Shiftブラウザとは|できること・料金・詰まりやすい設定

Shiftブラウザとは、GmailやSlack、Notionのような毎日使うWebサービスを「アプリ」として1つの窓に並べ、仕事用と個人用のように分けて使うためのパソコン向けブラウザです。Chromiumを土台にしており、MacとWindows 10・11で動き、無料版と有料のAdvancedがあります。この記事では、2026年10月18日に公式のよくある質問と料金ページで確かめた内容をもとに、何ができるのか、入れた覚えがないときにどうすればよいか、使っていて詰まりやすいのはどこかを順に説明します。

Shiftブラウザの正体を3行で押さえる

最初に、Shiftがどういう道具なのかを短く整理します。

  • 作っているのはShiftという会社で、公式サイトの下部には、Redbrickという企業グループに属する会社であること、B Corpの認証を受けていることが書かれている
  • 中身はChromiumを土台にしたブラウザで、Chromeと同じ仕組みでページを表示する
  • 公式の案内では、1,500を超えるWebアプリをShiftに組み込めるとされている

普通のブラウザとの違いは、ページを読むためではなく、毎日開くWebサービスを並べて使うために作られている点です。国内の紹介記事も、この性格を次のように説明しています。

ShiftはChromiumベースのブラウザで、GmailやGoogle Calendar、Google Drive、Microsoft Outlook、Office 365などの利用に特化したものになる。UI/UXがこうしたサービスの利用のために調整されており、それ以外の余計な操作はできないようになっている。 出典: news.mynavi.jp

この紹介は従来版のころのものです。現在の新しい版では、後で触れるとおり画面の組み立ての自由度が大きく上がっています。

対応するのはパソコンだけです。公式の回答では、スマートフォン版は無く、提供しているのはWindows 10・11とMacのみとされています。

Shiftブラウザでできること

公式サイトが挙げている機能を、使う場面ごとにまとめます。

アプリとSpaceが基本の単位です。アプリは1つのWebサービスで、Spaceはアプリのまとまりです。仕事用のSpaceには会社のGmailとSlack、個人用のSpaceには個人のGmailとカレンダーのように分けると、同じサービスでもSpaceごとに別のアカウントで使えます。

画面の組み立ても自由です。新しい版では、アプリやバー、操作ボタンをドラッグして好きな位置へ動かせます。最初から組むのが面倒な人向けに、出来上がった配置のテンプレートも用意されています。

安全のための機能も入っています。

  • ダウンロードの検査: ファイルを保存する前に、Aviraの仕組みで危険なファイルかどうかを照会する
  • URLの検査: 開こうとしたサイトが既知の詐欺サイトや危険なサイトの一覧にあれば、読み込む前に警告する
  • パスワード: 暗号化してパソコンの中に保存し、使い回しや弱いパスワードを見つける点検もできる
  • 広告の除去: Blockerという広告除去の機能が無料で入っており、AdvancedではYouTubeの広告も除去できる

このほか、組み込みのShift AI、閲覧の排出量を推定して相殺するCarbon Meter、Shiftのアカウントでサインインしたパソコン同士で配置やブックマークを同期する機能があります。同期は「Quick Settings」から「Advanced Settings」を開き、「Sync Shift」の項目で「Turn on Sync」を押すと有効になります。

Shift AIとアカウントの扱い

組み込みのShift AIは、サイドバーから開いて、表示中のページや動画の要約、返信の下書き、調べ物に使う機能です。公式の料金ページによれば、AIを使うためのクレジットの購入は不要で、Shiftを入れていれば無料で使えます。ただし無料版の利用量は、1日に数回の会話や、ときどき要約や下書きを頼む程度を想定した量とされています。AIを毎日の作業の中心に使う人には、利用枠が広がるAdvancedが案内されています。

アカウントについては、新しい版は作らなくても使えます。アカウントが必要になるのは、複数のパソコンで配置を同期したいときと、Advancedに切り替えるときです。作り方は3通りあり、いずれも「Quick Settings」から「Advanced Settings」を開いて、「Shift Account」の「Sign in」、「Sync Shift」の「Sync now」、「Upgrade to Advanced」の「Upgrade Shift」のどれかを押します。メールアドレスとパスワードのほか、Google、Apple、Microsoftのアカウントでも登録できます。

公式の説明では、データはできるだけ利用者のパソコンの中に保存し、サーバーに保存する必要があるものは北米で保管しているとされています。アカウントとデータを完全に削除したいときは、サポートへの問い合わせで依頼します。

従来版のv9と新しい版は、条件が違う

Shiftを調べるときに混乱しやすいのが、従来版のv9と、作り直した新しい版が並んで存在していることです。

公式の説明では、新しい版はv9のアプリとSpaceの機能を引き継ぎつつ、Spaceごとにメールアカウントを結び付ける必要がなくなり、アプリを画面のどこにでも配置できるようになりました。色のテーマも、明るい表示と暗い表示のそれぞれに8種類が加わっています。v9には今後大きな更新を行わないと明言されています。

移行の扱いは次のとおりです。

  • v9の利用者には、数か月かけて新しい版が順に届き、そのときSpace・アプリ・ブックマークが引き継がれる
  • 待たずに新しい版を自分で入れた場合は、引き継ぎのない白紙の状態から始まる
  • 新しい版はアカウントを作らなくても使える

無料版の上限も版によって違います。現在の料金のページでは、無料版はSpace 5つ、1つのSpaceにつきアプリ10個までです。一方、よくある質問のページには、Space 2つ、1つのSpaceにつきアプリ5個までという旧来の条件が残っています。手元の版は、メニューバーで「Shift」から「About Shift」を開き、数字が9で始まればv9です。

入れた覚えがないShiftブラウザが入っていたとき

「shiftブラウザ」で検索する人の中には、自分で入れた覚えがないのにパソコンに入っていた、という人もいます。この検索語の上位には、英語圏の掲示板でShiftの安全性を尋ねる投稿も出ています。

Shiftの公式の回答では、Shiftはマルウェアではないとしたうえで、入った経路を2つ挙げています。1つはRecipes・Manuals・Gamesといった同社のアプリを入れた場合で、これらはShiftの中で動くため、本体としてShiftも入ります。もう1つは、公式サイトか提携先のページから直接入れた場合です。

使う予定がなければ、Macでは次の手順で外せます。

  • Finderで「アプリケーション」フォルダを開き、Shiftをゴミ箱へ移して、ゴミ箱を空にする
  • Optionキーを押しながらメニューバーの「移動」を開き、「ライブラリ」を選ぶ
  • 「Application Support」の中の「ShiftData」フォルダを削除する

最後のフォルダを消さないと、設定のデータが残ります。ログインのたびに勝手に立ち上がるのが困るだけなら、削除ではなく設定で止められます。「Quick Settings」から「Advanced Settings」を開き、「OnStartup」の項目で「Open on wake」と「Open on login」をオフにします。

使っていて詰まりやすい5つの場所

公式のよくある質問から、利用者がつまずきやすい点を拾うと、次の5つにまとまります。

1つ目は、パソコンの性能です。公式は快適に動かすために8GB以上のメモリを推奨し、MacではmacOS 11以降を必要としています。多くのアプリを同時に開くと、メモリの少ない機械では動作が重くなります。

2つ目は、設定の入口を見失うことです。画面を自由に組み替えられる分、「Quick Settings」のボタンを配置から外してしまうと、設定を開く場所が無くなります。この場合、Macでは「Command」と「,」を同時に押すと開けます。

3つ目は、支払いの方法です。有料のAdvancedで使えるのはVisa・Mastercard・American Expressのクレジットカードだけで、デビットカード、ギフトカード、PayPalは使えません。

4つ目は、契約の数え方です。Advancedは1つの契約につき1人のアカウントで、家族や同僚と分け合う形には対応していません。同じ人が複数のパソコンでサインインして使うことはできます。

5つ目は、解約です。アンインストールしても契約は止まりません。My Accountにサインインし、左の「Subscription」タブで「Cancel」を押す必要があります。

料金と、払う前に確かめること

2026年10月18日時点の料金ページでは、Advancedは年払いで199.99ドル、月払いで19.99ドルです。年払いにすると、月払いを12か月続けるより40ドル安くなると表示されています。Advancedでは、Spaceとアプリの数が無制限になり、Shift AIの利用枠が広がり、ビデオ通話での問い合わせも受けられます。

学生・教育関係者・非営利団体には、Advancedが30%引きになる割引が案内されています。返金は、購入日か更新日から14日以内に申請すれば全額が対象です。My Accountの「Subscriptions」タブで「Request Refund」を押すと申請でき、5営業日から10営業日で元のカードに返金されるとされています。

払う前に確かめたいのは、無料版の上限に当たっている原因です。v9のまま上限に当たっているなら、新しい版に移るだけで枠が広がります。上限に当たる原因が「同じサービスのアカウントが多い」ことなら、有料にする前に、毎日ログインしている必要があるアカウントを数え直すと、思っていたより少ないことがよくあります。

Shiftを使い続けるか、別の道具にするか

Shiftが向いているのは、MacとWindowsの両方で同じ配置を使いたい人、画面の組み立てを細かく自分好みにしたい人、Chromeの拡張機能をそのまま使いたい人です。公式は、Chromeの拡張機能のほぼすべてに対応すると説明しています。

一方で、Macだけで仕事をしていて、配置を組み立てる自由より、決まった形ですぐ使えることを優先したい人には、macOS専用に作られたアプリ集約ブラウザという選択肢もあります。このサイトを運営する開発元の製品はその1つで、無料版はワークスペース1つ、アプリ3つまで、有料のProは月額980円(税込)で、インストールから14日間は全機能を試せます。登録できるサービスは使えるアプリに、機能の一覧はできることにまとめています。料金の詳細は料金で確かめられます。

Shiftと項目ごとに並べた結果はShiftとの比較、価格帯の近いWaveboxとの違いはWaveboxとの比較にあります。どちらを選ぶ場合も、まず毎日開くサービスと、同時にログインしておく必要があるアカウントの数を書き出すと、無料版で足りるのか、どのプランが必要なのかがはっきりします。

よくある質問

Shiftブラウザとは何ですか?

GmailやSlackなど毎日使うWebサービスを「アプリ」として1つの窓に並べ、Spaceという単位で仕事用と個人用のように分けて使うためのパソコン向けブラウザです。Chromiumを土台にしており、MacとWindows 10・11に対応しています。スマートフォン版はありません。

Shiftブラウザはウイルスですか?

公式の回答では、Shiftはマルウェアではないと説明されています。同社のRecipes・Manuals・Gamesといったアプリを入れたときに、それらを動かす本体として一緒に入ることがあります。使わないなら、アプリケーションフォルダから削除し、ライブラリのApplication SupportにあるShiftDataフォルダも消せば外れます。

Shiftブラウザは無料で使えますか?

使えます。2026年10月18日時点の料金ページでは、無料版はSpace 5つ、1つのSpaceにつきアプリ10個までです。従来版のv9はSpace 2つ、各5個までと条件が異なります。上限をなくすには有料のAdvancedが必要で、年払い199.99ドル、月払い19.99ドルです。

Shiftブラウザがログインのたびに勝手に起動します。止められますか?

止められます。「Quick Settings」から「Advanced Settings」を開き、「OnStartup」の項目で「Open on login」をオフにします。スリープから復帰したときの起動も止めたい場合は「Open on wake」もオフにしてください。設定のボタンが見つからないときは、Macでは「Command」と「,」を同時に押すと開けます。

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