chrome メモリ 上限 増やす|Macで実際に効く手だて
Chromeに割り当てるメモリの上限を増やす設定は、2026年10月時点で存在しません。Chromeは、Macに空きがある限り必要な分を使い、足りなくなればmacOSがメモリを圧縮したり、Chrome自身が使っていないタブを眠らせたりします。「上限を増やしたい」と感じる場面の多くは、実際には「戻ったタブが読み込み直される」「Mac全体が重い」のどちらかです。前者はChromeのパフォーマンス設定で、後者はMacのメモリの使い方を測ってから手を打ちます。この記事では、上限が無い理由を確かめたうえで、Googleの公式ヘルプに書かれている設定の場所と、Appleのアクティビティモニタでの見分け方を順に整理します。
Chromeに「メモリの上限」の設定が無い理由
Chromeの設定画面を探しても、メモリの割り当てを数値で決める欄はありません。Chromeはタブや拡張機能ごとに別の処理(プロセス)を立ち上げ、それぞれがmacOSにメモリを求める作りです。配分を決めているのはmacOS側で、Chrome側に「何GBまで使ってよい」という枠はありません。
この点は、検索上位の記事でも同じ結論です。古い記事ですが、要点を次のようにまとめています。
コンピュータは動かす上で他にも処理やアプリにメモリを使用せざるを得ません。そのため、必要以上にChromeに使用するメモリの割合を増やすことができず制限がかかってしまいます。 出典: aprico-media.com
開発者向けには、起動時に付ける指定(コマンドラインスイッチ)でChromeの動作を変える方法があり、その中にJavaScriptの処理系に渡すjs-flagsという指定もあります。Chromiumの公式の手引き(Run Chromium with command-line switches)に、macOSではターミナルから起動して指定を付ける手順が書かれています。ただしこれは開発や検証のための仕組みで、ふだんの仕事で重さを解消する手段ではありません。指定を誤るとタブが落ちやすくなることもあるため、この記事では扱いません。
つまり、増設の対象になるのはChromeの上限ではなく、Mac本体のメモリそのものだけです。そして、Mac本体を増設できるかどうかは機種で決まります。その確かめ方は後半で扱います。
「上限を増やしたい」の正体を2つに分ける
上限を増やしたいと感じる場面は、症状で2つに分かれます。どちらに当たるかで、触る場所が変わります。
| 症状 | 起きていること | 触る場所 |
|---|---|---|
| しばらく開いていなかったタブに戻ると、読み込み直される | Chromeのメモリセーバーが、使っていないタブを非アクティブにしている | Chromeの「パフォーマンス」の設定 |
| 書きかけの入力や、管理画面のログインが消える | 上と同じ。または、そのサイトが時間で自動的にログアウトしている | 「常にアクティブにするサイト」に追加する |
| 文字入力が遅れる、ファンが回る、Mac全体が重い | Mac全体のメモリが足りず、圧縮や入れ替えが増えている | タスク マネージャとアクティビティモニタで原因を探す |
| Chromeだけが固まる、タブが「エラー」で落ちる | 特定のページや拡張機能が大きく使っている | タスク マネージャで該当の行を終了する |
最初の2行は、メモリが足りないのではなく、Chromeがメモリを節約しようとしている結果です。ここで「上限を増やす」方向に考えると、存在しない設定を探し続けることになります。後半の2行は、本当に足りていない状態で、何が使っているかを測るところから始めます。
戻ると読み込み直されるタブは、メモリセーバーで調整する
Googleのヘルプ(Chrome のパフォーマンスをカスタマイズする)によると、メモリセーバーは使っていないタブを非アクティブにしてメモリを空ける機能で、そのタブに戻ると自動で読み込み直されます。設定の場所は次のとおりです。
- Chromeの右上の縦に3つ並んだ点のアイコンから「設定」を開く
- 左側の「パフォーマンス」を選ぶ
- 「メモリセーバー」のオンとオフを切り替える
- オンにした場合は、タブを非アクティブにする度合いを選ぶ
度合いは3段階です。ヘルプの説明をそのまま並べると、「適度」はタブが長時間経過してから非アクティブになり、「バランス重視(推奨)」は最適な時間が経過してから、「最大」は短時間経過してから非アクティブになります。戻ったタブが頻繁に読み込み直されて困るなら、まず「適度」に下げるのが最初の一手です。
同じヘルプには、非アクティブにならないタブの条件も書かれています。音声や動画を再生中、または通話中のタブ、画面共有中のタブ、ページ通知、ダウンロード中、一部記入済みのフォーム、固定タブ、USBやBluetoothで機器とつながっているタブです。毎日使う業務のタブを固定タブ(ピン留め)にしておくと、メモリセーバーの対象から外れます。
また、「デザイン」の設定で「タブ マウスオーバーのプレビュー カードにメモリ使用量を表示する」をオンにすると、タブにカーソルを乗せたときに、そのタブが使っている量が見えます。どのタブが重いかを知る手軽な方法です。
消えて困るサイトは「常にアクティブにするサイト」に入れる
メモリセーバーを全体で弱めるより、困るサイトだけを外したほうが、節約の効果を保てます。Googleのヘルプにある手順は次のとおりです。
- 「設定」の「パフォーマンス」を開く
- 「常にアクティブにするサイト」の右側にある「追加」を選ぶ
- 「現在のサイトを追加」で開いているタブから選ぶか、「サイトを手動で追加」でアドレスを入れる
手動で入れる場合の書き方にも決まりがあります。ヘルプの例では、「google.com」と書くとdrive.google.comやcalendar.google.comなどのサブドメインも含めて常にアクティブになります。先頭にドットを付けて「.google.com」と書くと、サブドメインは含まれません。「www.google.com/finance」のようにパスまで書くと、その下のページだけが対象になります。
仕事でここに入れておく価値があるのは、次のようなサイトです。
- 入力途中で離れることが多い管理画面や申請フォーム
- チャットやメールなど、通知を受け取り続けたいWebアプリ
- ログインし直すたびに二段階認証が必要になる社内システム
ただし、ここに入れたサイトは眠らないぶん、メモリを使い続けます。入れる数が多くなるほど、メモリセーバーを切ったのと同じ状態に近づきます。本当に困るサイトだけに絞るのが前提です。
Mac全体が重いときは、2つの画面で原因を測る
Mac全体の動作が遅いときは、Chromeの中とMac全体の両方を測ります。
Chromeの中は、タスク マネージャで見ます。Googleのヘルプ(Google Chrome の動作を速くする)にある手順では、右上のその他アイコンから「その他のツール」の「タスク マネージャ」を選び、「メモリ使用量」の列で並べ替えます。タブ、拡張機能、「バックグラウンド ページ」が使用量の多い順に並ぶので、使っていない行を選んで「プロセスを終了」を押します。保存していない作業は失われるので、終了する前に確かめます。
Mac全体は、アクティビティモニタで見ます。Appleのユーザガイド(メモリの使用状況を表示する)によると、「メモリ」のタブの下部に、メモリプレッシャー、物理メモリ、使用済みメモリ、圧縮、スワップ使用領域などが表示されます。判断の目安になるのはメモリプレッシャーのグラフの色で、Appleは緑なら効率的に使えている、黄色なら今後足りなくなる可能性がある、赤ならより多くのRAMが必要、と説明しています。
この2つを並べて見ると、次のように切り分けられます。
- メモリプレッシャーが緑のまま重い:メモリ以外(CPUや特定のページの処理)が原因。タスク マネージャのCPUの列を見る
- 黄色や赤で、Chromeの行が大部分を占める:タブと拡張機能を減らす、メモリセーバーを強める
- 黄色や赤で、Chrome以外のアプリも多い:Mac全体の作業量が搭載メモリを超えている
Mac本体のメモリを増設できるかを確かめる
Mac全体の作業量が搭載メモリを超えている場合、本体のメモリを増設できるかどうかが次の分かれ目になります。Appleのユーザガイド(Macに追加のRAMが必要かどうかを確認する)には、確かめ方が書かれています。
- Optionキーを押したまま、アップルメニューから「システム情報」を選ぶ
- 左側の「ハードウェア」の下で「メモリ」をクリックする
- 「メモリスロット」の欄に「アップグレード可能なメモリ」の表示があるかを見る
Appleによると、「メモリスロット」の欄が表示されない場合、そのMacにはアップグレード可能なメモリがありません。増設できない機種では、手だては2つに絞られます。同時に開いておくものを減らすか、次に買い替えるときに容量の大きい構成を選ぶかです。
増設できない場合に現実的なのは、同時に開いておくものを減らす方向です。拡張機能はGoogleのヘルプでも、使っていないものを無効にすると動作が速くなると案内されています。月に一度、「拡張機能を管理」の画面で使っていないものをオフにするだけでも、常に動いている処理を減らせます。
一日中開いておくWebアプリの置き場所を見直す
タブを減らそうとしても、Gmail、Slack、Notion、カレンダー、社内の管理画面は一日中開いておく必要があります。これらはメモリセーバーで眠らせたくないので「常にアクティブにするサイト」に入れたくなり、入れるほど節約の効果が薄れます。調べもののタブと、一日中使うWebアプリが同じ窓に混ざっていることが、メモリの話をややこしくしています。
一日中開いておくものを、調べもののタブと分けて置くという考え方があります。Webアプリをまとめるブラウザ(アプリ集約ブラウザ)は、Webアプリを左の列に並べ、それぞれを独立した入れ物で動かします。この記事を出しているサイトは、そうしたMac向けのアプリの開発元が運営しています。どの単位で分けられるかはできることに、仕事と個人などで面ごと切り替える仕組みはワークスペースにまとまっています。手持ちのサービスが一覧にあるかは使えるアプリで確かめられます。
ただし、Webアプリを別のアプリに移してもページそのものが使うメモリは変わりません。効果が出るのは、調べもののタブを気兼ねなく閉じられるようになり、Chromeのタブの総数が減る点です。料金のページによると、無料版はワークスペース1つとアプリ3つまでで、14日間はすべての機能を試せます。同じ種類の道具の違いはWaveboxとの比較やRamboxとの比較に並んでいます。
手順を最初からまとめ直すと、Chromeに上限の設定は無いことを前提に、戻ると読み込み直されるならメモリセーバーを「適度」にし、困るサイトだけを「常にアクティブにするサイト」に入れ、Mac全体が重いならアクティビティモニタのメモリプレッシャーの色を見る、という順番です。黄色や赤が続き、増設もできないMacであれば、同時に開いておくものの数と置き場所を見直すのが残る手だてです。
よくある質問
Chromeのメモリの上限を設定で増やすことはできますか?
できません。Chromeの設定にはメモリの割り当てを数値で決める欄がありません。メモリの配分はmacOSが行っています。増設の対象になるのはMac本体のメモリだけで、増設できるかは機種によって決まります。
戻ったタブが毎回読み込み直されるのを止める方法はありますか?
「設定」の「パフォーマンス」で、メモリセーバーの度合いを「適度」に下げるか、メモリセーバーをオフにします。特定のサイトだけ止めたいなら、「常にアクティブにするサイト」に追加します。固定タブにしたタブも、非アクティブにならない条件に入っています。
Chromeのどのタブがメモリを使っているか確かめる方法は?
右上のその他アイコンから「その他のツール」の「タスク マネージャ」を開き、「メモリ使用量」の列で並べ替えます。タブ、拡張機能、バックグラウンド ページが使用量の多い順に並びます。「デザイン」の設定で、タブにカーソルを乗せたときに使用量を表示することもできます。
Macのメモリが足りているかはどこで分かりますか?
アクティビティモニタの「メモリ」のタブで、下部のメモリプレッシャーのグラフを見ます。Appleの説明では、緑なら効率的に使えていて、黄色は今後足りなくなる可能性、赤はより多くのRAMが必要な状態です。増設できるかは「システム情報」の「メモリ」で確かめられます。