Chromeの自動翻訳の設定|勝手に訳す・訳さないを決め直す

chrome 自動 翻訳 設定を調べる理由は、たいてい両極のどちらかになる。英語のページを開くたびに勝手に日本語になってしまって原文が読めない、という側と、英語の管理画面を毎日見ているのに翻訳の案内が一度も出てこない、という側だ。この2つは正反対の困り方に見えて、実は同じ画面の同じ4つのつまみで決まっている。どちらの側にいても、触る場所は1か所しかない。ここでは、そのつまみが何を決めているのかを対応表にして、目的から逆算して設定できる状態にする。あわせて、設定したつもりなのに効かないときに何を疑うのかも順番で並べる。

「勝手に訳される」が起きるのは既定がそうなっているから

まず前提を1つ置く。Chromeの翻訳は、利用者が何も設定していない状態でも動くように作られている。読めない言語のページを開いたときに、訳すかどうかを尋ねる案内が出る。この動きを自動翻訳と呼んでいる人が多く、実際に公開されている解説でもその呼び方で説明されている。

ホームページを開くと、英語のページが自動的に日本語翻訳されることがあります。この機能を「自動翻訳」といいます。 自動翻訳機能を無効にするには、以下の手順に従って操作してください。 出典: tku.ac.jp

ここで押さえておきたいのは、自動翻訳には段階が2つあるという点になる。1段目は「訳しますか」と尋ねる段階で、2段目は「尋ねずに訳す」段階だ。尋ねる段階はChromeが最初から持っている動きで、尋ねずに訳す段階は、過去にどこかで「この言語は常に訳す」を選んだ結果として残っている。

英語のページを開くたびに問答無用で日本語になる人は、2段目に入っている。いつだったか忘れたタイミングで一度だけ選んだ設定が、以後ずっと効き続けている。この状態は、設定画面の別の項目に記録されているので、翻訳の機能そのものを切らなくても、その1行を消せば元に戻る。この区別を知らないまま「自動翻訳をオフ」と書かれた手順に従うと、必要なときの翻訳まで一緒に失うことになる。

逆に、英語の画面を毎日見ているのに案内が出てこない人も、同じように過去の選択が残っている可能性が高い。「この言語は翻訳しない」を一度押していると、以後その言語では黙って何も出なくなる。

つまみは全部「言語」の画面に並んでいる

Chromeの翻訳に関わる設定は、分散していない。設定を開いて、左側の「言語」を選ぶ。ここに必要なものが全部ある。項目名は次の通りで、それぞれが別の役割を持っている。

  • 「Google 翻訳を使用する」。翻訳の機能そのものを使うかどうかの切り替え
  • 「この言語に翻訳する」。訳した先の言語を何にするか
  • 「これらの言語を自動的に翻訳する」。尋ねずに訳す言語の一覧
  • 「翻訳するか確認しない言語」。案内を出さない言語の一覧
  • 「優先言語」。読める言語として申告する一覧

この5つのうち、困りごとに直接効くのは3番目と4番目になる。名前が似ているので混同されやすいが、意味は正反対だ。3番目に英語を入れると、英語のページは尋ねられずに日本語になる。4番目に英語を入れると、英語のページでは案内そのものが出なくなる。つまり、勝手に訳されるのが嫌なら3番目から英語を外し、案内が出てこないのが困るなら4番目から英語を外す。

5番目の「優先言語」は間接的に効く。ここに入っている言語は、読める言語として扱われる。英語を優先言語に入れたままだと、英語のページを読める人として扱われるため、翻訳の案内が出にくくなる。英語の管理画面で案内が出ないと言っている人の設定を見ると、ここに英語が並んでいることがよくある。

1番目の「Google 翻訳を使用する」を切るのは、最後の手段として考えたい。これを切ると、後から述べる手作業の翻訳も含めて全部が止まる。特定の言語だけを止めたいときに使うつまみではない。

やりたいことから触る場所を引く

設定の項目名だけを並べても対応が取りづらいので、目的の側から表にしておく。

やりたいこと 触る項目 結果として起きること
英語のページが勝手に日本語になるのを止める 「これらの言語を自動的に翻訳する」から英語を削除 案内は出るが、押すまで訳されない
英語のページで案内も出さない 「翻訳するか確認しない言語」に英語を追加 何も出ない。必要なときは右クリックで訳す
英語のページを毎回すぐ日本語で読む 「これらの言語を自動的に翻訳する」に英語を追加 開いた時点で日本語になる
案内が出ないのを出るようにする 「翻訳するか確認しない言語」と「優先言語」から英語を外す アドレスバーに翻訳のアイコンが戻る
訳す先を日本語以外にする 「この言語に翻訳する」を変更 以後すべての翻訳がその言語になる

表の2行目と4行目は、同じ「翻訳するか確認しない言語」を逆向きに使っている。設定が今どちらに寄っているのかを確かめずに手を入れると、追加と削除を取り違えて、直したはずが悪化する。まず一覧を開いて、英語が入っているかどうかを目で見るところから始めるのが早い。

自動を切っても、その場で訳す道は3つ残る

自動翻訳を止めることをためらう理由は、必要なときに訳せなくなると思っているからだろう。実際には手作業の入口が複数あり、自動を止めてもそこは残る。

1つ目はアドレスバーの右にある翻訳のアイコンだ。押すと言語の一覧が出て、選んだ言語で表示が切り替わる。2つ目はページ上の右クリックで、「[言語] に翻訳」という項目が出る。3つ目は文章を選んでからの右クリックで、「選択範囲を [言語] に翻訳」が出る。3つ目は全体を訳したくないときに効く。エラーメッセージ1行だけを確かめたい、規約の1段落だけ読みたい、といった場面で、ページ全体のレイアウトを崩さずに済む。

公開されている解説でも、自動を切ったあとに手作業で訳せることは明記されている。

自動翻訳の機能をOFFにした場合でも、開いているWebページの文章を日本語に変換することができます。 使い方は簡単なので下記で説明します。 出典: tku.ac.jp

この3つの入口を知っていると、設定の方針が決めやすくなる。既定は「訳さない」に寄せておき、必要なときだけ手で訳す。毎日見る英語の画面が決まっているなら、その言語だけを自動に入れる。全部を自動にする必要はまずない。

設定したのに効かないときに見る順番

設定を変えたのに動きが変わらない、という相談は多い。原因はほぼ次の4つに絞られるので、上から順に見ていく。

1つ目は、開き直していないこと。表示の切り替わりは、開いているページには遡って効かない。設定を変えたら同じページを読み込み直して確かめる。

2つ目は、プロファイルが違うこと。Chromeは利用者ごとにプロファイルを持ち、そこにブックマーク・履歴・パスワード・設定を別々に保存する。仕事用と個人用を分けている人が、片方で設定して、もう片方の窓で確かめていることがある。右上のアイコンで、いまどのプロファイルの窓を見ているかを確かめる。

3つ目は、そのページが翻訳の対象になっていないこと。画面の文字が画像として置かれている場合や、ログインした後に読み込まれる部分だけ言語が違う場合は、ページ全体の言語判定が働かず、アイコンが出ない。この場合は選択範囲の翻訳で足りることが多い。

4つ目は、管理された端末であること。会社から配られた端末では、ブラウザの設定が管理者側で固定されていることがある。設定画面に管理されている旨の表示が出ていれば、手元で変えられる範囲を超えている。

拡張機能を足すかどうかの判断

Chromeウェブストアには翻訳の拡張機能が並んでいて、Google自身が出しているものもある。標準の機能で足りないと感じたときに検討の対象になるが、先に標準側のつまみを使い切ったかどうかを確かめたい。ここまでに挙げた5つの項目で解ける困りごとを、拡張機能で解こうとしている例が多い。

拡張機能を足す価値があるのは、標準の機能が構造上できないことをしたい場合に限られる。具体的には、選んだ語だけを小さな枠で訳して原文を残したい場合、対訳の形で並べて見たい場合、ページを訳さずに読み上げたい場合などになる。逆に、特定の言語だけ自動にしたい、案内を止めたいといった話は全部標準側の設定で足りる。

もう1つ、拡張機能には権限の話が付いてくる。ページの文章を訳す道具は、開いているページの内容を読める必要があるため、要求する権限は必然的に広くなる。追加のときに出る画面で、どのサイトのデータに触れるのかを読んでおく。毎日使う管理画面や社内の情報が入る画面を含む端末では、この確認を飛ばさない方がよい。

判断の順番は決めやすい。標準の設定で目的が達せられるなら足さない。達せられないと分かってから、何をしたいのかを1文で言えるようにしてから探す。「便利そうだから」で入れた翻訳の拡張機能は、標準の機能と二重に動いて、どちらが訳しているのか分からない状態を作りやすい。

訳した画面で仕事をするときに起きること

設定が済んだ後の話も書いておく。翻訳した画面で作業を続けると、実務上の副作用が2つ出る。

1つは用語のずれだ。訳された画面のボタン名で覚えると、同僚と会話が噛み合わなくなる。管理画面のボタンは英語のままの名前で共有されることが多く、訳語は手元にしか存在しない。手順を人に伝える場面がある画面は、原文のまま読む方が後で楽になる。

もう1つは、入力欄の扱いだ。訳された状態のページで文字を打つと、入力中の変換と表示の書き換えがぶつかることがある。長い文章を書き込む画面は、訳さずに開く方が事故が少ない。読むだけの画面は訳し、書く画面は訳さない、という分け方が現実的だ。

そのためには、同じブラウザの中で画面ごとに扱いを変えられる必要がある。言語の設定はプロファイル単位でしか持てないので、1つのプロファイルに読む画面と書く画面を混ぜている限り、どちらかに妥協することになる。

毎日行き来する画面が多い人の場合

Webアプリを何枚も開いて仕事をしている人にとって、翻訳の設定は単独の問題では終わらない。訳したい画面と訳したくない画面が同じ窓に同居しているから、設定を1つに決められない。ここが本当のつまずきになる。

この形の解き方は2つある。1つはプロファイルを分けることだ。読む用と書く用でプロファイルを分けて、それぞれで言語の設定を持つ。確実に効くが、窓が増え、外から来たリンクがどちらの窓で開くかを毎回気にすることになる。

もう1つは、アプリごとに独立した領域を持つブラウザを使うことだ。画面を1枚ずつ別の枠に入れておけば、設定も履歴もその枠の中で完結する。この考え方は、アプリごとに独立したワークスペースとして整理されている。どの単位で分けられるのかはワークスペースの説明にまとまっており、窓を増やさずに画面ごとの扱いを変えたい場合の選択肢になる。

分ける前に確かめておきたいのは、対象の画面がその形で動くかどうかだ。サービスごとに単独の枠で開けるかは事前に調べられるようになっており、使えるアプリの一覧で確認できる。翻訳の設定を触る前に、そもそも画面をどう置くかを決めた方が、やり直しが少なくなる。

判断の順番としては、まず「言語」の画面で自動に入っている言語を確かめる。次に、勝手に訳されるのか、案内が出ないのかを言葉にする。この2つが決まれば触る項目は1つに絞れる。それでも毎日つまずくなら、設定ではなく画面の置き方の問題になっている。導入の前に条件を確かめたい場合はよくある質問に判断の材料が並んでいる。

よくある質問

自動翻訳を切ると、必要なときに訳せなくなりますか?

なりません。アドレスバーの翻訳アイコン、ページ上の右クリック、文章を選んでからの右クリックの3つが残ります。全体を訳したくない場面では、選択範囲だけを訳す入口が使えるため、自動を切っても実務で困る場面はほとんどありません。

英語のページだけ訳されないようにできますか?

できます。設定の「言語」を開き、「翻訳するか確認しない言語」に英語を追加すると、英語のページでは案内が出なくなります。他の言語の翻訳はそのまま残るため、全体の機能を切る必要はありません。

設定を変えたのに動きが変わりません。何を見ればよいですか?

まずページを読み込み直します。それで変わらなければ、右上のアイコンで見ている窓のプロファイルを確かめます。会社から配られた端末では設定が管理者側で固定されていることがあり、その場合は設定画面に管理されている旨の表示が出ます。

訳された画面のまま作業を続けても問題ありませんか?

読むだけなら差し支えありませんが、入力の多い画面は原文のまま開く方が安全です。訳された画面ではボタン名が手元だけの訳語になり、手順を人に伝えるときに噛み合わなくなります。読む画面と書く画面で扱いを分けるのが現実的です。

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