WhatsAppをMacで使うがうまくいかないとき|確かめる順番
WhatsAppをMacで開いたら、昨日まで普通に使えていたはずの画面がQRコードに戻っている。あるいは開いてはいるが通知が出ない、通話が繋がらない、読み込みが終わらない。この種の不具合は、原因の候補が電話・Mac・ブラウザ・ネットワークの4か所に散っているため、思いついた順に試すと半日が溶ける。この記事は、確かめる順番を固定して上から潰していく手順としてまとめる。多くの場合、最初の2つで終わる。
最初に決めるのは、電話側かMac側かの1点だけ
原因の切り分けは、道具の設定を開く前に済ませる。見るのは電話だ。
電話でWhatsAppを開いて、メッセージの送受信が普通にできるかを確かめる。ここで動いていないなら、Mac側をいくら触っても直らない。電話のネットワーク、アプリの更新、電話自体の再起動が先になる。
電話が正常なら、次に電話のリンク済み端末の一覧を開く。Macの分が残っているかどうかで、状況が2つに分かれる。
- 一覧にMacが残っていない場合。Mac側のセッションが切れている。原因は後述する2つのどちらかであることがほとんど
- 一覧にMacが残っているのに画面がおかしい場合。接続は生きていて、表示・通知・権限のいずれかの問題になる
この1分の確認を飛ばすと、ブラウザのキャッシュを消し、アプリを入れ直し、結局は電話側だったという流れになる。順番は固定しておくと強い。
勝手にログアウトしているときの原因は2つに絞れる
リンクが外れる原因は、Mac側の不調よりも、仕様どおりの動作であることが多い。
1つ目は、電話を使っていない期間だ。電話が一定期間使われないと、リンク済み端末は一斉にログアウトされる。目安は14日。番号だけを入れた予備の電話を引き出しにしまっている運用では、Mac側が定期的に切れる。この場合はMacの設定を触っても再発する。電話を定期的に起動する運用に変えるのが根治になる。
2つ目は、端末の枠だ。同時にリンクできるのは4台まで。Macのアプリ、同じMacのブラウザ、タブレット、使っていない古いノートで枠は埋まる。新しい追加が拒否されたり、追加した直後に別の端末が落ちたりしたら、まず一覧を開いて心当たりのない端末をログアウトさせる。
3つ目として、Mac側の掃除が原因になることもある。ブラウザで使っている場合、閲覧データの削除がセッションごと消す。
閲覧データを削除すると、Chrome からウェブサイトに関するデータもすべて削除されます。次回そのウェブサイトにアクセスしたときは、もう一度ログインする必要があります。 出典: support.google.com
終了時にCookieを破棄する設定や、定期的にサイトのデータを消す拡張機能を入れている場合も同じことが起きる。毎週決まった曜日に切れるなら、掃除の予定と一致していないかを疑う。
アプリが入らない、起動しないときはOSの版を見る
インストールで止まる場合、原因はたいてい環境の側にある。
App Storeの掲載ページに書かれている必要なOSは、macOS 12.1以降。手元のMacがそれより古ければ、そもそも入らない。ダウンロードが途中で止まる、インストール後に起動しないといった症状は、この条件に引っかかっていることがある。
Appleメニューから「このMacについて」を開いて、OSの版を確認する。条件を満たしていないなら、アプリを入れる道を諦めて、ブラウザでWeb版を開く形に切り替える方が早い。Web版はOSの版に対する条件がゆるく、現行のブラウザが動く範囲で使える。
版が足りている場合は、App Storeの購入済み一覧から入れ直す、Macを再起動する、という順で試す。それでも起動しない場合はブラウザ側で開けるかを確かめて、開けるならアプリ固有の問題として切り分けられる。
画面は出るのに読み込みが終わらないとき
白い画面のまま止まる、読み込みの輪が回り続ける、という症状はブラウザ側の条件で起きる。確かめる順番は4つ。
- ブラウザの版。古い版のまま使い続けているとWebアプリ側が動かないことがある。まずブラウザを最新の版に更新する
- 拡張機能。広告を遮断する系や、トラッキングを止める系の拡張が通信を止めていることがある。拡張を一時的に全部切って読み込み直し、直ったら1つずつ戻して原因を特定する
- Cookieの設定。サードパーティのCookieを全面的に遮断していると、ログインの状態が保てないことがある
- ネットワーク。会社や学校のネットワークでは、プロキシやフィルタが特定の通信を止めている場合がある。テザリングなど別の回線で試すと、回線側かどうかが1分で分かる
この4つで直らない場合は、別のブラウザで開いて再現するかを見る。片方でだけ起きるならブラウザの設定、両方で起きるなら回線かアカウントの側になる。
通知が出ない原因は、置き場所によって違う
通知が届かないという症状は、原因が3層に分かれる。上から順に確かめる。
1層目は、許可を出した場所。macOSの機能でページを独立した窓として保存して使っている場合、通知の許可をSafariの中で出したのか、その窓の中で出したのかで結果が変わる。Appleの説明にはこう書かれている。
この機能は、Webサイトからの通知リクエストにSafari内ではなくWebアプリ内で応答することで利用できます。 出典: support.apple.com
窓の中で許可を出して初めて、その窓がmacOSの「通知」設定に並び、Dockのアイコンに未読の件数が赤いバッジで出るようになる。バッジだけが出ないという症状は、ほぼこれが原因になっている。
2層目は、macOSの通知設定。システム設定の「通知」の一覧に並ぶ名前は、置き場所を変えると変わる。アプリをやめてブラウザに移した人は、ブラウザ側の許可が切れたままになっていることがある。一覧で該当する名前を選び、通知が許可になっているかを見る。
3層目は、集中モード。許可するアプリを指定している場合、置き場所を変えた時点で許可の設定を作り直す必要がある。古い名前のまま許可リストに残っていると、新しい置き場所からの通知は黙って止まる。
通話が繋がらないときはカメラとマイクの許可を疑う
相手の声は聞こえるのにこちらの声が届かない、映像が真っ暗のまま、という症状は、ほとんどが許可の問題になる。
macOSではカメラとマイクへのアクセスがアプリ単位で記録される。置き場所を変えた直後は、新しい側で許可が出ていない状態から始まる。システム設定のプライバシーとセキュリティから、カメラへのアクセスの一覧を開き、いま使っている置き場所の名前が入っているかを確認する。一覧に名前が出ていない場合は、一度通話を試すと許可を求める表示が出る。
許可を与えたあとは、そのアプリやブラウザを一度終了して開き直す。許可の反映が再起動後になる場合があるためだ。別の会議アプリがカメラを掴んだままになっていることもあるので、他の通話アプリを終了してから試すと切り分けが早い。
Macだけ古いやり取りや画像が出てこないとき
電話では見えている古いメッセージや写真が、Macでは出てこない。この症状は、故障ではなく役割の違いから起きる。
アカウントの本体は電話の側にあり、Macはそこにつないだ画面として動いている。リンクしたあとに同期されるのは主に最近のやり取りで、それより前の分や、送られてから時間の経った画像や動画は、Macの側に持ってこられていないことがある。電話で該当の画像を一度開き直すと、Mac側にも出てくることがある。
この症状で確かめる点は3つある。
- 電話側で同じ会話を開いて、そこには残っているかを見る。残っていればデータは失われていない
- Macの側でしばらく待つ。リンクした直後は同期が続いているため、全部が揃うまでに時間がかかる
- 電話のストレージが逼迫していないかを見る。電話側で古い画像が整理されていると、どの端末からも出てこない
どうしても必要な資料が出てこないときは、電話側から転送するのが最短になる。Macのアプリを入れ直しても、電話側に無いものは出てこない。
入れ直す前に、順番を1つ戻す
不具合が続くと、アプリを削除して入れ直したくなる。ただしこの操作は、直る範囲が限られている割に、手数と危険が大きい。
入れ直しで直るのは、アプリ自体の破損や更新の失敗だけだ。電話の未使用による切断、端末の枠の上限、通知の許可の出し場所、カメラとマイクの許可は、入れ直しても同じ状態のまま残る。つまり、上の順番を飛ばして入れ直しから始めると、同じ症状に30分後にもう一度出会うことになる。
入れ直す場合は、電話が手元にある時間帯に行う。再登録にはQRコードの読み取りが必要で、電話が別の部屋にあると途中で止まる。削除する前に電話のリンク済み端末の一覧から古い登録をログアウトさせておくと、枠が埋まったまま追加が拒否される事態を避けられる。
2つの番号が混ざる、別のアカウントが出るとき
仕事用の番号を開いたつもりが個人用が出る、という症状は、不具合ではなく保管場所の共有で起きる。
ログインの状態はCookieとサイトのデータで保たれている。同じブラウザの同じプロファイルで2枚のタブを開いても、サイト側から見れば同じ訪問者のままなので、後から入った方に上書きされる。直すには保管場所を分ける。macOSの機能で独立した窓として保存する、ブラウザのプロファイルを分ける、区画ごとに保管場所が分かれるブラウザを使う、のいずれかになる。区画の分け方はワークスペースのページに、どこまでが分離されるのかとあわせて整理されている。
分けたあとは、端末の枠を2つ使う点も併せて確認する。4台の上限に対してMacだけで2枠を消費するので、タブレットや古いノートが残っていると、すぐに上限に当たる。
直らないときは、原因を探すのをやめて置き場所を変える
ここまでの順番で潰しても再発する場合、道具の設定ではなく構成の側に無理があることが多い。
再発の型は3つある。掃除のたびに切れる型、通知の許可を作り直すたびに別の場所が黙る型、番号を2つ扱おうとして毎回どちらかが落ちる型だ。どれも、1つのブラウザに全部を同居させていることが背景にある。同居させたまま設定で回避しようとすると、条件が増えるたびに壊れる場所も増える。
構成を変える場合、見る点は3つで足りる。区画ごとに保管場所が分かれるか、同じサービスを複数アカウントで並べられるか、通知の出どころが区画ごとに分かれるか。アプリごとに独立したワークスペースという作りが効くのはこの3点で、どのサービスがその形で動くかは使えるアプリの一覧で先に確認できる。同じ種類の道具を横に並べた違いはRamboxとの比較にあり、細かい挙動の疑問はよくある質問にまとまっている。
最後に1つ。切り分けの記録を残しておくと、次に同じ症状が出たときの時間が変わる。電話側は正常だったか、リンク済み端末に残っていたか、どの層で直ったか。この3行をメモに残すだけで、2回目は5分で終わる。
よくある質問
毎週同じ曜日にログアウトするのはなぜですか?
Mac側の掃除と一致している可能性が高いです。ブラウザの閲覧データを削除すると、そのサイトのログイン状態も消えます。終了時にCookieを破棄する設定や、サイトのデータを定期的に消す拡張機能も同じ結果になります。掃除の対象からこのサイトを外すか、掃除の影響を受けない独立した窓に移すと止まります。
リンクの追加が拒否されるときは何を見ればよいですか?
電話のリンク済み端末の一覧を開いて、いくつ埋まっているかを数えます。同時にリンクできるのは4台までで、使っていない古いノートやタブレットが枠を占有していることがよくあります。不要な端末をログアウトさせてから追加し直すと通ります。
通知は出るのにDockのバッジだけ出ないのはなぜですか?
macOSの機能でページを独立した窓として保存している場合、通知の許可をどこで出したかで挙動が変わります。Safariの中ではなくその窓の中で許可を出したときに限り、未読の件数がDockのアイコンに赤いバッジとして表示されます。許可を出し直すと解決します。
通話でこちらの音声や映像が相手に届きません。どこを見ますか?
システム設定のプライバシーとセキュリティで、カメラとマイクの一覧にいま使っている置き場所の名前が入っているかを確認します。許可はアプリ単位で記録されるため、置き場所を変えた直後は許可が無い状態から始まります。許可を与えたあとは一度終了して開き直し、他の通話アプリが動いていないことも確かめます。