレスを貼り直すより速い。

覚えておくのではなく仕組みで解きたい場合、方法は2つある。1つは、既定のブラウザを別のブラウザに譲り、リンクの着地点を固定してからそこで振り分ける形。もう1つは、リンクを受け取ってアドレスの規則で行き先を決める補助アプリを挟む形になる。どちらも動くが、どちらもOSとブラウザの間に管理対象を1つ増やす。根っこにあるのは、Chromeは1つで、プロファイルはその内側の設定でしかないという構造だ。プロファイルを条件にした振り分けは、ブラウザの外にもう一度作り直すしかない。

変更の設定で足りるかどうかの分かれ目

ここまでの3種類の変更で解けるのは、データの混線と朝の起点になる。解けないのは、いま見ている窓がどれなのかという問題と、リンクの行き先になる。

切り替えが1日に数回で、プロファイルも2つなら、標準の機能で足りている。プロファイルが3つ以上あり、そのうち複数を常時開いたまま行き来しているなら、足りていないのは設定ではなく窓の単位になる。Webアプリとアカウントのそれぞれが独立した窓とセッションを持つ形なら、切り替えという操作自体が要らなくなり、OSからも別のものとして見える。アプリごとに独立したワークスペースがどう組まれているかはできることに、案件や取引先の単位でアプリの組ごと切り替える考え方はワークスペースにまとまっている。手元のサービスが対象かどうかは使えるアプリで確認できる。同じ系統の製品との違いは、多機能な製品を並べたWaveboxとの比較と、macOS向けの製品を並べたSidekickとの比較にそれぞれ事実として整理されている。費用の考え方は料金、乗り換え前に引っかかりやすい点はよくある質問にある。

まず手を付けるなら、起動時に選ばせる設定を入れて、各プロファイルに短い名前と離れた色を割り当てるところからでよい。数分で終わって、取り違えの大半はここで消える。

よくある質問

プロファイルを切り替えると、なぜ新しいウィンドウが開くのですか?

窓はそれを作ったプロファイルに属していて、タブも拡張機能もセッションもそのプロファイルの保存先から読み込まれている。開いたままの窓を別の保存先に付け替えることはできないため、Chromeは新しい窓を開く。前の窓は元のプロファイルのまま使い続けられる。

特定のプロファイルを直接開くことはできますか?

起動オプションでフォルダ名を指定すれば開ける。指定するのは表示名ではなくフォルダ名で、chrome://versionのプロファイルパスの末尾から読み取る。すでにChromeが起動している場合に備えて、新しいインスタンスを開く指定も付けておく必要がある。

別のGoogleアカウントでログインし直せばプロファイルは入れ替わりますか?

入れ替わらない。ブックマークや履歴、拡張機能、サイトの許可はプロファイル側に残る。整理するなら、同期を止めてログアウトし、ローカルの控えを消してから新しいアドレスでログインする流れになる。文脈がまったく別なら、新しいプロファイルを作るほうが手早い。

プロファイルを削除するとどうなりますか?

そのプロファイルのブックマーク、履歴、パスワードなどはパソコンから削除され、元に戻す操作は用意されていない。同期していたデータはGoogleアカウント側に残るので、作り直して同じアカウントでログインすれば降りてくる。同期の対象外だったものはローカルにしかなかったため戻らない。

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