gmail 複数アカウントの受信トレイを分ける|まとめる型と分ける型
仕事のメールと個人のメールが同じ画面に混ざり、返信の途中で別の案件が目に入って手が止まる。gmail 複数アカウントの受信トレイを分けたいという相談は、この状態から出てくる。ただし「分ける」には2つの意味があり、選ぶ型によって手順も代償もまったく違う。この記事では、1つの受信箱にまとめてから見た目で仕切る型と、最初から別々に保つ型を並べて、どちらが自分の使い方に合うのかを決められるようにする。
「受信トレイを分ける」は2つの型に割れる
1つ目は、まとめる型になる。複数のアドレス宛のメールを1つのGmailへ集め、ラベルとフィルタと複数受信トレイで見た目だけを仕切る。開く場所は1つで済み、見落としが減る。代わりに、送信元の取り違えが起きやすくなる。
2つ目は、分ける型になる。アカウントごとに別の入れ物を用意し、受信箱そのものを別々に保つ。仕事の時間に私用の受信箱を開かないという運用ができる。代わりに、開く場所が増え、どちらに届いたかを覚えておく必要が出る。
どちらが向くかは、扱っているアドレスの性質で決まる。契約や請求のように名義が意味を持つアドレスが混ざっているなら分ける型、単に届く場所が増えただけなら、まとめる型で足りることが多い。両方を中途半端に入れると、集めたのに仕切りが弱い、という一番読みにくい状態になる。
1つに集める型の作り方と、その代償
Gmailは、他のアカウントのメールを取り込む機能を持っている。設定の「アカウントとインポート」から、他のメールアカウントを追加すると、そのアドレス宛のメールが同じ受信箱に届くようになる。追加できる数には上限があり、Gmail本体を含めて5個までとされている。
もう1つの入口が、送り側のアカウントに転送を設定する方法になる。転送のほうが取り込みより反映が速く、片方をほとんど開かない場合は素直な選択になる。
集めたあとにやることは3つある。
- フィルタを作る。宛先(To または Deliveredto)でラベルを付け、受信トレイをスキップさせるかどうかを決める
- ラベルに色を付ける。仕事と私用で色が違うと、一覧の中でも視線が迷わない
- 複数受信トレイを有効にする。受信箱の横や下に、ラベルごとの区画を並べられる
代償は送信元になる。まとめた受信箱から返信すると、初期値の送信元アドレスで出ていく。Gmailには「返信時に受信したアドレスから送信する」という設定があり、これを有効にしておくと事故がかなり減る。それでも新規作成のときは初期値のままなので、送信の直前に差出人を見る習慣が要る。
取り込みと転送は、どちらを選ぶか
集める方法は取り込みと転送の2つがあり、性質が違う。どちらを選ぶかで、後から効いてくる不便が変わる。
取り込みは、集める側のGmailが定期的に相手のアカウントを見に行く形になる。設定は集める側だけで完結し、相手のアカウントには受信の記録が残る。反映まで少し間が空く場合があり、届いた直後に読みたい用途には向かない。
転送は、送り側のアカウントが届いたメールをそのまま流す形になる。設定は送り側で行い、確認のコードを受け取る手順が要る。届くのが速く、片方をほとんど開かない使い方には素直な選択になる。ただし転送だけを設定すると、返信は集めた側のアドレスから出るため、送信元の登録を別途行う必要が残る。
選び分けの目安は次の3つになる。
- 速さが要る受信箱は転送にする。反映の間が空くのを避けられる
- 送り側のアカウントを将来消す予定があるなら、取り込みではなく転送にしておく
- 相手のアカウントの設定を触れない場合は、取り込みしか選べない
どちらの場合も、集めたあとで送信元として登録しておかないと、返信が別の名義で出ていく。集める設定と送る設定は別物なので、両方を済ませて初めて「まとめた」と言える状態になる。
見た目で仕切るときに効く3つの設定
まとめる型を選んだ場合、読みやすさは設定の作り込みで決まる。効きやすいのは次の3つになる。
- 複数受信トレイの区画を、宛先のラベルで作る。仕事宛と個人宛を上下に並べると、混ざった状態でも視線の行き先が分かれる
- 重要度の自動振り分けを切る。振り分けの基準が2つの用途で違うため、混ざった受信箱では精度が落ちやすい
- スレッド表示の扱いを決める。同じ件名のやり取りが両方のアドレスにある場合、まとまり方が読みにくくなることがある
- スターと未読の使い方を、用途ごとに変えない。仕事では「返信が要る」、私用では「後で読む」のように意味を変えると、混ざった一覧で判断が止まる
- 自動振り分けを作りすぎない。フィルタが20個を超えると、どれがどのメールに効いているかを追えなくなり、届かない原因を探すときの手間が増える
もう1つ、見落としやすいのが検索になる。まとめた受信箱では、検索結果に両方のアドレスの結果が並ぶ。to: の演算子で宛先を指定する癖を付けておくと、目的のメールに早く届く。仕事の資料を探しているときに私用の履歴が並ぶのは、情報としても居心地が悪い。よく使う絞り込みは検索の条件として保存しておくと、毎回書かずに済む。
分ける型を選んだ場合の置き場所
分ける型では、受信箱ごとに入れ物を用意する。Macでの選択肢は3つある。
| 置き方 | 分かれるもの | 共有されたまま残るもの | 実際のコスト |
|---|---|---|---|
| ブラウザのプロファイル | Cookie・履歴・拡張機能・パスワード | アプリの身元・通知の差出人 | アドレスを変えるたびに窓を移る |
| メールアプリのアカウント | アプリ内の受信箱の並び | 送信元の初期値・通知の差出人 | カレンダーやドライブは分かれない |
| サービスごとに窓を分ける道具 | セッション・窓・通知の出所 | ブラウザ本体の設定 | 道具をもう1つ覚える |
ブラウザのプロファイルは、Cookieの保管場所ごと分かれるので、2つのGmailを同時に開いたままにできる。
Your bookmarks, history, passwords, and other settings are kept separate for each profile. 出典: support.google.com
メールアプリに入れる方法は、メールだけを扱うなら簡潔になる。ただし送信元の初期値がアプリ側の設定で決まるため、返信のたびに差出人を確認する必要は残る。ラベルはフォルダとして並ぶので、Gmailの側で複数のラベルを付けたメールは複数の場所に現れる点も覚えておくとよい。
3つのうちどれを選んでも、分けた直後にやることは同じになる。どちらの受信箱を既定の入り口にするかを決め、通知を受ける側を1つに絞り、見分けが付くように名前と色を変える。この3つを初日に済ませておくと、1週間後に元へ戻る確率がかなり下がる。逆に、分けただけで運用を決めないと、両方を同じように開くことになり、開く回数だけが増える。
スマートフォンとの使い分けを先に決める
受信箱の分け方をMacの中だけで考えると、スマートフォンの側で崩れる。同じアカウントを両方の端末で開いている以上、既読と通知は連動するためだ。
決めておくとよいのは次の3つになる。
- 通知を受ける端末を、受信箱ごとに1つに決める。仕事はMac、私用はスマートフォン、という分け方にすると重複が消える
- スマートフォン側のアプリで、アカウントごとの通知を切り分ける。Gmailのアプリはアカウントごとに通知の可否を選べるため、Macで通知を受けているほうを切る
- 移動中に返信するかどうかを決める。返す前提なら、その受信箱はスマートフォンにも入れる。読むだけなら、通知だけ切って残す
分ける型を選んだ場合でも、スマートフォンには両方が入っていることが多い。Macで完全に分けたのに、手元の端末では混ざっているという状態は珍しくない。2台の端末で同じ方針にそろえておくと、どちらを見ても判断が同じになる。
通知が、分けた効果を打ち消す場所
受信箱を分けても、通知が混ざっていれば集中は戻らない。macOSの通知はアプリ単位で管理されるため、ブラウザのタブで開いた2つのGmailは、どちらも同じブラウザの名前で通知が届く。プロファイルを分けても差出人の表示は変わらない。
現実的な打ち手は3つになる。
- 通知を受ける受信箱を1つに絞る。残りは開く時間を決めて、自分から見に行く
- 私用の受信箱はスマートフォン側だけで通知を受け、Macでは切る
- 通知の出所そのものを、サービス単位の窓に分ける
3つ目まで来ると、分けている単位が受信箱ではなく窓になる。ここが、Gmailの設定だけでは解けない部分になる。
どちらの型を選ぶかを決める3つの問い
迷ったときは、次の3つに答えると型が決まる。
- そのアドレスから送ることがあるか。送るなら分ける型が向く。取り違えの被害が大きいためだ
- 1日に何回開くか。3回以上開くなら専用の入れ物を用意する価値がある。週に1回ならまとめる型で足りる
- 切り離す予定があるか。契約の終了や退職で使わなくなるアドレスは、分けておいたほうが後の作業が簡単になる
この3つで仕分けると、専用の入れ物が要るアドレスは思ったより少ないことが多い。全部を分けようとして、開く場所が4つに増えたまま元に戻せなくなる、というのがよくある失敗になる。
判断に迷うのが、頻度は低いが重要度が高いアドレスになる。契約や請求のように、月に数回しか届かないが取り違えると影響が残るものが該当する。この場合は、受信箱を分けるのではなく、見落とさない仕掛けだけを足すほうが軽い。専用のラベルを作って色を付ける、そのラベルに入ったときだけ通知を出すフィルタを作る、といった形になる。開く場所を増やさずに、注意だけを向けられる。
逆に、頻度が高くて重要度が低いアドレスは、通知を切って開く時間を決めるのが向く。ここを分けても作業は減らず、開く場所だけが増える。分けるかどうかは、届く量ではなく、間違えたときの影響で決めたほうが結果に合う。
受信箱の数ではなく、窓の数で数える
まとめる型を選ぶと開く場所は減るが、送信元の取り違えという別のリスクが残る。分ける型を選ぶと取り違えは減るが、通知の出所が揃わない。この2つの穴は、分ける単位を受信箱ではなく窓にすると同時にふさがる。アプリごとに独立したワークスペースを持つ形にすると、セッションと通知が同じ単位で分かれ、どの受信箱を見ているかが窓の見た目で分かる。
窓の単位で何が分かれるのかは、機能の一覧を見ると輪郭がつかめる。サービスごとの置き場所の扱いをまとめているのができることで、仕事と私用のように用途ごと切り替える単位を扱っているのがワークスペースになる。Gmail以外に日常的に開くサービスが対象に入っているかどうかは使えるアプリで確かめられる。
同種の道具は複数あり、料金と対応の幅が違う。既存の製品との差を並べたものとしてはWaveboxとの比較とRamboxとの比較が具体的で、費用の判断が先に立つ場合は料金が近い。運用上の細かい疑問はよくある質問に寄せられている。
最後に順番の話をしておく。先にフィルタとラベルを作り込んでから入れ物を変えると、作った設定の半分が無駄になる。開く場所を決め、通知を受ける場所を決め、それから見た目の仕切りを作る。この順で進めると、やり直しがほとんど起きない。
よくある質問
複数のGmailを1つの受信箱にまとめるとどんな不便がありますか?
いちばん多いのは送信元の取り違えになる。まとめた受信箱から返信すると初期値のアドレスで送られるため、「返信時に受信したアドレスから送信する」の設定を有効にしておく。新規作成のときは初期値のままなので、送信の直前に差出人を確認する習慣が要る。
他のアカウントのメールはいくつまでGmailに取り込めますか?
Gmail本体を含めて5個までとされている。上限に当たる場合や、反映を速くしたい場合は、送り側のアカウントで転送を設定する方法もある。転送にすると取り込みより早く届くため、片方をほとんど開かない使い方には向いている。
受信トレイを分けたのに集中できないのはなぜですか?
通知が分かれていないため。macOSの通知はアプリ単位で管理されるので、ブラウザのタブで開いた2つのGmailはどちらも同じ差出人として並ぶ。通知を受ける受信箱を1つに絞るか、通知の出所そのものをサービス単位の窓に分けることになる。
まとめる型と分ける型のどちらを選べばよいですか?
そのアドレスから送ることがあるか、1日に3回以上開くか、将来切り離す予定があるかの3つで決まる。1つでも当てはまるなら分ける型が向く。どれも当てはまらないアドレスは、ラベルとフィルタでまとめたほうが開く場所が増えずに済む。