Chromeの英語と日本語の切り替え|Macで効く設定は3か所

Chromeの英語と日本語の切り替えを調べたのに、設定画面の「言語」を開いても目当ての項目が見つからない。Macで作業している人がここで止まるのは、探し方が悪いからではありません。切り替えたいものが3か所に分かれていて、そのうち1か所はChromeの中に存在しないためです。どこを触れば何が変わるのかを先に分けてしまえば、迷う時間はなくなります。

「言語を切り替える」が指している3つの別物

同じ「英語と日本語を切り替えたい」という言葉でも、実際に困っている場所は人によって違います。大きく分けると、開いたページの中身を訳したいのか、サイト側に自分の希望言語を伝えたいのか、Chrome自身のメニューやボタンの文字を変えたいのか、の3つです。設定の場所も、効く範囲も、まったく別系統です。

変えたいもの 実際に効く場所 効く範囲
ページの中身を訳す Chromeの設定の「言語」内にあるGoogle翻訳の項目 開いているページ単位
サイトに希望言語を伝える Chromeの設定の「優先言語」 そのプロファイルで開く全サイト
メニューやボタンの表示 macOSの「言語と地域」 Chromeというアプリ全体

検索して出てくる手順の多くはWindowsを前提に書かれています。Windowsでは3つ目もChromeの設定の中で完結するため、同じ手順をMacでなぞると「その項目が無い」で行き止まりになります。まず自分が変えたいのが3つのうちどれなのかを決めてください。ページの中身なら数秒で終わりますし、メニューの表示ならChromeの外に出る必要があります。

Macでは、Chromeの設定にメニューの言語を変える項目が無い

3つ目が見つからない理由は仕様として公開されています。Chromeのヘルプは、表示言語の変更の手順をWindows向けとして案内したうえで、MacとLinuxについて次のように書いています。

Mac または Linux: Chrome は、Mac または Linux のデフォルトのシステム言語で自動的に表示されます。 出典: support.google.com

同じページには「Google Chrome をこの言語で表示」というオプションの説明もありますが、そこには「このオプションは、Windows パソコンでのみ使用できます」と明記されています。つまりMacでは、Chromeの中をいくら探しても目当てのスイッチは出てきません。設定画面を往復して探し続けるのは時間の無駄になります。

ここを知らないまま作業すると、優先言語のリストで日本語を一番上に動かして、再起動してもメニューが英語のまま、という結果になりがちです。優先言語はサイトに伝える希望であって、Chrome自身のUIの言語ではありません。順番を入れ替えても、メニューの文字は変わりません。

macOSの「言語と地域」でChromeだけ言語を変える

Macでメニューの言語を変える手段は、システム側にあります。macOSにはアプリごとに使用言語を指定する仕組みがあり、Apple公式のユーザガイドでも紹介されています。

アプリごとに異なる言語を選択することもできます。例えば、システム言語が簡体字中国語に設定されていて、特定のアプリを英語で使いたい場合は、そのように設定することができます。 出典: support.apple.com

手順は次のとおりです。

  • アップルメニューから「システム設定」を開く
  • サイドバーの「一般」を選び、「言語と地域」をクリックする
  • 下の方にある「アプリケーション」の欄でプラスのボタンを押す
  • ポップアップメニューでChromeと、使いたい言語を選んで「追加」を押す
  • すでにリストにChromeがある場合は、選んでから言語だけを差し替える

Chromeが起動したままだと反映されないことがあります。追加や変更のあとは、いったんChromeを終了してから開き直してください。この方法の利点は、Mac全体を英語にしなくてもChromeだけを英語にできることです。逆に、Mac全体を英語で使いながらChromeだけ日本語に戻すこともできます。仕事で英語の画面共有をする日だけChromeを英語にする、といった使い分けも同じ場所で切り替えられます。

優先言語は「サイトに送っている情報」でもある

Chromeの設定の「優先言語」は、メニューの表示とは無関係でも、実務では無視できません。ここに並んだ言語は、ページを取りに行くときにサイト側へ希望として伝わります。多言語で用意されているサービスは、この希望を見て日本語版か英語版かを決めることがあります。日本語のアカウントで入っているはずのサービスが、なぜか英語で開く。その原因がここにあることは珍しくありません。

順番の入れ替えは、リストの言語の横にあるメニューから行います。上にある言語ほど優先されます。翻訳の確認を出すかどうか、どの言語に訳すか、どの言語は毎回自動で訳すか、どの言語は二度と確認しないか、はいずれもこの同じ「言語」画面にまとまっています。ページを開くたびに翻訳バーが出て邪魔だという場合は、その言語を「翻訳するか確認しない言語」に入れれば止まります。

もう一点、見落としやすいのがプロファイルとの関係です。優先言語はプロファイルごとに保存される設定です。仕事用と個人用でプロファイルを分けているなら、片方だけ英語を上にしておく、といった持ち方ができます。一方でmacOS側のアプリ言語指定はアプリ単位なので、プロファイルを切り替えてもメニューの言語は変わりません。プロファイルで分けられるものと分けられないものが違う点は、覚えておくと混乱が減ります。

「入力の言語」は表示の言語とは別の軸で動いている

表示言語の話とよく混ざるのが、入力の言語です。日本語入力と英数入力を切り替えるのはmacOSの入力ソースの仕事で、Chromeの設定とも、アプリごとの言語指定とも関係がありません。Chromeを英語表示にしたからといって日本語が打てなくなるわけではありませんし、逆にChromeを日本語表示に戻しても、入力ソースが英数のままなら日本語は打てません。ここを同じものだと思っていると、片方を直したのにもう片方が直らず、設定が壊れたように見えます。

入力ソースは「システム設定」の「キーボード」から追加と削除ができます。macOSの言語設定で新しい言語を追加したときは、その言語で入力するための入力ソースを一緒に追加するか聞かれることがあります。ここで追加しなくても、あとからキーボードの設定で足せます。実務で困りやすいのは、英語で書く時間が長い日にキーの入力ソースが日本語のままで、変換候補が邪魔をするケースです。表示言語をChromeだけ英語にしても、この邪魔は消えません。入力ソースの切り替えキーを決めておくほうが効きます。

もうひとつ、検索する言葉そのものも入力の話です。アドレスバーに入れた語がどの言語として扱われるかは、既定の検索エンジンの設定と、そのサービス側の地域設定で決まります。ブラウザの表示言語を英語にしても、検索結果が英語圏のものに置き換わるとは限りません。表示・入力・検索は、それぞれ別の場所に設定があると考えておくと、無駄な往復が減ります。

GmailやSlackが英語で開くのはブラウザのせいではないことが多い

Chromeの言語を直したのに、GmailやSlackやNotionだけ英語のまま、という相談も多く見かけます。これらはWebアプリなので、表示言語は基本的にサービス側のアカウント設定が持っています。ブラウザの優先言語は、ログインしていないときや、アカウント側に指定が無いときの手がかりとして使われる程度です。したがって、ブラウザを何度切り替えても直りません。

直す場所はサービスごとに違います。多くのサービスは、アカウント設定や個人設定の中に言語の項目を持っています。ここで注意したいのは、アカウントを複数持っている場合です。英語で使う会社のアカウントと、日本語で使う自分のアカウントを、同じChromeの同じウインドウで行き来していると、どちらの設定を触っているのか分からなくなります。言語の問題に見えて、実際にはアカウントの取り違えが原因、という筋書きです。

ブラウザ側で切り分けたいなら、アカウントごとに開く場所を固定してしまうのが早道です。Webアプリを1つの窓にまとめて使うブラウザでは、業務ごとのアプリごとに独立したワークスペースを用意して、そこに紐づくアカウントを固定できます。どのワークスペースに何を置けるのかはワークスペースのページで、Slackや Gmail など実際に登録できるサービスの一覧は使えるアプリのページで確認できます。

切り替えたあとに崩れやすいところ

言語を変えると、思っていなかった場所まで一緒に変わることがあります。あらかじめ知っておくと、変えたあとで「壊れた」と勘違いせずに済みます。

  • スペルチェックの対象言語が変わり、日本語混じりの文で赤い波線が増えることがある
  • 右クリックメニューや設定画面の項目名が変わるため、覚えていた場所の見た目が変わる
  • ヘルプの案内やエラーメッセージが英語になり、検索する語も英語に変わる
  • 拡張機能の画面は、その拡張が対応している言語にしか切り替わらない

最後の1点は特に注意が必要です。ブラウザの表示言語を変えても、拡張機能の中の文字までは追随しません。拡張が日本語しか用意していなければ、Chrome本体だけ英語で拡張のパネルは日本語という状態になります。加えて、拡張はブラウザの仕様変更の影響を受けます。Manifest V2で作られた拡張はChrome 138で無効化され、ストアからも削除されました。数年前の記事で名前が挙がっている拡張をこれから入れようとしても、そもそも入らないことがあります。言語の切り替えを拡張で解決しようとする前に、その拡張が今も配布されているかを確かめてください。

切り替えの手間を「毎回」から「一度きり」に変える考え方

言語の設定は、突き詰めると「毎回切り替えるか、置き場所を分けて切り替えないようにするか」の選択です。1日に何度も英語と日本語を行き来する人ほど、切り替え操作そのものが作業の中断になります。macOSのアプリ言語指定でChromeを固定するのは、ブラウザのUIについてはこの中断を無くす方法です。ただしWebアプリの中身までは固定できません。

そこで、置き場所で分ける考え方が出てきます。英語で使うアカウントの一群と、日本語で使うアカウントの一群を、別々の作業面に分けて常駐させておけば、切り替えは面の移動だけで済みます。タブを何十枚も並べて目で探す状態から、面を選ぶ状態に変わるため、どちらの言語のどのアカウントを触っているのかを取り違える余地も減ります。導入前に気になる点はよくある質問にまとまっているので、環境が合うかどうかはそこで確かめられます。

最初に手を付けるべきなのは、3つのうち自分が本当に困っているのはどれかを言い当てることです。メニューの文字ならmacOSの「言語と地域」、ページの中身ならChromeの翻訳設定、Webアプリの中身ならサービス側のアカウント設定。この3本を取り違えなければ、切り替えの作業は一度で終わります。

よくある質問

MacのChromeでメニューだけ英語にすることはできますか?

できます。Chromeの設定ではなく、macOSの「システム設定」から「一般」の「言語と地域」を開き、「アプリケーション」の欄にChromeを追加して英語を指定します。Mac全体の言語は日本語のままで構いません。指定後はChromeを終了してから開き直すと反映されます。

優先言語の順番を変えたのにメニューが日本語のままなのはなぜですか?

優先言語は、サイト側にどの言語のページを出してほしいかを伝える設定で、Chrome自身のメニュー表示とは別系統だからです。MacではChrome内にメニューの表示言語を変える項目がなく、システムの言語設定に従います。順番の入れ替えはサイトの出し分けにだけ効きます。

ページの翻訳バーが毎回出るのを止めたいときはどうしますか?

Chromeの設定から「言語」を開き、Google翻訳の欄にある「翻訳するか確認しない言語」にその言語を追加します。逆に毎回自動で訳してほしい言語は「これらの言語を自動的に翻訳する」に追加します。翻訳機能そのものを止めたい場合は「Google翻訳を使用する」をオフにします。

仕事用と個人用で言語の設定を分けられますか?

優先言語や翻訳の設定はプロファイルごとに保存されるため、プロファイルを分ければ別々に持てます。ただしメニューの表示言語はアプリ単位の設定なので、プロファイルを切り替えても変わりません。アカウントと言語をまとめて分けたい場合は、作業面ごとにアカウントを固定できるブラウザを使う方法があります。

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