Shiftブラウザの料金|無料枠の上限と有料版の差

Shiftブラウザの料金を調べている人が本当に知りたいのは、月にいくらかという金額そのものではない。いま自分が開いているアカウントとサービスの数が、無料のままで収まるのかどうかだ。この判断は感覚では出ない。公開されている上限の数字に、自分の使い方を当てはめて数えれば出る。ここでは公式に表示されている条件を数字のまま並べ、そのうえで、同じサイトの中に2組の異なる数字が並んでいる理由まで確かめる。

公式の料金ページに表示されている条件

料金ページに出ている区分は2つで、無料の Free と有料の Advanced になる。

無料の Free は「$0 forever」と表示されていて、期限付きの試用ではない。含まれるのは 5 つの Space、1つの Space につきアプリが 10 個まで、画面を組み立てる機能とテンプレート、利用量に制限の付いた組み込みAI、カーボンニュートラルな閲覧となっている。

有料の Advanced は年払いで 199.99 ドル、月払いで 19.99 ドル。料金ページの切り替えには「Save $40」と添えられている。無料の内容に加えて、Space数の上限なし、1 Spaceあたりのアプリ数の上限なし、AIの利用量の拡大、ビデオ通話を含む優先サポートが付く。

注目したいのは、同じページに置かれた機能の対照表のほうだ。テンプレートの選択、Spaceの作成、アプリの追加、カラーテーマ、カーボンニュートラルな閲覧、端末間の同期、ダウンロードの事前走査は、無料にも有料にも印が付いている。差が付いているのはSpaceとアプリの上限、AIの利用量、そしてサポートの窓口(無料はメールとチャットボット、有料はそこにビデオ通話が加わる)の3か所だけになる。

つまり有料に移っても、使える機能の種類が増えるわけではない。増えるのは置ける数と問い合わせの手段だ。料金を考えるときは「機能が足りない」ではなく「数が足りない」を出発点にしたほうが、判断が早く終わる。

同じサイトの中に、数字が2組ある

料金を調べていて混乱しやすいのがここになる。ヘルプ側のよくある質問にある「How much does Shift cost?」の回答には、無料で作れるのは 2 つの Space、1 Spaceにつきアプリは 5 個まで、Advanced は年 149.00 ドルと書かれている。料金ページの数字とは別物だ。

どちらかが誤記というより、書かれている対象の版が違う。この製品は従来の v9 から新しい Shift browser へ移行している途中で、ヘルプの一部の記事は前の版の条件のまま残っている。自分に当てはまるのがどちらかは、手元の版を見ないと決まらない。

版の確認は本体からできる。アプリを起動して画面上部のメニューから About Shift を開き、バージョンの表示が9で始まっていれば v9 になる。

移行の扱いについては、公式のよくある質問に手順が書かれている。新しい版は既存の利用者に数か月かけて順次届き、そのときに Spaces・アプリ・ブックマークが引き継がれる。待たずに自分で新しい版を入れることもできるが、その場合は引き継ぎのない白紙の状態から作り直しになる。有料の契約を持っている場合、先に移るなら現在の主たるメールアドレスでサインインすると、Advanced の権利がそのまま紐づく。

料金の話に戻すと、これは「いくら払うか」の前に「どちらの条件で数えるか」を決める必要があるという意味になる。無料枠が 2 Spaceなのか5 Spaceなのかで、足りるかどうかの結論は簡単にひっくり返る。

無料のままで足りるかどうかは、掛け算で決まる

上限は単独の数字ではなく、Spaceの数とその中に置けるアプリ数の掛け算で効く。料金ページの条件なら最大で 50 枠、ヘルプ側の条件なら 10 枠になる。この差は大きい。

数え方は2段階になる。まず、切り替えたい身分をそのまま Space として数える。会社の自分、個人の自分、副業や学校の自分。次に、それぞれの身分の中で毎日開くサービスを数える。ここで数えるのは常設の置き場所が要るものだけで、月に数回しか開かないサービスは普通のタブで足りる。

たとえば仕事側でGmail・Slack・Notion・カレンダー・請求管理の5つ、個人側でGmail・カレンダー・音楽の3つ、副業側で4つを使っているなら、必要なのは3 Spaceで、どの Space も10枠には収まる。この使い方は料金ページの条件なら無料の範囲にとどまる。

逆に上限へ当たりやすいのは次のような使い方になる。

  • 取引先や案件ごとに Space を作り、終わった案件の Space を消さずに残している
  • 同じサービスを6アカウント以上、同時に開いた状態で保ちたい
  • 1つの Space の中に、調べもの用のサービスまで全部置いている

新しい版では Space にメールアカウントを紐づける必要がなくなり、アプリを画面の好きな位置に置けるようになった。この変更で Space の作り方が変わるため、v9 のときに作った構成をそのまま数えても、必要な数は出てこない。数え直しは移行のタイミングで一度やっておくほうがよい。

有料に移ると外れる制限と、払っても外れない制限

支払いの判断で効くのは、外れない側の条件になる。金額に納得しても、ここが合わないと支払った後で詰まる。

外れるのは4つだ。Space数の上限、1 Spaceあたりのアプリ数の上限、AIの利用量の制限、サポートの窓口(ビデオ通話が加わる)。

外れないのは次の点になる。

  • 1つの契約で使えるアカウントは1つ。複数の端末で使う場合は同じアカウントでサインインし、Quick Settings の Advanced Settings から同期を有効にする形になる
  • 動作する環境の条件は有料でも変わらない。対象はWindows 10と11とMacで、Mac側の下限はmacOS 11 Big Sur、推奨メモリは 8GB 以上と案内されている
  • スマートフォン向けの提供はない。公式のよくある質問には、現在はWindows 10と11、Macのみと書かれている
  • 拡張機能はChromeの拡張ライブラリのほぼ全部に対応するが、これは無料でも同じで、有料にしたから増えるものではない

チームで使う場合は Shift for Teams という別の契約がある。請求の一本化、ライセンス管理の画面、規模に応じた価格が付くと説明されていて、金額は公開されていない。人数分の見積もりが要る場合は問い合わせが前提になる。

支払う前に確認しておく返金・割引・解約の条件

金額そのものより、条件のほうが後で効く。公式に明記されているものを押さえておく。

返金は期限が決まっている。

You are eligible for a full refund if you make the refund request within 14 days of your original purchase or your renewal payment. 出典: shift.com

購入日だけでなく更新日からも 14 日以内が対象になる点が実務では効く。年払いの更新に気づかないまま2週間が過ぎると、その年の分は戻らない。手続きはアカウント画面の Subscriptions から Request Refund を押すか、サポートへの連絡になる。期限内に受理されるとアカウントは無料のプランに戻り、契約は解除される。返金は元の決済カードへ 5 〜10営業日で戻ると案内されている。

割引は常設のものが3種類ある。学生、教職員、非営利団体に対して、それぞれ Advanced の 30% 引きが用意されている。加えて2026年9月時点では、学生と教職員に Advanced を無料で提供する新学期向けの案内がサイト上部に出ている。期間限定の案内は条件が変わるため、該当する人は申し込み前に条件を読んでおく。

課金を始める前の段階では、ダウンロードにクレジットカードは不要で、最新版はアカウントを作らなくても使える。支払い情報を入れるのは有料に上げるときになる。逆に、契約を止めたいときはアンインストールでは止まらない。解約の操作を別に行う必要がある。

年払いと月払いの差額を、使う期間で割って考える

月払いを12か月続けると 239.88 ドルになり、年払いの199.99ドルとの差は 39.89 ドルになる。料金ページの「Save $40」はこの差を指している。割合にすると 17% 弱で、ほかの道具と同じくらいの割引率になる。

差額が小さくないため年払いに寄せたくなるが、判断の順番は逆にしたほうがよい。無料枠に当たった直後は、上限を外したい理由がはっきりしている。その状態で1年分を払うと、3か月後に使い方が変わっても戻せない。月払いで2か月ほど使い、Space の数が増え続けるのか落ち着くのかを見てから年払いへ移しても、失う金額は40ドルに満たない。

この判断で見落とされやすいのが、料金表に載らない費用のほうだ。自動の移行を待たずに新しい版を先に入れると、Space もアプリも配置もすべて手で作り直すことになる。3つ程度の構成なら1晩で済むが、何年もかけて増やした十数個の構成では、それだけでまとまった時間が消える。この時間は請求書には出ないが、年払いの差額 39.89 ドルより高くつくことがある。

表示は米ドルで、日本から支払う場合は請求時の為替と決済手数料で円換算額が変わる。更新の日付はアカウント画面から確認でき、公式のよくある質問にも更新日を調べる項目が用意されている。年払いにするなら、更新日の2週間前に通知が来るようカレンダーへ入れておくと、返金の期限内に判断できる。

費用の比較は、金額表ではなく数え上げから始まる

同じ系統の道具を横に並べると、無料枠の線の引き方が製品ごとに違うことが分かる。Spaceの数とアプリ数の掛け算で線を引くもの、アプリ数は無制限にして同じアプリを何アカウントで開けるかで線を引くもの、グループ数と拡張機能の数の両方で線を引くもの、そもそも上限を設けないオープンソースのもの。金額だけを横に並べても、自分がどの線に当たるのかは分からない。

この記事の考え方に沿うなら、先に出すべき数字は3つになる。切り替えたい身分の数、そのうち常設の置き場所が要るサービスの数、そして同じサービスを同時に開きたいアカウントの数。この3つが出れば、どの製品の無料枠に収まるかは表を見るだけで決まる。アプリごとに独立したワークスペースという考え方を採る道具はどれも、この3つの数字で必要な契約が決まる作りになっている。

具体的な比較材料としては、価格帯と無料枠の考え方の違いを見るならWaveboxとの比較、同じ発想でアカウント数を軸に線を引く道具との違いはRamboxとの比較、費用をかけない選択肢としてFerdiumとの比較が対応する。この記事で扱った製品との1対1の違いはShiftとの比較にまとめてあり、別系統の設計としてSidekickとの比較も並べてある。

金額そのものを先に知りたい場合は料金に区分と条件が出ている。案件や身分の単位でまとめる考え方はワークスペース、窓の中に何を持ち込み何を持ち込まないかの線引きはできること、開発の作業を同じ窓に置く形はターミナルで説明している。対応するサービスの範囲が条件になる人は使えるアプリを先に見ておくと比較の順番を間違えにくく、契約前の細かい疑問はよくある質問に集まっている。

数え終えて無料枠に収まるなら、いま払う必要はない。収まらないなら、収まらない理由が身分の数なのかサービスの数なのかで、選ぶ製品も払う金額も変わる。料金の検討は、その1問に答えるところまでが本体になる。

よくある質問

Shiftブラウザは無料のまま使い続けられますか?

料金ページの無料プランは「$0 forever」と表示されていて、期限付きの試用ではありません。作れるのは5つの Space で、1つの Space につきアプリは10個までです。ダウンロードにクレジットカードは不要で、最新版はアカウントを作らなくても使えます。ただしヘルプ側には2 Spaceと5アプリという前の版の記述も残っているため、手元のバージョンを確認してから判断してください。

有料版はいくらで、月払いと年払いのどちらが得ですか?

Advanced は年払いで199.99ドル、月払いで19.99ドルです。月払いを12か月続けると239.88ドルになるため、年払いの差額は39.89ドルになります。ただし無料枠に当たった直後は必要な Space 数が確定していないことが多く、2か月ほど月払いで様子を見てから年払いへ移しても失う額は40ドルに届きません。

途中で解約したら返金されますか?

購入日または更新日から14日以内に申請すれば全額返金の対象になります。手続きはアカウント画面の Subscriptions から Request Refund を押すか、サポートへ連絡します。受理されるとアカウントは無料のプランに戻り、返金は元の決済カードへ5〜10営業日で戻ります。アンインストールしただけでは解約になりません。

1つの契約を家族や同僚と分け合えますか?

Advanced は1つの契約につき1アカウントです。同じ人が複数の端末で使う場合は、同じアカウントでサインインして同期を有効にすれば設定や Space が揃います。複数人で使う場合は Shift for Teams という別の契約になり、請求の一本化と管理画面が付きますが、金額は公開されておらず問い合わせが前提です。

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