Chromeのプロファイルを切り替える|誤って開かないための設定

「chrome プロファイル 切り替え」で調べる動機は2つに分かれる。切り替えの手数を減らしたい人と、間違ったアカウントで作業を始めてしまった人。前者は操作の話だが、後者は設定の話であり、手数を速くするほど取り違えは増える。

この記事では切り替えの経路を4つに整理したうえで、誤った窓で作業を始めないための設定を先に置く。そのあとで、切り替えを工夫しても直らない範囲を切り分ける。速さと安全のどちらを取るかではなく、どこを速くしてどこに歯止めを付けるかを決められるようにするのが目的になる。

切り替えの回数は、契約したサービスの数で決まる

切り替えが苦になるかどうかは、性格や慣れではなく数で決まる。所属先のGoogle Workspace、個人のGmail、業務委託先から渡されたアカウント、生成AIや設計ツールの契約。仕事の道具がWebアプリに移った結果、1人が同時にログインしていたいアカウントの数が増えた。プロファイルを2つ作った時点では快適だったのに、4つになると急に重く感じるのは、切り替えの手数が数に比例して増えるからである。

Chrome公式のヘルプがプロファイルの用途として挙げているのは、1台のパソコンを複数の人で共用する場合と、仕事用と個人用のように別々のアカウントを使い分ける場合の2つである。どちらも、1日に何十回も往復する使い方は想定していない。切り替えの操作が1つしか用意されていないのは、そのためだと考えると納得しやすい。

だから工夫の方向は2つある。往復の1回あたりを短くするか、往復そのものを減らすか。前者は設定と起動の工夫で足りるが、1時間に何度も行き来している場合は後者しか効かない。

切り替えという言葉が2つの操作を指している

同じ「切り替え」でも、指しているものが2つある。1つはGmailやドライブといったサービスの画面の中でアカウントを切り替える操作。もう1つはChromeのプロファイルを切り替える操作である。前者はログインとログアウトを繰り返す形になりやすく、後者は別の窓で複数のアカウントに同時にログインしたままにできる。

どちらを使うかで、できることが変わる。同じサービスを2つのアカウントで並べて見たいならプロファイルを分ける側になる。逆に、たまに片方を見るだけならサービス側の切り替えで足りる。両方を混ぜて使うと、今どちらの仕組みで切り替えたのかが分からなくなり、取り違えの原因になる。

切り替える4つの経路

右上のアバターから選ぶ

標準の方法である。Chromeを開き、右上のプロフィールを選び、切り替え先のプロフィールを選ぶ。選んだプロファイルは新しい窓で開き、元の窓は開いたまま残る。手数は少ないが、目的のプロファイルが一覧の何番目にあるかを覚えていないと、押す前に一度読む動作が入る。

起動時にプロファイルを選ぶ

Chromeには、新しいブラウザセッションを開いたときにすべてのプロファイルを表示する設定がある。右上のプロフィールから「その他の Chrome プロフィール」の「Chrome プロフィールを管理」に入り、下部の「起動時に表示する」をオンにする。起動のたびに1手増えるかわりに、前回最後に使っていたプロファイルで作業を始めてしまう事故が減る。

ターミナルからプロファイルを指定して開く

macOSでは、特定のプロファイルを直接開くコマンドがある。

open -na "/Applications/Google Chrome.app" --args --profile-directory="Profile 1"

渡すのは画面に出ている表示名ではなく、実体のフォルダ名である。表示名が「仕事」でもフォルダはProfile 17のことがあり、取り違えるとエラーを出さずに別のアカウントが開く。目的のプロファイルでアドレス欄にchrome://versionと入れ、「プロファイルパス」の行末を確認してから使う。この1行をランチャーやショートカットアプリに登録すれば、キー操作ひとつで目的のプロファイルを開けるようになる。

窓の一覧から選ぶ方法も覚えておくとよい。開いている窓が多いときは、アバターを押して選ぶよりも、Chromeのウィンドウメニューから目的の窓を選ぶほうが早いことがある。窓の題名には開いているページの名前が出るため、プロファイル名では判別できない代わりに、何を開いていた窓かで選べる。

よく使うページをアプリとして入れる

GmailやNotionのような1枚のページを、Chromeのメニューから単体のウィンドウとして切り出す方法である。Dockに独立したアイコンが並び、Command+Tabでも別のアプリとして扱われるため、切り替えの操作がブラウザの外に出る。入れたときのプロファイルに固定されるので、同じサービスを2つのアカウントで使うなら、それぞれのプロファイルで1回ずつ登録する。

誤って開かないための設定

切り替えが速くなるほど、確認の動作は減る。歯止めは操作ではなく設定側に置く。実務で効くのは次の4つである。

  • テーマカラーを分ける。右上のプロファイルから「Chrome プロファイルを管理」に入り、編集したいプロファイルの編集メニューで名前、写真、テーマカラーを変更でき、変更は自動で保存される
  • 写真と名前を業務側だけ変える。アバターの絵で見分けが付くと、窓を1枚めくる前に判断できる
  • 起動時の選択画面をオンにする。3つ以上を常用するなら、この1手は取り違えの防止として釣り合う
  • 見た目そのものを変える。ブックマークバーを業務側だけ表示する、通知の許可を片方だけに与える、といった差を付ける

色で分ける方法は、現場の記事でもまず挙がる。

Chromeのプロファイル機能は複数アカウントの切り替えや同時ログインなどができる非常に便利な機能ですが、簡単すぎるがゆえにアカウントを取り違える可能性もあります。「本来使用すべきアカウントとは違うアカウントで作業をしていた」「どのウィンドウがどのアカウントかわからなくなった」といった具合です。こういったミスを防止するために、プロファイルごとにテーマカラーやアバターを変更する方法が有効です。 出典: tourboxtech.com

色の割り当ては、業務側を目立つ色にするのが定石だと言われるが、実際に効くのは逆の組み合わせのこともある。業務の窓を落ち着いた色にして、私用や検証用に強い色を当てると、「強い色の窓で仕事の操作をしている」という違和感が引っかかりになる。1日のうち長く見ている側を無色に近づけ、短く使う側に色を付ける、と考えると決めやすい。

見分けの印を付けたあとに確かめておきたいのは、同じ印が他の機械にも付いているかである。テーマカラーと写真はプロファイルごとの設定であり、同じGoogleアカウントで別の機械にログインしても自動で揃うとは限らない。複数のMacを使っているなら、機械ごとに同じ色を当てておかないと、出張先の機械で取り違えることになる。

もう1つ、見落とされやすい設定がある。外部のアプリから開いたリンクは、最後に使っていたプロファイルで開く。日中に業務側を使っていれば、夜に押した私用のリンクも業務側の窓で開く。この挙動を変える設定はChrome側に無いため、既定にしたい側をDefaultのプロファイルに置き、もう片方はアバターかコマンドから明示的に開く運用に寄せるほうが事故が少ない。

切り替えないという選択

往復の回数を減らす手として、切り替えずに並べておく方法がある。プロファイルごとの窓を画面の別の場所に置き、切り替えではなく視線の移動で済ませる形である。ディスプレイが2枚あるなら、業務側を主画面、私用や検証用を副画面に固定すると、押す操作が消える。

macOSの機能で仕切る手もある。プロファイルごとの窓を別のデスクトップ(操作スペース)に置き、キー操作でデスクトップを移動する。この形にすると、切り替えの対象がプロファイルではなく画面になるため、どのアカウントを見ているかが場所で分かる。窓の位置を固定するには、窓を右クリックして「このデスクトップ」に割り当てておく。

ただしこの手は、開くアプリの数が増えると崩れる。1つのデスクトップに業務のGmail、カレンダー、設計ツール、コードの画面が並び、結局その中でタブを探すことになる。切り替えの回数は減っても、探す時間は減らない。ここまで来たときに残っているのは、分ける単位そのものを変える道だけである。

切り替えでは直らないこと

切り替えの経路をいくら増やしても、次の4つはそのまま残る。ここを道具の設定で直そうとすると時間だけが減る。

残る問題 理由
Dockのアイコンが1つ macOSがアプリの束を並べており、Chromeの束は1つしかない
Command+Tabでプロファイルが分かれない OSから見ると3つの窓は1つのアプリの窓である
どのプロファイルが鳴らしたか分からない 通知はアプリ単位でOSに渡される
タブの数が減らない プロファイルはセッションを分ける仕組みで、画面の混雑には触らない

表の4つはいずれも、Chromeの外側にある制約である。Chromeがプロファイルという仕組みで分けているのはブラウザの内側のデータで、OSに対しては1つのアプリとして振る舞う。Dockに並ぶのはアプリの束であり、通知を受け取るのもアプリの束である。プロファイルを増やしても、この境目は動かない。

とくに通知は、切り替えの回数を増やす原因になっている。音が鳴ってから、どの窓のどのタブが鳴らしたのかを探すために2つか3つのプロファイルを順に見に行く。この往復は切り替えの速さでは解消せず、通知の出どころをアプリ単位に分けないと減らない。

切り替えの単位を変えるという道

プロファイルの切り替えを速くする工夫が一巡したら、分ける単位そのものを見直す段階になる。プロファイル単位ではなくアプリ単位で窓を持つ道具では、Gmailは3つのアカウントぶんが別のアプリとして左側に並び、切り替えは一覧から選ぶ操作になる。

この分け方はアプリごとに独立したワークスペースとして実装されており、Cookieの入れ物をアプリごとに分けることで、同じサービスへの同時ログインを成立させている。仕組みはワークスペースに書かれている。切り替えのキー操作や通知をひとつにまとめる範囲はできることにまとまっており、開発の作業が混ざる人は窓の中でシェルが開くターミナルも判断材料になる。

自分が毎日開くサービスが対応しているかどうかは使えるアプリで確認できる。無料で使える範囲と有料にしたときの金額は料金にあり、同じジャンルの製品との違いを項目ごとに並べたものがRamboxとの比較にある。導入前に気になるライセンスの台数やデータの扱いはよくある質問に置かれている。

判断の材料として、1日の切り替え回数を1週間だけ数えてみる方法がある。正確な数は要らない。朝の1時間で何回アバターを押したかを2日ぶん数えれば、1日あたりの見当が付く。そこで両手で数えられる範囲に収まっているなら、設定の工夫で足りる段階である。数えるのをあきらめるほど押しているなら、押す操作を速くする工夫はもう頭打ちになっている。

いま取るべき手は、切り替えの回数で決まる。1日に数回なら、テーマカラーと起動時の選択画面で足りる。1時間に何度も往復しているなら、切り替えを速くするのではなく、切り替えなくても済む並べ方に変えるほうが効く。

よくある質問

Chromeのプロファイルをキーボードだけで切り替えられますか?

Chrome自体に、プロファイルを直接選ぶキー操作は用意されていない。open -naにプロファイルのフォルダ名を渡すコマンドをショートカットアプリやランチャーに登録すれば、キー操作ひとつで目的のプロファイルを開ける形にはできる。渡すのは表示名ではなくフォルダ名なので、先に確認しておく。

起動時に毎回プロファイル選択が出るのを止めたいです。

プロファイル管理の画面の下にある「起動時に表示する」をオフにすると、前回使っていたプロファイルでそのまま開く。ただしこの設定を切ると、どのアカウントで作業を始めたのかを見ないまま操作する時間が生まれる。取り違えが起きているなら、オフにする前にテーマカラーで見分ける手を先に試すほうがよい。

切り替えても同じアカウントのままになることがあります。

サービス側のアカウント切り替えとプロファイルの切り替えが混ざっている場合に起きる。プロファイルを切り替えた新しい窓で、そのサービスに別のアカウントでログインしていれば、表示されるのはそちらになる。窓の右上のアバターと、サービス画面の右上のアカウントの両方を見て、どちらで切り替わっているのかを確認する。

プロファイルを切り替えると前の窓は閉じますか?

閉じない。切り替え先は新しい窓で開き、元の窓はそのまま残る。開いた窓が積み上がっていくため、使い終わった窓を閉じる習慣が無いと、同じアカウントの窓が2枚3枚と並ぶ状態になる。窓が増えて見分けが付かなくなるなら、プロファイルの数ではなく窓の並べ方を見直す段階である。

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