Stackブラウザがうまくいかないとき|確かめる順番
Stackブラウザ(stackbrowser.com)は、タブの代わりに「カード」を横に並べて使う、Chromiumベースのブラウザです。2026年10月18日に公式の料金ページを確かめたところ、FAQには「現在はクローズドベータで、一般公開はしていない」と書かれていました。拡張機能と他のブラウザからのデータ移行にも、まだ対応していません。うまくいかないと感じたとき、原因の多くは設定ではなく「その機能がまだ無い」ことにあります。この記事では、確かめた事実を先に並べ、そのうえで詰まったときに見る順番と、代わりの選択肢を整理します。
このサイトは、Webアプリをまとめるブラウザの開発元が運営しています。他社製品については、各社の公式ページに書かれている事実だけを載せています。
「stack ブラウザ」で出てくる3つの別物
最初に、検索結果に混ざっている別物を切り分けます。名前が似ているため、読んでいる情報が別の製品のものだった、という取り違えが起きやすいからです。
- Stack(stackbrowser.com): MacとWindows向けのデスクトップ用ブラウザ。運営はStackers(米国デラウェア州)で、この記事が扱うのはこちらです
- Stacks - Browser: iPhoneとiPad向けのアプリで、App Storeで配布されています。開発者はElliot Williamsで、2026年10月18日時点の版は1.1.1、価格は無料、対応OSはiOS 15.0以降です(App Storeのページ)
- Stack Game: ブロックを積み上げるブラウザゲームで、ブラウザアプリとは関係がありません
iPhoneで「Stack」と探して見つけたアプリは、ほとんどの場合2番目のStacksです。こちらはページを浮かぶ窓のように重ねて並べる作りで、デスクトップ版のStackとは開発元も機能も違います。不具合の対処法を調べるときは、まず手元にあるのがどれなのかを確かめてください。名前の最後に「s」が付いているかどうかが、いちばん簡単な見分け方です。
2026年10月時点のStackの現状
Stackの料金ページとFAQで確かめた内容を、表にまとめます。
| 項目 | 公式ページの記載 |
|---|---|
| 公開の状態 | クローズドベータ。一般公開はしていない |
| 早く使う方法 | 招待コード、買い切りライセンスの保有、旧版(Stack Legacy)からの更新 |
| 対応OS | MacとWindows。Linuxは未対応 |
| 無料版(Starter) | プロファイル無制限、Flow 5つ、カラーテーマ 3つ |
| PRO(サブスク) | 年144ドル、または月払い15ドル |
| 拡張機能 | 現在は未対応(開発中と記載) |
| 他のブラウザからの移行 | まだできない(履歴・ブックマーク・セッション・パスワードを順次対応予定と記載) |
| 土台 | Chromium。Electronを改造して使っている |
配布されている版も確かめました。ダウンロードページが配っているファイル名は「Stack Next SE 4.9.13-beta.1」で、Apple シリコン版とIntel版のどちらも、配布サーバーが返すファイルの更新日は2024年10月10日でした。2年前の日付のまま、新しい版が出ていないことになります。
ここから分かるのは、「最新版に更新すれば直る」という対処が効きにくいことです。 手元の版が古いのではなく、配られている版がこれしかない可能性が高いからです。トップページには「お気に入りのChrome拡張機能が使える」という趣旨の見出しがありますが、FAQのほうは未対応と書いています。サイトの中で記述が食い違っているため、判断に迷ったらFAQの記載を基準にするのが安全です。
開発の経緯もFAQに書かれています。2019年から2021年まで提供されていた旧版はStack Legacyと呼ばれ、いまのStackはそれを作り直したものです。開発チームは12人で、アムステルダムに拠点を置き、オランダ、米国、ポーランド、ジョージアの4か国にメンバーがいると説明されています。Legacyを使っていた人が新しい版に移る経路が用意されているのは、この作り直しの流れによるものです。
詰まったときに確かめる順番
症状ごとに対処を探す前に、時間のかからない確認から順に見ていきます。前の段階で原因が見つかれば、後ろの段階を触る必要はありません。
1. 使える資格があるか
起動はするのに先へ進めない場合、最初に疑うのは資格です。FAQによると、招待コードを持っている人は起動直後の画面でコードを入れて有効化します。買い切りライセンスの保有者は、購入時のメールアドレスか、購入に使ったウォレットの接続で入ります。旧版のStack Legacyを使っている人は、Legacyの中から新しい版をダウンロードできます。どれにも当てはまらなければ、アプリの設定をいくら変えても先へは進めません。サポートへの連絡はIntercomのチャットで受け付けていると書かれています。
2. Macが起動を止めていないか
ダウンロードしたアプリを初めて開くとき、macOSは開いてよいかを確認します。
ダウンロードしたソフトウェアをはじめて開く前に、macOSはユーザの承認を求め、意図しないソフトウェアを実行するように仕向けられていないか確認します。 出典: support.apple.com
警告が出て開けないときは、「システム設定」の「プライバシーとセキュリティ」を開いて下へスクロールし、「このまま開く」を押すと、そのアプリを例外として開けます。ただしAppleは、入手元が信頼でき、改ざんされていないと確かな場合に限って使うよう案内しています。
3. 探している機能がそもそもあるか
拡張機能の追加画面が見つからない、以前のブラウザのブックマークやパスワードが出てこない。この2つは故障ではなく、FAQで未対応と書かれている機能です。設定画面を探し回るより、拡張機能に任せていた仕事を別の場所に移すほうが早く片付きます。パスワードはmacOSのパスワード機能か独立した管理アプリへ、ブックマークは元のブラウザからHTML形式で書き出して保管しておきます。
4. 重さは開いている枚数で決まる
FAQによると、カード1枚はChromeのタブ1つと同じだけのメモリとCPUを使います。使い終わったカードを一時的に休ませる仕組みもあると書かれています。動きが重いときは、開いているカードを半分閉じて様子を見てください。軽くなれば原因は枚数です。変わらなければ、ほかに動いているアプリや、外部ディスプレイの描画を疑う段階に入ります。
5. 通知が出ないときはMacの許可から見る
通知が届かない症状は、確かめる場所が3か所あります。Macのアプリごとの許可、ブラウザの中の設定、そしてGmailやSlackなどサービス側の通知設定です。この順に見ていきます。
Macでは、アップルメニューの「システム設定」から「通知」を開くと、アプリごとに「通知を許可」のオンとオフ、通知スタイル、バッジの表示を切り替えられます(Appleの「通知」設定の説明)。ブラウザを入れ替えたときは、以前のアプリに出していた許可は新しいアプリに引き継がれません。集中モードがオンの時間帯は、許可があっても表示されないことがあります。ここを確かめずにブラウザの中の設定を触ると、直っていないのに直したつもりになりがちです。
無料版のメリットとデメリット
Stackの無料版(Starter)は「Free forever」と書かれ、期限はありません。プロファイルを無制限に作れるのは、この種のブラウザの無料版としては手厚い部類です。仕事用と個人用を分けたいだけなら、無料のままでも足ります。
一方、作業のまとまりを入れる「Flow」は5つまでです。取引先やプロジェクトごとにFlowを分けていくと、6件目で上限に当たります。PROの年額144ドルは、月払い15ドルの12か月分(180ドル)より36ドル安い設定です。ただしクローズドベータの間は、お金を払えば誰でも入れるわけではありません。料金ページの買い切りライセンス(199ドル)は「sold out」と表示されています。
口コミとしてトップページに並んでいるのは、操作が速い、仕事と私用を分けやすいといった声です。ただしこれは公式サイトが選んで載せたものです。判断の材料にするなら、自分が毎日使うサービスで次の点を確かめるほうが確実です。
- 使いたい拡張機能が無くても、仕事が回るか
- ブックマークやパスワードを手で移す手間を、受け入れられるか
- 2024年10月から更新されていない版を、毎日の仕事に使ってよいか
3つ目は特に大事です。FAQには、最新のChromiumを使ってセキュリティの問題に対応していると書かれています。それでも、配られているファイルが2年前のものであることは、利用者が自分で確かめられる事実です。
代わりを探すときのおすすめの考え方
Stackで詰まる理由が「拡張機能が使えない」「データを移せない」「入手できない」のどれかなら、同じ種類の道具で、それが解決しているものに移るのが近道です。候補は大きく3つに分かれます。
- ブラウザのプロファイルを分ける方法: ChromeやEdgeのプロファイルは無料で、拡張機能もそのまま使えます。そのかわり、アカウントごとに窓が1つずつ増えます
- Webアプリをまとめる専用のブラウザ: Gmail、Slack、Notionなどをアプリのように左の列に並べて、通知を1か所に集めます
- ブラウザ本体の機能を見直す方法: タブのグループ化や固定タブで足りるなら、新しい道具は要りません
専用のブラウザを選ぶ場合、比べるべきは無料版で何を数えているかです。アプリの数、ワークスペースの数、同じサービスで同時に使えるアカウントの数。製品によって上限のかかる場所が違うため、自分が困っているのがどれなのかを先に決めておくと、選ぶのが速くなります。主な製品の違いはShiftとの比較やWaveboxとの比較に、公開されている条件の一覧があります。
複数のアカウントを分けて使う場合の選択肢
Stackを試した人の多くが求めているのは、仕事と私用、取引先Aと取引先Bを混ぜずに使うことです。この目的だけに絞ると、Webアプリごとにログイン情報を分けて持つ作りのブラウザが向いています。
その1つが、アプリごとに独立したワークスペースを持つmacOS向けのアプリ集約ブラウザです。アプリごとに専用のCookieの入れ物を持つため、Gmailを3つ同時にログインしたままにしておけます。ワークスペースを作る、切り替える、色を変えるといった手順はワークスペースのページにまとまっています。無料版はワークスペース1つ、アプリ3つまでで、インストール後の14日間はすべての機能を試せます。料金は月額980円、年額8,800円、買い切り19,800円の3通りで、詳しくは料金のページにあります。
どの道具を選ぶ場合も、乗り換えの前にやっておくことは同じです。元のブラウザのブックマークを書き出す。よく使うサービスを5つほど書き出す。同じサービスで同時にログインしたいアカウントの数を数える。この3つが手元にあれば、どの製品の無料版で足りるかは、各社の料金ページを見るだけで判断できます。
よくある質問
Stackブラウザは無料で使えますか?
無料版のStarterがあり、期限はありません。2026年10月18日時点の料金ページでは、プロファイル無制限、Flow 5つ、カラーテーマ3つまでが無料です。ただし現在はクローズドベータのため、招待コードや旧版からの更新など、決められた経路でしか使い始められません。
Stackブラウザで拡張機能が見つからないのはなぜですか?
公式FAQに、Chrome拡張機能には現在対応していないと書かれているためです。設定の奥に隠れているわけではありません。トップページには拡張機能が使えるという見出しがありますが、実際に入れられるかどうかはFAQの記載に合わせて考えるのが安全です。
Stackブラウザにブックマークやパスワードを移せますか?
2026年10月時点では、他のブラウザからデータを移す機能はありません。FAQには、履歴、ブックマーク、セッション、パスワードを順次取り込めるようにする予定と書かれています。移す前に、元のブラウザからブックマークをHTML形式で書き出して保管しておくと安心です。
iPhoneのStacksとMacのStackは同じアプリですか?
別のアプリです。iPhoneとiPad向けのStacks - BrowserはElliot Williamsが開発し、App Storeで無料配布されています。MacとWindows向けのStackはStackersが運営するデスクトップ用ブラウザで、入手方法も機能も違います。