Chromeのプロファイル移行をMacで行う|書き出し機能がない理由と2つの道
Chrome のプロファイルを新しい Mac へ移す方法は、確実なものから順に3つあります。1つ目はプロファイルごとに Google アカウントでログインして同期する方法、2つ目は Mac 全体を移行アシスタントで転送する方法、3つ目はフォルダを手でコピーする方法です。Chrome には、プロファイルをまとめてファイルに書き出す機能がありません。そのため chrome プロファイル移行 mac で探すと、フォルダの場所とコピーの手順ばかりが見つかります。ただ、手でコピーする方法には、ログインの情報が新しい Mac で読めなくなるという、仕組みから来る弱点があります。この記事では、2026年10月18日に Google、Apple、Chromium の公式資料で確かめた内容をもとに、3つの方法の手順と、どれを選ぶべきかを示します。
先に結論:3つの方法で何が移るか
それぞれの方法で、新しい Mac にどこまで移るかをまとめます。
| 方法 | ブックマーク・拡張機能・設定 | 保存したパスワード | サイトのログイン状態(Cookie) | 手間 |
|---|---|---|---|---|
| Google アカウントで同期 | 移る | 移る | 移らない。サイトごとにログインし直す | プロファイルの数だけログイン |
| 移行アシスタントで Mac ごと転送 | 移る | 公式資料に記載なし | 公式資料に記載なし | Mac 全体の転送が必要 |
| フォルダを手でコピー | 移る | 読めなくなる場合がある | 読めなくなる場合がある | 少ないが、失敗の原因が分かりにくい |
表のとおり、手間が少ない方法ほど、移らないものが分かりにくくなります。プロファイルが2つか3つで、どれも Google アカウントに結び付いているなら、同期がいちばん確実です。プロファイルが10個近くあり、しかも Google アカウントにログインしていない検証用のものが混ざっているなら、移行アシスタントで Mac ごと移し、念のためパスワードも書き出しておく組み合わせが現実的です。
Chromeのプロファイルは、Macのどこにあるのか
Chromium の公式資料「User Data Directory」によると、Mac の Chrome のデータは次のフォルダにあります。
- Chrome:~/Library/Application Support/Google/Chrome
- Chrome Beta:~/Library/Application Support/Google/Chrome Beta
- Chromium:~/Library/Application Support/Chromium
このフォルダを「ユーザーデータディレクトリ」と呼び、その中にプロファイルが1つずつサブフォルダとして並びます。最初に作ったプロファイルは多くの場合「Default」、2つ目以降は「Profile 1」「Profile 2」のような名前になります。資料には、履歴、ブックマーク、Cookie などのプロファイルのデータが、このディレクトリに入っていると書かれています。
フォルダ名と、Chrome の画面に出ているプロファイル名は一致しません。どのフォルダがどのプロファイルかを確かめるには、そのプロファイルの Chrome でアドレスバーに chrome://version と入力します。表示される「プロフィール パス」の欄が、そのプロファイルのフォルダの場所です。移行の前に、プロファイルごとにこの欄を控えておくと、あとで迷いません。
Finder で開くときは、「移動」メニューを Option キーを押しながら開くと「ライブラリ」が現れます。そこから Application Support、Google、Chrome の順に進みます。
方法1:Googleアカウントの同期で移す
Google の公式ヘルプ「すべてのデバイスで同じブックマーク、パスワード、その他の設定を利用する」には、Chrome にログインしたときに Google アカウントへ保存される情報が並んでいます。ブックマーク、リーディング リスト、パスワード、お支払い情報、連絡先情報など、拡張機能、ウェブアプリ、設定です。タブと閲覧履歴も、設定の「Google の設定」でアカウント名を選び、「履歴とタブ」をオンにすれば同期されます。
新しい Mac での手順は次のとおりです。
- Chrome を入れて開き、右上のプロファイルから「Chrome にログイン」を選ぶ
- 古い Mac のプロファイルと同じ Google アカウントでログインする
- 2つ目以降は、プロファイルのメニューからプロファイルを追加し、それぞれのアカウントでログインする
- 設定の「Google の設定」で、保存する情報が古い Mac と同じになっているか確かめる
一覧に Cookie が含まれていない点に注意が必要です。同期で移るのはブラウザの設定とデータで、Gmail や Slack、取引先の管理画面にログインしている状態は移りません。新しい Mac では、サイトごとにログインし直すことになります。二段階認証の確認コードを受け取れる状態にしてから始めると、途中で止まらずに済みます。
古い Mac で同期を一度も有効にしていないプロファイルは、ログインした瞬間に手元のブックマークがアカウントに保存されるとは限りません。ヘルプには、プロファイルのメニューの「アカウントに x 件のアイテムを保存」から、手元の情報を選んで Google アカウントに保存する手順が載っています。古い Mac の側で、この操作を先に済ませておきます。
方法2:移行アシスタントでMacごと移す
Apple の公式ガイド「移行アシスタントで新しいMacに転送する」によれば、移行アシスタントは書類、アプリ、ユーザアカウント、設定などを別の Mac に転送します。古い Mac の情報が削除されることはありません。Chrome のフォルダもユーザアカウントの一部として移るので、すべてのプロファイルがまとめて新しい Mac に入ります。
手順の要点は次のとおりです。
- 両方の Mac の macOS を最新にし、Wi-Fi を有効にして近くに並べる。ウイルス対策ソフトやファイアウォール、VPN は移行が終わるまでオフにする
- 新しい Mac で移行アシスタントを開き、「Mac、Time Machine、または起動ディスクから」転送するオプションを選ぶ
- 古い Mac でも移行アシスタントを開き、別の Mac に転送するオプションを選ぶ
- 両方の画面に表示されるセキュリティコードが同じであることを確かめる
- 転送するカテゴリを選び、ユーザアカウントにチェックを入れて続ける
移行アシスタントは Mac のユーザアカウントごと転送するので、Chrome のフォルダだけを別の Mac に入れる手作業とは条件が違います。ただ、保存したパスワードやサイトのログイン状態が新しい Mac でそのまま使えるかどうかは、Apple と Google の公式資料のどちらにも記載がありません。移行アシスタントを使う場合も、Google アカウントの同期と、次の節で説明するパスワードの書き出しを併用しておくと安全です。また、管理者が macOS のアカウントのパスワードをリセットすると、以前に暗号化したデータが読めなくなる場合がある、と Chromium 系ブラウザの資料に書かれています。移行のあとで Mac のログインパスワードを変えるときは、リセットではなく、古いパスワードを入力して変更する手順を使います。
方法3:フォルダを手でコピーする場合の手順と弱点
手でコピーする方法は、ブログなどで広く紹介されています。上位の記事の1つは、作業前の注意をこう書いています。
このあとにも書いているが、実際に作業する際にはGoogle Chromeは終了しておいたほうが良さそうかと思われる。 出典: shinshin86.hateblo.jp
手順は次のとおりです。
- 古い Mac と新しい Mac の両方で Chrome を完全に終了する(Dock のアイコンを右クリックして「終了」)
- 古い Mac の ~/Library/Application Support/Google/Chrome フォルダを、外付けのディスクなどにコピーする
- 新しい Mac の同じ場所にある Chrome フォルダの名前を変えて控えにしてから、コピーしたフォルダを同じ場所へ入れる
- Chrome を起動し、プロファイルの一覧が古い Mac と同じになっているかを確かめる
ブックマーク、拡張機能、履歴はこの方法で移ります。問題は、パスワードと Cookie です。Chromium を土台にしたブラウザの Brave は、公式ヘルプ「Sensitive data storage」で、Chromium がパスワードや Cookie を暗号化して保存していること、Mac ではその鍵をキーチェーンに保存していることを説明しています。そのうえで、データを失う最も多い原因として、USB メモリや Time Machine のバックアップでプロファイルを別の機械にコピーすることを挙げています。新しい機械の Chrome は別の鍵を作るため、元のデータを復号できない、という説明です。同じ資料は、移行には同期を使うのが望ましいと書いています。Chrome も同じ Chromium の仕組みを使っています。
つまり、フォルダを手でコピーすると、プロファイルの一覧やブックマークは元どおりに見えるのに、すべてのサイトからログアウトしていて、保存したパスワードも出てこない、という状態になり得ます。コピーの手順が間違っていたわけではなく、仕組みとしてそうなります。
パスワードだけは、先に書き出しておく
どの方法を選ぶ場合でも、Google アカウントに同期していないパスワードがあるなら、先に書き出しておくと安全です。Google の公式ヘルプ「Chrome でパスワードを管理する」の手順は次のとおりです。
- 右上のその他アイコンから「パスワードと自動入力」を開き、「Google パスワード マネージャー」を選ぶ
- 左側の「設定」を選ぶ
- 「パスワードをエクスポート」の右側で「ファイルをダウンロード」を選ぶ
書き出したファイルには、パスワードが暗号化されずに入っています。新しい Mac で読み込んだら、すぐに削除し、ゴミ箱も空にします。プロファイルごとに操作が必要なので、プロファイルが多い場合は、chrome://version で控えたプロフィール パスと照らし合わせながら順に進めると、取りこぼしを防げます。
移す前に、プロファイルの数を見直す
移行の作業量は、プロファイルの数にほぼ比例します。同期でもコピーでも、プロファイルが10個あれば、ログインし直す回数も確かめる回数も10倍になります。そこで、移す前に、プロファイルごとに何のために作ったのかを書き出してみると、判断がしやすくなります。
よくあるのは、「Gmail のアカウントを分けたかった」「取引先の Slack や管理画面に別のアカウントでログインしたかった」という理由で作ったプロファイルです。このようなプロファイルは、ブラウザ全体を分ける必要があったわけではなく、Web アプリのログインだけを分けたかったものです。調べものや閲覧のためのプロファイルとは性質が違います。
ログインを分けるためのプロファイルは、Web アプリごとにログインを分けて保持できる「アプリ集約ブラウザ」へ移すと、Chrome のプロファイルを1つか2つまで減らせる場合があります。このサイトを運営する開発元の Mac 用アプリでは、アプリごとに専用の Cookie の入れ物を持たせるワークスペースの仕組みで、同じ Gmail を3つ並べてもそれぞれがログインしたまま動きます。Chrome、Edge、Brave、Arc、Safari、Firefox など8つのブラウザからブックマークをフォルダの構成ごと取り込めるので、元の Chrome には手を加えずに試せます。無料版はワークスペース1つ・アプリ3つまでで、ほかの機能はできることにまとめています。同じ種類の道具との違いはWaveboxとの比較やFerdiumとの比較で確認できます。
移行の順番としては、まずプロファイルの一覧と chrome://version のプロフィール パスを控え、次に同期していないパスワードを書き出し、そのうえで同期か移行アシスタントのどちらかを選ぶ、という流れが確実です。フォルダを手でコピーするのは、ブックマークと拡張機能だけを戻せればよいプロファイルに限ると、移したあとでログインが消えて困る場面を避けられます。
よくある質問
Chromeのプロファイルをファイルとして書き出す方法はありますか?
Chrome には、プロファイルを丸ごとファイルに書き出す機能はありません。書き出せるのは、Google パスワード マネージャーの設定から書き出すパスワードのように、データの種類ごとです。プロファイル全体を移したい場合は、Google アカウントでの同期か、移行アシスタントでの転送を使います。
フォルダをコピーしたら全部のサイトからログアウトしていたのはなぜですか?
Chromium を土台にしたブラウザは、パスワードや Cookie を、Mac のキーチェーンに保存した鍵で暗号化しています。フォルダだけを別の Mac にコピーすると、新しい Mac の Chrome は別の鍵を作るため、元のログイン情報を読めません。コピーの手順の誤りではなく、仕組みによるものです。サイトごとにログインし直すことになります。
どのフォルダがどのプロファイルなのか、見分けられますか?
見分けられます。そのプロファイルの Chrome でアドレスバーに chrome://version と入力すると、「プロフィール パス」の欄にフォルダの場所が表示されます。フォルダ名は Default や Profile 1 のような名前で、画面に出ているプロファイル名とは一致しないため、移行の前にプロファイルごとに控えておくと安全です。
移行アシスタントを使えば、ログインしたままのサイトもそのまま移りますか?
移行アシスタントは書類、アプリ、ユーザアカウント、設定を転送しますが、Chrome のログイン状態がそのまま残るかどうかは公式の資料に記載がありません。サイト側が新しい端末からのアクセスを検知して、ログインし直しを求めることもあります。同期とパスワードの書き出しを併用し、二段階認証のコードを受け取れる状態にしてから移行すると安心です。