Chromeのプロファイルを選択する画面|出る条件と減らし方
Chromeのプロファイルを選択する場面で困る人は、だいたい正反対の2種類に分かれます。起動するたびに一覧画面が出てきて煩わしい人と、切り替えたいのにどこで選ぶのか分からない人です。どちらも同じ設定が原因で、変えるべき箇所は1か所しかありません。ここでは、その画面が出る条件と、選ぶ行為そのものを減らす道筋を整理します。
「選択」と呼ばれている画面は2つある
同じ言葉で呼ばれていますが、Chromeでプロファイルを選ぶ場面は2つあり、役割が違います。
1つ目は、起動した直後に全画面で出てくる一覧です。登録してあるプロファイルがカードのように並び、どれかを押すとその窓が開きます。この画面から新しいプロファイルを足すことも、既存のものを消すこともできます。
2つ目は、すでに窓が開いている状態で、右上のアイコンから開くメニューです。ここに並んだ名前を押すと、選んだプロファイルの窓が新しく開きます。いま見ている窓が別のプロファイルに変わるのではなく、窓がもう1つ増えます。 この挙動を「切り替わっていない」と受け取って、設定を探し続けてしまう人が少なくありません。
窓が増えるのは仕様です。プロファイルは窓に結びついた保存領域で、1つの窓が途中で別の保存領域に乗り換えることはありません。Chromeのヘルプはプロファイルの役割をこう説明しています。
プロファイルを使用すると、Chrome 上の情報全体(ブックマーク、履歴、パスワードなど)を、プロファイルごとに分離できます。 出典: support.google.com
分離されているのは中身であって、窓の見た目ではありません。ここが後述する取り違えの原因になります。
「選択できない」と感じるときの3つの症状
同じ言葉で相談されても、実際に起きていることは分かれます。当てはまるものを先に特定すると、触る場所が1回で決まります。
- 一覧に目的のプロファイルが並んでいない。そのプロファイルがこの端末に作られていないか、別のmacOSユーザーアカウントの側に作られています。プロファイルの実体は端末の中のフォルダなので、同じGoogleアカウントで同期していても、端末をまたいで自動的に現れることはありません
- 選んでも表示される内容が変わらない。目的のプロファイルの窓は開いていて、前面に来ていないだけの状態です。同じ見た目の窓が複数あるときに起きやすく、macOSのウィンドウ一覧で確認すると2つ並んでいます
- 選んだ直後にログイン画面が出る。プロファイルは正しく切り替わっていて、そのプロファイルの側でセッションが切れています。プロファイルごとにクッキーが独立しているため、片方でログインし直しても、もう片方には反映されません
3つ目は不具合と受け取られやすい挙動ですが、分離が正しく働いている証拠です。1つのプロファイルでのログイン状態が他に伝わるなら、分ける意味がなくなります。
起動時の一覧画面が出る条件
一覧画面は、プロファイルが2つ以上ある場合にだけ意味を持ちます。1つしかない環境では表示されません。出るか出ないかを決めているのは「起動時に表示する」という設定で、公式に案内されている手順は4手順です。Chromeを開き、右上のプロフィールを選び、その他のChromeプロフィールから管理画面に入り、下部の項目をオンにします。
オンのときは、Chromeを起動するたびに一覧が出て、選ぶまで何も開きません。オフのときは、最後に使っていたプロファイルでそのまま起動します。macOSでは、システムを再起動しても前回の窓を復元する設定が有効だと、一覧を経由せずに前の窓が戻ってくることがあります。「設定を変えていないのに出たり出なかったりする」と感じる場合、多くはこの復元の有無が違っています。
もう1点、見落としやすい条件があります。Dockのアイコンやショートカットから特定のプロファイルを指定して起動している場合、指定が優先されて一覧は出ません。ある入口からは一覧が出て、別の入口からは出ない状態は、設定の不具合ではなく入口の違いです。
一覧画面にはゲストの入口も並んでいます。ゲストは、履歴もブックマークも残さず、閉じると内容が消える一時的な窓です。プロファイルとは別物で、選んだからといって新しいプロファイルが作られるわけではありません。人に一度だけ端末を貸すときや、自分のログイン状態を持ち込まずにページを確認したいときに向きます。一方で、毎日使う名義をここに置くことはできません。閉じるたびに全部消えるためです。
一覧を出す側と出さない側、どちらが合うか
どちらが正しいという話ではなく、起動直後の行動で決まります。
| 起動直後の使い方 | 一覧画面 | 理由 |
|---|---|---|
| 日によって使う名義が変わる | 出す | 最初の1回で決める形が事故を減らす |
| 常に同じ名義から始める | 出さない | 毎回同じカードを押す操作が丸ごと消える |
| 複数の窓を開きっぱなしにする | 出さない | 起動は1日1回で、選ぶのは開いた後だから |
| 共用の端末を使う | 出す | 前の人の窓をそのまま使う事故を防げる |
一覧を出す設定にしている人が本当に得ているのは、時間ではなく確認の機会です。逆に、窓を常時5つ6つ開いて仕事をしている人にとっては、起動時の1回だけ丁寧に選んでも意味がありません。選ぶ回数の大半は、起動後のメニュー操作のほうに溜まっているからです。
選び間違いに気づけない理由
プロファイルを分けても、開いた窓の形は同じです。違うのは右上の小さなアイコンと、設定していればテーマの色だけになります。文面を書いている最中に窓の右上を見る人はほとんどいないので、送信ボタンを押すまで名義の間違いに気づきません。
ここで押さえておきたいのは、プロファイルが仕分けの仕組みであって、施錠の仕組みではないことです。Chromeのヘルプには次の注意があります。
デバイスは信頼できるユーザーとだけ共用してください。デバイスを使用するユーザーは、そのデバイスに設定されている他のどの Chrome プロファイルにも切り替えることができます。 出典: support.google.com
一覧画面で名前を選ぶ操作には、認証が挟まりません。仕事用を選ぶのも私用を選ぶのも同じ1回の操作です。端末を人に貸す可能性があるなら、プロファイルの分離ではなく、macOSのユーザーアカウントを分けるほうが対応する層として正しくなります。
一覧画面から削除すると、何が一緒に消えるか
一覧画面には、選ぶ機能と並んで削除の機能も置かれています。使わなくなったプロファイルを整理するのに便利ですが、消える範囲を誤解していると取り返しがつきません。Chromeのヘルプは次のように注意しています。
Chrome からプロファイルを削除すると、そのプロファイルのブックマーク、履歴、パスワードなどの設定がパソコンから削除されます。 出典: support.google.com
削除の対象は端末の中のデータです。Googleアカウントと同期していたブックマークやパスワードは、アカウント側に残っているため別の端末から取り戻せます。同期していなかった項目は戻りません。とくに、そのプロファイルだけに入れていた拡張機能の設定と、拡張機能が保持していたログインは、同期の対象外であることが多く、消えたことに後から気づく代表格です。
削除の前に確認すべき点は2つです。1つは、そのプロファイルが同期しているかどうか。もう1つは、そのプロファイルでしか開けない管理画面や社内のシステムが残っていないかどうかです。整理は必要ですが、一覧画面から数クリックで到達できる位置に置かれている操作なので、選ぶつもりで開いた画面で実行しないよう気をつけてください。
選ぶ回数そのものを減らす3つの手
一覧を出す出さないの二択で悩むより、選ぶ場面を減らしたほうが効果は大きくなります。実際に効くのは次の3つです。
- プロファイルごとに起動時のページを変える。開いた瞬間に表示される内容が違えば、右上のアイコンを確認しなくても、いまどちらにいるかが分かります。色よりも中身のほうが目に入ります
- Dockに入口を分けて置く。プロファイルを指定して起動する入口を用意すると、一覧を経由せずに目的の窓へ直接行けます。起動の入口が増える代わりに、選ぶ操作が消えます
- 外から踏むリンクの着地を諦めて設計する。メールやカレンダーのリンクは、macOSが既定のブラウザに渡した後、そのブラウザの最前面の窓で開きます。どのプロファイルで開くかを事前に選ぶ手段はありません。名義が重要なリンクは、踏む前に目的の窓を前面に出しておくのが唯一の確実な手です
3つ目は特に、一覧画面の設定では解決できない部分です。プロファイルを増やすほどこの当たりが増えるので、増やす前に自分の1日でどれくらい外部リンクを踏むかを見ておくと判断が早くなります。
順番も効きます。起動時の一覧を出すかどうかを先に決めてから入口を整えると、設定を何度も往復せずに済みます。一覧を出す設定にしたまま入口を分けて用意すると、入口から起動したときだけ一覧を飛ばす形になり、どちらの挙動が正しいのか自分でも判断できなくなります。出すなら入口は1つに寄せ、入口を分けるなら一覧は切る。この2択で運用したほうが、後から見直すときに迷いません。
プロファイルが5つを超えると「選択」は「探索」に変わる
プロファイルが2つか3つのうちは、一覧画面は選択肢のリストとして機能します。押す前から、どこに何があるか分かっているからです。
これが5つ6つになると、性質が変わります。名前が似てくる、色を割り当てきれなくなる、そもそも何のために作ったプロファイルなのか思い出せない。この段階の一覧画面は、選ぶための画面ではなく探すための画面になっていて、増えているのは操作の回数ではなく迷う時間のほうです。
増えたプロファイルには、もう1つ別の負担もついてきます。拡張機能はプロファイルごとに入れ直しになり、設定もそれぞれで持ちます。1つの拡張機能を更新したくなったときの作業量が、プロファイルの数だけ増える計算です。同じ理由で、パスワードの保存場所も分散します。プロファイルを分ける判断は、分離の利点と、この管理コストの両方を見て決める必要があります。
分ける単位を見直す価値が出るのはここからです。アカウントの数だけプロファイルを作るのをやめて、アプリごとに独立したワークスペースを持つ形に変えると、探す対象が「名義」から「仕事の種類」に変わります。メールはメールの場所、チャットはチャットの場所と決まっていれば、名義の判断はその中で自動的に片づきます。この考え方の整理はワークスペースにまとまっていて、標準のブラウザとの機能差はできることで確認できます。
同じ発想の道具は以前から存在します。無料の範囲と有料の線がどこにあるかは製品ごとに違うので、Waveboxとの比較とFerdiumとの比較で構造の違いを見比べ、費用の目安は料金で確かめるのが早い順序になります。
判断の入口は、今日の起動時に一覧を1回眺めることです。並んでいるカードのうち、名前を見て中身を即答できないものが1つでもあれば、設定を変える前に整理する対象はそちらにあります。
よくある質問
起動時のプロファイル選択画面を消すにはどうすればよいですか?
右上のプロフィールから「その他のChromeプロフィール」を開き、Chromeプロフィールの管理画面に入って、下部の「起動時に表示する」をオフにします。次回の起動から、最後に使っていたプロファイルでそのまま開くようになります。プロファイルが1つしかない環境では、この設定に関係なく一覧は出ません。
右上のメニューでプロファイルを選ぶと、なぜ窓が増えるのですか?
プロファイルは窓に結びついた保存領域で、1つの窓が途中で別の保存領域に乗り換える作りになっていないためです。選んだ側の窓が新しく開き、元の窓はそのまま残ります。不要なら元の窓を閉じてください。設定で1つの窓に統合することはできません。
プロファイルを選び間違えたまま送信するのを防ぐ方法はありますか?
確実に止める仕組みは用意されていません。実務では、プロファイルごとにテーマ色と起動時のページを変えて、開いた瞬間の見た目で判断できるようにするのが現実的な対策になります。名義が重要な作業は、リンクを踏む前に目的の窓を前面に出しておくと事故が減ります。
家族や同僚と1台を使う場合、プロファイルを分ければ中身は見られませんか?
見られます。Chromeの公式ヘルプも、その端末を使う人は設定されている他のどのプロファイルにも切り替えられると案内しています。プロファイルの選択に認証は挟まりません。他人に中身を見せたくない場合は、Chromeの中ではなくmacOS側のユーザーアカウントを分けてください。