rambox 有料価値はどこで決まるか|無料のBasicで足りる境界

rambox 有料価値を調べている人の多くは、すでに無料のBasicを使っている。無料プランには期限がなく、サイドバーに並べるアプリの数にも上限がないため、「入れるかどうか」ではなく「払うかどうか」が問いになる。この記事では、無料と有料の線がどこに引かれているのか、月額の金額が何と比較すべきものなのか、そして払っても消えない手間は何かを順に整理する。

もうひとつ、この問いが繰り返し検索される理由がある。新規アカウントには30日のPro試用が付いていて、期間が終わるとBasicに戻る。ひと月のあいだ動いていた設定が、ある日から動かなくなる。ちょうどその時点で、多くの人が答えを探しに来る。

有料化の線は「散らかり」ではなく「本人確認」に引かれている

この分野の製品は、ここ数年で似た形に落ち着いている。無料で始められる範囲は残しつつ、毎日使う人ほど必要になる機能を有料側に置く形だ。Ramboxもその形をとっており、無料のBasic、月額7ドル(年額70ドル)のPro、1ユーザー月額14ドルで最低5ユーザーからのチーム向けプランが並ぶ。金額は変わることがあるので、判断の直前には各社の料金ページで確認したい。

前提として押さえておきたいのは、いま配布されているRamboxが、かつてGitHubで公開されていたものとは別の製品だという点だ。オープンソースだったのは0.7.x系までで、その後の作り直しでソースは非公開になり、アカウント登録が必須になり、無料のBasicと有料のProに分かれた。作り直し前に書かれた解説がいまも残っているため、「無料でここまでできる」という説明が現行版と合わないことが起きる。

線が引かれている場所は明確だ。ブラウザのタブが散らかっているだけの状態は、無料のBasicで解消する。同じサービスに別々のアカウントで同時にログインしたい状態は、Proでしか解消しない。同じサービスを別の人格として扱えるかどうかが、料金の境界そのものになっている。

無料のBasicに入っているもの

Basicは評判で語られるより実用的だ。サイドバーに並べるアプリの数に上限はなく、試用期間のカウントダウンもなく、購入を促す表示が作業の邪魔をすることもない。通知は動く。フォーカスモードも動く。使っていないサービスをメモリから降ろすハイバネーションも入っている。

同じアプリのインスタンスは2つまで置ける。ここが誤解されやすい。インスタンスが2つあるというのは、同じログイン状態を2つの枠で見られるという意味であって、別々のアカウントで入れるという意味ではない。受信箱とカレンダーを並べて置きたいときには効くが、仕事用と個人用のアカウントを分けたい用途には効かない。

もうひとつ、評価の前に知っておきたい条件がある。Basicでもアカウント登録は必要になる。ローカルだけで完結する導入の経路はなく、サービスの一覧は端末ではなく事業者側に同期される。この分野の商用製品では一般的な作りだが、業務で使う端末に入れる場合は、取引先の管理画面の一覧が第三者のアカウントに載ることを、先に把握しておきたい。

Proに移っている機能

Proに入っているのは、ワークスペース、セッションとマルチログイン、1アプリあたりのインスタンス数の上限撤廃、カスタムアプリの上限撤廃、拡張機能、優先サポートになる。年額70ドルは月払いに比べて2か月分安い計算だ。チーム向けプランではSAMLやActive Directoryとの連携、請求の一本化、あらかじめ入ったアプリの配布、独自ブランディングが加わる。

この一覧のうち、実際に判断を分けるのはセッションとマルチログインの1点に絞られることが多い。ワークスペースは便利だが、サイドバーの並び順を整えることで代用が効く場面がある。拡張機能とカスタムアプリの上限は、社内ツールを大量に登録する人にだけ効く。一方でマルチログインは代用が効かない。ログイン状態はCookieとサイトのローカルストレージに保存されていて、その保管場所を共有している限り、同じサイトに別人として入ることはできないからだ。表示の枠を2つに増やしても、保管場所が1つならサイトから見れば同じ訪問者のままになる。

サービスごとに保管場所を分ける仕組みが、Ramboxでは有料側に置かれている。ここが「払う価値があるか」の中心になる。

有料化の判断でもうひとつ見落とされやすいのが、ワークスペースの位置づけだ。ワークスペースは作業のまとまりごとに表示するサービスを絞る機能で、20個並んだサイドバーを5個に見せられる。ただしこれは表示を絞る動作であって、隠したサービスの接続やメモリを解放する動作とは別になる。動作の重さを理由に有料化を検討している場合、効くのはワークスペースではなくハイバネーションのほうで、そちらは無料のBasicにも入っている。

年額70ドルは何と比べる金額なのか

年額70ドルは、1日の労働時間と比べれば小さい金額に見える。この比べ方で判断を促す説明は多いが、比較の相手が間違っている。正しい比較相手は、同じことを無料で実現している道具のほうだ。

同じサービスへの二重ログインは、少なくとも3つの経路で費用ゼロで実現する。Chromeのプロファイルを2つ作る方法は以前から有効で、macOS Sonoma以降のSafariにもプロファイルがある。Ferdiumは、Apache 2.0のライセンスで公開され寄付で運営されているため、機能を有料で切り分ける仕組みそのものが存在せず、二重ログインもワークスペースも独自CSSも最初から使える。

ブラウザ側の分離については、提供元の説明が分かりやすい。

プロファイルを使用すると、Chrome 上の情報全体(ブックマーク、履歴、パスワードなど)を、プロファイルごとに分離できます。 出典: support.google.com

つまり年額70ドルが買っているのは、二重ログインという機能そのものではない。1つのサイドバーの中で二重ログインができることと、商用のサポート窓口が付いてくることだ。この包装に70ドルの値打ちがあるかどうかは、1つの窓にまとまっていることをどれだけ重く見るかで決まる。それはアカウントの話ではなく、切り替えの話になる。

払っても残る手間

有料にしても消えないものが3つある。どれも不具合ではなく、作りから来る性質だ。

  • 全部が1つの窓に入ったままになる。サイドバーに20個並ぶ状態は、タブが40個ある状態より密度は良いが、切り替えの速さは変わらない。Command+Tabで選べるのはアプリであってサービスではなく、目的のサービスを探す動作は一覧を上から見ていくままになる
  • 外から届いたリンクは既定のブラウザで開く。そこでログインしているアカウントで開くため、チャットで飛んできたリンクを別アカウントで開き直す動作が1日に何度も残る。プランを上げてもリンクの行き先は変わらない
  • 通知にアカウント名が出ない。どのサービスが鳴ったかは分かるが、2つあるうちのどちらのアカウントかは分からない。二重ログインのために払った人ほど、この点に当たりやすい

4つ目として、設定とサービス一覧が事業者のクラウド経由で同期される点も、意識して選んでおきたい。新しいMacへの移行は楽になる代わりに、環境が事業者の存続に依存する。自分が持っている保管場所で同期する道具とは、引き受けているリスクの種類が違う。

メモリの使い方についても、プランでは変わらない。この種の道具はブラウザの仕組みを内側に抱えているため、サイドバーに並べたサービスの数だけWebページを開いた状態に近くなる。効くのはハイバネーションで、これはBasicにも入っている。ワークスペースで12個のサービスを隠しても、隠すことと降ろすことは別の動作になる。

1週間の記録で決める

機能表を突き合わせるより、1週間の記録のほうが外れにくい。

Basicのまま1週間使い、アプリの外に出た瞬間に印を付ける。ストップウォッチは要らない。印と、理由を3語だけ書き残せば足りる。1週間後、その印を3つの山に分ける。ログインの切り替え、リンクの行き先、窓の探し方の3つだ。

ログインの山が一番高いなら、Proは詰まっている場所に効いている。ただし同じ結果はFerdiumやブラウザのプロファイルでも費用ゼロで得られるので、包装に払うかどうかの判断になる。リンクの山が高いなら、この分野のどの製品のどのプランでも解消しない。窓の探し方の山が高いなら、詰まっているのは1つの窓に全部入れる形そのものなので、その中で等級を上げても動かない。

回数の目安もある。1日にサービスをまたぐ回数が10回に届かないなら、Basicかブラウザのプロファイル追加で足りる。10回から40回のあいだは、サイドバー型の道具が効く帯になり、判断は重複アカウントの有無に絞られる。40回を超えると、詰まっているのは切り替えそのものになり、プランを上げても一覧は一覧のままだ。

試用期間が残っているなら、その期間中に記録を取っておきたい。30日のあいだは有料の機能が全部使える状態なので、同じ端末で同じ仕事をしながら両方の等級を比べられる機会はここしかない。試用が切れてからBasicで1週間試すと、比較の条件がそろわないうえ、判断までにさらに1週間かかる。

重複アカウントの数も、感覚ではなく実数で数えたい。Gmail 1つ、Slack 1つ、Notion 1つの状態と、Gmailが3つでSlackが2つの状態はまったく別の話で、年額が明らかに見合うのは後者だけになる。判断が難しいのは、重複が1つだけあって社内ツールの登録が多い場合だ。どこかで壊れるわけではなく、無料の範囲が少しずつ合わなくなっていく。

分離の単位で見ると判断が早くなる

この分野の道具は、何を単位に分離するかで性格が決まる。ブラウザのプロファイルは窓を単位にし、Ramboxの有料プランはサービスを単位にし、タブを増やすだけの拡張は何も分離しない。単位が違うと、解ける問題も残る問題も変わる。

窓を単位に分けると、仕事用と個人用がはっきり分かれる代わりに、どちらの窓の中にもタブが増えていく。サービスを単位に分けると、窓は1つのままでサイドバーの項目が増えていく。前者はログインの問題を解いて切り替えの問題を残し、後者は散らかりの問題を解いて切り替えの問題を残す。1週間の記録で3つ目の山が高かった人は、どちらを選んでも同じ場所で止まる。

3つ目の山が高い場合の比較相手は、BasicとProではない。サービスごとに窓を持たせて、そこにログイン状態も一緒に置く形だ。この形では作業のまとまりが「一覧の一部」ではなく「配置」になり、切り替えの対象がアプリそのものになる。アプリごとに独立したワークスペースという考え方で、複数の作業文脈を切り替える方法はワークスペースで整理している。どのアプリをその形で置けるかは使えるアプリにまとまっており、Ramboxとの違いを機能ごとに並べたものはRamboxとの比較にある。

判断の順番としては、まずBasicで1週間、印を付けながら使う。その結果がログインなら無料の代替で足り、切り替えなら分離の単位そのものを変える。機能表を先に読むより、この順番のほうが外しにくい。

よくある質問

無料のBasicでは具体的に何ができませんか?

ワークスペース、拡張機能、同じサービスへの二重ログインの3つが使えません。サイドバーに並べるアプリの数に上限はなく、通知、フォーカスモード、ハイバネーション、1アプリあたり2つまでのインスタンスは無料で使えます。期限もありません。

年額70ドルは他の方法と比べて安いですか?

二重ログインだけが目的なら、Ferdiumやブラウザのプロファイルで費用ゼロで実現できます。有料プランが買っているのは、その機能を1つのサイドバーの中で使えることと、商用のサポートが付くことです。この包装をどう評価するかで結論が変わります。

先月まで使えていた機能が急に使えなくなったのはなぜですか?

新規アカウントには30日のPro試用が付いていて、期間が終わるとBasicに戻るためです。インストールしたものは変わっていなくても、ワークスペースや二重ログインが使えなくなります。この切り替わりが、有料化を検討し始める最も多いきっかけになります。

有料にすればアプリの切り替えは速くなりますか?

速くなりません。すべてのサービスは1つの窓の中にあり、Command+Tabで選べるのはアプリであってサービスではないためです。有料プランが変えるのは「何にログインできるか」であって、「目的のものにどれだけ早く着けるか」ではありません。

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