Chromeのタブをグループ化して保存する|消える条件を先に知る

Chromeでタブをグループ化して保存したいという要求は、実際には4つの違う願いに分かれる。閉じても消えないでほしい、別の端末でも同じ組を開きたい、今日の続きを明日そのまま再開したい、環境を移すときに持ち出したい、の4つになる。Chromeはこのうち一部を自動でやってくれるが、残りは仕様上やってくれない。どこまでが自動で、どこからが自分の仕事なのかを、公式の記述から確かめていく。

保存は自動だが、条件が1つ付いている

Chromeのタブグループは、保存ボタンを押して保存するものではない。ヘルプの記述はこうなっている。

閲覧履歴とタブが Google アカウントと同期されている場合、タブグループに加えられた変更は自動的に保存され、すべてのデバイス間で同期されます。 出典: support.google.com

条件は文の冒頭にある。閲覧履歴とタブが同期されている場合、という前提が付く。つまり保存の実体は同期であり、同期の対象が閲覧履歴とタブに設定されていることが働く条件になる。同期をオフにしている環境や、そもそもGoogleアカウントにログインしていない環境では、この自動保存は前提が崩れている。

ここを見落とすと、原因の分からない事故が起きる。同じ操作をしているのに、片方のMacではグループが残り、もう片方では残らない。手順の違いではなく、同期の設定の違いになる。数か月ぶりに使う端末や、検証のために作った別プロファイルで先に確認しておくと、あとで慌てずに済む。

同期という前提には副作用もある。保存という言葉から想像される、この端末のこの場所に置かれるという感覚とは違い、実体はアカウント側にある。したがってグループは端末ではなくアカウントに属する。この一点が、次の節から先の挙動をほとんど説明してしまう。

閉じたグループの行き先は、ブックマークバーかメニュー

タブグループを閉じる操作と、削除する操作は別物になる。閉じる場合の挙動は次のように書かれている。閉じたグループは削除されず、ブックマークバーまたはメニューに保存され、再度開くことができる、となる。

つまり閉じるのは片付けであって、破棄ではない。開き直すときはブックマークバーのグリッドからグループ名を選ぶか、メニューのその他アイコンからタブグループを選んで、目的のグループを選ぶ形になる。作業単位ごとにグループを作り、終わったら閉じる、という運用がそのまま成立する。

表示まわりには設定が2つ用意されている。1つはブックマークバーにタブグループを表示する設定で、「設定」の「デザイン」からオンにする。もう1つは新しいタブグループをブックマークバーに自動的に固定する設定で、こちらをオンにしておくと、同じGoogleアカウントを使って他のデバイスで作成した新しいタブグループも固定される。

固定を外したい場合も同じ場所になる。タブ検索やタブグループのボタンは右クリックで固定を解除でき、戻すときは「設定」の「デザイン」で保存したタブグループのボタンを表示する項目をオンにする。ボタンが見当たらないという相談の多くは、この固定が外れている状態になる。

削除とグループ解除は、他の端末からも消える

保存がアカウント側にあることの帰結が、ここで一気に出てくる。公式は重要という見出しを付けてこう書いている。タブグループを削除すると、削除したデバイスだけでなく、同じGoogleアカウントを使用している他のデバイスからも削除される、となる。

グループ解除も同じ扱いになる。解除した場合、タブはその端末で開いたままになるが、グループのほうは解除した端末だけでなく、同じGoogleアカウントを使用している他のデバイスからも削除される。手元の画面ではタブが残っているため、消えた実感が湧かないまま、別の端末で組が失われている状態になる。

この挙動を踏まえると、片付けの操作は閉じるに寄せるのが安全になる。閉じるは残す操作、削除と解除は全端末から消す操作、という2分類で覚えておくと事故が減る。特に、画面を整理するつもりで解除を選ぶ癖が付いていると、意図せず資産を捨て続けることになる。

もう1つの注意点は、取り消しの手段が心もとないことになる。削除の確認は求められるが、確認を通したあとに別の端末から復元する導線は用意されていない。重要な組ほど、閉じるで運用しておく価値がある。

保存されないものを把握しておく

グループとして保存されるのは、どのURLがどの色と名前の箱に入っているか、という構成情報になる。ページの中の状態は保存の対象外になる。具体的には、スクロールの位置、フォームに入力しかけた内容、ページ内で開いていたモーダル、読み込み済みのデータは、開き直した時点で最初からになる。

ログイン状態も保存されない。セッションはCookieに入っていて、Cookieはグループではなくプロファイルに属している。したがって、同じサービスの2つのアカウントを、グループAとグループBに分けて置くことはできない。グループを分けても、同じプロファイルの中では同じアカウントとして扱われる。ここはタブグループの守備範囲の外になる。

プロファイルをまたぐ持ち歩きもできない。グループはGoogleアカウントに紐づくため、別のGoogleアカウントでログインしたプロファイルには現れない。仕事用と個人用でプロファイルを分けている場合、それぞれのグループはそれぞれの世界に閉じることになる。

もう1つ、通知が保存されないことも実務では効いてくる。閉じたグループの中にSlackやメールがあった場合、そのグループを開くまで通知は届かない。片付いた画面と、届かない連絡は同じ操作の表と裏になる。閉じてよいものと、開いたままにしておくものを分ける判断が要る。

束ねる手数を減らす操作

保存が続かない理由の多くは、仕組みではなく手数にある。1つずつタブを右クリックして追加していると、束ねる前に諦めることになる。Chromeには複数のタブをまとめて扱う操作が用意されているので、そこを先に覚えると運用が持続しやすい。

マウスがある場合、離れた位置のタブを選ぶときはControlキーを押しながら追加していき、範囲で選ぶときは最初のタブを選んでからShiftキーを押しながら最後のタブを選ぶ。選択したあと、ハイライトされたタブのどれかを右クリックすると、タブをグループに追加、別のウィンドウに移動、固定、ミュート、閉じるといった操作をまとめて適用できる。

目的のタブが見つからないときはタブ検索が早い。タブバーのタブ検索から開くほか、Macではcommandとshiftとaのキーを同時に押す方法がある。アドレスバーに「@タブ」と入力してTabキーかSpaceキーを押し、キーワードで絞る道もある。開いている数が多いほど、探すより検索するほうが速くなる。

束ねたあとは折りたたむと画面が軽くなる。グループの名前か色付きの円を選ぶと、展開と折りたたみが切り替わる。タブを縦方向に表示する設定と組み合わせると、ページタイトルを最後まで読めるようになり、グループの見分けが付きやすくなる。ウィンドウそのものに名前を付ける機能もあり、名前は最小化したウィンドウにカーソルを合わせたときや、Alt+Tabで移動するときに表示される。

ブックマークのフォルダと役割を分ける

保存という言葉で最初に思い浮かぶのはブックマークになる。両方使えるだけに、役割を決めておかないと同じページが2箇所に増えていく。

違いは寿命にある。タブグループは、いま進行している作業の入れ物になる。案件が終われば削除してよく、削除する前提で名前を付けるほうが管理が楽になる。ブックマークは、案件が終わったあとも参照する可能性があるものの置き場になる。判断の目安は、来月も開くかどうかという一点で足りる。

もう1つの違いは、閉じたときの見え方になる。閉じたタブグループはブックマークバーやメニューから開けるため、見た目の上ではブックマークと近い場所に並ぶ。ただし中身の扱いは違い、グループは組ごと開き、ブックマークは1件ずつ開くか、フォルダごと開くかを選ぶ形になる。同じ10件を両方に入れておくと、どちらが最新か分からなくなる。

運用としては、作業中はグループ、終わったら必要なものだけブックマークへ、という一方通行にしておくのが単純で崩れにくい。逆向きの移動を許すと、どちらが正なのかを毎回考えることになり、その判断がそのまま手間になる。

保存の4つの願いと、届く範囲

冒頭の4つの願いに、ここまでの内容を当てはめると次のようになる。

願い Chromeのタブグループで届くか 補足
閉じても消えないでほしい 届く ブックマークバーかメニューに保存される
別の端末でも同じ組を開きたい 届く 同期が有効な同じGoogleアカウントに限る
続きをそのまま再開したい 部分的 構成は戻るが、入力途中や位置は戻らない
環境を移すときに持ち出したい 届きにくい アカウントに属するため、別アカウントには現れない

上の2つは、設定さえ合っていればChromeだけで完結する。下の2つは、タブグループが担当していない領域になる。ここを混ぜて考えるから、保存したはずなのに元に戻らない、という感想になる。

続きを再開したいという願いについては、期待値の置き方を変えると実用になる。ページの状態まで戻ることは期待せず、今日どこを見ていたかの目録として使う。グループ名に日付や案件名を入れておくと、この使い方が安定する。

持ち出したいという願いだけは、代わりの手を用意しておく価値がある。組の中身がそのまま必要なら、閉じる前にブックマークのフォルダへ写しておく。フォルダであれば、ブックマークの書き出しの対象になるため、アカウントの外へ運ぶ経路が残る。手間はかかるが、退職や端末の入れ替えのように、アカウントごと切り替わる場面ではこの一手間が効いてくる。

箱を保存するか、場所を固定するか

タブグループは、開いているものを一時的に束ねて片付ける道具になる。毎日同じ10個のサービスを行き来しているなら、そもそも毎回束ね直す必要があるのかという問いが出てくる。閉じて保存して開き直す手順そのものが、毎日の固定費になっている場合がある。

考え方の分かれ目は、対象が入れ替わるかどうかになる。案件ごとに参照先が変わる調べ物はグループが向いている。GmailやSlackのように、いつも同じで常に開いている必要があるものは、保存して開き直すより、置き場所を固定するほうが手数が減る。アプリごとに独立したワークスペースを持つ形にすると、後者は開き直す対象ではなくなる。

この切り分けで何ができるのかはできることに整理されている。案件や役割ごとに束ねて持ち歩く形はワークスペースで説明されていて、タブグループが担当していない、同じサービスに複数のIDを並べる置き方もここに含まれる。どのサービスをこの形で扱えるのかは使えるアプリにまとまっている。

まず手を付けるなら、同期の設定を確認して、いま作っているグループが本当に保存されているかを確かめることになる。次に、片付けの操作を閉じるに統一する。この2つだけで、消えたという相談の大半は起きなくなる。

よくある質問

タブグループはどうすれば保存できますか?

保存ボタンはありません。閲覧履歴とタブがGoogleアカウントと同期されている場合、グループへの変更は自動的に保存され、すべてのデバイス間で同期されます。同期がオフの環境やログインしていない環境では前提が崩れるため、まず同期の設定を確認するのが先になります。

グループを閉じるとタブは消えますか?

消えません。閉じたグループは削除されず、ブックマークバーまたはメニューに保存され、あとから再度開けます。消えるのは削除とグループ解除のほうで、こちらは同じGoogleアカウントを使っている他のデバイスからも消えるため、片付けは閉じるに統一しておくと安全です。

保存したグループを開き直すと、作業の続きから再開できますか?

戻るのはどのページがどの箱に入っていたかという構成までです。スクロールの位置、入力しかけたフォーム、読み込み済みのデータは初期状態に戻ります。今日どこを見ていたかの目録として使う前提にすると、期待とのずれが小さくなります。

タブグループを分ければ、同じサービスの2つのアカウントを使い分けられますか?

できません。ログイン状態はCookieに保存され、Cookieはグループではなくプロファイルに属しているためです。同じプロファイル内では、グループを分けても同じアカウントとして扱われます。アカウントを分けたい場合はプロファイルか、セッションを窓ごとに分ける道具が必要になります。

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