gmail 複数アカウントは何個まで持てるか|上限と増やさない選択

gmail 複数アカウント何個まで、という調べ方をする場面はだいたい決まっています。取引先ごとにアドレスを分けたい、請求の連絡だけ別にしたい、副業の窓口を作りたい。そこで手が止まるのは、いまのGoogleアカウントに2つ目の受信箱を足せるのかどうかがはっきりしないからです。

先に結論を書きます。個人向けのGoogleアカウントが持つ受信箱は1つだけで、2つ目の@gmail.comを作ることは2つ目のアカウントを作ることと同じです。一方で、1つの受信箱が受け取れる住所の数はかなり多く、Googleが数で止めてくる場所は別にあります。この3つは全部ばらばらの話なので、混ぜたまま数えると答えが出ません。

アカウントの数と、届く住所の数は別のもの

個人向けのGoogleアカウントにとって、@gmail.comのアドレスは機能ではなく名前そのものです。設定のどこを探しても、いまのアカウントに2つ目の受信箱を追加する項目はありません。追加できるのはアドレスであって、受信箱ではないからです。

そのアドレスのほうは、思っているより融通が利きます。個人向けのGmailはアドレスの前半に入っているドットを無視するので、[email protected] 宛も [email protected] 宛も同じ受信箱に届きます。名刺にドット入りで書かれているアドレスは、別のアカウントではありません。

If someone accidentally adds dots to your address when emailing you, you'll still get that email. 出典: support.google.com

プラス付きアドレスも同じ性質を持ちます。[email protected] は同じ受信箱に届きながら、フィルタで拾えるタグを含んでいます。サービスの登録時にタグを付けたアドレスを使っておくと、サービスごとの仕分けが手間なしで手に入り、後から迷惑メールが増えたときにどこが住所を渡したのかも見当が付きます。

ここで押さえておきたいのは、住所を増やす手間はほぼゼロで、受信箱を増やす手間はゼロではないという差です。受信箱が1つ増えるたびに、パスワード、2段階認証の設定、保存容量、乗っ取りの監視対象が1つずつ増えます。

Googleが数で止めてくるのは4か所ある

Googleは「1人が作れるアカウントは何個まで」という数字を公表していません。止まるのは別の場所で、しかも事前の予告がありません。

1つ目は電話番号です。アカウントを作るときに電話番号の確認を求められることがあり、短い期間に同じ番号で作り続けると通らなくなります。何個目で止まるかは公表されていないので、必要になった当日に作れなくて困る、という形で表面化します。

2つ目は保存容量です。無料のアカウントには15GBの保存容量が付きますが、これはアカウントごとに別々で、合算もできません。アカウントを5つ持っているなら、5つの容量が別々のペースで埋まっていき、埋まった時点でそのアカウントだけメールの受信が止まります。ふだん開かないアカウントほど、止まったことに気づくのが遅れます。

3つ目は未使用です。Googleは2年使われていないアカウントを、中身ごと削除できるという方針を示しています。「登録のときだけ使って以後は開かないアカウント」は、この条件にそのまま当てはまります。残したい住所があるなら、使うか、少なくとも定期的にサインインしておく必要があります。

4つ目はサインインの並びです。同じブラウザに複数のアカウントでサインインすると、GmailやドライブのURLに /u/0/u/1/u/2 という番号が入ります。この番号は名前ではなくサインインした順番の位置なので、1つサインアウトすると繰り上がって別のアカウントを指すようになります。しかも切り替えメニューからのサインアウトは、そのブラウザの全アカウントが同時に落ちます。

Google Workspaceでは、住所と器がはっきり分かれる

仕事で使っているのがGoogle Workspaceであれば、答えが変わります。こちらは住所とアカウントが最初から別のものとして設計されているためです。

管理者は既存のユーザーにエイリアスのアドレスを追加できます。エイリアス宛のメールは同じ受信箱に届き、返信の差出人としても選べて、追加のライセンス料はかかりません。1ユーザーあたり30件まで追加できるので、請求担当や問い合わせ窓口のようなアドレスのために、別のログインとパスワードと窓を用意する必要はありません。

Googleグループを使う手もあります。グループのアドレスは1人に配ることも複数人に配ることもでき、担当者が変わったときの引き継ぎがメンバーの編集だけで済みます。

2つ目のGoogleアカウント Workspaceのエイリアス プラス付きアドレス Googleグループ 送信元アドレスの追加
受信箱が別になる なる ならない ならない 設定次第 ならない
パスワードと容量が別 別になる 同じ 同じ 同じ 同じ
その住所から送れる 送れる 送れる 制限あり 送れる 送れる
追加費用 無料枠かライセンス なし なし なし なし
他の人への引き継ぎ パスワードの受け渡し 管理画面で変更 該当なし メンバー編集 該当なし
用意にかかる時間 15分程度 2分程度 なし 5分程度 10分程度

選び分けの基準は所有です。いつか他の人に渡す住所や、担当が変わっても残す住所は、個人のアカウントではなくグループや組織の持ち物にしておくべきものです。逆に「その名前で受け取って、その名前で返せればよい」だけなら、エイリアスか送信元アドレスの追加で足ります。管理する対象は増えません。

作る前に試せる、増やさない3つの手

2つ目のアカウントが欲しくなる理由は、たいてい次の3つのどれかに分解できます。そしてどれも、アカウントを増やさずに実現できます。

1つ目は「別の名前で送りたい」です。Gmailの設定にある送信元アドレスの追加を使うと、確認済みのアドレスを返信の差出人として選べるようになります。確認は相手のアドレス宛に届く確認メールで行うので、そのアドレスが実在していればよく、Googleアカウントである必要はありません。独自ドメインのアドレスでも同じように登録できます。

2つ目は「別の住所宛のメールを受け取りたい」です。方法は2通りあり、送る側で設定する転送は即座に届くので、早く気づく必要がある住所に向いています。受け取る側で設定する取り込みは巡回のタイミングで届くので、急がない住所に向いています。どちらも同じ受信箱に落ちるため、宛先の住所でラベルを付けるフィルタを先に用意しておかないと、切り替える手間が仕分けの手間に置き換わるだけになります。

3つ目は「別の人にも読ませたい」です。Gmailの代理アクセスを使うと、パスワードを渡さずに他の人が読んで返信できるようになり、送信したメールには代理として送った記録が残ります。分けたい理由が「同じ人の別の顔」ではなく「別の役割」なのであれば、アカウントを増やすよりこちらのほうが筋が通ります。

この3つで賄えないのは、保存容量とパスワードを分けること、そして他社サービスへのログインに使う身元を分けることです。そこが本当の目的であれば、2つ目のアカウントを作るのが正解で、近道はありません。目的がそこに無いなら、増やした分だけ管理する対象が増えるだけになります。

実際に効いてくる上限は、通知を追える数

数え方を変えたほうがいい理由がここにあります。持てる数の上限より先に、追える数の上限が来るからです。

サインインしているアカウントが1つ増えるたびに、気づかないまま届く場所が1つ増え、差出人を間違える余地が1つ増えます。そして通知はどれも同じ顔で届きます。ブラウザから出る通知に付いているのはブラウザの身元であって、アカウントの身元ではないためです。新着があったことは分かっても、5つのうちどの受信箱に届いたのかは分かりません。確かめる方法は開くことだけで、この確認で失われるのは読む数十秒ではなく、そのとき進めていた作業が切れることのほうです。

数が増えたときに効いてくる負担がもう1つあります。アカウントは1つごとに、パスワード、2段階認証、再設定用の連絡先、サインイン中の端末の一覧、そして過去に許可した外部アプリの一覧を持っています。1つ点検するだけなら数分ですが、5つになると半日仕事になり、結果として点検されなくなります。そして手薄になるのは、いちばん使っていないアカウントです。急いで作って以後開いていないアカウントが、いちばん弱い入口として残ります。

分け方がOSの側まで届いていれば、これは根元から変わります。アカウントが自分の窓と自分のアイコンを持っていれば、macOSのシステム設定で「日中は仕事のアカウントだけ通し、個人のアカウントは黙らせる」と指定できます。1つのブラウザの窓の中では、通知の許可がブラウザに対して1つしか無いので、全部通すか全部止めるかの二択になります。

何個まで持つかを決める2つの問い

手元のアドレスを一覧にして、1つずつ次の2点に答えると、置き場所が自動的に決まります。

  • その住所から送るメールは、その名前で届く必要があるか
  • その住所に届くメールは、1時間以内に気づく必要があるか

どちらも不要な住所は、まとめた受信箱に入れるのが正解です。領収書や発送通知しか来ない住所に、専用の窓もアイコンも通知設定も要りません。Gmailの設定にある「他のアカウントのメールを確認」で、POPを使って最大5件の住所から取り込めます。ただし届くのは巡回のタイミングなので即時ではなく、住所ごとにラベルを自動で付けるフィルタは省けません。

どちらも必要な住所は、専用の器を持つ価値があります。仕事の住所と主要な取引先の住所がここに入ります。正しい差出人で送る必要があり、届いたら早く気づく必要もあるので、タブの中に置いておくと必ずどこかで事故が起きます。

片方だけ必要な住所は中間で、流量で決めます。送る必要はあるが受信がほとんど無いなら、主アカウントの送信元アドレスとして登録すれば足ります。受信は多いが送らないなら、転送してラベルで仕分ければ足ります。

この仕分けを一度やると、一覧はたいてい縮みます。6つ管理しているつもりだった人が、実際に管理していたのは2つで、残りの4つは綴りが違うだけの住所だった、という結果になることが珍しくありません。

数ではなく、窓の数で数え直す

gmail 複数アカウント何個までという問いに、Googleが決めた数字で答えることはできません。答えを決めているのは、同時にいくつの身元を追えるかという人間側の上限です。そして追えるかどうかは、アカウントの数ではなく置き方で決まります。

同じ問題はメールの外にも広がっています。Slack、カレンダー、案件管理、取引先の管理画面も、2つ目のGmailとまったく同じで、ブラウザという1つの身元の中にタブとして置かれています。仕事の単位で窓とセッションを区切る考え方はワークスペースにまとまっており、どのサービスがその形で動くようにしてあるかは使えるアプリで確認できます。同じ分野の道具をすでに検討しているなら、対応範囲と費用の違いを並べたWaveboxとの比較が判断の材料になります。ここで中心にあるのはアプリごとに独立したワークスペースという考え方で、区切る単位をアカウントの数ではなく仕事の内容に置きます。

やる順番としては、まず手元の住所を書き出して、別の受信箱が本当に必要なものと、綴りが違うだけのものに分けてください。減らせた分だけ、パスワードも保存容量も通知も減ります。そのうえで残った2つか3つに、タブではなく専用の窓と通知の設定を与えると、切り替えの回数そのものが減っていきます。

よくある質問

1つのGoogleアカウントにGmailのアドレスを2つ持てますか?

受信箱としては持てません。個人向けのGoogleアカウントが持つ@gmail.comの受信箱は1つで、2つ目のアドレスを作ることは2つ目のアカウントを作ることと同じです。ただしドットの有無は無視され、プラス付きの住所も同じ受信箱に届くので、届く住所の数は増やせます。

Googleアカウントは1人で何個まで作れますか?

Googleは上限の数字を公表していません。実際に止まるのは電話番号の確認、アカウントごとに別々の15GBという保存容量、そして2年間使われていないアカウントを削除できるという方針の3つです。作れる数より、維持できる数のほうが先に限界に来ます。

Google Workspaceのエイリアスは何件まで追加できますか?

1ユーザーあたり30件までとされています。エイリアス宛のメールは同じ受信箱に届き、返信の差出人としても選べて、追加のライセンス料はかかりません。請求や問い合わせのような役割ごとの住所は、別アカウントを作らずエイリアスで足ります。

アドレスのドットやプラス記号は別アカウントになりますか?

なりません。どちらも同じ1つのアドレスの書き方違いで、届く先は同じ受信箱です。パスワードも保存容量も増えません。プラス付きの住所は登録先ごとに変えておくと、フィルタでの仕分けと、迷惑メールの出どころの特定に使えます。

記事一覧へ戻る