ブックマークの整理術が続かない理由と、続く形の作り方

ブックマークの整理術を調べて、フォルダを作り直して、数週間後にはまた一覧の一番下に名前のないフォルダが増えている。この繰り返しが起きるのは、やり方が悪いからではなく、分類の設計が現実の使い方と合っていないからです。この記事では、ブックマークに入っているものを3種類に分け、捨てる基準を先に決め、階層を浅くして検索で引く形に変えるところまでを扱います。最後に、そもそもブックマークに入れるべきでないものの行き先も整理します。

整理術が続かないのは、分類の設計に無理があるから

多くの整理術は、フォルダの作り方から始まります。仕事、趣味、調べもの、あとで読む。作った直後は気持ちよく収まりますが、数週間で崩れます。崩れ方には共通の形があり、原因は3つに絞れます。

1つ目は、分類の境目が曖昧なことです。仕事で使う技術記事は「仕事」なのか「調べもの」なのか。迷った時点で、その場で保存する動作が止まり、結局ブラウザのタブに置いたままになります。保存に3秒以上迷う設計は、日常の速度に負けます。

2つ目は、出し入れの回数が釣り合っていないことです。ブックマークは、入れる回数に対して出す回数が極端に少ない入れ物です。1日に何件も入れているのに、取り出すのは週に数回。入る量だけが増え続けるので、どんな分類でもいずれ溢れます。

3つ目は、整理した結果が見える場所に出ないことです。きれいに分類しても、普段見ているのはブックマークバーの数個だけで、フォルダの奥は開かれません。作業の結果が視界に入らない作業は、続ける理由が消えます。

続く形にするには、フォルダを増やす方向ではなく、入れる量を減らし、取り出し方を検索に寄せる方向へ設計を変えることになります。

整理術が紹介されるとき、多くは分類の見本が中心になります。見本そのものは悪くありませんが、他人の分類は他人の仕事の形に合わせて作られています。同じフォルダ名を借りても、自分の仕事の区切りと一致しないので、最初の1週間で迷いが出ます。借りるべきなのは分類名ではなく、捨てる基準と階層の深さという設計の部分です。

ブックマークに入っているものは、3種類に分かれる

手を付ける前に、いま入っているものを種類で見分けます。種類ごとに正しい行き先が違うためです。

  • 毎日開くWebアプリ。メール、チャット、カレンダー、課題管理。これはブックマークの仕事ではありません。後述しますが、別の場所に置くべきものです
  • 繰り返し参照する資料。仕様書、社内の手順書、取引先の管理画面、よく使う計算ツール。ブックマークの本来の対象がここです
  • あとで読むつもりのページ。記事、調査結果、気になった製品。数の大半がここに入っていて、崩壊の原因もここにあります

この3種類が同じ一覧に混ざっていることが、探しにくさの正体です。毎日開くものと、半年に1回開くものと、一度も開かないまま残ったものが、同じ並びで同じ大きさに表示されています。

見分け方は単純です。フォルダを開いて、それぞれの項目について、最後に開いたのがいつか思い出せるかどうかを見ます。思い出せないものは、3番目の種類だと考えて差し支えありません。数えてみると、多くの場合これが全体の7割前後を占めます。

手を付ける前に、書き出して現状を数える

整理の効果は、前後の数字がないと分かりません。作業を始める前に、いまの状態を一度だけ書き出しておきます。Chromeのブックマーク管理画面には、HTMLファイルとして書き出す機能があり、この1ファイルが保険と記録の両方になります。

書き出したファイルを開くと、3つの数字がすぐ出ます。総件数、フォルダの数、そして同じURLが重複している件数です。重複は思ったより多く、同じページを何度も保存した結果として残っています。数年分ためた状態だと、総件数が1,000件を超えていることも珍しくありません。

数字を見てから作業すると、判断の基準が変わります。総件数が数百件あるなら、1件ずつ吟味する方法は現実的ではないと分かるので、期限で機械的に切る方針を選べます。逆に総件数が50件程度なら、整理の必要はほとんどなく、名前の付け方を直すだけで足ります。

もう1つ確かめておくとよいのが、リンク切れの件数です。数年前に保存したページは、移転や公開終了でたどり着けなくなっていることがあります。開いてみて404が返るものは、内容を思い出す手がかりにもならないので、迷わず消せる対象です。

書き出しは作業のたびに繰り返す必要はありません。大きく手を入れる前に1回取っておけば、消しすぎたときに戻せます。書き出したファイルは端末の中に置いたままにせず、普段使っているクラウドの保存先に1つ上げておくと、端末を入れ替えたときにも残ります。ブックマークは同期で引き継がれる前提の入れ物ですが、同期の設定を変えた瞬間に消える種類の事故もあるため、手元のファイルが1つあると安心して整理に踏み込めます。

捨てる基準は、内容ではなく期限で決める

3番目の種類を減らすとき、1件ずつ中身を見て判断すると手が止まります。内容で判断しようとすると、どれも「いつか読むかもしれない」に見えるからです。

そこで、基準を期限に置き換えます。保存してから3か月開いていないページは消す。この1本の線で、判断を機械的にします。ブックマークの管理画面では追加した日付で並べ替えができるので、古い側から順に見ていけば作業は数分で終わります。

消すことへの抵抗は、実際に消したあとの経験で薄れます。本当に必要だったページは、たいてい検索でもう一度たどり着けます。見つからないほど固有の情報であれば、それはブックマークではなくメモやドキュメントに書き写しておくべき内容だったということです。

例外は1つだけ設けます。検索では絶対に出てこないURL、たとえば社内システムの深い階層や、管理画面の特定の画面などです。ここは期限に関係なく残します。ただしこの例外は多くても20件程度に収まるはずで、それ以上ある場合は例外の定義が広がりすぎています。

あとで読むページの受け皿も、ここで決めておきます。ブックマークの中に「あとで読む」を1つだけ作り、その中はさらに分類しません。分類しないから保存が速くなり、たまり具合も一目で分かります。読み終えたら消す運用にすると、そのフォルダの件数が、読む予定の実際の量として機能します。

階層を作らず、検索で引く形に変える

残った資料の種類を、どう並べるかを決めます。結論から言えば、階層は浅くするほど壊れにくくなります。

理由は取り出し方にあります。ブックマークの管理画面には検索欄があり、アドレスバーからも保存済みのページのタイトルとURLを対象に候補が出ます。つまり、取り出す動作の主役はすでに検索であって、フォルダをたどる操作ではありません。それなのに保存のときだけ階層を意識していると、負担だけが保存側に偏ります。

実用的な形は次の通りです。ブックマークバーには毎日使うものだけを8個までに絞り、名前を短く切り詰めます。バーの横幅は限られているので、名前を2文字か3文字にすると入る数が増えます。それ以外は、第1階層のフォルダを5個以内に保ち、その中に入れ子を作りません。

検索で引く前提にすると、名前の付け方が重要になります。ページのタイトルをそのまま残すのではなく、自分が後で打つ言葉を先頭に足します。取引先の管理画面なら会社名を先頭に、社内の手順書なら業務名を先頭に置きます。タイトルは検索の対象なので、先頭の数文字を変えるだけで見つかり方が変わります。

この形にすると、整理作業そのものが不要に近づきます。フォルダを作り直す機会が減り、保存は1動作、取り出しは検索だけになります。

名前を直す作業は、全件に対してやる必要はありません。実際に探して見つからなかったページに出会ったときだけ、その場で先頭に言葉を足す。これを繰り返すと、よく探すものから順に名前が整っていき、探さないものは元の名前のまま残ります。整理の手間が、使う頻度に応じて自動的に配分される形になります。

毎日開くWebアプリは、ブックマークの仕事ではない

最初に分けた1番目の種類が残っています。毎日開くWebアプリを、ブックマークに置き続ける限り、一覧は片付きません。開く回数が多いものほど、ブックマークから開く操作が非効率になるためです。

ブラウザ側にも、この境目を意識した仕組みがあります。Chromeのタブグループは、閉じても消えません。公式のヘルプには、次のように説明されています。

A closed group isn't deleted and is saved in the bookmarks bar or in the menu.(閉じたグループは削除されず、ブックマークバーまたはメニューに保存されます) 出典: support.google.com

Googleアカウントで履歴とタブを同期していれば、グループへの変更は自動で保存され、各端末に引き継がれます。ページの集まりを1つの単位として扱いたい場合、フォルダより扱いやすい選択肢になります。

Safariの側では、Safari 17からプロファイルが使えます。プロファイルごとに履歴、Cookie、サイトのデータ、機能拡張、タブグループ、お気に入りが分かれるため、仕事用と私用でブックマークの一覧そのものを分けられます。混ざることが不満の中心なら、分類を工夫するより分ける場所を変えるほうが早く片付きます。

それでも残る不便があります。ブックマークもタブグループも、開く操作が必要な入れ物だという点です。通知を受け取り続ける必要があるWebアプリは、開く前提の入れ物には収まりません。メールやチャットをブックマークから開いている人は、1日に何度も同じ動作を繰り返していることになり、その回数だけ操作が積み上がります。ここは分類の工夫では短縮できない部分です。

3か月後にも残る形にするために

ここまでを踏まえると、整理の対象は「資料」だけに絞られます。毎日開くものを別の場所に出し、あとで読むものを1つのフォルダに集めれば、ブックマークの一覧は自然に短くなります。

毎日開くものの行き先としては、アプリごとに独立したワークスペースを用意して、サービスごとに固有の場所を割り当てる考え方があります。開く操作ではなく、そこに常にあるという状態にするため、ブックマークからもタブからも外れます。置き場所の考え方はワークスペースのページに、実際に何ができるかはできることのページに整理されています。どのサービスが対象になるかは使えるアプリの一覧で確かめられます。

この種類の道具を比べるときは、無料の範囲を先に見ておくと判断が早くなります。たとえばWaveboxは無料の階層でグループが2つ、それぞれにアプリを2つまでという制限があり、上位のプランは年払いで月8.33ドルと公表されています。作りの違いはWaveboxとの比較Ferdiumとの比較で並べて確認できます。

作業の順番は決めておきます。今日やるのは、追加した日付で並べ替えて古い側を消すことと、「あとで読む」を1つ作ることの2つだけです。フォルダの構造を作り直すのは、その後で構いません。数が減ってから構造を考えると、必要なフォルダの数が思っていたより少ないことが分かります。

よくある質問

ブックマークは何件くらいが適正ですか?

件数の正解はありませんが、ブックマークバーに置くものは8個程度が上限になります。横幅がそれ以上は入らず、名前が読めなくなるためです。フォルダの中身については、追加してから3か月開いていないものを消す運用にすると、件数は使い方に応じた水準へ自然に落ち着きます。数を目標にするより、捨てる基準を1本決めるほうが続きます。

フォルダは何階層まで作ってよいですか?

第1階層だけにして、入れ子を作らない形が壊れにくくなります。取り出す動作の主役が検索になっているため、階層を深くしても探す速度は上がらず、保存するときの迷いだけが増えるからです。分類したい気持ちが強い場合は、フォルダを増やす代わりに、ブックマークの名前の先頭に業務名や会社名を足すほうが効果があります。

消してしまったブックマークは元に戻せますか?

直後であれば、ブックマークの管理画面から取り消しの操作で戻せます。時間が経った場合は戻せないことがあるため、大量に消す前に一度だけ書き出しておくと安全です。Chromeの管理画面にはHTMLファイルとして書き出す機能があり、書き出したファイルは後から読み込み直せます。

あとで読む記事は、ブックマークと読み物用のサービスのどちらに入れるべきですか?

どちらでも構いませんが、1か所に決めることが重要です。2か所に分かれると、探す場所が増えて結局どちらも見なくなります。ブックマークを選ぶなら、その中に「あとで読む」を1つ作って、その中はさらに分類しないこと。読み終えたら消す運用にすると、残っている件数が実際の未読量として見えるようになります。

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