gmail 複数アカウントのメインを決める|先に開く受信箱の直し方

gmail 複数アカウントメインという言葉で探している人が期待しているのは、設定画面のどこかにある「既定のアカウント」のスイッチです。仕事用を先に開くようにしたい、アドレスバーに mail.google.com と打ったときに私用が出てくるのをやめたい。ところがGoogleにはそのスイッチがありません。どのアカウントが先に開くかを決めているのは、そのブラウザにサインインした順番だけです。

順番で決まっていると分かると、対処は設定探しではなく手順の問題になります。そしてこの見えない順番は、受信箱がどれから開くかだけでなく、複数サインインに対応していないGoogleのサービスがどのアカウントで動くかまで決めています。

メインは設定ではなく、並びの位置

同じブラウザで2つ目のGoogleアカウントにサインインすると、Googleはそのアカウントに名前ではなく番号を割り当て、アドレスの中に埋め込みます。1つ目が mail.google.com/mail/u/0/、2つ目が /u/1/、3つ目が /u/2/ です。番号を付けずに mail.google.com とだけ打つと、ブラウザは位置0のアカウントに送られます。

つまり、メインのアカウントとは「いま位置0にいるアカウント」のことです。位置0は、そのブラウザにGoogleのセッションが1つも無い状態から最初にサインインしたアカウントが取ります。星印を付ける操作も、既定に設定するボタンもありません。3番目のアカウントだけを先頭に繰り上げる方法も用意されていません。

この作りから、日々の仕事で起きる2つの現象が説明できます。

  • 番号は動く。位置1のアカウントからサインアウトすると、位置2にいたアカウントが繰り上がって位置1になります。/u/2 を指していたブックマークや、体で覚えた手順は、その瞬間から別の受信箱を開くようになります。警告は出ません
  • 番号はその環境の中でしか通じない。1台のMacの1つのブラウザにおける並び順を表しているだけなので、同僚のMacでは /u/1 はまったく別のアカウントを指します。共有したリンクを相手が開くと権限エラーになるのに、送った側では正常に開ける、というよくある食い違いの原因はこれです

後者は対処が簡単です。GmailやドライブのURLを人に渡す前に、/u/番号/ の部分を取り除いてから送れば、この種の行き違いは起きなくなります。

メインを入れ替える手順と、その代償

位置0が最初のサインインで決まる以上、メインを変える方法は1つしかありません。いったんセッションを空にして、望む順番で作り直すことです。

手順そのものは短く、10分ほどで終わります。右上のアカウント切り替えメニューを開き、すべてのアカウントからログアウトを選びます。次に、メインにしたいアカウントでサインインします。mail.google.com がそのアカウントの受信箱を開くことを確認してから、残りのアカウントを、その日の使い方に合った順番で追加していきます。

ここで詰まりやすい点が3つあります。

ブラウザごと、プロファイルごとにやり直しになる

並び順はGoogleアカウント側ではなく、ブラウザのプロファイル側に記録されています。Chromeでやり直してもSafariには反映されず、同じChromeでも別プロファイルには反映されず、スマートフォンにも反映されません。Macを2台使い分けている場合は、両方で同じ作業をすることになります。

1つだけサインアウトする操作は用意されていない

切り替えメニューから特定のアカウントだけを落とそうとしても、そのブラウザでサインインしている全アカウントが一緒にサインアウトされます。3つのうち1つを外して2つ残す、という操作はできません。作り直しは常に全部が対象になります。

二段階認証がまとめて要求される

全部サインアウトするということは、全部サインインし直すということです。セキュリティキー、認証アプリ、パスキーで保護しているアカウントは、それぞれ本人確認を求めてきます。会議の直前に始めると、いちばん必要なアカウントに入れないまま時間が来ます。作業は余裕のある時間帯に行うのが安全です。

なお、Chromeのプロファイルにサインインしているアカウント(ブックマークや拡張機能の同期を担う側)と、タブの中でGmailにサインインしているアカウントは別の概念です。Gmailの並び順を作り直しても、プロファイルの持ち主は変わりません。ここを1つの設定だと思っていると、後で混乱します。

作り直す前に確認しておくこと

やり直し自体は元に戻せる作業ですが、全アカウントが同時に本人確認を求めてくるため、準備なしで始めると詰まります。5分の下調べで、危ない箇所はほぼ消せます。

  • 二段階認証の受け皿がいまどこにあるかを確認する。認証アプリの入ったスマートフォンが手元にあり充電されているか、セキュリティキーが引き出しではなく鞄に入っているか、パスキーがいま使っているMacに保存されているか。しばらくサインインしていないアカウントほど、予想外のものを要求してきます
  • メインにするアカウントの再設定用の連絡先を見ておく。再設定用の電話番号やアドレスは古くなりやすく、本人確認の最中に使えないと気づくのは最悪のタイミングです
  • どのアカウントが何を持っているかを控えておく。ブラウザの同期、パスワードマネージャーに保存された情報、特定のアカウントに紐づいた拡張機能は、Gmailの並び順ではなくプロファイル側の持ち物です。やり直した後の挙動は、プロファイルがどのアカウントでサインインしているかで決まります
  • 入れる順番を先に決めて書き出しておく。最初に入れたアカウントが位置0を取り、残りは追加した順に並びます。適当に入れてから並びが気に入らないと分かると、もう一度全部やり直すことになります。途中から入れ替える方法は用意されていません

会社から配られたアカウントを含む場合は、もう1つ確認する点があります。組織によっては管理者が端末やブラウザの条件を設定していて、サインアウトからの復帰に管理者側の承認や、特定の端末からのアクセスが要ることがあります。就業時間外に作業を始めて、翌朝まで入れないという状態は避けたいところです。

メインが顔を出すのは受信箱だけではない

開く順番の話だけなら、多少の不便で済みます。位置0の影響はもっと広い範囲に及びます。

Gmail、ドライブ、カレンダーは、1つのブラウザで複数アカウントをそれなりに扱えます。それ以外のGoogleのサービスは対応にばらつきがあり、複数サインインに対応していないものは、画面に出ているアカウントではなく位置0のアカウントで動きます。ページは読み込まれ、操作は完了し、別の人格で処理されたことを知らせるものは何も出ません。

他社サービスの「Googleでログイン」も同じ性質を持っています。サインインの流れが既定のアカウントを先に掴みにいくため、会社のものにするつもりだった登録が、私用のアドレスの持ち物として完了してしまうことがあります。

通知になると、問題はブラウザの外に出ます。タブの中のGmailが出すデスクトップ通知に付いている身元は、アカウントではなくブラウザのものです。3つのアカウントを開いていても通知は1本の列に混ざり、クリックすると届いたのとは別のタブが前に出てくることもあります。手を止めるかどうかを判断したい場面で、判断材料が消えている状態です。

分け方は4通り、それぞれの代償

サインイン順のやり直しは選択肢の1つでしかなく、しかも次のサインアウトまでしか効きません。現実的な選択肢を並べると次のようになります。

順番をやり直す プロファイルを分ける アカウントごとに窓を分ける 別のブラウザを使う
メインが動かないか 次のサインアウトまで 動かない 動かない 動かない
同時にサインインできる できる できる できる できる
通知でアカウントが分かる 分からない 分からない 分かる ある程度分かる
Dockのアイコンが分かれる 分かれない 分かれない 分かれる 分かれる
拡張機能や設定 共有される 別々になる 道具による 別々になる
送信元を間違える危険 高い 低い 低い 低い
用意にかかる手間 10分・繰り返し 10分・1回だけ 10分・1回だけ 15分・1回だけ

順番のやり直しが向くのは、アカウントが2つで、めったにサインアウトしない使い方です。ブラウザのプロファイルを分けるのは定番の次の一手で、プロファイルごとにCookieと位置0を別々に持つため、どのアカウントで操作しているのかという問題は解消します。限界は見た目の側にあります。プロファイルはどれも同じアプリケーションの別の窓なので、Dockのアイコンは1つに集まり、アプリ切り替えの一覧には同じ名前が並びます。

通知を読めるものに変えられるのは、アカウントごとに窓を分ける形だけです。通知の発信元が、自分の名前とアイコンを持ったものになるからです。別のブラウザをもう1つ使う方法も費用はかかりませんが、拡張機能の管理も更新もパスワードの保管場所も2組になります。

macOSでメインを固定するために要るもう2つのこと

Macの他の部分と噛み合わせるには、Gmailの中の並び順だけでは足りません。

1つ目はリンクの行き先です。macOSは、メールアプリやSlackやメモの中でクリックされたリンクを既定のブラウザに渡します。ブラウザはそれを、直前に前面にあったプロファイルで開きます。Gmailの中の順番が正しくても、仕事の会議招待が私用のプロファイルで開くのはこのためです。Chromeのプロファイルは個別にDockへ置けるので、始める場所は選べます。ただし、届いたリンクを特定のプロファイルへ振り分ける仕組みはmacOS側にはありません。

2つ目はDockです。macOS Sonoma以降のSafariには、Webサイトをそのままアプリのように扱う機能があります。

Webサイトを Dock に追加して、アプリのように開いて使えます。 出典: support.apple.com

これで1つのアカウントには専用のアイコンと窓ができます。困るのは2つ目からで、この方法で作った窓はSafariのセッションを共有するため、2つのGmailアカウントは結局また /u/番号 の並びに戻ります。仕組みそのものはChrome ヘルプにあるアプリとしてインストールする機能でも同じで、セッションを分けない限り位置0の話から抜け出せません。

窓の側から見た「メイン」の決め方

ここまでの整理を、Webアプリを1つの窓にまとめるブラウザの側から見ると、判断の軸が1つに縮みます。アカウントを並べ替えるのではなく、窓ごとにセッションを持たせて、そもそも順番という概念を無くすという考え方です。仕事の単位で窓とセッションをまとめる仕組みはワークスペースに整理されており、その中心にあるのはアプリごとに独立したワークスペースという置き方です。位置0が1つしか無いという制約は、窓が1つしか無いことから来ています。

どのサービスがこの形で動くようにしてあるかは使えるアプリで確認できます。同じ分野の道具をすでに比較している場合は、対応範囲と料金の考え方の違いを並べたWaveboxとの比較が判断の材料になります。費用の考え方だけを先に知りたい場合は料金にまとまっています。

最初に試すべきなのは、いちばん安いやり方です。1度だけ全部サインアウトし、メインにしたいアカウントから入れ直して、1週間ふつうに仕事をしてみる。それで困らないなら、それ以上の道具は要りません。通知がどのアカウントのものか分からないままだったり、リンクが別のアカウントで開き続けたりするなら、原因は順番ではないので、順番をやり直しても直りません。そのときは、アカウントごとに窓とアイコンを持たせる側に切り替える段階です。

よくある質問

Gmailにメインのアカウントを指定する設定はありますか?

用意されていません。そのブラウザに最初にサインインしたアカウントが位置0になり、それがメインとして扱われます。変更する方法は、いったん全アカウントからサインアウトし、メインにしたいアカウントから順に入れ直すことだけです。

1つのアカウントだけサインアウトすることはできますか?

できません。切り替えメニューからサインアウトすると、そのブラウザでサインインしている全アカウントが一緒に外れます。アカウントを独立して扱いたい場合は、ブラウザのプロファイルを分けるか、セッションが別々になる窓に分ける方法を取ります。

Macで順番を直せば、iPhoneのGmailも同じ並びになりますか?

なりません。並び順は端末ごと、ブラウザのプロファイルごとに保存されています。MacのChromeで直しても、同じMacのSafariにも、2台目のMacにも、スマートフォンにも反映されません。使う環境ごとに同じ作業が要ります。

共有したGmailやドライブのリンクが相手側で別のアカウントで開くのはなぜですか?

リンクに /u/番号/ が含まれているためです。この番号は送った側のブラウザでの並び順を指しているので、相手の環境では別のアカウントを意味します。送る前に /u/番号/ の部分を取り除けば、権限エラーの多くは起きなくなります。

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