MacでGmailをアプリとして開く|4つの道と選び方

gmail アプリ macで検索して最初に戸惑うのは、App Storeに並ぶのが聞いたことのない開発元の製品ばかりだという点になる。公式が見つからないのは探し方の問題ではない。Googleはスマートフォンとタブレット向けにGmailのアプリを配っているが、パソコンではブラウザで開く形を案内している。Google自身のGmailの紹介ページも、パソコン用のアプリを出す代わりに、Outlookやメール、Thunderbirdといったパソコン用のメールソフトと連携できることを挙げている。ここでは実際に選べる4つの道を、料金と対応OS、ラベルの扱い、複数アカウントの可否で並べる。

公式のMac用アプリが無い、という前提から始まる

同じところで止まる人は多い。質問サイトには次のような投稿が残っている。

MacBookを購入しました。gmailのアプリを導入したいのですが、公式のアプリが見つかりません。もしかして純正アプリは存在しないのでしょうか? 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

答えは、パソコン向けの純正アプリは無い、になる。ただしこれは不便を押し付けられているのではなく、Gmailの機能がいちばん揃っているのがブラウザの画面だという事情の裏返しでもある。ラベル、フィルタ、検索の条件指定、キーボード操作のすべてがブラウザ側にあり、Googleが機能を足したときに遅れて反映される心配もない。

だから検討の出発点は「アプリが無いから困る」ではなく、「ブラウザの画面で足りないのは何か」になる。実際に足りないと感じるのは、たいてい次の3つに絞られる。タブの海に埋もれて探す時間がかかること、未読の件数がひと目で分からないこと、そしてアカウントが2つ以上あると行き来が増えることだ。どれが自分の不満かで、選ぶ道が変わる。

道1: macOSに入っているメールアプリを使う

MacにはメールというアプリがOSと一緒に入っている。追加の費用はかからない。Gmailを追加する手順も短く、メニューのメールからアカウントを追加を選び、一覧からGoogleを選んで、画面の指示どおりにアカウント情報を入れるだけで終わる。複数のアカウントを入れられて、受信ボックスをまとめて1つの一覧で読む形にもできる。

引き換えになるのはラベルの扱いになる。メールの仕組みは、メールボックスをフォルダの木として扱う。一方Gmailは、1通のメールが複数のラベルを同時に持てる形で作られている。この2つは完全には重ならないため、3つのラベルが付いたメールは3つのフォルダに現れる。アーカイブの挙動もブラウザのGmailとは少し違う。Gmailのカテゴリ分けや、検索の条件指定も持ち込めない。

つまり、読んで返すことが中心の使い方なら不便はほとんど出ない。ラベルで仕分けの仕組みを組んでいる人には、毎日引っかかる。判断を早めるには、実際に自分のアカウントを入れて数日使ってみるのがいちばん確実になる。すでに手元にあるので、試すための費用も申し込みも要らない。

道2: Gmail専用のMac用アプリを使う

Mac向けに作られた製品の中で性格が違うのがMimestreamになる。ほかのメールソフトがIMAPで接続するのに対して、これはGmailのAPIで接続する。

この違いがそのまま機能差になる。ラベルは色分けと表示設定を含めてそのまま扱えて、サーバー側のフィルタもアプリの中から編集できる。受信トレイのカテゴリ分けを使って重要でないメールを主要タブの外に出せて、検索もGmailの検索そのものが動く。追跡用の埋め込みは75を超えるサービス分が遮断される。複数アカウントの扱いも作り込まれていて、まとめた受信ボックスをアカウント単位で外せるほか、仕事と個人をプロファイルとして分けて通知の時間帯をそれぞれに設定できる。macOSの集中モードと連動させることもでき、アカウントごとに色を割り当てて一覧で見分けられる。

条件は明確になる。macOS 12 Monterey以降が必要で、対応するのはGoogleのアカウントだけになる。会社のメールがExchangeや自前のIMAPサーバーにある人は、これ1つには寄せられない。料金は無料の枠が無く、カード登録なしで14日間の試用ができて、そのあとは月額4.99ドルまたは年額49.99ドルになる。買い切りは用意されておらず、App Storeでは売られていない。個人向けの契約は同じ世帯の家族との共用が認められていて、使える台数は5台までになる。

道3: App Storeのラッパーを使う

App Storeで見つかるMac用のGmailアプリは、ブラウザで開くGmailの画面を包んだ製品が中心になる。Mail+ for Gmailがその代表で、開発元はRocky Sand Studio Ltd、サイズは1.7MB、無料でアプリ内課金がある形になる。macOS 12.0以降が必要で、対応言語は英語のみと記載されている。Googleが作った製品ではなく、承認や提携の関係も無いことが説明文に明記されている。

備わる機能は、未読件数を出すDockのアイコン、通知の細かい設定、文字の大きさと窓の透明度の調整、Gmailのテーマへの対応になる。入れる前に見ておくべきなのは、どこから先が課金なのかという点だ。複数のGmailアカウントを別々の窓で開くこと、ダークモードの切り替え、メニューバーの通知、印刷、保存先フォルダの指定は、いずれも有料の機能として並んでいる。つまり、この検索をしている人がいちばん欲しいであろう複数アカウントが、無料の範囲の外にある。

道4との差は小さい。未読の数字と通知の出方だけが足りないなら、費用に見合う。セッションの仕組みが変わるわけではないので、アカウントの行き来そのものは減らない。

道4: Gmailのページをアプリとして開く

Chromeには、Webページを独立した窓として扱う仕組みがある。アドレスバーの無い専用の窓になり、Dockにアイコンが並び、アプリの切り替えにも出てくる。Gmailに限っては、これが有力な答えになる。表示されるのがブラウザのGmailそのものなので、機能が欠けない。

手順は、Gmailを開いた状態で右上のその他を押し、キャスト、保存、共有を選び、ページをアプリとしてインストールを選ぶ。インストールに対応していると表明しているサイトでは、アドレスバーの右端にインストールのアイコンが出る場合もある。公式の説明では、入れたWebアプリは機能への近道を持てることがあり、Dockのアイコンを右クリックすると一覧が出る。オフラインでも動くとされているが、接続が無いと完全には動かないものもあると但し書きが付いている。

弱点はセッションの共有になる。入れたWebアプリはインストール元のプロファイルの中で動くため、同じプロファイルのタブと保存情報を共有する。2つ目のGmailにそのプロファイルでログインすると、入れた窓のほうも切り替わったアカウントを追いかける。Chromeの中で解く場合は、プロファイルを追加してそちらでもう一度インストールする形になる。動くが、同じアイコンでほぼ同じ名前のアプリがDockに2つ並ぶ。

4つの道を横に並べる

数字は各社が公開している条件をそのまま置いている。

道 費用 複数アカウント 主な制約
メール(macOS付属) 無料 可、まとめた一覧あり ラベルがフォルダになる。Gmailの検索条件は使えない
Mimestream 月額4.99ドル/年額49.99ドル、14日試用 可、プロファイルと色分け Googleのアカウントのみ。macOS 12以降
Mail+ for Gmail 無料+アプリ内課金 別々の窓は有料機能 英語のみ。包んだWeb画面のまま
Chromeでアプリ化 無料 プロファイル1つにつき1アカウント プロファイルのセッションを共有する

表の中でいちばん見落とされるのは、右端の列になる。費用は比べやすいが、実際に使い始めて困るのは制約の側だからだ。

アプリにして得られるものと、得られないもの

どの道を選んでも共通して得られるものと、どれを選んでも変わらないものがある。先に分けておくと、期待の置きどころを間違えなくなる。

得られるのは3つになる。1つ目は場所の固定で、Dockの決まった位置にあるので探す動作が消える。2つ目は未読の数字で、開かずに残っている件数が分かる。3つ目はアプリの切り替えに乗ることで、キーボードの操作だけで前面に出せるようになる。タブとして開いていたときは、ウィンドウの中の何番目かを目で探す必要があった。この差は小さく見えて、1日に何十回も繰り返される動作になる。

得られないのは、届くメールの量が減ることと、返すかどうかの判断が代わりに行われることだ。アプリにすると受信箱が軽く感じられると期待して入れると、数日で元の重さに戻る。軽くしたいなら、Gmail側のフィルタで振り分けを組むか、カテゴリ分けを使って主要タブの中身を削るほうが効く。置き場所を変える施策と、量を減らす施策は別物になる。

通知の設計も、アプリにしただけでは整わない。アカウントを複数入れた直後は通知が単純に増えるので、その日のうちに絞る前提で考える。ブラウザを土台にした道では、通知の設定はGmailのページに対して1つなので、同じプロファイルに入っているアカウントは同じ扱いになる。アカウントごとに時間帯を分けたいなら、それができるメールソフトを選ぶ側の話になる。

選び方は「アカウントの数」と「ラベル」で決まる

4つの道はどれも、アカウントが1つなら十分に使える。難しくなるのは2つ以上からで、その理由はメールソフトの出来とは関係がない。

ブラウザのプロファイルは、1サービスにつき1つのログイン状態しか保持できない。だから道4で2つ目が扱いにくくなり、Googleのアカウント切り替えも同時に2つを動かすのではなく行き先を入れ替える形になり、ラッパーの開発元が別々の窓を有料機能にしている。メールソフトはアカウントごとに認証情報を持つため、この制約の外にいる。4つのアドレスを扱っても落ち着いているのは、この一点の差になる。

そこで決め方はこうなる。アカウントが1つでラベルを使っていないなら道4で足りる。アカウントが複数でラベルも使っていて、すべてがGoogleのアカウントなら道2が合う。Google以外のメールが混ざるなら道1になる。未読の数字と通知だけが不満なら道3で足りる。この4つの分岐で、比較表を眺める時間はほぼ要らなくなる。

二重になっているのはGmailだけではない

新しいメールアプリを入れても1か月後に同じ散らばりを感じるのは、原因の半分が別のところにあるからになる。メールは最初に2つになったものであり、いちばん目につくだけで、2つになった唯一のものではない。

Gmailを2つ持っている人は、たいていSlackのワークスペースも2つあり、Notionのログインも2つあり、カレンダーも複数ある。メールソフトが扱えるのはメールだけで、残りはブラウザの中にある。1つのプロファイルは1サービス1セッションしか保持しないので、片方を開くと片方が落ちる。

この層を扱う道具は、Webアプリごとに窓とセッションの置き場所を分ける作りになっている。アプリごとに独立したワークスペースを持たせることで、同じサービスの2つのアカウントを開いたままにできる。何ができるかはできることにまとまっている。仕事の単位で窓をまとめる考え方はワークスペースの説明が短く、対応しているサービスの一覧は使えるアプリで確かめられる。無料で使える範囲と有料の条件は料金に並んでいる。

順番としては、まず無料の道1と道4を数日試す。それで残った行き来だけが、窓の側の課題になる。

よくある質問

MacにGmailの公式アプリはありますか?

パソコン向けの純正アプリはない。GoogleはiPhoneとAndroid向けにGmailのアプリを配り、パソコンではブラウザで開く形を案内している。Google自身の紹介ページも、パソコンではOutlookやメール、Thunderbirdといったメールソフトと連携できることを挙げている。

App Storeから入れずにGmailをDockに置けますか?

できる。Chromeで Gmailを開き、右上のその他からキャスト、保存、共有を選び、ページをアプリとしてインストールを選ぶ。アドレスバーの無い専用の窓になり、Dockにアイコンが並ぶ。表示されるのはブラウザのGmailそのものなので、機能が欠けることはない。

無料で使えるのはどれですか?

macOS付属のメールと、Chromeでのアプリ化は費用がかからない。Mail+ for Gmailは無料で使い始められるが、複数アカウントを別々の窓で開く機能は有料になる。Mimestreamは無料の枠がなく、カード登録なしの14日間の試用のあとは月額4.99ドルまたは年額49.99ドルになる。

Gmailのラベルはどのアプリでもそのまま使えますか?

そのまま扱えるのはブラウザのGmailと、GmailのAPIで接続するMimestreamになる。IMAPで接続するメールソフトでは、ラベルがフォルダとして現れるため、3つのラベルが付いたメールは3つのフォルダに出る。ラベルで仕分けの仕組みを組んでいる場合は、ここが判断の分かれ目になる。

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