chromeでアカウント切り替えできない原因を3つの層に分けて見る
Chromeでアカウントの切り替えができないとき、まず確かめたいのは「どの切り替え」をしようとしているかです。 Chromeには、ブラウザ右上のプロファイルのアイコンで切り替える「Chromeのプロファイル」と、GmailやGoogleドライブの画面右上のプロフィール画像で切り替える「Googleアカウント」の2つの切り替えがあり、別々に動いています。 この取り違えを外したあとは、Googleアカウントの仕組み、Cookieの置き場所、ブラウザ側の管理と状態の3つの層のどこで止まっているかを順に見ると、たいていの原因は見つかります。 この記事では、Googleのヘルプにある画面の名前どおりに、確かめる順番と直し方を並べます。
切り替えが2種類あることを先に押さえる
Chromeで「アカウントを切り替える」と言うとき、指しているものは2つあります。
| 切り替えの種類 | 操作する場所 | 切り替わるもの |
|---|---|---|
| Chromeのプロファイル | ブラウザの窓の右上、アドレスバーの横のアイコン | ブックマーク、履歴、パスワード、拡張機能、ログイン状態のすべて。別の窓が開く |
| Googleアカウント | Gmailなど、Googleのページの右上のプロフィール画像 | そのページで使うGoogleアカウントだけ。同じ窓のまま |
Googleのヘルプでは、Chromeへのログインは任意とされています。
Gmail などの Google サービスで Google アカウントにログインすると、Chrome にもログインするかどうかを尋ねられることがあります。Chrome へのログインは任意です。設定はいつでも変更できます。 出典: support.google.com
つまり、ブラウザ右上のアイコンに表示されているアカウントと、Gmailの画面で使っているアカウントは、一致していなくてもかまいません。 「右上のアイコンを押しても、Gmailのアカウントが変わらない」という相談の多くは、Chromeのプロファイルのメニューを開いて、Googleアカウントを切り替えようとしている状態です。 Gmailのアカウントを変えたいなら、Gmailの画面の右上にあるプロフィール画像を押します。 反対に、ブックマークや拡張機能ごと仕事と私用を分けたいなら、Chromeのプロファイルの側を使います。 どちらを切り替えたいのかが決まると、次に見る場所も決まります。
Googleアカウントの切り替えを正しい手順でやり直す
Googleのページの中でアカウントを切り替える手順は、複数のアカウントに同時にログインするのヘルプにあります。
アカウントを追加する
- パソコンからGoogleにログインする
- 右上に表示されるプロフィール画像またはイニシャルを選ぶ
- メニューで[アカウントの追加]を選ぶ
- 指示に沿って、使いたいアカウントにログインする
アカウントを切り替える
- 右上のプロフィール画像またはイニシャルを選ぶ
- メニューで、使いたいアカウントを選ぶ
この手順で一度追加しておけば、ログアウトとログインを繰り返さずに切り替えられます。 切り替えたあと、Gmailならアドレスバーの mail.google.com/mail/u/0/ の数字の部分が変わるので、どのアカウントで開いているかを確かめる目印になります。 ブックマークを数字の入ったURLで保存しておくと、決まったアカウントの受信トレイを直接開けます。
メニューにアカウントが出てこない、選んでも元に戻る、という場合は、一度すべてのアカウントからログアウトしてから追加し直すと直ることがあります。 ヘルプでは、Googleのページの右上のプロフィール画像から[ログアウト]または[すべてのアカウントからログアウトする]を選ぶ手順が案内されています。 ログアウトする前に、再設定用の電話番号やメールアドレスなど、再ログインできない場合の確認方法を設定しておくよう注意書きがあります。
1つ目の層:Googleのデフォルトのアカウント
切り替えたはずなのに、新しく開いた窓やサービスで別のアカウントが出てくる、という症状があります。 これは故障ではなく、Googleのヘルプに書かれている仕様です。
ヘルプによると、複数のアカウントにログインしていると、Googleがどのアカウントを使っているかを判断できなくなることがあります。 たとえば2つのアカウントにログインした状態で新しいウィンドウを開くと、どちらを使うか判断できず、「ウェブとアプリのアクティビティ」などではデフォルトのアカウントの設定が適用されることがあるとされています。 そして、多くの場合デフォルトのアカウントは最初にログインしたアカウントです。
この症状を避けるには、いちばんよく使うアカウントでまず最初にログインし、他のアカウントを後から追加します。 デフォルトを入れ替えたいときは、すべてのアカウントからログアウトし、デフォルトにしたいアカウントから順にログインし直します。 仕事用と私用のどちらが先に出てきても困る、という人は、次の節のChromeのプロファイルで窓ごと分けるほうが確実です。
2つ目の層:Cookieが消える、または保存されない
Googleアカウントの切り替えは、ログイン状態をCookieとしてブラウザに保存することで成り立っています。 Cookieが消えたり、保存されなかったりすると、切り替えのメニューからアカウントが消えたり、毎回ログインを求められたりします。
Chrome で Cookie を削除、許可、管理するのヘルプには、Cookieを削除すると、ユーザー情報を保持しているサイトからログアウトしたり、保存した設定が削除されたりする可能性があると書かれています。 閲覧履歴データを定期的に削除している人や、Cookieを消す拡張機能を入れている人は、それが原因になっていることがあります。
確かめる場所は次のとおりです。
- 右上のその他アイコンから[設定]を開く
- [プライバシーとセキュリティ]から[サードパーティ Cookie]を開く
- [すべてのサイトデータと権限を表示]で、Google関連のサイトのデータが残っているかを見る
同じヘルプには、サイトによるCookieの保存を許可しない場合、サイトが想定どおりに機能しない可能性があるという注意もあります。 特定のサイトのCookieを個別にブロックしていないかも、ここで確かめられます。 シークレットモードでは閉じるとCookieが消えるので、シークレットモードで切り替えを試しても、次に開いたときには残りません。
3つ目の層:ブラウザ側の管理と状態
GoogleアカウントとCookieに問題がないのに切り替えられない場合は、Chromeそのものの側を見ます。 確かめるのは、組織による管理と、Chromeのバージョンの2点です。
職場や学校の管理で制限されている
学校や会社から配られたパソコン、または職場のアカウントでログインしたChromeでは、管理者が機能を制限していることがあります。 Chrome ブラウザが管理対象かどうかを確認するのヘルプによると、管理対象のChromeでは、管理者が特定の機能の設定や制限、拡張機能のインストール、使い方の管理などを行っている可能性があります。
確かめ方は次のとおりです。
- 右上のその他アイコンを選び、メニューの下部を見る
- 「組織によって管理されています」と表示されていれば管理対象
- アドレスバーに chrome://policy と入力すると、組織が設定したポリシーを確認できる
学校のアカウントで個人のアカウントに切り替えられない、という相談は、このパターンが多く見られます。 管理対象のChromeでは、利用者の側で設定を変えて解決することはできません。 個人のアカウントを使いたい場合は、管理者に問い合わせるか、個人で管理しているパソコンや、管理対象ではない別のプロファイルで使います。
Chromeが古い
切り替えのメニューが表示されない、押しても反応しない、という症状は、Chromeが最新の状態でないときにも起こり得ます。 Google Chrome を更新するのヘルプでは、次の手順が案内されています。
- 右上のその他アイコンから[ヘルプ]、[Google Chrome について]を選ぶ
- [再起動]を選ぶ(表示されない場合は最新バージョン)
再起動すると、開いていたタブやウィンドウは自動的に表示されます。 ただしシークレットウィンドウは戻らないので、作業中のものがあれば先に控えておきます。
Chromeのプロファイルで窓ごと分ける
Googleアカウントの切り替えで不具合が続くとき、または仕事と私用をはっきり分けたいときは、Chromeのプロファイルを使います。 プロファイルは、ブックマーク、履歴、パスワード、ログイン状態をプロファイルごとに分ける仕組みです。 ブラウザ右上のプロファイルのアイコンから[Chrome プロファイルを追加]を選び、名前とテーマカラーを決めると、新しい窓が開きます。 その窓でGoogleアカウントにログインすれば、他のプロファイルのログイン状態とは干渉しません。
この方法の利点は、デフォルトのアカウントに戻される問題が起きないことです。 窓ごとにログイン状態が独立しているので、仕事の窓で私用のアカウントが出てくることはありません。 その代わり、受信トレイやカレンダーを見に行くたびに、どの窓だったかを探すことになります。 Macでは ⌘+shift+m で、別のユーザーでログインするためのメニューを開けます。
アプリごとにログイン状態を分ける道具
Gmailだけでなく、SlackやNotionでも複数のアカウントを使っている人は、プロファイルの窓を行き来する回数が増えます。 そうした使い方に向けて、Webアプリを1つずつ登録して、アプリごとにログイン状態を分けるアプリ集約ブラウザという道具があります。 macOS向けのある製品のワークスペースの説明では、アプリごとに独立したCookieの入れ物を持つため、同じGmailを3つのアカウントで同時に開いたままにでき、切り替えてもログアウトされないとされています。 2つ目のアカウントを加えるには、登録済みのアプリを右クリックして「別アカウントとして追加(セッションを分ける)」を選び、ログインがおかしくなったときは「このアカウントで再ログイン(セッションをリセット)」で直す手順です。 料金のページによると、無料版はワークスペース1つ、アプリ3つまでで、多重ログインはProの機能です。 Proは月額980円(年額8,800円、買い切り19,800円)で、14日間は登録もクレジットカードも要らずに試せます。
切り替えができない原因を1つずつ外していき、それでも行き来の多さそのものが負担になっているなら、切り替えの仕組みを変えることを考えます。 まずは、いま切り替えたいのがChromeのプロファイルなのか、Googleアカウントなのかを確かめるところから始めると、余計な設定変更をせずに済みます。
よくある質問
Chromeの右上のアイコンからGmailのアカウントを切り替えられないのはなぜですか?
ブラウザ右上のアイコンは、Chromeのプロファイルを切り替えるためのものです。 Gmailで使うGoogleアカウントは、Gmailの画面の右上にあるプロフィール画像から切り替えます。 2つは別々に動いているので、どちらを切り替えたいかで押す場所が変わります。
切り替えても最初のアカウントに戻ってしまうのはなぜですか?
Googleは、どのアカウントを使っているか判断できないとき、デフォルトのアカウントの設定を使うことがあります。 デフォルトのアカウントは、多くの場合最初にログインしたアカウントです。 よく使うアカウントでいちばん先にログインし直すか、Chromeのプロファイルで窓ごと分けると起きにくくなります。
学校のアカウントから個人のアカウントに切り替えられないときはどうすればよいですか?
学校や職場が管理しているChromeでは、管理者が機能を制限していることがあります。 右上のその他アイコンのメニューの下部に「組織によって管理されています」と出ていれば管理対象です。 その場合は利用者の側では変えられないため、管理者に問い合わせるか、個人で管理しているパソコンを使います。
毎回ログインし直すことになるのはなぜですか?
ログイン状態はCookieとして保存されているため、Cookieを削除したり、保存をブロックしたりしているとログアウトされます。 [設定]の[プライバシーとセキュリティ]から[サードパーティ Cookie]を開き、[すべてのサイトデータと権限を表示]で確かめられます。 閲覧履歴データを自動で消す拡張機能を入れている場合も原因になります。