WhatsAppをMacで使う手順|先に決める3つと、並べ方
WhatsAppをMacで使う手順そのものは短い。アプリを入れてQRコードを読むだけで終わる。それでも後からやり直しになる人が多いのは、読み込む前に決めておくべきことを飛ばしているからだ。順番を間違えると、通知が二重になったり、開けたはずの端末の枠が埋まっていたり、仕事の番号が一生Macに出てこなかったりする。ここでは、入れる前に決める3つと、入れた後に触る設定を、手戻りが出ない順番で並べる。
入れる前に決めること1、どの電話機を主にするか
最初の分岐がこれである。WhatsAppのアカウントは電話番号に紐づき、その登録先の電話機が主端末になる。Macは主端末にはなれないので、Macに映るのは「どの電話機の、どの番号か」が最初に確定する。
電話機を2台持っている読者は、ここで立ち止まる価値がある。私用の番号を主端末にすると、Macに出てくるのは私用の会話だけになる。仕事の番号を主端末にすれば逆になる。両方を1つのMacアプリで見る方法は公式には用意されていないため、この選択がそのまま「Macで何を処理するか」の決定になる。
電話機を替える予定がある場合も、ここで考えておきたい。主端末を別の機種に移すと、リンクした端末はすべて外れる。近いうちに機種変更があるなら、Macのセットアップは移行の後に回したほうが二度手間にならない。
入れる前に決めること2、アプリかブラウザか
次にMac側の形を決める。選択肢はアプリ版とブラウザ版の2つで、どちらも無料だが性質が違う。
アプリ版はmacOS 12.1以降が必要になる。公式ダウンロードページとサポート対象OSの案内は12.1と書いており、デスクトップ版の入手方法を説明する別ページでは11以降と書かれている。この2つの記載は揃っていないため、macOS 11の環境では、入れられるかどうかを試す前提で動くことになる。使用中のバージョンの確認手順はAppleのサポートに案内がある。
ブラウザ版はWindows、Linux、macOSで動く。公式が示す最低バージョンは、Chromeが85、Edgeが85、Firefoxが115、Safariが15.2、Operaが85である。OSを上げられない機材でも、ブラウザが新しければこちらは使える。
重要なのは、両方を同時に使わないと決めておくことだ。アプリを入れてからブラウザ版のタブを閉じ忘れると、同じメッセージの通知が2回、別の見た目で届く。しかも端末の枠を2つ消費する。どちらか一方に決めてから先へ進む。
入れる前に決めること3、枠をいくつ使うか
WhatsAppは1台の主端末に対して、同時に最大4台までしかリンクできない。この枠は、パソコン、タブレット、時計、2台目の電話機で共有される。
You can now use the same WhatsApp account on multiple devices at the same time, using your primary phone to link up to four devices. 出典: faq.whatsapp.com
先に電話機でリンク済み端末の一覧を開き、いま何台埋まっているかを数える。過去に一度だけつないだ会社のパソコンや、もう使っていないタブレットが残っていることは珍しくない。ここで不要なものをログアウトさせてから、Macをつなぐ。
満杯の状態で新しくつなぐと、どれかが押し出される。それが毎日使っている端末だった場合、原因が分からないまま「急に使えなくなった」という状態になる。数えてから始めるだけで、この混乱は避けられる。
実際の手順、上から順に
決めることが決まったら、作業は次の順に進める。
- 電話機でリンク済み端末の一覧を開き、不要な端末をログアウトさせる
- Macのバージョンを確認する。12.1未満ならブラウザ版に切り替える
- 公式ダウンロードページまたはApple App StoreからMacアプリを入手する。どちらも無料
- Macアプリを起動し、表示されたQRコードを電話機のカメラで読む。電話番号を入力して電話機に届くコードで承認する方法もある
- 履歴の転送が終わるまで待つ。会話の件数によっては数分かかる。ここで届くのは直近分だけで、過去のすべてが入るわけではない
- マイクとカメラのアクセス許可を出す。通話に必要な許可で、後から出すこともできるが、着信時に慌てることになる
- macOSの通知設定で、WhatsAppの通知の出し方を決める
- 窓の位置と大きさを決めて、そこに固定する
順番に意味があるのは最初の2つだ。枠の整理とバージョンの確認は、アプリを入れる前に済ませないと、入れた後に全部やり直すことになる。
通知の設定は、アプリ側とmacOS側の2段構え
セットアップで一番差が出るのが通知である。設定する場所が2か所あり、片方だけを触って「消えない」と悩む人が多い。
アプリ側では、通知を出すかどうか、本文を表示するかどうか、送信者名を出すかどうかを決められる。会話ごとのミュートもここに含まれる。
macOS側では、通知の表示形式、ロック画面に出すかどうか、通知センターに残すかどうか、そして集中モードで通すかどうかを決める。ここが重要で、Macアプリを入れている場合は、集中モードの許可リストにWhatsAppを1つのアプリとして登録できる。ブラウザ版を使っている場合は登録先がブラウザになるため、GmailやSlackの通知と分けられない。
集中モードで連絡の種類を選り分けたいなら、アプリ版を選ぶ理由がここにある。逆に、そこまでの制御が要らないならブラウザ版で足りる。この判断は、通知が1日に何回自分の作業を止めているかで決めるとよい。
ブラウザ版を選んだ場合に一度確認しておきたいのが、サイトごとの通知許可の記録である。ブラウザの通知はサイト単位で許可と拒否が保存され、一度拒否を選ぶと、以後はサイト側から許可を求める表示を出せなくなる。過去に通知の確認をまとめて閉じた経験がある読者は、その巻き添えで拒否が記録されている可能性がある。通知が一度も出ない場合は、ブラウザの設定からサイトの権限を直接見に行くことになる。
なお、通知をすべて受け取る設定にしてから調整するより、最初は通知を出す会話を絞っておき、足りなければ増やすほうが早く落ち着く。全部出す状態から減らそうとすると、どれを減らしてよいかの判断が毎回発生する。
2つの番号を扱いたい場合の、追加の判断
仕事と私用で番号を分けている読者は、ここで追加の判断が必要になる。WhatsAppには1台で2つのアカウントを持つ機能があるが、公式ヘルプはこれをモバイル端末限定と明記している。リンクされた端末では使えず、WhatsApp Businessアプリにも用意されていない。2つ目のアカウントの作成も、主端末である電話機からしか行えない。
したがってMacアプリは、リンクした1つの番号に固定される。手順としては次のどちらかを選ぶことになる。
- Macに出す番号を1つに決めて、もう片方は電話機だけで完結させる。枠の消費は1つで済み、通知も混ざらない
- ブラウザのプロファイルを2つ用意し、それぞれでブラウザ版に別々の番号でログインする。両方をMacで見られるが、枠を2つ消費し、通知の発信元はどちらもブラウザになる
どちらを選ぶかは、片方の番号の連絡頻度で決まる。1日に数回しか来ない番号のためにブラウザのプロファイルを2つ抱えるのは割に合わない。逆に、両方とも終日動いているなら、電話機を持ち替える回数のほうが負担になる。
使い始めてから効いてくる操作
セットアップの延長として、最初に覚えておくと後が楽になる操作がいくつかある。
ファイルはチャットの窓に直接放り込める。Finderから引っ張ってきて落とすだけで送信の確認に進む。Macを使う最大の理由がここだという読者は多い。
PDFはアプリの中で開いて、線を引いたり取り消し線を入れたりして、そのままチャットに戻せる。公式ヘルプは、この表示と編集がAdobe Acrobatによるものだと注記している。契約書や見積書の確認をMacで完結させたい場合に効いてくる。
通話については、最大32人まで参加でき、通話中の画面共有と、事前に共有できる通話リンクの作成が使える。始まっているグループ通話への途中参加もできる。マイクとカメラの許可を先に出しておくべき理由がここにある。
窓の置き場所を決めて、そこから動かさない
最後が窓の位置である。ここを決めずに使い始めると、必要なときに探す時間が毎回発生する。
Macアプリなら、ウィンドウの位置と大きさを決めて、Dockに常駐させる。ブラウザ版なら、他のタブに埋もれないよう固定タブにするか、独立したウィンドウとして切り出す。どちらの場合も、置き場所が毎回変わらないことが条件になる。
複数のWebサービスを日常的に行き来している読者は、この作業をサービスの数だけ繰り返すことになる。Gmailが2つ、Slackが2つ、カレンダー、そこにWhatsApp。全部をブラウザのタブに並べると、目的の窓を探す動作自体が1日に何十回も発生する。アプリごとに独立したワークスペースを持つ道具が使われるのは、この探す動作を消すためだ。どこまで分けられるのかはできることに整理されている。
サービスごとに置き場所を固定する考え方はワークスペースに、扱えるサービスの範囲は使えるアプリにまとめられている。似た役割の製品を並べて比較したい場合はRamboxとの比較のようなページが参考になる。
セットアップの後、月に1回だけ見る場所
入れ終わったら、定期的に確認する項目が2つある。
1つはリンク済み端末の一覧だ。身に覚えのない端末が並んでいないかを見る。公式ヘルプは、電話機のプッシュ通知を有効にしておくと、新しくリンクされた際に通知から確認して外せると案内している。非公式のアプリやサイトからリンクするとアカウントが停止される可能性があることも明記されているため、接続先が公式のものかどうかもここで確認できる。
もう1つは期限である。主端末の電話機が14日間使われないと、リンクした端末はログアウトされる。リンク端末側も30日間使われないと自動で切断される。長期の出張や、電話機を持ち歩かない期間がある読者は、この日数を頭に入れておくと、戻ってきたときのQRコード画面に驚かずに済む。
再リンク自体は数十秒で終わる。ただし履歴はまた直近分だけが入り直すため、前に見えていた古いやり取りが短くなることがある。Macで長く残したいやり取りは、チャットの中ではなく別の場所に置いておくのが現実的だ。
この点はセットアップの最後に一度だけ整理しておく価値がある。公式ヘルプは、すべてのメッセージとチャットがリンク端末に同期されるわけではなく、完全な履歴を見たい場合は電話機を確認するよう案内している。Macアプリのほうがブラウザ版より多く同期するという記載もある。Macで検索して出てこないことは、そのメッセージが存在しない証明にはならない。相手に再送を頼む前に電話機を見る、という順番を最初に決めておくと、無用な往復が減る。
手順の全体を振り返ると、実際に時間がかかるのは最初の3つの判断だけで、あとは10分ほどで終わる。逆に言えば、判断を飛ばして先に入れてしまうと、その10分を何度もやり直すことになる。
よくある質問
WhatsAppをMacに入れる前に、何を確認すればよいですか?
3つあります。どの電話機を主端末にするか、macOSのバージョンが12.1以降かどうか、そしてリンク済み端末の枠がいくつ空いているかです。特に枠は最大4台までの共有なので、埋まったまま新しくつなぐと既存の端末が押し出されます。
MacアプリとWhatsApp Webを両方使っても問題ありませんか?
動作はしますが、同じメッセージの通知が二重に届き、リンク端末の枠を2つ消費します。1台のMacで4枠のうち半分を使うことになるため、どちらか一方に決めてから設定を進めるほうが扱いやすくなります。
QRコードが読めないときはどうすればよいですか?
電話番号を入力して電話機に届くコードで承認する方法が用意されています。それでも進まない場合は、リンクできる枠が満杯になっていないか、電話機側のWhatsAppが最新になっているかを確認してください。Macアプリの利用にはmacOS 12.1以降が必要です。
設定を終えた後、定期的に見るべき項目はありますか?
リンク済み端末の一覧を月に1回程度確認し、見覚えのない端末があればログアウトさせてください。あわせて、主端末の電話機を14日以内に使うことと、リンク端末を30日以内に使うことを意識しておくと、意図しないログアウトを避けられます。