chrome workspace subscription|その月額は3つのどれか

「chrome workspace subscription」と調べる場面は、だいたい2つに分かれる。明細に出てきた月額の正体が分からないか、無料で使っていたタブ管理の道具が課金を求め始めたかのどちらかになる。どちらの場合も、この言葉が指しうるものが3種類あることを知らないまま比較を始めると、関係のない製品の料金表を読むことになる。

切り分け自体は数分で終わる。そのうえで、無料のままで足りるのか、払う価値があるのか、払うとして解約したときに何が残るのかまでを順に見ていく。

同じ言葉で語られる請求は3種類ある

1つ目はGoogleの業務向けプランになる。独自ドメインのメールアドレス、保存容量、会議、管理機能をまとめた有料のサービスで、利用人数に応じて課金される。名前に含まれる語が同じなので混同されやすいが、契約してもブラウザのタブの並べ方は1つも変わらない。

2つ目はブラウザの管理者向けの有料版になる。企業がブラウザの設定をまとめて配ったり、情報の持ち出しを制限したりするための仕組みで、契約するのは情報システムの部門であり、個人が申し込む種類のものではない。

3つ目がタブ管理の道具の月額になる。開いていたタブの組に名前を付けて保存し、端末をまたいで同期し、過去にさかのぼって取り出す拡張機能や専用ブラウザが、独立した会社から売られている。3つのうち、検索した人が探しているのはたいていこれになる。

見分け方は請求先を見るのが早い。会社の請求書に独自ドメインのメールアドレスと人数が並んでいれば1つ目か2つ目、個人のカードにドル建ての少額が乗っていれば3つ目になる。ブラウザ本体そのものには料金がかからない。無料で配られており、Googleが同梱している整理の機能もすべて無料である。金額が発生している時点で、相手は別の会社だと考えてよい。

Googleの業務向けプランは円建てで公開されている

金額は日本語の料金ページに円で出ている。年間プランのユーザーあたり月額で、Starterが800円、Standardが1,600円、Plusが2,500円となっている。1年契約にすると16%安くなること、14日間の無料期間があること、請求は月単位で行われることもあわせて書かれている。保存容量はStarterが30GB、Standardが2TB、Plusが5TBという配分になる。

人数の上限も明記されている。

Starter、Standard、Plus プランのご購入で、最大 300 人のユーザーにご利用いただけます。Enterprise の各プランにユーザー数の上限、下限はありません。 出典: workspace.google.com

この料金で買えるのはメールと保存容量と会議と管理機能であって、タブの整理はどこにも含まれない。混乱が起きるのは、業務用のアカウントでブラウザにサインインすると挙動が変わるからになる。管理者がポリシーを配れば設定が固定されるし、同期の範囲も個人のアカウントとは違う。ただ、それは管理が効いているという話で、名前を付けたタブの組を持てるようになるわけではない。

管理者向けの有料版も、タブの並べ方は変えない

ブラウザの企業向けの仕組みは2段構えになっている。設定をクラウドから配る、拡張機能の利用を制限する、バージョンや導入状況の一覧を見るといった管理の機能は無料の枠に入っている。有料の段はユーザーあたり月額6ドルで、情報の持ち出しを防ぐ制御、リスクの高いファイルの検査、アクセスの条件付けなど、守りの機能がここに乗る。

つまり、有料の段に払っても増えるのは管理と防御であって、使う人の画面ではない。会社が契約している場合に個人が受け取る変化は、開けないサイトが増える、拡張機能の追加に申請が要る、といった方向になる。タブが増えて困っているという悩みの解決には繋がらないので、請求の正体がこれだと分かった時点で、探し先を変えることになる。

明細から正体を突き止める順番

言葉の整理が済んだら、実際の請求と突き合わせる。順番を決めておくと、心当たりのないカード明細でも数分で片が付く。

最初に見るのは支払いの主体になる。Googleの業務向けプランは管理コンソールに支払い方法が紐づいており、契約した人が組織の中にいる。個人のカードに直接乗っている例は少なく、心当たりが無い場合は、社内で誰が申し込んだのかを確認するほうが早い。

次に見るのは決済の経路になる。ブラウザの拡張機能の課金は、ストアを通さず開発者のサイトで決済されているものが多い。ストアの購入履歴をいくら探しても出てこないのはそのためで、拡張機能の一覧を開き、それぞれの提供元のサイトでログインして契約の状態を見るのが確実な手順になる。使っていないものが並んでいれば、この機会に外す判断もできる。

最後が請求の周期になる。年に1度だけ引き落とされる契約は、請求が乗った月にしか気づけない。12か月使わないまま更新が続いていた、という形で表に出るのはこの種類になる。年払いを選ぶときは、更新日をカレンダーに入れておくと、次の判断の場が自動で作られる。

無料の範囲でどこまで届くか

払う判断をする前に、手元のブラウザが最初から持っている機能の上限を知っておくと迷いが減る。有料の道具の機能一覧には、すでに無料で入っているものが混ざって並んでいることがある。

  • プロファイルは、Cookie・拡張機能・履歴・保存したパスワード・設定を別々の入れ物に分ける。分離としてはこれが最も強く、費用はかからない
  • タブグループは、1つのウィンドウの中でタブに色と名前を付けてたたむ。保存とアカウントへの同期にも対応している
  • ブックマークのフォルダは、一括で開けば保存済みの組を開き直すのと近い結果になる
  • 起動時の設定は、閉じたときの状態を次回に並べ直す

同期についても線を引いておくとよい。アカウントにサインインしていれば、タブグループやブックマークは別の端末へ運ばれる。ただし運ばれるのは今の状態であって、過去の並びの控えではない。片方の端末で整理をやり直せば、もう片方も同じ形に変わる。無料の同期は「同じ状態を持ち歩く」仕組みで、「昔の状態に戻す」仕組みではない、と分けて覚えておくと、料金表の同期という語に引っかかりにくくなる。

この4つが揃って届かない場所は共通している。組をいくつも自動で控えておき、あとから日付を指定して取り出す動きができない。今日の40個を名前を付けて残し、明日は別の40個で作業し、先週の火曜の並びを開き直す。この一点が、有料の道具が埋めている隙間になる。整理全般が有料なのではなく、時間をさかのぼる部分が有料だと理解しておくと、料金表の読み方が変わる。

タブ管理の道具は実際いくらか

金額は各社の料金ページに出ている。動くので、水準として見るのがよい。

道具 無料の枠 有料の入口 有料で足されるもの
Toby 保存できるタブ60個まで 年払いで月4.5ドル(年54ドル) 保存数の上限なし、絞り込み、重複の削除
Partizion 14日間の試用のみ 月10ドル ワークスペースとコレクションの数の制限なし

Tobyは月払いにすると月6ドルになり、チーム向けは年払いで1人あたり月8ドル、年額96ドルと示されている。Partizionは3つのワークスペースと1コレクションあたり100タブに制限されたプランが月12ドルで、制限のないプランのほうが月10ドルと安い並びになっており、期間限定として月5ドルで据え置くという案内も出ている。料金表の中で上下が逆転しているのは珍しくないので、上のプランが常に高いという前提で流し読みしないほうがよい。

もう1つ、日本から契約するときに効いてくるのが通貨になる。この分野の道具はドル建てで売られているものが多く、カードに乗る円の金額は為替と手数料で毎月変わる。年額でまとめて払う案内が出ているときは、割引率だけでなく、その1年分を先に為替の変動ごと引き受ける取引になっている点も見ておきたい。

支払いをやめた翌月に何が残るか

料金表は読まれるのに、解約の条件は読まれない。ところが、保存した情報がどれだけ人質になるかを決めているのは後者になる。

Tobyの無料の枠は保存できるタブが60個までと示されている。数百個を保存した状態で支払いを止めれば、消えるのではなく上限に当たる形になる。Partizionは試用のあとに支払いが要る作りで、無料で使い続ける枠が案内されていない。同じ「有料の道具」でも、止めたときの着地はこれだけ違う。

確かめる項目は3つで足りる。保存した一覧をファイルに書き出せるか、無料の上限を超えた分は消えるのか触れなくなるだけなのか、解約からデータが保持される期間は何日か。この3つが料金ページかヘルプに書いてあれば、扱いとしては誠実な部類になる。書き出せる道具であれば、会社が事業をやめたときにも自分がやめたときにも困らない。

月額と買い切りは、使う年数で逆転する

この分野には、拡張機能ではなくブラウザそのものを売っている製品もある。月額のものもあれば、一度払えば使い続けられるものもあり、金額の大小より仕組みの違いのほうが効いてくる。

拡張機能の月額は、他社が握っているブラウザの上に載せた層を借り続ける取引になる。土台の側の仕様が変われば作り直しが必要になり、その負担は利用者にも回ってくる。ブラウザ自体の月額は、その依存を1つ減らす代わりに、環境ごと相手に預ける取引になる。買い切りは支払いが止まり、代わりに将来のOSの更新に付いてくるかどうかが論点になる。

判断の軸は、その道具を何年使うつもりかになる。3か月試すだけなら買い切りは重い。3年後も同じ作業を続けている見込みなら、月額は同じ金額を3回払うことになる。年に1度、支払いを止めたときに何が動かなくなるかと、保存した状態を別の場所へ移すのにどれだけ手間がかかるかを見直しておくと、判断が固定されない。

払う前に、どの層の問題かを決める

請求の正体が分かったら、次は困りごとの層を決める作業になる。1台の端末で完結していて、過去にさかのぼる必要がないなら、無料の機能で届く範囲に収まっていることが多い。端末を行き来する、チームで同じ資料の束を共有する、この2つが要るときだけ、月額が埋めている隙間と自分の困りごとが重なる。

そのうえで、悩みが「10個のWebアプリが1つのアイコンの後ろに隠れていて、通知が誰からのものか分からない」ことなら、タブ管理の月額を払っても位置関係は動かない。この層に効くのはWebアプリごとに窓とアイコンを割り当てる考え方で、アプリごとに独立したワークスペースという形に整理されている。案件単位で区画を作る仕組みはワークスペースのページに、毎日開いているサービスがその方式で扱えるかどうかは使えるアプリの一覧にまとまっている。費用の考え方を並べて比べたい場合は料金に条件が出ており、同じ分野で月額を取っている製品との違いを先に知りたいならWaveboxとの比較が比較の軸をそのまま示している。ブラウザ側でどこまで賄えるのかはできることに範囲が書かれている。

最初にやることを1つ挙げるなら、明細を開いて、その課金が3つのうちどれなのかを確定させることになる。業務用のメールのために契約したプランは、何年払い続けてもタブを整理しない。そこが片付いてから、無料の機能で足りるかどうかを1週間試す順番が、いちばん無駄が出ない。

よくある質問

Googleの業務向けプランを契約すると、Chromeのタブ管理は良くなりますか?

良くならない。あのプランで買えるのは独自ドメインのメール、保存容量、会議、管理機能で、料金は年間プランのユーザーあたり月額800円から2,500円で公開されている。タブや窓を整理する機能は含まれておらず、契約してもブラウザの画面は変わらない。

Chromeそのものに有料版はありますか?

ブラウザ本体は無料で、プロファイル、タブグループ、ブックマーク、起動時の復元もすべて無料で使える。企業向けの管理の仕組みには無料の段と有料の段があり、有料はユーザーあたり月額6ドルだが、増えるのは管理と防御の機能であって使う人の画面ではない。

有料のタブ管理ツールは、1人で1台のMacを使う場合に見合いますか?

見合わない場面が多い。有料の側に並んでいるのは端末間の同期、過去にさかのぼる控え、チームでの共有といった、相手のサーバーが要る機能になる。1台で完結していて古い並びを取り出す必要がないなら、無料で入っている機能とほぼ同じ範囲を買うことになる。

支払いをやめたら、保存したタブはどうなりますか?

会社ごとに違うので、契約する前に確かめる。無料の枠に上限があるサービスでは、上限を超えた分が触れなくなる形になり、試用のあとに無料の枠を用意していないサービスもある。保存した一覧をファイルへ書き出せるかどうかを先に見ておくと、どちらの場合でも手元に残せる。

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