Chromeの設定を同期する|別のMacでも同じ並びで使うために
chrome 設定 同期を調べる理由は、だいたい両極に分かれる。新しいMacを用意したので前の環境をそのまま持っていきたいか、逆に、同期したくないものが勝手に運ばれてしまって止めたいかのどちらかになる。この2つは同じ設定画面で扱うが、運ばれる項目は一律ではなく、履歴とタブだけ別のスイッチになっている。さらにパスフレーズを付けると運ばれ方そのものが変わる。ここでは提供元の公開資料で運ばれる項目と手順を確かめたうえで、同期では運べないものまで整理する。
Chromeにログインすると運ばれるもの
提供元のヘルプは、Chromeにログインすると同じアカウントでログインしているすべてのデバイスで使えるようになる情報を、項目として挙げている。挙がっているのは次のものになる。
- ブックマーク
- リーディング リスト
- パスワード
- お支払い情報
- IDドキュメント、連絡先情報、旅行情報など
- 拡張機能
- ウェブアプリ
- 設定
ここで言う設定は、Chromeの設定画面で選んだ内容を指す。起動時に開くページの登録、既定の検索エンジン、言語、外観の選択などがこの区分に入る。だから新しいMacでログインすると、前の端末で作った起動ページの一覧がそのまま出てくる。逆に言えば、片方で整えた並びが、もう片方の並びを書き換えることも起こる。
拡張機能とウェブアプリが運ばれる点は、実務で影響が大きい。12個の拡張機能を入れた端末にログインすると、もう一方の端末にも同じものが入ってくる。私用のMacに仕事用の拡張機能が並ぶのが嫌なら、同期の項目を絞るか、プロフィールを分ける必要がある。
履歴とタブだけスイッチが別になっている
ここが勘違いされやすい点になる。上の一覧に履歴とタブは入っていない。ヘルプは、Chromeにログインするとタブと閲覧履歴もGoogleアカウントに同期できると、別の段落で説明していて、手順も別に書かれている。
手順は、右上のその他アイコンから設定を開き、Googleの設定を選び、アカウント名を選んで、履歴とタブをオンにする形になる。つまりログインした時点では入っていない場合があり、他のデバイスで開いているタブを見たいなら自分でオンにする操作が要る。
他のデバイスのタブを見る側の手順も別にある。右上のその他アイコンから履歴に進み、左側の他のデバイスからのタブを選ぶ。iPhoneで読んでいた記事をMacで開き直すのはこの経路になる。
この分け方には理由がある。履歴はGoogleアカウントに保存されると、ウェブとアプリのアクティビティに追加され、検索などの他のサービスで表示内容を調整するために使われることがあると、ヘルプに書かれている。運ばれる先が他のサービスまで届くため、ブックマークと同じ扱いにはなっていない。ここをオフにしておくか、オンにして便利さを取るかは、利用者が決める形になる。
運ぶ項目を選ぶ手順
一括で全部を運ぶ必要はない。Googleアカウントに保存する情報は、あとからいつでも変更できるとヘルプは書いている。
- 右上のその他アイコンから設定を開く
- Googleの設定を選ぶ
- アカウント名を選ぶ
- Googleアカウントに保存する情報を選ぶ
ここで項目ごとにオンとオフを切り替える。仕事と私用で同じアカウントを使っている場合、まずパスワードと拡張機能から見直すと影響がわかりやすい。
すでに端末側にしか入っていない情報を、あとからアカウントに運ぶ操作も別にある。ログアウトしている間に作ったブックマークは、そのMacにだけ保存されている状態になる。ログインしたうえで右上のプロフィールからアカウントに保存という項目を選び、運ぶ情報を選んで保存する形になる。
逆向きの動きも押さえておきたい。ヘルプは、Chromeからログアウトすると情報はGoogleアカウントに安全に保存され、デバイスからは削除されると書いている。ログアウトは同期を止める操作であって、手元にコピーを残す操作ではない。貸与された端末を返す前にブックマークを持ち出したいなら、ログアウトより先にブックマークの書き出しを済ませる必要がある。
同じアカウントを2台で使うと混ざる
同期の相談で最も多いのがこの形になる。家族のパソコンを設定するときに自分のアカウントでログインしてしまい、あとで気づくという流れになる。
chromeの同期の解除について教えてください 夫用の新しいパソコン(Aとします)のセットアップ中、MSアカウントのサインインが エラーが出て出来なかったので、私用のパソコン(Bとします)のMSアカウントでサインインしました。 Googleにも私のIDとPDを入力しました。AとBで同じアカウントを使用してしまった。 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
この状態で片方のブックマークを整理すると、もう片方でも消える。同期は複製ではなく、同じ1つの状態を両方に映す仕組みだからになる。
対処は2段構えになる。まず、混ざった側でChromeからログアウトする。そのうえで、Googleアカウントに残っている情報そのものを消したい場合は、ヘルプが案内している専用のページを使う。support.google.comのログインに関する説明では、Chromeを開いてデータの削除を選ぶ手順が示されている。
そして再発を止める手当てが、プロフィールを分けることになる。ヘルプは、パソコンを他の人と共有する場合や仕事とプライベートでアカウントを使い分けたい場合は、ブラウザで新しいプロフィールを作成できると案内している。プロフィールごとに設定も同期の対象も別になるので、1台の中で2つのアカウントを混ぜずに扱える。
パスフレーズを付けると運ばれ方が変わる
もう一段踏み込んだ設定として、パスフレーズがある。これを設定すると、Googleにデータを読み取られることなくGoogleのクラウドを使ってChromeのデータを保存できる、とヘルプは説明している。手順は、設定からGoogleの設定に進み、アカウント名を選び、下部の暗号化オプションで独自のパスフレーズを使う項目を選ぶ形になる。
ただし、付けたあとに変わることが多い。ヘルプが挙げているのは次の点になる。
- 新しいデバイスでログインする際にパスフレーズの入力が必要になる
- すでにログインしているデバイスでも入力が必要になる
- フィードに、Chromeで閲覧したサイトに基づく候補が表示されなくなる
- 保存したパスワードをウェブのパスワード管理ページで確認できなくなる
- Googleアカウントに履歴が一切同期されなくなり、アドレスバーに入力したウェブアドレスのみが同期される
対象外になるものもある。Googleウォレットのお支払い方法と住所は、パスフレーズによる暗号化の対象には含まれない。
パスフレーズを変更すると、そのパスフレーズで暗号化されたデータがサーバーから削除され、ログインしているすべてのデバイスからログアウトされる。パスワードなどの情報はアカウントと端末の両方から削除される。この挙動があるため、リセットする前にパスワードを書き出しておき、あとで読み込み直す手順がヘルプでも案内されている。
なお、パスフレーズは省略できる設定で、付けなくても同期データは常に暗号化によって保護されるとヘルプは書いている。付けるかどうかは、Googleにデータを読ませない要件があるかどうかで決まる。
会社の端末で項目が足りないとき
設定画面に出るはずの項目が無い、あるいは特定の種類だけ同期されない場合、原因は管理者の設定にある。Chromiumが公開している管理者向けの定義には、同期から除外する種類を並べて指定できる項目があり、指定できる種類として次のものが列挙されている。
apps、autofill、bookmarks、extensions、preferences、passwords、payments、productComparison、readingList、tabs、themes、typedUrls、wifiConfigurations。
この定義には補足も付いている。autofill を無効にすると payments も無効になる。typedUrls は閲覧履歴の全体を指す。指定した種類は、Chromeの同期だけでなく、ローミングプロファイルの同期からも除外される。
ブックマークだけ運ばれないという症状は、この指定が入っているだけのことが多い。管理下の端末では、利用者の側で直せる部分ではないため、確認先は管理者になる。ヘルプも、職場や学校で使う端末では設定を変更できないことがあると各所で断っている。
あわせて、上限も知っておくとよい。Chromeでは最大10万件のブックマークをGoogleアカウントに保存して複数のデバイスから利用できる、とヘルプは書いている。上限に達した場合は、使っていないブックマークを削除するか、書き出して手元に保存する形になる。日常の使い方で到達する数字ではないが、部署で共有していたリンク集を丸ごと取り込んだ端末では届くことがある。
管理者の設定が入っているかどうかは、利用者の画面からも見当がつく。項目そのものが並んでいない場合と、項目は並んでいるがオンにしても保存されない場合があり、後者は指定が入っている形になる。どちらも同じ窓口に聞くことになるが、症状を伝えるときに区別できると話が早い。
同期しても運ばれないもの
ここまでの設定で運べるのは、Chromeが自分の中に持っている情報になる。運べないものがはっきり1つある。作業の並びそのものになる。
具体的には、どのサービスをどの位置に置き、どのアカウントで開いているかという状態が運ばれない。ブックマークは運ばれるが、Gmailを左、カレンダーを中、Slackを右という配置は運ばれない。履歴とタブをオンにすれば他のデバイスのタブ一覧は見えるが、それは一覧であって、並びの復元ではない。2台のMacで同じ作業をする人が、新しい端末で結局30分かけて並べ直すことになる理由がここにある。
この部分は、タブではなく窓を単位にすると扱いが変わる。Webアプリを1つずつ独立した窓として持つ専用のブラウザは、どのサービスをどこに置くかを設定として保持する作りになっていて、考え方はワークスペースに整理されている。どんな挙動が付いてくるのかはできることにまとまっており、手元で使っているサービスが対象かどうかは使えるアプリで確かめられる。
この種の道具は複数あり、同期の扱いも製品ごとに違う。先に広く使われているものとの違いはShiftとの比較にまとめてあり、費用の条件は料金に載っている。導入前に出る疑問はよくある質問に集めてある。
何から決めるか
判断の順番は決まっている。まず、同期したい理由が引っ越しなのか、止めたいことなのかを分ける。引っ越しなら、運ぶ項目を選ぶ画面で必要なものだけをオンにし、履歴とタブは要るかどうかを別に決める。止めたいのなら、まず該当の端末でログアウトし、混ざった相手が家族や同僚ならプロフィールを分ける手当てまで済ませる。
Googleにデータを読ませない要件があるならパスフレーズを検討するが、ログアウトが全端末で起きることと、履歴が同期されなくなることを先に受け入れる必要がある。そして、2台のMacで同じ作業をしていて、毎回並べ直す時間が気になっているのなら、直す対象は同期の設定ではなく、Webアプリの置き場所になる。
よくある質問
Chromeの同期をオンにすると、何が他の端末に運ばれますか?
ブックマーク、リーディングリスト、パスワード、お支払い情報、IDドキュメントや連絡先などの情報、拡張機能、ウェブアプリ、設定が対象になります。閲覧履歴とタブはこの一覧に含まれず、設定のGoogleの設定から履歴とタブを別にオンにする必要があります。
同期する項目を一部だけにできますか?
できます。設定からGoogleの設定に進み、アカウント名を選ぶと、Googleアカウントに保存する情報を項目ごとに選べます。あとからいつでも変更できるため、まずパスワードと拡張機能だけ見直すという進め方でも問題ありません。
家族と同じアカウントでログインしてブックマークが混ざりました。どうしますか?
まず混ざった側の端末でChromeからログアウトします。Googleアカウント側に残った情報を消す場合は、ヘルプが案内しているデータの削除の手順を使います。再発を止めるには、端末ごとにプロフィールを分けて別のアカウントでログインする形にします。
パスフレーズを設定すると不便になる点はありますか?
新しい端末でのログイン時に入力が必要になり、すでにログイン済みの端末でも入力が求められます。保存したパスワードをウェブのパスワード管理ページで確認できなくなり、履歴はアドレスバーに入力したウェブアドレスのみの同期に変わります。Googleウォレットのお支払い方法と住所は暗号化の対象外です。