Shiftブラウザがうまくいかないとき|確かめる順番
Shiftブラウザで何かがうまくいかないとき、検索して出てきた手順が自分の画面と一致しない、という詰まり方をすることがある。設定の場所が違う、書かれているボタンが無い、料金の記述が食い違う。この食い違いの多くは不具合ではなく、手元にある版と記事が想定している版が違うことから来ている。ここでは、症状別ではなく確かめる順番で整理する。上から順に潰すと、原因の切り分けが一度で済む。
最初に見るのは症状ではなく、手元の版
Shiftは従来の v9 から、作り直された Shift browser への移行の途中にある。2つの版が同時に存在しているため、設定の場所も画面の作りも違う。ここを確かめないまま手順を探すと、時間だけが減る。
確認は数秒で終わる。Shiftを起動し、画面上端のメニューバーからShiftを開いて About Shift を選ぶ。表示されたバージョンが9で始まっていれば、手元にあるのは従来の版だ。
新旧では、次のような違いがある。新しい版では Space ごとにメールアカウントを紐づける必要が無くなり、アプリをレイアウトの好きな位置に置けるようになった。バーやアプリや操作系をドラッグで動かす仕組みが入り、テンプレートから始めることもできる。色テーマは明暗それぞれに8種類が用意されている。
つまり「Space にメールを設定する欄が見つからない」という詰まりは、不具合ではなく仕様の変更である可能性が高い。逆に「アプリを好きな位置に動かせない」という場合、手元にあるのは従来の版ということになる。
画面が勝手に変わった、設定が開けない
ある朝から見た目が変わっていた、という場合は移行が届いた可能性が高い。公式のヘルプは、この展開について次のように説明している。
The all-new Shift browser will automatically roll out to every existing user over the next few months. When it arrives, we'll transfer your Spaces, apps, and bookmarks for you. 出典: tryshift.com
引き継がれるのは Spaces・アプリ・ブックマークで、順次届く形になっている。自分から先に新しい版を入れた場合は引き継ぎが行われず、白紙の状態から作り直しになる。この違いを知らないと、「設定が全部消えた」と受け取ってしまう。早めに移った場合でも、これまで使っていた主たるメールアドレスでサインインしておけば、有料の機能は契約に紐づいたまま残る。
設定そのものが開けない場合は、原因がはっきりしている。新しい版では画面を自分で組み立てられるため、Quick Settings のアイコンを配置から外してしまうことがある。アイコンが無いと設定に入る入口が消えるため、行き詰まったように見える。この状態はキーボードから抜けられる。Macでは Command を押しながらカンマ、Windowsでは Ctrl を押しながらカンマで Quick Settings が開く。開いたら Customize Layout からアイコンを配置に戻せばよい。
Quick Settings のアイコンは、テンプレートや自作のレイアウトを使っている場合、既定の右上とは違う場所にあることがある。「右上に無い」だけで壊れていると判断しないほうがよい。
勝手に起動する、更新が来ない
Macの電源を入れるたびに立ち上がる、あるいはスリープから復帰するたびに前面に出てくる場合は、起動に関する設定で止められる。Quick Settings を開き、下部の Advanced Settings に入って、左側の On Startup を選ぶ。ここに「Open on wake」と「Open on login」の項目があるので、不要なほうを切る。macOSのログイン項目を触る前に、まずこちらを見たほうが早い。
更新が届かない場合も同じ場所から確認できる。通常は新しい版が出ると案内が表示されるが、手動で確認するなら Advanced Settings の中の About Shift を開き、バージョン番号の横に Relaunch のボタンが出ているかを見る。出ていれば押すと更新が当たる。
ここで1つ注意点がある。従来の v9 に対しては、今後大きな製品更新を行わない旨が公式に案内されている。つまり「更新が来ない」こと自体が異常とは限らない。手元が v9 で、期待している新機能が新しい版のものであれば、更新を待っても届かない。移行の順番が回ってくるのを待つか、自分で新しい版を入れるかのどちらかになる。
重い、落ちる、表示が崩れる
動作が重いときに最初に見るのは、拡張機能でもキャッシュでもなく、動作条件のほうだ。
- macOSは 11 Big Sur以降が必要になる。これはChromiumを土台にしていることから来る条件で、これより古いMacでは正常に動かない
- メモリは 8GB 以上が推奨とされている。この値は通常の使い方を想定したもので、常設のアプリを20個以上置いている場合は前提が変わる
- 対応しているのはWindows 10と11、およびMac。モバイル版は提供されていない
手元のmacOSのバージョンは、Appleメニューの「このMacについて」で確認できる。条件を満たしているのに重い場合は、次に置いてあるアプリの数を見る。1つの持ち場に常設しているアプリが多いほど、同時に動いている画面が増える。毎日開かないものを常設から外すだけで軽くなることが多い。
表示が崩れる場合は、レイアウトを自分で組み替えた直後かどうかを思い出す。自作の配置は自由度が高いぶん、狭い窓幅で要素が重なることがある。判断が付かないときは、テンプレートを1つ当てて症状が消えるかどうかを見ると切り分けられる。
ダウンロードが止まる、検索先が変わっている
ファイルの取得が途中で止まる、あるいは警告が出る場合、これは意図した動きであることがある。Shiftは、ダウンロードしたファイルが保存される前に、外部のファイル評価サービスに問い合わせて危険なものを隔離する仕組みを持っている。ファイルそのものは送信も保存もされず、端末側のウイルス対策ソフトの検査はその後で別に走る。つまり二重に検査が走る構造で、社内配布のファイルなどが引っかかることがある。
Webページを開こうとして警告が出る場合は、URLの照合が働いている。訪問先のURLの一部が既知の危険なサイトの一覧と突き合わされ、該当すると読み込みの前に警告が出る。閲覧の履歴そのものは記録しないと説明されている。
検索の結果が想定と違う場合は、既定の検索エンジンを確認する。Quick Settings から Advanced Settings に入り、左側の Search Engine を開くと、現在の設定の横に Change のボタンがある。選べるのはGoogle・Bing・Yahoo!・StartPageで、選んだあとに Set as Default を押して確定する。
拡張機能が動かない場合は、まずその拡張がChromeの拡張機能として配布されているものかを確認する。公式には、Chromeの拡張機能のほとんどが動くと案内されている。動かないものがある場合は、拡張の側がブラウザを判定している可能性がある。
別の端末で設定が揃わない、通知が届かない
会社のMacと自宅のMacで中身が違う、という場合は同期が入っていない可能性が高い。新しい版は、アカウントを作らなくても使い始められる作りになっている。そのぶん、サインインしないまま使い続けていると、設定はその端末の中だけに残る。
揃える手順は決まっている。Shiftを起動して Quick Settings を開き、Advanced Settings に入る。その中の Sync Shift という区画で Turn on Sync を選ぶと、レイアウト・Spaces・アプリ・ブックマーク・履歴がサインインした端末の間で共有される。1つのサブスクリプションで使えるアカウントは1つだが、同じアカウントで複数の端末にサインインしておく形は想定されている。
通知が届かない場合は、確認する層が2つある。1つはアプリの内側で、該当のWebアプリ側が通知を許可されているかどうか。もう1つはmacOSの側で、システム設定の通知にアプリが並んでいて、許可が入っているかどうかになる。集中モードが入っている時間帯は、許可されていても表示が抑えられる。届かないと感じたときは、まずmacOS側の集中モードを外して再現するかを見ると、切り分けが1回で済む。
通知は届くがどのアカウント宛か分からない、という症状は設定では解けない。届く情報がサービス名までしか含まないためで、これは不具合ではなく通知の仕組みの側の制約になる。確認のための切り替えが多いと感じる場合は、持ち場の分け方そのものを見直す話になる。
支払いが通らない、請求が止まらない
決済まわりは、症状と原因が離れやすい場所になる。
支払いに使われているのはStripeで、受け付けているのはVisa・Mastercard・American Expressだ。デビットカード、ギフトカード、PayPalは受け付けていない。手元のカードがこのいずれかに当てはまらない場合、カードの不具合ではなく仕様として通らない。
カードの種別が合っているのに通らない場合、次に疑うのは銀行側になる。継続的な課金を既定で止めている金融機関があるため、その場合はカード会社や銀行に定期課金の許可を確認する。それでも通らないなら、別のカードで試すのが公式に案内されている手順になる。
解約したはずなのに請求が続く、という相談で多いのは、アンインストールと解約を取り違えているものだ。アプリを削除しても契約は終わらない。解約はアカウント画面にサインインし、左側の Subscription から手続きする。解約後も次の更新日までは有料の機能を使えて、更新日を迎えると無料のプランへ切り替わる。
更新日が分からない場合も同じアカウント画面で確認できる。年ごとの自動更新になっているため、返金の期限である購入日または更新日から 14 日という条件は、この日付を基準に数える。
直らないときの出口を先に知っておく
手順を尽くしても直らない場合、次の3つは窓口が別になる。混ぜて依頼すると回り道になる。
- 不具合の報告。サポートへの連絡が窓口で、担当が必要な情報をまとめて開発側へ渡す形になる
- 解約。アカウント画面から自分で行える。新しい版を使っている場合はサポートに代行を依頼することもできる
- データの完全な削除。サポートへの依頼が必要で、処理には時間がかかると案内されている。完了すると連絡が来る
アプリを消す場合、Macでは Finder からアプリケーションフォルダを開き、Shiftをゴミ箱に入れて、ゴミ箱を空にする。繰り返しになるが、これは契約の解約とは別の操作になる。
順番を守る意味は、切り分けの回数を減らすことにある。版を確かめずに設定を触ると、直ったのか手順が違っただけなのかが分からない。アプリごとに独立したワークスペースという形で使っている場合、1つの持ち場の不調が全体の不調に見えることもある。まず版、次に設定の入口、それから動作条件という順で見ると、原因の範囲が毎回狭まる。
道具の側の考え方を確かめたい場合、窓の中に何を持ち込み何を外に残すのかという線引きはできることに、案件単位でまとめる考え方はワークスペースにまとめてある。対応しているサービスの範囲は使えるアプリで確認でき、動かないサービスがある場合はここが最初の確認先になる。開発の作業と行き来が多い人向けの構成はターミナルにある。
同じ系統の道具との違いを知りたい場合はShiftとの比較、無料のオープンソースとの線引きはFerdiumとの比較、価格帯の違いはWaveboxとの比較が参考になる。費用の条件は料金に、導入の前後で迷いやすい点はよくある質問にまとまっている。
よくある質問
設定画面が開けなくなりました。どうすればよいですか?
画面を組み立てるときに Quick Settings のアイコンを外してしまった可能性があります。Macでは Command を押しながらカンマ、Windowsでは Ctrl を押しながらカンマで Quick Settings が開きます。開いたら Customize Layout からアイコンを配置に戻してください。テンプレートを使っている場合、アイコンが既定の右上とは別の位置にあることもあります。
画面の作りが急に変わりました。不具合ですか?
不具合ではなく、新しい版への移行が届いた可能性が高いです。従来の v9 から作り直された版への展開が数か月かけて順次行われており、その際に Spaces・アプリ・ブックマークが引き継がれます。自分で先に新しい版を入れた場合は引き継ぎが行われず白紙から始まるため、設定が消えたように見えます。
起動のたびに勝手に立ち上がります。止められますか?
止められます。Quick Settings を開き、下部の Advanced Settings に入って、左側の On Startup を選んでください。「Open on wake」と「Open on login」の2つがあるので、不要なほうを切ります。スリープからの復帰時に前面へ出てくる場合は前者、ログイン時に立ち上がる場合は後者が該当します。
支払いが通りません。何を確認すればよいですか?
決済はStripe経由で、使えるのはVisa・Mastercard・American Expressです。デビットカード、ギフトカード、PayPalは受け付けていません。カードの種別が合っている場合は、銀行が継続的な課金を止めていないかを確認してください。それでも通らない場合は別のカードで試す手順が案内されています。