Macの画面を2分割して使う|並べるアプリの選び方

資料を見ながら返信を書く、仕様書を読みながらタスクを直す。どちらも画面を2分割すれば済む話に見えて、実際にやってみると分割そのものは30秒で終わり、そのあとも同じだけ探し物をしている。mac 画面 2 分割で検索した人がほしいのは手順そのものよりも、分割で片づく問題と、分割では片づかない問題の境目のほうです。

macOSは標準で窓を並べる機能を持っていて、入口は4つあります。まずそこを押さえたうえで、どこから先が別の問題なのかを順に見ていきます。

画面を2分割する話が増えた背景

ウインドウを画面の左右に吸い付ける仕組みは、以前は別のアプリを入れて足りないところを埋める領域でした。いまはmacOSの側に用意されています。Appleのユーザガイドでタイル表示の項目が用意されているのは macOS Sequoia 15 以降のバージョンで、それより前のバージョンのガイドには同じ項目がありません。つまり、この数年でMacを新しくした人は、追加のアプリを入れないまま分割の大半を済ませられる状態になっています。

同時に、並べたいものの中身が変わりました。以前ならExcelとWordのような別々のアプリでしたが、いまは連絡も資料もタスク管理もブラウザの中にあります。1つのブラウザに20個のタブが並んでいる状態では、画面を左右に分けても左側にブラウザ、右側に同じブラウザという形になり、分けた意味が薄くなります。この点が、Windowsから移ってきた人の感じる違和感の正体でもあります。

検索結果に並ぶ記事の多くは手順の紹介で終わっていて、ここから先の話をしていません。手順は先に済ませて、後半でその先を扱います。

標準機能で2分割する4つの入口

Appleのユーザガイドは、タイル表示の方法を4通り挙げています。ウインドウを画面の端までドラッグする方法、Optionキーを押しながらドラッグする方法、ウインドウ左上の緑色のボタンにポインタを重ねる方法、メニューバーの「ウインドウ」メニューから選ぶ方法です。どれを使っても結果は同じで、手が覚えやすいものを1つ決めれば充分です。

ドラッグの場合は、画面の左端または右端までウインドウを引っぱり、色の付いた枠が出たところで指を離します。左右の端が2分割、四隅が4分割、上端に引っぱるとデスクトップ全体に広がります。ここで1つ注意があり、画面の上端を突き抜けるところまでドラッグするとMission Controlが開きます。この動きが邪魔なときは、「デスクトップとDock」設定の「ウインドウを画面上部にドラッグしてMission Controlに入る」をオフにします。

緑色のボタンにポインタを重ねる方法は、選べるレイアウトが一覧で見えるので迷いません。「移動とサイズ変更」の下にあるものはいま前面にあるウインドウだけを動かし、「画面全体に配置」の下にあるものは2つ目以降のウインドウまで一緒に並べます。Optionキーを押すと追加のレイアウトが出てきます。

メニューバーの「ウインドウ」メニューにも同じものがあり、「移動とサイズ変更」の下に「2分割」と「4分割」が分かれて並んでいます。どのアプリでも同じ位置にあるので、緑色のボタンの場所を毎回探すより速い場合があります。

Optionキーを押したまま、ウインドウを強調表示された場所にドラッグします。 出典: support.apple.com

キーボードだけで2分割する

画面に出ている入口のうち、いちばん知られていないのがキーボードショートカットです。マウスに手を伸ばさずに済むため、1日の回数が多い人ほど効きます。Appleが公開している対応表から、2分割に関わるものを抜き出すと次のようになります。

操作 ショートカット
前面のウインドウを左半分へ Fn+Control+左矢印
前面のウインドウを右半分へ Fn+Control+右矢印
前面を左半分、2つ目を右半分へ Fn+Control+Shift+左矢印
前面を右半分、2つ目を左半分へ Fn+Control+Shift+右矢印
デスクトップ全体に広げる Fn+Control+F
中央に配置する Fn+Control+C
分割する前のサイズに戻す Fn+Control+R

実務で価値が高いのは3行目です。Fn+Control+左矢印は前面のウインドウだけを動かすので、右側には元から何かが置かれている前提になります。Fn+Control+Shift+左矢印なら、前面のウインドウを左に、その次に使っていたウインドウを右に、1回の操作で並べられます。2分割のために2回操作していた人は、ここだけで手数が半分になります。

上下に分けたいときは同じ組み合わせで上下の矢印を使います。4分割のレイアウトには既定のショートカットが割り当てられていないため、緑色のボタンかメニューから選ぶことになります。ショートカットが効かないように見える場面のうち、いくらかはこれが理由です。

Split Viewとタイル表示は別の機能

同じ2分割に見えて、macOSには系統の違う2つの仕組みがあります。ここを混同すると、思ったところに戻れなくなります。

タイル表示は、いつものデスクトップの上でウインドウの位置と大きさを変えるだけの機能です。メニューバーもDockもそのまま見えていて、3つ目のウインドウを上に重ねることもできます。

Split Viewは、緑色のボタンから「フルスクリーン」の中にある「画面左側」または「画面右側」を選んで始めます。選んだ2つのアプリは新しい操作スペースに移り、メニューバーはポインタを画面上部に近づけるまで隠れます。中央の区切り線をドラッグすれば片側を広くでき、ダブルクリックで元の比率に戻ります。片側だけ別のアプリに替えたいときは、緑色のボタンから「タイル表示されたウインドウを置き換える」を選びます。

集中したい作業にはSplit Viewが向いていて、連絡を受けながら進める作業にはタイル表示が向いています。Split Viewから抜けられなくなったと感じる場面では、Controlキーを押しながら上矢印キーでMission Controlに入ると、いま自分がどの操作スペースにいるのかが見えます。

2分割しても作業が速くならないとき

分割の手順を覚えたのに体感が変わらない場合、原因はほぼ1つに絞られます。並べたい2つが、どちらも同じブラウザの中のタブになっている状態です。

窓を並べる仕組みは、ウインドウを動かすものであってタブを動かすものではありません。片方をタブのままにしておくと、左右に並べたあとも目的の画面を出すためにタブの列を横に探すことになります。タブを1つ引き出して別のウインドウにすれば解決しますが、その操作を毎回繰り返すことになります。

アプリの切り替えでも同じことが起きます。Command+Tabはアプリ単位の切り替えなので、ブラウザに10個のサービスが入っていても候補は1つです。同じアプリのウインドウを順に見るにはCommand+グレーブアクセント(キーボードの1の左にあるキー)を使いますが、これもタブには効きません。

判断の目安として、いま開いているウインドウの数と、その中で使っているサービスの数を数えてみる方法があります。2つの数が近いなら、分割の仕組みを覚えるだけで日々の操作は軽くなります。サービスの数がウインドウの数の3倍以上あるなら、位置の問題ではなく窓の数の問題です。

分割を助けるアプリの選び方

標準機能で足りないのは、ぴったり半分ではない比率を使いたい場合と、外部ディスプレイを抜き差しするたびに配置を作り直したくない場合です。この2つに当てはまるときだけ、追加のアプリを検討する価値があります。

アプリ 価格 性格 対応OSの表記
Rectangle 無料(オープンソース) ショートカットとスナップ領域。同じショートカットの連打でサイズが循環する macOS 10.15以降
Magnet 490円(税込・買い切り) ドラッグで半分・4分割・3分割。外部ディスプレイは6台まで macOS 13.0以降
Moom 15米ドル 緑色のボタンに出るパレットと、配置そのものの保存 macOS 10.13以降
Amethyst 無料(オープンソース) 新しいウインドウを自動で敷き詰める方式 macOS 10.15以降

Rectangleは無料で、IntelのMacとAppleシリコンのMacの両方に対応しています。同じショートカットをもう一度押すと別のサイズに切り替わる作りなので、覚えるショートカットの数が増えません。Magnetは490円の買い切りでApp Storeから入手でき、3分割を画面の下端で作れる点が標準機能と違います。

Moomの位置づけは少し違って、配置そのものを保存して呼び出す道具です。外で作業してから机に戻り、外部ディスプレイにつなぎ直すたびにウインドウを並べ直している人には、分割の細かさよりこちらが効きます。AmethystやAeroSpaceのように自動で敷き詰める方式は、置き場所を考えなくて済む代わりに、1つだけ自由な位置に浮かせておくという使い方ができなくなります。

なお、これらのアプリは他のアプリのウインドウを動かすため、macOSの「プライバシーとセキュリティ」設定にある「アクセシビリティ」の許可が必要になります。Amethystは導入手順の中でその点を明示しています。

外部ディスプレイで3分割・4分割まで広げるとき

13インチや14インチのノート単体では、2分割が実用の上限に近くなります。左右それぞれの幅が狭くなり、表の列が折り返されたり、サイドバーが自動で畳まれたりして、並べたのに読めないという状態になります。

macでウィンドウを3分割する際は、27インチ以上の大画面外部ディスプレイが最適です。画面が広ければ、一つ一つのウィンドウサイズも十分確保でき、作業効率が格段に向上します。 出典: it-archive.com

外部ディスプレイをつなぐと4分割が現実的になりますが、前述のとおり4分割には既定のショートカットがありません。左半分と右上・右下を組み合わせる形(前面を左半分、残りを右上と右下へ)にはFn+Control+Option+Shift+左矢印が割り当てられているので、3つ並べたい場面ではこちらが使えます。

縦向きに回したディスプレイを使う場合は、上下の分割が主役になります。Fn+Control+上矢印と下矢印、2つ並べるならFn+Control+Shift+上矢印です。縦置きは連絡用のウインドウとの相性がよく、横長の画面を資料の読み込みに残せます。

窓の数から組み立て直すという選び方

ここまでの整理で残るのは、Webアプリを中心に働いている場合に、窓の数をどう決めるかという論点です。ブラウザのタブは並べられないという制約は、道具を足しても消えません。消すには、サービスごとに窓を分けるしかありません。

サービスごとに窓が分かれていれば、Command+Tabの候補にそれぞれが現れ、通知のバッジもどのサービスのものか一目で分かります。そのうえでFn+Control+Shift+左矢印を押せば、並べたい2つがそのまま左右に収まります。macOS向けにこの形を前提としたブラウザがあり、何ができるのかはできることに一覧があります。

窓を仕事の単位でまとめ直す考え方はワークスペースで説明されていて、朝の連絡確認と午後の制作作業で開く窓の組み合わせを切り替える使い方になります。アプリごとに独立したワークスペースを持てるため、同じサービスの業務用と個人用を同時に開いたままにできます。毎日使うサービスが対象に入っているかどうかは使えるアプリで先に確かめられます。

同種のアプリは複数あり、価格や対応範囲の違いはWaveboxとの比較にまとまっています。費用の目安を先に知りたい場合は料金を見てから判断する形になります。

よくある質問

macOSの標準機能だけで画面を2分割できますか?

できます。ウインドウを画面の左端か右端までドラッグする、Optionキーを押しながらドラッグする、左上の緑色のボタンにポインタを重ねる、メニューバーの「ウインドウ」から選ぶ、の4つの入口があります。Appleのユーザガイドでタイル表示の項目が用意されているのはmacOS Sequoia 15以降です。

2分割のキーボードショートカットは何ですか?

前面のウインドウを左半分に動かすのはFn+Control+左矢印、右半分はFn+Control+右矢印です。2つのウインドウを一度に左右へ並べるにはFn+Control+Shift+左矢印を使います。分割する前のサイズに戻すのはFn+Control+Rです。4分割には既定のショートカットがありません。

Split Viewとタイル表示はどちらを使うとよいですか?

連絡を受けながら進める作業にはタイル表示が向いています。デスクトップ上に並ぶだけなので、3つ目のウインドウをすぐ重ねられます。1つの作業に集中したいときはSplit Viewで、新しい操作スペースに移りメニューバーも隠れるため、ほかの通知が視界に入りにくくなります。

分割用のアプリは有料のものを選ぶ必要がありますか?

用途によります。無料のRectangleはショートカットとスナップ領域を備えていてmacOS 10.15以降で動きます。490円(税込)のMagnetは画面の下端で3分割を作れます。15米ドルのMoomは配置そのものを保存できるため、外部ディスプレイを抜き差しする人に向いています。標準機能で不足を感じてから選ぶ順番が無駄になりません。

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