複数のGmailを切り替えるの費用|無料でできる範囲

複数のGmailを切り替える費用を調べている人は、たいてい何かの請求書か、上限に当たった画面を見た直後にここへ来ています。答えの短いほうから書くと、アカウントをいくつ持っても、それらを切り替える操作そのものに料金はかかりません。調べる価値があるのは、そのゼロの周りに並んでいる3つの請求元のほうです。どれも切り替えの機能に対する課金ではなく、アカウントの数が増えたことで初めて表に出てくる費用です。

切り替えるという操作に値段は付いていない

Googleのアカウントは無料で作れて、同時にログインできる数にも料金は設定されていません。右上のプロフィール画像から別のアカウントに移る操作は、有料プランの機能ではなく、標準の動作として提供されています。ここで支払いが発生することはありません。

にもかかわらず費用の検索が絶えないのは、切り替えの周りで詰まったときに出てくる画面が、どれも支払いの案内につながっているためです。保存容量が上限に達したという通知。独自ドメインのアドレスを使いたいという要望。3つの受信箱を1画面にまとめる道具の試用期間が切れたという表示。この3つは請求元が別々で、金額の桁も、増え方も違います。順に見ていきます。

最初に請求が来るのは保存容量で、しかもアカウントごとに来る

無料のGoogleアカウントには保存容量が付いてきます。

すべての Google アカウントには 15 GB の保存容量が提供されていますが、この容量は他の Google One プランで提供される総保存容量に含まれます。 出典: one.google.com

この15GBは、Gmail、ドライブ、フォトの合計で消費されます。そして重要なのは、この容量がアカウントをまたいで共有されないことです。3つのアカウントを持っていれば合計は45GBになりますが、1つ目が満杯になったときに2つ目の空きを借りることはできません。実際に詰まるのは、たいてい添付ファイルの多い1つのアカウントだけです。

容量を増やす場合、日本での表示価格は100GBのプランが月額290円、2TBのプランが月額1,450円、5TBのプランが月額2,900円となっています。年単位の支払いにすると最大16%の割引が案内されており、容量は最大5人と共有できます。ただし共有できるのは家族として登録した相手であって、自分の2つ目のアカウントに分け与える仕組みではありません。3つのアカウントがそれぞれ上限に達したら、契約も3本になります。切り替えの費用というより、アカウントの数だけ掛け算になる費用と考えたほうが実態に合います。

独自ドメインを使うなら、そこから先は人数かける月額

2つ目のアドレスを「自分の屋号のアドレス」にしたい場合、無料のGoogleアカウントでは足りません。独自ドメインのアドレスをGmailの画面で送受信する正規の経路はGoogle Workspaceで、こちらは利用者1人あたりの月額で課金されます。

日本の料金ページに表示されている年間プランの価格は、Business Starter が1ユーザーあたり月額800円、Business Standard が月額1,600円、Business Plus が月額2,500円です。1年契約にすると16%お得になると案内されており、新規契約には数か月分の割引が別途付くことがあります。Starter、Standard、Plus の3つは最大300ユーザーまでの購入となっており、保存容量はStarterが1人あたり30GB、Standardが2TB、Plusが5TBのプールとして提供されます。

ここで見落とされやすいのが、課金の単位が人ではなくアカウントである点です。1人で働いていても、屋号のアドレスと屋号の2つ目のアドレスを別々のログインとして持てば、その分の利用者として数えられます。エイリアスとして1つのアカウントに束ねれば費用は増えませんが、その代わり受信箱は分かれません。分けたいのが受信箱なのか名義だけなのかを先に決めると、この行の金額は大きく変わります。

窓を分ける道具は、無料の上限がGmail2つで切れる

3つ目の請求元が、Webアプリを1つずつ窓に割り当てる種類の道具です。この分野は無料で始められる形が定着していて、各社が公表している上限は次のようになっています。

製品 無料で使える範囲 有料の価格 試用と返金
Wavebox 2グループ、各グループにアプリ2個、拡張機能1つ、ダッシュボード1つ Pro 年払いで月8.33ドル、Teams 1人あたり月12.50ドル 7日間のPro試用、30日間の返金保証
Rambox アプリ数は無制限、1アプリにつき2インスタンスまで Pro 月7ドル、年70ドル、Teams 1人月14ドルで5人から 30日間のPro試用、クレジットカード不要
Shift 5スペース、1スペースにつきアプリ10個 Advanced 年199.99ドル、月19.99ドル 年払いで40ドル分の差額
Ferdium オープンソースで制限なし 無料 該当なし

Waveboxは自社のよくある質問で、無料のBasicでは2つのグループとスペースを使い続けられ、たとえば仕事用と家庭用の2つのGmailにログインしたままにできる、と説明しています。この1行が、この分野の無料枠の性格をよく表しています。Gmailが2つなら無料で足り、3つ目から支払いの話になる。Ramboxは逆の切り方で、アプリの数には上限を置かず、1つのアプリにつき同時に持てるアカウントを2つまでとしています。どちらも「2つ目までは無料、3つ目から有料」という同じ結論に別の道筋で着地しています。

金額そのものは年70ドルから年199.99ドルまで幅がありますが、判断を分けるのは金額よりも無料枠の切り方のほうです。教育機関や非営利団体向けの割引を用意している製品もあり、Waveboxは該当する場合に70%の割引を案内しています。

試用のかたちも各社で違います。Waveboxは新規のアカウントに7日間のPro試用が付き、加えて30日間の返金保証が案内されています。Ramboxは30日間のPro試用で、開始にクレジットカードの登録を求めない形です。Shiftは無料プランをそのまま使い続けられる作りなので、試用期間という区切り自体がありません。7日30日の差は小さく見えますが、判断に必要なのは「忙しい週を1回はさんだあとでも同じ使い方を続けられたか」なので、短いほうは繁忙期を避けて始めないと判断材料が足りなくなります。

無料のまま続けられるのはどういう条件か

3つの請求元を並べると、無料で完結する条件がはっきりします。Gmailのアカウントが2つまでで、どのアカウントも15GBの上限に当たっておらず、アドレスは全部gmail.comのままで構わない。この3つが揃っていれば、支払いの必要は出てきません。

容量については、契約する前に試せることが1つあります。Gmailの保存容量を食っているのはほとんどが添付ファイルで、本文ではありません。Gmailの検索にはサイズで絞り込む条件が用意されているので、大きいものから順に並べて数年分を片付けるだけで、上限の下に戻ることがよくあります。そのうえで増え方を見れば、100GBで足りるのか、それとも次の段が必要なのかも判断できます。緊急の支払いを、来年まで先送りできる決定に変えられる作業です。

条件が崩れるのは、たいてい3つ目のアカウントが増えたときです。取引先ごとに名義が要る、家族の分を預かることになった、副業のアドレスを分けた。増えた1つが、保存容量と道具の無料枠の両方を同時に超えさせます。費用の見積もりを作るときは、いまの数ではなく、来年の数で計算しておくと後から組み直さずに済みます。

支払う前に試せる無料の手段が1つ残っている

3つ目の請求元を検討する前に、費用のかからない手段が1つ残っています。ブラウザのプロファイルです。ChromeにもSafariにも標準で備わっていて、作れる数に制限はなく、いくつ作っても料金は発生しません。

プロファイルを分けると、Cookie、履歴、保存したパスワード、拡張機能が丸ごと別になります。アカウントを1つの保存領域に重ねていたときに起きていた問題のうち、セッション番号の繰り上がりと、Cookieが互いに干渉して勝手にログアウトされる症状は、この時点で止まります。共有リンクが毎回同じアカウントで開いてしまう問題も、窓が属するプロファイルで処理されるようになるため、かなり減ります。

有料の道具との差は、ここから先にあります。プロファイルは窓の単位で管理されるので、アカウントが増えるほど窓の数も増え、どの窓が何のアカウントだったかを覚えておくのは人の側の仕事になります。通知も、Chromeという1つのアプリから届く点は変わりません。つまり、支払う価値があるかどうかは「プロファイルを試しても残った症状が何本あるか」で決まります。何も残らなければ、この記事の3つ目の請求元は検討する必要がありません。先に無料で試して、残った分だけを金額と比べるのが、いちばん損の少ない順番です。

2027年1月の変更で、無料で済ませていた形の一部が消える

費用を抑える方法として広く使われてきたのが、他社のメールアドレスをGmailに取り込んで1つの受信箱で扱う形です。この経路には期限が付きました。

Googleの案内によれば、2027年1月から、他社のメールアドレスを差出人にして送る機能の提供が終わります。GmailifyとPOPでの取り込みも同時に対象になり、それ以前に新規の設定が制限される予定と書かれています。ウェブ版のGmailで他社アカウントを追加したり同期したりする経路は、すでに使えなくなっています。

影響を受けないものも明示されています。Gmail同士のエイリアスとGoogle Workspaceの差出人設定、Outlook や Thunderbird、Apple メールなどの他社製クライアントからIMAPやPOPで読む経路、そしてスマートフォンのGmailアプリからの利用です。つまり、独自ドメインをWorkspaceで持っているなら影響はなく、レンタルサーバーのメールアドレスを無料のGmailに吸わせて使っていたなら、その形には代わりを用意する必要があります。無料で済ませていた分が、月額に置き換わる可能性のある行です。

金額を比べる前に、どの請求元の話かを決める

3つの請求元は、解く問題が違います。保存容量はデータの量の問題、Workspaceは名義の問題、窓を分ける道具は注意の向け方の問題です。容量が足りないときに窓を分ける道具を買っても容量は増えませんし、通知が混ざる問題にGoogle Oneを契約しても何も変わりません。詰まっている場所を先に決めれば、比べる表は1つに絞れます。

3つ目の請求元を検討する段階なら、各社の無料枠の切り方を並べて見るのが早道です。アプリ数に上限を置かず同時ログインの数で線を引く形との違いはRamboxとの比較に対応表があり、オープンソースで無料の製品と有料製品の差はFerdiumとの比較にまとまっています。自分が毎日開いているサービスが専用の窓で動くかどうかは使えるアプリで先に確認でき、ここに載っていないサービスが多ければ金額の比較に進む意味は薄くなります。プランごとの上限は料金で確認できますが、月額の差より、2つ目のGmailが無料枠に入るかどうかのほうが実際の負担を決めます。

よくある質問

Gmailのアカウントを複数持つこと自体に料金はかかりますか?

かかりません。Googleのアカウントは無料で作成でき、同時にログインして切り替える操作にも料金は設定されていません。費用が出てくるのは、保存容量の上限に達したとき、独自ドメインのアドレスが必要になったとき、受信箱をまとめる有料の道具を使うときの3つの場面です。

保存容量は複数のアカウントで共有できますか?

できません。無料のGoogleアカウントにはそれぞれ15GBが付き、Gmail、ドライブ、フォトの合計で消費されます。1つが満杯になっても別のアカウントの空きは使えないため、容量が足りないアカウントごとに追加のプランを契約することになります。日本では100GBのプランが月額290円と表示されています。

Google Workspaceは1人で契約しても意味がありますか?

独自ドメインのアドレスをGmailの画面で使いたい場合は、これが正規の経路になります。日本の年間プランの表示価格は Business Starter が1ユーザー月額800円です。課金は利用者ごとなので、名義を分けたいだけならエイリアスとして1つのアカウントに束ねると費用は増えませんが、受信箱は分かれません。

受信箱をまとめる有料の道具は、無料版のままで足りますか?

Gmailが2つまでなら足りることが多い形です。Waveboxの無料プランは2つのグループに各2アプリまでで、自社の説明でも仕事用と家庭用の2つのGmailにログインしたままにできるとされています。Ramboxの無料プランは1つのアプリにつき2アカウントまでです。3つ目が増えた時点で有料の検討に入ります。

記事一覧へ戻る