Macのおやすみモードを使いこなす設定の考え方
Macのおやすみモードは、名前のわりに扱いが難しい設定です。全部止まるので静かにはなるものの、戻したときにまとめて押し寄せる。iPhoneまで一緒に静かになる。そもそも解除の仕方が分からない。この記事では、おやすみモードが集中モードの中でどういう位置にあるのかを押さえたうえで、入れ方と終わり方、連動を切る方法、そして「全部止める」以外の選択肢までを順に整理します。
おやすみモードは、集中モードの中の一枚になった
かつてのmacOSでは、おやすみモードは通知センターの中にある独立したスイッチでした。macOS Montereyで集中モードという枠組みが入ってから、おやすみモードはその枠の中に置かれた設定のひとつになっています。Appleのサポート資料は、素早く静かにしたいときの入口としてこう案内しています。
ヒント: すべての通知が知らされないように素早く設定する必要がある場合は、コントロールセンターで「おやすみモード」集中モードをオンにしてください。 出典: support.apple.com
ここを押さえておくと、設定画面のどこを探せばよいかが決まります。システム設定を開き、サイドバーを下にスクロールして「集中モード」をクリックすると、一覧の中に「おやすみモード」があります。名前が変わっただけで消えたわけではありません。
位置づけとしては、集中モードの中で最も単純な一枚です。仕事用やカスタムの集中モードが「通す相手を選ぶ」ための道具であるのに対し、おやすみモードは「いったん全部止める」ための道具として置かれています。用途が違うので、どちらかに寄せるのではなく、場面で使い分けるのが実務的です。
まずコントロールセンターから1回入れてみる
設定を細かく詰める前に、素の状態を体験しておくと判断が速くなります。手順は、メニューバー右端のコントロールセンターを開き、集中モードの項目から「おやすみモード」をクリックするだけです。オンになるとメニューバーに印が出ます。最初の一歩をここに置く考え方は、実際の使い方を紹介する記事でも勧められています。
「設定って、なんだか面倒そう…」そう感じる方もいるかもしれません。最初から細かく設定しようとすると、少し疲れてしまうかもしれませんね。まずは、Macのコントロールセンターから、標準で入っている「おやすみモード」をオンにしてみることから始めてみませんか。 出典: alkanetwhite.hatenablog.com
おやすみモードは、オンにした瞬間から届いた通知を画面に出さなくなります。届いていないのではなく、知らされないだけで、内容は通知センターに残ります。だから試している間に大事な連絡を失うことはありません。この点を先に分かっていると、思い切って全部止めて様子を見られます。
1回試すと、自分の仕事で何が止まると困るかが具体的に分かります。30分ほど入れてみて、解除したあとに溜まっていた通知を眺めれば、通すべきものと通さなくてよいものがそのまま一覧になります。この順番で進めたほうが、設定画面のスイッチを上から順に触るより早く形になります。
解除も同じ場所です。コントロールセンターを開いて、オンになっている「おやすみモード」をもう一度クリックすれば戻ります。メニューバーに集中モードを常に表示する設定にしておくと、クリックの回数が1つ減ります。
終わり方を先に決めておくと、切り忘れが消える
おやすみモードで実害が出るのは、入れたときではなく戻し忘れたときです。コントロールセンターで集中モードの名前の右側をクリックすると、終わり方を選べます。1時間だけ、今日の夜まで、この場所を離れるまで、といった選択肢が並びます。会議や作業の長さが読めているなら、ここで期限を付けておくほうが安全です。
自動で入れたい場合は、システム設定の集中モードからスケジュールを組みます。時刻のほか、特定の場所に着いたときや、特定のアプリを開いたときを条件にできます。夜間だけ静かにしたいなら時刻で組むのが単純です。作業に入るときだけ静かにしたいなら、アプリを開いたら入る形のほうが長続きします。
場所を条件にする使い方も、在宅と出社を行き来している人には向いています。自宅に着いたら仕事の通知を止める、オフィスに着いたら私用の通知を止める、という形にしておくと、切り替えの判断そのものが要らなくなります。位置情報を使うため、判定が数分遅れることはありますが、手で毎回入れるより取りこぼしが減ります。
気を付けたいのは、覆う時間を広げすぎないことです。1日の大半をおやすみモードにすると、必要な連絡まで遅れるので、結局は手でオフにする癖がついて機能そのものを使わなくなります。まずは午前の2時間のように、狭い範囲から始めるほうが定着します。
iPhoneやiPadまで静かになるのを止める
よくある困りごとが、Macでおやすみモードにしたつもりが、iPhoneまで一緒に静かになるというものです。逆に、iPhoneで入れたらMacも静かになったという相談も同じ形をしています。
MacBookのおやすみモードのみ解除する方法を教えてください。iPhoneをおやすみモードにすると、連動してMacBookもおやすみモードになります。片方だけをおやすみモードにすることは不可能なのでしょうか? 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
原因は、すべてのAppleデバイスで集中モードを最新の状態に保つ設定です。これが有効だと、どれか1台で行った変更が他の端末にも反映されます。Appleの資料も、この設定を使っていればMacで行った変更がほかのデバイスに反映されると書いています。
片方だけ静かにしたいときは、システム設定の集中モードを開き、この共有の設定をオフにします。オフにしたあとは、Mac、iPhone、iPadのそれぞれで個別に入れ切りする形になります。手間は増えますが、Macで作業に入るときだけ静かにしたい人には、こちらのほうが合います。
なお、集中モードの状況を共有する設定はこれとは別物です。こちらは、通知を知らされない状態であることを、対応したアプリで相手に伝える機能です。便利に働く場面もありますが、相手を選べる範囲は広くありません。社外の相手に見せたくないなら、使う前に何が伝わるかを確かめておくほうが無難です。
全部止める前に、止める必要があるものを見分ける
おやすみモードは全部止める道具ですが、実際には止まらないものがあります。ひとつは重大な通知です。ホームアプリなどに許可していると、煙センサーやドアロックの知らせは集中モードがオンでも表示されます。もうひとつが即時通知で、カレンダーのように早急な対応が要るものは、設定次第で通ります。「静かにしたのに出た」の多くはこの2つです。
この2つは、切るべきものではありません。止めてはいけない通知としてあらかじめ用意されている枠なので、鳴ったこと自体を不具合と受け取らないほうが設定が楽になります。困るのは、この枠に入れる必要のないアプリまで重大な通知や即時通知を許可してしまっている場合です。システム設定の「通知」でアプリを1つずつ開き、身の回りに実害が出るもの以外は外しておくと、おやすみモード中の画面が静かになります。
そしてもう一段手前に、通知設定そのものがあります。システム設定の「通知」には、ディスプレイがスリープ中のとき、画面がロックされているとき、ディスプレイをミラーリング中または共有中のそれぞれで、通知を一時停止するか許可するかを選ぶ項目があります。画面共有の最中にバナーを出したくないという用件は、おやすみモードではなくここで解決します。
アプリごとの設定も見る場所です。通知スタイルの「一時的」と「持続的」、バッジ、通知音は別々のスイッチです。バナーだけ止めたつもりで音が残る、音を消したつもりでDockのバッジが増え続ける、という食い違いはここから来ます。全部止めるか全部通すかの二択で考えず、表示と音とバッジを分けて決めると、おやすみモードに頼る場面そのものが減ります。
解除したあとに押し寄せる通知を、仕分ける手を決めておく
おやすみモードの本当の負担は、静かな時間ではなく、解除した直後にあります。止めていた分がまとめて通知センターに積み上がり、上から順に見ていくうちに、結局その日の集中が終わるという流れです。ここを軽くするには、戻す前に処理の順番を決めておくのが効きます。
通知センターは、メニューバーの時刻表示をクリックするか、トラックパッドを2本指で右端から左へ払うと開きます。並んでいる通知はアプリごとにグループ化でき、この動きはシステム設定の「通知」にある「通知のグループ化」で決まります。自動、アプリケーション別、オフの3つがあり、溜めてから見る使い方をするならアプリケーション別が読みやすくなります。メールであれば、自動を選ぶとアカウント別に分かれるため、仕事と個人を分けて見たい人はこちらが向きます。
積み上がったものを全部読む必要はありません。通知は本体ではなく写しなので、消しても元のメッセージは残ります。返事が要るものだけを開き、残りはグループごと消すと決めてしまうと、解除後の数分で片が付きます。
もうひとつ、プレビューの設定も戻り方に効きます。「プレビューを表示」は、常に表示、ロックされていないときのみ、表示しないの3つから選べます。表示しないにしておくと、通知センターに並ぶのは件名や本文ではなくアプリ名と件数だけになり、目で追う量が減ります。内容を見ないと判断できないアプリだけ、個別に常に表示へ戻すのが扱いやすい形です。
通知の出どころが1か所に固まっていると、全部止めるしかなくなる
おやすみモードを使う頻度が高い人ほど、通知の内訳が偏っています。Gmail、Slack、Notion、カレンダー、AIのチャット。仕事の道具がブラウザの中に移った結果、通知はブラウザという1つのアプリから出ていることになり、macOS側では区別ができません。だから「このサービスだけ通す」ができず、全部止めるという選択に寄ります。
この構造を置き場所から変えるのが、アプリ集約ブラウザと呼ばれる種類のmacOSアプリです。サービスごとにアプリごとに独立したワークスペースを持たせ、通知もサービス単位で扱います。どんな作りでそうしているかはできることのページに整理されていて、通知を1か所に集めて扱う考え方と、キーひとつでアプリを切り替える操作が説明されています。
アカウントを混ぜない仕組みはワークスペースのページが詳しく、アプリごとに専用のCookieコンテナを持たせるため、3つのGmailに同時にログインしても互いの存在を知らない作りになっています。どこまで無料で使えるかは料金のページにあり、無料の範囲はワークスペース1つとアプリ3つまでです。同じジャンルの製品と無料版の上限を並べた表も置かれていて、Shiftとの比較では、上限の置き方と料金体系の違いを確認できます。導入前の細かい疑問はよくある質問にまとまっています。
おやすみモードで決まるのは「今は全部止める」という一時的な判断です。毎日それを選んでいるなら、止め方ではなく、鳴る場所の側に手を入れたほうが早く楽になります。
よくある質問
Macのおやすみモードはどこから設定しますか?
コントロールセンターを開いて集中モードの項目から「おやすみモード」をクリックすれば、その場でオンになります。細かく決めたい場合は、システム設定を開いてサイドバーの「集中モード」をクリックし、一覧の中の「おやすみモード」を選びます。解除も同じ場所で行います。
おやすみモードと集中モードはどう使い分けますか?
おやすみモードは集中モードのひとつで、いったん全部止めるための最も単純な設定です。通す相手やアプリを選びたいときは、仕事用やカスタムの集中モードを作ります。短時間で静かにしたいときはおやすみモード、毎日繰り返す場面はカスタムが向きます。
MacだけおやすみモードにしてiPhoneはそのままにできますか?
できます。システム設定の集中モードにある、すべてのAppleデバイスで集中モードを共有する設定をオフにしてください。オフにすると変更が他の端末へ反映されなくなり、Mac、iPhone、iPadで別々に入れ切りする形になります。
おやすみモードにしているのに通知が出るのはなぜですか?
重大な通知と即時通知は、集中モードがオンでも届く設計になっています。これに当てはまらない場合は、システム設定の「通知」側で画面共有中の表示設定や、アプリごとの通知スタイルがどうなっているかを確認すると原因が見つかります。