タブグループの使い方|Chromeのタブを仕事の形に整える

タブグループの使い方を調べる人は、たいてい先に一度試しています。色を付けて名前を付けて、そこまでは数分で終わります。困るのはその翌週で、グループが8つに増えていたり、畳んだはずのものが見当たらなかったり、別のMacで開いたら知らないグループが並んでいたりします。ここで必要なのは操作の手順というより、Chromeがグループをどの単位で保存していて、どの操作でどこまで消えるのかの整理になります。順番に確かめれば、仕事で使える形まで一度で持っていけます。

タブグループが解いているのは「並び順」の問題

タブが増えて困るとき、実際に起きていることは2種類あります。1つは、いま見たいページがどこにあるか分からないこと。もう1つは、作業の切り替えのたびに関係ないタブが視界に入ることです。タブグループが効くのは主に後者になります。

タブバーは開いた順に並ぶため、朝に左から4番目だったページが、夕方には11番目にいます。位置で覚えられないので、毎回タイトルかアイコンを読むことになります。グループは、この並びに仕切りと名前を入れる仕組みです。仕切りが入れば、探す範囲がタブバー全体からグループの中に狭まります。

ここから分かるのは、グループが向く相手と向かない相手です。始まりと終わりがある作業、つまり調べ物、資料作り、1つの案件に紐づく複数のページはよく収まります。反対に、メールやチャットのように1日中開きっぱなしで、終わりがないものは収まりが悪くなります。終わらないので畳む機会がなく、畳めば通知の変化に気づけません。この2種類を同じ仕組みで扱おうとすると、グループの数だけが増えていきます。

作る、名前を付ける、畳む

操作そのものは短く、公式の手順もほぼこれだけです。タブを右クリックして「タブをグループに追加」を選び、「新しいグループ」または既存のグループを指定します。左側に色付きの円が付くので、そこを右クリックすると、グループに名前を付ける、色を選ぶ、タブを追加する、グループを削除するの操作がまとまっています。

既存のグループにタブを足すときは、タブをグループの中へドラッグするだけで入ります。外すときはタブを右クリックして「グループから削除」を選びます。

畳む操作は、この機能の中で一番効果が分かりやすい部分になります。グループを折りたたむと、タブバーにはグループ名か色付きの円だけが残ります。展開も折りたたみも、名前か円を選ぶだけです。40個のタブがある窓でも、使っていない3つのグループを畳めば、見えているタブは一気に減ります。タブを閉じずに視界からどけられる点が、閉じる操作との違いです。

キーボードだけで作ることもできます。タブのメニューを開いて「タブをグループに追加」から「新しいグループ」を選び、名前を入力してEnterを押す、という順番です。折りたたみと展開は、グループの見出しにフォーカスを移してSpaceかEnterを押します。タブやグループそのものを動かしたいときは、フォーカスを合わせてCtrlと左右の矢印を使います。畳んだグループを選んでいる間は中の個別のタブを選べない点だけ、公式もヒントとして注意しています。なお、Macでタブバーそのものをキーボードで移動する手順は、VoiceOverがオンになっていることを前提に書かれています。

まとめて扱いたいときは、先に複数のタブを選んでから右クリックします。マウスがある場合、特定のタブを選ぶにはCtrlを押しながら各タブを選び、範囲で選ぶには最初のタブを選んでからShiftを押しながら最後のタブを選びます。その状態で右クリックすると、タブをグループに追加、別のウィンドウに移動、固定、ミュート、閉じるを一括で実行できます。調べ物で開いたタブを後からまとめて片付けるときは、この手順が一番速くなります。

閉じたグループは消えない。削除と解除だけが消す

ここが最初につまずきやすい部分で、似た名前の操作が3つあります。

  • グループを閉じる。タブバーからは消えますが、グループ自体は削除されません。閉じたグループはブックマークバーまたはメニューに保存され、後から開き直せます
  • グループを削除する。グループもタブも消えます。しかも消える範囲がその端末だけではありません
  • グループを解除する。タブは開いたまま残りますが、グループは消えます

削除と解除は、どちらも同じGoogleアカウントを使っている他のデバイスからもグループを消します。公式も、削除した場合は削除したデバイスだけでなく同じアカウントの他のデバイスからも削除されると明記しています。解除についても、タブは開いたまま残る一方でグループは他のデバイスからも消えると書かれています。仕事用のMacで整理したつもりが自宅のMacでも消えていた、という事態はここから起きます。

閉じたグループの置き場所は設定で変えられます。設定の「デザイン」で「ブックマーク バーにタブグループを表示する」をオンにすると、ブックマークバーから開けるようになります。「新しいタブグループをブックマーク バーに自動的に固定する」をオンにしておくと、同じGoogleアカウントで他のデバイスから作ったグループも固定されます。日をまたいで使うグループがあるなら、先にこの2つを決めておくほうが迷いません。

同期の範囲を先に確かめる

グループが勝手に増えたり消えたりして見える原因は、たいてい同期です。前提は公式に1文で書かれています。

閲覧履歴とタブが Google アカウントと同期されている場合、タブグループに加えられた変更は自動的に保存され、すべてのデバイス間で同期されます。 出典: support.google.com

この一文から読み取れることが2つあります。1つは、同期の単位がプロフィールに紐づくGoogleアカウントだということ。仕事用と個人用でプロフィールを分けていれば、グループも混ざりません。分けていなければ、自宅のMacにも案件名の付いたグループが並びます。

もう1つは、保存が自動だということです。作った瞬間から共有される前提なので、後から「この端末だけ」に切り替える考え方はありません。端末ごとに別の整理をしたいなら、分ける層はグループではなくプロフィールになります。

グループで足りないときに足すもの

グループを作っても探し物が減らない場合、足すべき機能は別にあります。

タブ検索は、開いているタブをキーワードで探す機能です。タブバーの右側にあり、Macでは command と shift と a の同時押しでも開きます。アドレスバーに「@タブ」と入力してTabかSpaceを押しても同じ一覧が出ます。グループ名を思い出せないときは、名前を探すよりこちらのほうが速くなります。

縦方向のタブは、タブバーを窓の横へ移動させる表示です。すべてのページタイトルが読め、一覧をスクロールでき、幅も調整できます。タブバーの空白を右クリックして「タブを縦方向に表示」を選ぶか、設定の「デザイン」の「タブの位置」で切り替えます。横幅の広いディスプレイを使っているなら、グループ名とページタイトルの両方が読める状態になるので、畳む頻度そのものが下がります。

縦方向のタブには、畳んだ状態でも中身を確かめる動きが用意されています。タブやページにカーソルを合わせると、グループ名やページタイトルが展開されます。畳んだまま作業して、必要なときだけ中を覗く形にできるので、展開と折りたたみを繰り返す回数が減ります。

ウィンドウに名前を付ける機能もあります。タブバーの空白を右クリックして「ウィンドウに名前を付ける」を選ぶと、最小化したときやウィンドウを移動するときにその名前が表示されます。タブを右クリックして別のウィンドウへ移すときにも名前が出るので、窓を3つ以上開いて作業する人には効きます。グループではなく窓の単位で分けたい作業には、こちらのほうが素直に合います。

タブ検索とタブグループのボタンは、使わないなら外せます。ボタンを右クリックして「固定を解除」を選ぶと消え、設定の「デザイン」にある「タブ検索のボタンを表示する」と「保存したタブグループのボタンを表示する」で戻せます。タブバーの横幅は有限なので、使わないボタンを外すだけでもタブ2個分ほどの余白が生まれます。

仕事で崩れるのは、常駐するサービスを入れたとき

運用して2週間ほどで崩れる形には共通点があります。案件ごとのグループに、メール、チャット、カレンダーのような毎日使うサービスを入れてしまう形です。

入れた時点で、そのグループは畳めなくなります。畳むと通知の変化が見えず、展開したままにすると仕切りの意味が薄れます。結果として、案件が3つあれば同じメールを3箇所で開くことになり、どれが最新か分からなくなります。

アカウントの問題も同じ場所で出ます。タブグループは見え方の仕切りであって、ログイン状態の仕切りではありません。同じプロフィールの中にある以上、取引先用のグループと自社用のグループは同じクッキーを見ます。別のアカウントで同時にログインしたいなら、分ける層はプロフィールになります。

つまりグループが担当できるのは、始まりと終わりがある作業の範囲までです。終わらないものをそこへ入れると、仕組みのほうが先に壊れます。

常駐するものは、仕切りではなく置き場所の問題

ここまで整理すると、タブに残るものが2種類に分かれます。終わったら閉じるものと、閉じないものです。前者はグループがよく効きます。後者に必要なのは仕切りではなく、毎日同じ場所にあることです。

別の系統の道具は、そこを出発点にしています。Webアプリごとに常設の窓を与えて、タブバーの並び順から外してしまう考え方です。アプリごとに独立したワークスペースを持たせる形では、同じサービスに複数のアカウントで同時にログインしたまま並べられるため、プロフィールを増やさずにアカウントを分けられます。この置き方が実際にどう動くかはワークスペースにまとまっています。

常駐させたときに一緒に移る部分、たとえば通知を1箇所に集める挙動や、起動時に前回の状態へ戻る動きはできることに整理されています。扱えるサービスはURLがあるものなら追加できる形になっていて、対象は使えるアプリで確かめられます。同じ領域の製品どうしの違いは、たいてい無料で使える範囲と費用の形に出るため、代表的な製品との差はWaveboxとの比較に、無料の範囲がどこで切れるかは料金にまとまっています。

1日数えてから、どこを直すか決める

手を入れる場所は、1営業日数えれば決まります。タブを切り替えるたびに印を付けて、その横に理由を3種類で書き分けます。関係ないタブが邪魔だったのか、目的のページを探していたのか、別のアカウントで開き直したかったのか、の3つです。

邪魔が多いならグループが効きます。案件ごとに作って、終わったら畳み、終わった案件は削除ではなく閉じる側で片付けます。探し物が多いならタブ検索と縦方向のタブを先に足します。グループを増やしても、名前を思い出す手間が増えるだけです。アカウントの開き直しが多いなら、グループでもタブ検索でも変わりません。プロフィールを分けるか、サービスごとに保存領域を分ける道具を見る段階になります。

翌日に同じ数え方をすると、手を入れた列の数字だけが落ちているかどうかで効果が分かります。どの列も変わらないなら、直した層が原因ではなかったという情報が残ります。タブまわりの設定は勢いで作り直しやすいので、数えた2日分の記録があるだけで、迷う時間が大きく減ります。

よくある質問

タブグループを閉じると、中のタブは消えますか?

消えません。閉じたグループは削除されず、ブックマークバーまたはメニューに保存され、後から開き直せます。消えるのは「グループを削除」と「グループを解除」を選んだときです。削除はタブごと消え、解除はタブを開いたまま残してグループだけを消します。

別のパソコンで作ったタブグループが勝手に出てくるのはなぜですか?

閲覧履歴とタブがGoogleアカウントと同期されている場合、タブグループの変更は自動的に保存され、すべてのデバイス間で同期されるためです。端末ごとに別の整理をしたいなら、グループではなくChromeのプロフィールを分けてください。同期はプロフィールに紐づくアカウント単位で働きます。

タブグループを使えば、同じサービスに2つのアカウントでログインできますか?

できません。タブグループは見え方の仕切りで、ログイン状態の仕切りではありません。同じプロフィールの中にあるグループはすべて同じクッキーを見ます。同時にログインしたい場合は、Chromeのプロフィールを分けるか、サービスごとに独立した保存領域を持つ仕組みを使います。

グループが増えすぎて、かえって探しにくくなりました?

グループの数を減らす前に、タブ検索を試してください。Macでは command と shift と a の同時押しで開き、アドレスバーに「@タブ」と入力しても同じ一覧が出ます。名前を思い出せないほどグループが増えている状態は、仕切りではなく検索で解く場面です。毎日使うサービスをグループから出すだけでも数は減ります。

記事一覧へ戻る