gmail 複数アカウントが表示されない|5つの症状と切り分け

追加したはずの2つ目のアドレスが右上の一覧に出てこない。出てはいるが押しても切り替わらない。昨日まで開けていた受信箱が、今日はサインインし直せと言ってくる。gmail 複数アカウントが表示されないという症状は、見た目が似ているだけで原因が5つに分かれる。この記事では、症状ごとに見る場所を決めて、当てずっぽうで設定を触らずに切り分けられるようにする。

「表示されない」は5つの別々の症状

まず、自分がどれに当たっているかを決める。ここを飛ばして手順を試すと、直らないうえに元の状態も分からなくなる。

  • 切り替えの一覧に、追加したはずのアドレスが並ばない
  • 一覧には出るが、押しても前のアカウントの画面のままになる
  • 受信箱は開くが、メールが1通も表示されない
  • 開くたびにサインインを求められ、追加した状態が保たれない
  • 職場や学校のアドレスだけが、追加の時点で弾かれる

原因の層が違う。1つ目と2つ目はブラウザ側のCookieとセッションの問題であることが多い。3つ目はGmailの表示設定やフィルタの問題になる。4つ目はサイトデータの保持の問題、5つ目は組織の管理者が決めた設定の問題になる。順に見ていく。

一覧に出てこないときに見る3か所

追加したはずのアドレスが右上の一覧に並ばない場合、見る場所は3つに絞られる。

  • 追加の操作が完了していない。アカウントの追加は、サインインの画面で二段階認証まで通って初めて登録される。途中で別のタブへ移ったり、確認コードの入力を飛ばしたりすると、追加されないまま元の画面に戻る
  • 別のプロファイルで追加している。ブラウザのプロファイルが分かれていると、追加した記録もそのプロファイルの中だけに残る。Chromeでは chrome://version のプロファイルパスで、いまどのプロファイルにいるかを確かめられる
  • プライベートウィンドウで追加している。閉じた時点でセッションが破棄されるため、次に開いたときには何も残っていない

3つ目は見落としやすい。プライベートウィンドウ同士は1つのセッションを共有する仕様なので、2枚目に別のアカウントを入れることもできない。分けるつもりでプライベートウィンドウを使うと、分かれていないうえに毎回消える、という結果になる。

押しても切り替わらないときはURLの番号を見る

一覧には出るが、押しても表示が変わらない場合は、URLの番号を見ると原因が分かる。Gmailは、いま見ているアカウントをURLの中に番号として持っている。1つ目が /u/0/、2つ目が /u/1/ という形になる。

番号は追加した順に振られ、固定ではない。アカウントを1つ削除して入れ直すと入れ替わるため、ブックマークに保存した番号入りのURLは、ある日から別のアドレスの受信箱を指すようになる。押しても切り替わらないように見えるのは、実際にはブックマーク側の番号が古いままで、意図と違うアカウントを開いているという場合が多い。

確かめ方は単純で、アドレス欄の番号と、画面右上のアイコンに出ているアドレスが一致しているかを見る。ずれていたら、番号を書き換えて開き直す。ブックマークは、番号を含まない mail.google.com の形に直しておくと、以後ずれなくなる。

外から届いた共有リンクで権限エラーになるのも同じ構造になる。リンクに番号が入っていないと、先頭のアカウントで開かれるためだ。

開くたびにサインアウトしてしまう場合

追加した状態が保たれない場合は、サイトデータの保持を疑う。ログインの状態はドメインごとのCookieとして保存されるため、それが消える設定になっていると、毎回ゼロからやり直しになる。

見る場所は次の4つになる。

  • ブラウザを閉じるときにCookieを消す設定が入っていないか
  • サイトデータの削除を自動で行う拡張機能が入っていないか
  • Cookieのブロック設定が、Googleのドメインまで巻き込んでいないか
  • 端末の日時が大きくずれていないか。証明書とセッションの検証に影響することがある

拡張機能は特に見落としやすい。プライバシー保護をうたうものの中には、一定時間で保存領域を空にする挙動を持つものがある。原因の切り分けとしては、拡張機能をすべて無効にした状態で試すのがいちばん速い。それで保たれるなら、1つずつ戻して犯人を決める。

保存領域そのものの置き場所はプロファイルごとに分かれている。

Each profile is stored in a separate directory inside the user data directory. 出典: chromium.org

受信箱は開くのにメールが出ない場合

サインインはできていて受信箱も開くのに、メールが並ばない場合は、Gmail側の表示条件を見る。

  • フィルタで受信トレイをスキップする設定が効いている。他のアカウントから取り込んだメールにラベルを付けるフィルタを作ると、条件次第で受信箱に残らない
  • 複数受信トレイの区画の条件が合っていない。区画ごとの検索条件に当てはまらないメールは、その区画には出ない
  • タブ表示の分類で「メイン」以外に入っている。プロモーションやソーシャルの側に振られていることがある
  • 検索の絞り込みが残っている。前回の検索条件がURLに残ったままだと、その結果を受信箱と見間違える

いちばん確実なのは、検索欄に in:anywhere と入れて探すことになる。ここで見つかるなら、届いてはいるが表示条件で隠れている状態だと分かる。見つからないなら、そもそも配送されていないので、送り側の転送設定や取り込みの設定を見る側の話になる。

職場や学校のアドレスだけ追加できない場合

Google Workspaceのアドレスは、組織の管理者が設定を決めている。追加の時点で弾かれる、追加はできるが一部の機能が使えない、といった症状はここから来ることが多い。

利用者側で確かめられるのは次の3つになる。

  • そのアドレスがまだ有効か。退職や契約の終了で停止されている場合、エラーの文面は「見つからない」に近い表現になる
  • 複数アカウントの同時サインインが許可されているか。組織によっては、個人のアカウントとの併用を制限している
  • 端末の管理下でのみ使える設定になっていないか。管理対象の端末以外からのサインインを制限している場合がある

いずれも利用者の側では変えられない。管理者へ問い合わせることになるが、その際は「どの操作で」「どの文面のエラーが出たか」を控えておくと、原因の特定が速くなる。エラーの文面はほぼそのまま設定項目に対応している。

問い合わせが通るまでの間の回避策としては、業務用のアドレスだけを別のプロファイルに置き、そこでは個人のアカウントを追加しないという運用がある。同時サインインの制限に当たっている場合は、これで通ることがある。組織側の設定が「個人アカウントとの併用」を見ているためだ。

もう1つ、期限切れの見落としも多い。組織が発行したアドレスは、契約や在籍の期間で止まる。止まった直後は、サインインの画面までは進めるのにその先で弾かれる、という分かりにくい出方をする。心当たりがある場合は、同じアドレスで他のサービスにサインインできるかを試すと、アカウント側の問題かどうかがすぐ分かる。

設定を触る前に控えておく3つの情報

切り分けの途中でCookieを消したり、プロファイルを作り直したりすると、直る場合もあるが、直った理由が分からなくなる。手を動かす前に、次の3つを控えておくと後戻りができる。

  • いま並んでいるアカウントの順番。番号は追加した順に振られるため、入れ直すと順番が変わる。控えがあれば元の並びに戻せる
  • エラーの文面。「アクセス権がありません」「アカウントが見つかりません」「この操作は許可されていません」は、それぞれ別の設定に対応している。要約せずそのまま控える
  • 直前に変えたこと。拡張機能を入れた、プロファイルを作った、パスワードを変えた、端末を替えた。時間の近い変更が原因であることが多い

特に効くのが3つ目になる。症状が出始めた日と、何かを変えた日が一致していれば、そこから見るのがいちばん速い。思い当たらない場合でも、ブラウザ自体の更新が入っている可能性があるため、バージョンの表示を見ておくと材料が増える。

作り直しは最後の手段にしたほうがよい。プロファイルを消すと、保存したパスワードと拡張機能の設定も一緒に消える。消す前にブックマークを書き出しておく手順を挟むだけで、失敗したときの被害がかなり小さくなる。

症状ごとに、最初に試す1手

切り分けを短くするために、症状ごとの最初の1手を決めておく。効かなければ次に進む、という順で試すと、余計な設定を触らずに済む。

  • 一覧に出てこない。通常のウィンドウで、いまいるプロファイルを確かめてから追加し直す
  • 押しても切り替わらない。アドレス欄の番号を消して mail.google.com の形で開き直す
  • メールが出ない。検索欄に in:anywhere と入れて、届いているかどうかだけを先に確かめる
  • 毎回サインアウトする。拡張機能をすべて無効にした状態で、閉じて開き直す
  • 職場のアドレスが弾かれる。別の端末やブラウザで同じ操作を試し、端末側の条件かどうかを分ける

最後の項目は、管理者へ問い合わせる前にやっておくと話が早い。別の端末で通るなら端末側の条件、どこでも通らないならアカウント側の設定だと切り分けられる。この一行があるかどうかで、返ってくるまでの時間が変わる。

なお、症状が複数同時に出ている場合は、いちばん下の層から直す。サインインが保たれない状態のまま表示の設定を触っても、確かめるたびに条件が変わってしまい、何が効いたのか分からなくなる。

再発させない置き方に変える

ここまでの5つの症状のうち、3つまでは、同じ保管場所に複数の身元を入れていることから生まれている。番号のずれも、サインアウトも、追加したはずのアカウントが見えないことも、Cookieを1か所で共有しているせいで起きる。身元ごとに保管場所を分けると、この層の問題はまとめて消える。

分ける単位をサービスに寄せて、アプリごとに独立したワークスペースを持たせると、セッションが窓ごとに保たれるため、切り替えの番号を意識する場面がなくなる。どこまでが窓の単位で分かれるのかは、機能の一覧を見ると輪郭がつかめる。サービスごとの置き場所の扱いをまとめているのができることで、仕事と私用のように用途ごと切り替える単位を扱っているのがワークスペースになる。Gmail以外に日常的に開くサービスが対象に入っているかは使えるアプリで確かめられる。

同種の道具は複数あり、料金と対応の幅が違う。既存の製品との差を並べたものとしてはWaveboxとの比較Sidekickとの比較が具体的で、費用の判断が先に立つ場合は料金が近い。運用上の細かい疑問はよくある質問に寄せられている。

直し方の順番としては、まず症状を5つのどれかに決め、次にブラウザ側かGmail側かを分け、それから設定を触る。この順を守ると、直ったときにどれが効いたのかが自分で分かる。分からないまま直った状態は、次に同じことが起きたときに何の助けにもならない。

よくある質問

追加したはずのGmailアカウントが切り替えの一覧に出ないのはなぜですか?

追加の操作が二段階認証まで完了していないか、別のプロファイルやプライベートウィンドウで追加している可能性が高い。プライベートウィンドウは閉じた時点でセッションが破棄されるため記録が残らない。通常のウィンドウで、いまいるプロファイルを確かめてから追加し直す。

アカウントを押しても表示が切り替わらないのはなぜですか?

URLに含まれるアカウント番号が古いままのことが多い。番号は追加した順に振られ、削除して入れ直すと入れ替わる。アドレス欄の /u/0//u/1/ と、右上のアイコンに出ているアドレスが一致しているかを確かめ、ブックマークは番号を含まない形に直しておく。

開くたびにサインインを求められます。どこを見ればよいですか?

ログイン状態はCookieとして保存されるため、それが消える設定を疑う。ブラウザを閉じるときにCookieを消す設定、サイトデータを自動で削除する拡張機能、Cookieのブロック設定、端末の日時のずれの4つが典型になる。拡張機能をすべて無効にして試すと切り分けが速い。

職場のGoogle Workspaceのアドレスだけ追加できないのはなぜですか?

組織の管理者が同時サインインや端末の条件を制限している場合がある。利用者側では変更できないため、どの操作でどの文面のエラーが出たかを控えて管理者へ問い合わせる。アドレス自体が停止されている場合も似た文面になるため、有効かどうかを先に確認しておく。

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