ブラウザタブ開きすぎとメモリの関係|Macでの境目の見つけ方
ブラウザのタブを開きすぎてメモリが足りないのかどうかは、タブの枚数ではなく、Macのアクティビティモニタにある「メモリプレッシャー」の色で判断します。緑のままなら、タブが何枚あってもメモリは足りています。黄色に変わる枚数が、その人のMacでの境目です。赤になるなら、タブを減らすか、メモリを眠らせる設定を入れるか、作業の置き場所を分ける必要があります。
「何枚までなら大丈夫か」という問いに一つの数字で答えている記事は多いものの、実際の境目はMacのメモリ量と、開いているページの重さで大きく変わります。この記事では、Appleの公式ガイドに書かれた画面の名前どおりに、自分のMacの境目を測る手順と、測った結果ごとの手当てを順に並べます。参照したAppleとGoogleのヘルプページは、2026年10月18日に開いて内容を確かめています。
「何枚まで」に一つの答えが出ない理由
タブ1枚が使うメモリは、ページによって桁が変わります。文字中心の記事ページと、Gmailやスプレッドシート、動画の再生画面、広告の管理画面とでは、裏で動いている処理の量が違うからです。Chromeは複数のプロセスに分かれて動くブラウザで、ページの描画を受け持つレンダラー プロセスを互いに切り離して動かす構造を取っています(Multi-process Architecture)。安全性と安定性のための設計ですが、そのぶんタブが増えるほど使うメモリも積み上がります。
知恵袋には、スマートフォンのChromeでタブを消さずに使い続けた人の次のような質問が残っています。
スマホのChromeのタブが数えたら3万タブぐらい溜まってたんですが、これって普通ですか? 最近少しだけ重いなと感じてタブを見てみたら3年前ぐらいから一個もタブ消してなくて3万以上ずっとタブが溜まってました、、。特に過度なラグなどは今のところ3年間ありませんが、これって僕だけでしょうか、。同じような方いたらお願いします。iPhoneです。 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
3万枚という極端な枚数でも大きな不具合が出ていないという報告は、枚数だけで重さが決まらないことを示す一例です。重さに効くのは、画面の裏で同時に動き続けているページの数と、それぞれのページの重さです。だから境目は人によって違い、測ってみるのがいちばん早い、ということになります。
Macのメモリプレッシャーで「足りているか」を見る
macOSには、メモリの足り具合を一目で示すグラフがあります。Appleのアクティビティモニタのユーザガイドによると、「メモリ」タブの下部にある「メモリプレッシャー」は、メモリが処理のためにどの程度効率的に使われているかを視覚的に表すもので、空きメモリ容量、スワップ率、確保されているメモリ、ファイルキャッシュメモリによって決まります(Macのアクティビティモニタでメモリの使用状況を表示する)。
開き方は次のとおりです。
- Finderの「アプリケーション」から「ユーティリティ」を開き、「アクティビティモニタ」を起動する(Spotlightで名前を入力しても開ける)
- ウインドウ上部の「メモリ」をクリックする
- 下部の「メモリプレッシャー」のグラフを見る
色の意味は、Appleのガイドに次のように書かれています(アクティビティモニタでMacに追加のRAMが必要かどうかを確認する)。
| グラフの色 | Appleの説明 | 読み取り方 |
|---|---|---|
| 緑 | すべてのRAMを効率的に使用している | タブを減らしてもメモリ面の効果は小さい |
| 黄 | RAMが今後足りなくなる可能性がある | ここが境目。タブの整理や休止の設定が効く |
| 赤 | より多くのRAMが必要 | 作業の量に対してメモリが足りていない |
「使用済みメモリ」の数字が物理メモリに近くても、グラフが緑なら慌てる必要はありません。macOSは空いているメモリをファイルのキャッシュに回し、停止中のアプリのメモリを圧縮して、動いているアプリに回す仕組みを持っているからです。同じ画面の「圧縮」と「スワップ使用領域」が増え続けているときは、メモリのやりくりが限界に近づいている合図です。スワップは起動ディスクの領域をRAMの代わりに使うもので、使われるほど切り替えのたびに待ち時間が出やすくなります。
タブを足しながら、自分の境目を測る
自分のMacで何枚あたりから黄色になるのかは、15分ほどで測れます。手順は次のとおりです。
- Chromeをいったん終了し、アクティビティモニタの「メモリ」を開いたままにする
- Chromeを起動し、毎日必ず開くWebアプリ(Gmail、カレンダー、Slack、Notion、生成AIのチャットなど)を1枚ずつ開く
- 1枚開くたびに10秒ほど待ち、メモリプレッシャーの色と「使用済みメモリ」を書き留める
- 毎日のアプリを開き終えたら、普段の調べ物で開く記事や検索結果を5枚ずつ足していく
- グラフが黄色に変わった時点の枚数と、そのとき開いていたページを記録する
この測り方で分かるのは、枚数だけではありません。どのページを開いた瞬間にグラフが跳ねたかを見れば、重いページが特定できます。ChromeのMac版では「設定」の「デザイン」にある「タブ マウスオーバーのプレビュー カードにメモリ使用量を表示する」をオンにすると、タブにカーソルを合わせるだけでそのタブのメモリ使用量が出ます(Chrome のパフォーマンスをカスタマイズする)。測定中にこれを使えば、跳ねた原因のタブがすぐ分かります。
記録は、表計算でもメモ帳でもかまいません。「開いた順番」「ページの名前」「メモリプレッシャーの色」「使用済みメモリ」の4列を作っておくと、あとで見返したときに、どのページで色が変わったかがすぐ分かります。同じ測定を朝と夕方の2回行うと、長時間開きっぱなしにしたページがじわじわとメモリを増やしていないかも見えてきます。Webアプリの中には、開いてから時間がたつほど使うメモリが増えていくものがあり、朝は緑でも夕方に黄色になるのはこの型です。その場合は、タブの枚数を減らすより、そのページだけを昼に一度開き直すほうが効きます。
測った結果は、毎日のアプリだけで黄色になるか、調べ物を足してから黄色になるかで、次の手当てが変わります。前者はメモリ量に対して道具が多すぎる状態、後者は調べ物のタブが溜まりすぎている状態です。
黄色になったときの手当て
調べ物のタブを足してから黄色になる場合は、Chromeの標準機能で十分に手当てできます。いちばん効くのはメモリセーバーです。「設定」の「パフォーマンス」で「メモリセーバー」をオンにすると、使っていないタブが無効になり、そのタブのメモリが空きます。無効になったタブは、もう一度開くと自動で再読み込みされます。
レベルは「適度」「バランス重視(推奨)」「最大」の 3段階 から選べます。境目を測ったときに黄色になった枚数が、普段の枚数より少し多いだけなら「バランス重視」で足ります。普段からその枚数を大きく超えているなら「最大」を選び、タブがより短い時間で休むようにします。ただし「最大」は切り替えるたびに再読み込みが起きやすくなるので、行き来の多いWebアプリは「常にアクティブにするサイト」に登録して、休止の対象から外しておきます。
拡張機能も見直します。Chromeのヘルプ「Chrome の動作を速くする」では、使っていない拡張機能を無効にする・削除すること、タスク マネージャで「メモリ使用量」の順に並べて不要なタスクを止めることが手順として挙げられています(Chrome の動作を速くする)。境目の測定でChromeを起動しただけの時点から使用済みメモリが大きい場合は、タブより拡張機能を疑うほうが早く片づきます。
赤のままなら、メモリ量か道具の置き方を変える
毎日のアプリを開いただけで黄色や赤になる場合は、タブの整理だけでは足りません。考えられる手は2つです。
1つ目はメモリそのものを増やすことです。ただし、Apple シリコンを積んだ最近のMacは、購入後にメモリを増設できない機種がほとんどです。Appleのガイドには、Optionキーを押したままアップルメニューから「システム情報」を選び、「ハードウェア」の「メモリ」に「メモリスロット」パネルが表示されなければ、そのMacにはアップグレード可能なメモリがない、と確かめ方が書かれています。増設できないなら、次に買い替えるときに積むメモリの量を決める材料として、今回測った境目を残しておきます。現行のMacBook Airは、Appleの仕様ページで標準構成が 16GB のユニファイドメモリと案内されています(MacBook Air の仕様)。
2つ目は、毎日のアプリと調べ物を同じブラウザに詰め込まない置き方に変えることです。Gmailを仕事用と個人用で2つ、Slackを複数のワークスペースで開いている人は、それだけで常時開いておくタブがかなりの数になります。調べ物のタブを閉じても、道具のタブは閉じられません。
この置き方を変える方法の一つが、Webアプリをまとめるブラウザに道具の側を移すことです。macOS向けのあるアプリ集約ブラウザは、アプリごとに専用のCookieの入れ物を持たせ、複数のアカウントに同時にログインしたまま左のサイドバーで切り替えられます。機能の全体はできることに、仕事と個人などのまとまりで分ける方法はワークスペースに書かれています。無料版はワークスペース1つ、アプリ3つまでで、有料版の金額は料金で確かめられます。メモリの使い方そのものは中で動くページによって決まるので、移すだけで消費が減るとは言えません。それでも、道具と調べ物が分かれれば、どちらがメモリを使っているのかを別々に見られるようになり、調べ物のタブを夕方にためらわず閉じられます。
似た考え方の製品には、それぞれ対応OSや無料版の範囲の違いがあります。Ramboxとの比較やFerdiumとの比較で、条件を並べて確かめられます。どの道を選ぶにしても、まずアクティビティモニタを開いて、いまのグラフが何色かを確かめるところから始めます。
よくある質問
メモリ8GBのMacでは、タブは何枚までが目安ですか?
一律の枚数は出せません。文字中心のページなら多く開けますが、Gmailやスプレッドシート、動画のページは1枚でも多くのメモリを使います。アクティビティモニタの「メモリプレッシャー」を開いたまま、普段使うページを1枚ずつ足していき、黄色に変わる枚数を測るのが確実です。
「使用済みメモリ」がほぼ満杯でも問題ありませんか?
メモリプレッシャーのグラフが緑なら、問題ない状態です。macOSは空いているメモリをファイルのキャッシュに使い、停止中のアプリのメモリを圧縮して回すため、使用済みの数字が大きく見えることがあります。判断はグラフの色と、スワップ使用領域が増え続けていないかで行います。
タブを開いたままMacをスリープしてもメモリは減りますか?
スリープしても、開いているタブのメモリはそのまま残ります。減らしたい場合は、Chromeの「設定」の「パフォーマンス」でメモリセーバーをオンにしておくと、使っていないタブが無効になってメモリが空きます。無効になったタブは、開いたときに自動で再読み込みされます。
SafariやFirefoxに変えればメモリの問題は解決しますか?
ブラウザによってメモリの使い方は異なりますが、開くページの重さは変わらないため、乗り換えだけで解決するとは限りません。まずChromeのまま境目を測り、拡張機能の整理とメモリセーバーを試してから比べると、乗り換えの効果を正しく判断できます。