Notionの複数アカウントをMacで使い分ける|切り替えの設計

Notionの複数アカウントで検索する人が詰まっている場所は、たいてい2つに分かれます。1つは、仕事用と個人用のアカウントを行き来するたびにログアウトとログインを繰り返している状態です。もう1つは、切り替えはできているのに、いま開いているページがどちらのアカウントのものか分からなくなる状態です。前者はNotionの標準機能で解決します。後者は機能ではなく置き場所の問題で、解き方が違います。ここでは、アカウントとワークスペースの関係を整理したうえで、Macでの切り替えを軽くする設定と、Notion以外のサービスも含めた置き方までを並べます。

アカウントとワークスペースは別の層にある

最初に切り分けておきたいのが、この2つの言葉です。混ざったまま設定を触ると、目的と違う場所を直すことになります。

アカウントはメールアドレスに紐づくログインの単位です。仕事用のアドレスと個人用のアドレスで2つ持っていれば、Notionのアカウントは2つあります。

ワークスペースは、そのアカウントの中にある作業場所の単位です。1つのアカウントの下に、個人用、学習用、案件用といった形で複数のワークスペースを置けます。Notionのヘルプでも、用途ごとに内容を分けたいときの使い方として説明されています。

つまり構造は二階建てです。上の階がアカウント、下の階がワークスペース。画面左上の切り替えメニューには、この2つが入れ子で並びます。会社ごとに分けたいのか、同じ会社の中でプロジェクトごとに分けたいのかで、増やすべき階が変わります。

同じ会社の中で分けたいだけなら、アカウントを増やす必要はありません。1つのアカウントの下にワークスペースを足せば済みます。アカウントを増やすのは、メールアドレスそのものが違うとき、つまり取引先の組織に招待されたときや、個人用のアドレスで別の場を持ちたいときです。

別のアカウントを追加する手順

Notionは複数のアカウントに同時にログインした状態を公式に想定しています。ヘルプには次のように書かれています。

複数のアカウントに同時にログインしてすべてのワークスペースを一度に表示することができます。 出典: notion.com

手順は短いものです。画面左上のワークスペース切り替えメニューを開き、別のアカウントを追加するを選び、もう一方のアドレスでログインします。以後は同じメニューに両方のアカウントと、それぞれに属するワークスペースが並びます。

ログアウトも個別にできます。切り替えメニューの中で、アカウントの右側にあるメニューから、そのアカウントだけをログアウトできます。すべてを一度に外したいときは、メニュー下部のすべてログアウトするを使います。端末を人に渡すときに、片方だけ残すという運用ができます。

ここで確認しておきたいのが、自動参加の条件です。ヘルプには、個人用のアドレスや学校のアドレスを使っている場合、他のワークスペースへの自動参加はできないと記載されています。取引先のワークスペースに入るには、管理者から招待してもらう流れになります。参加できない原因がアドレスの種類にあることは、気づきにくい部分です。

追加したあとに起きる、90日のログアウト

複数アカウントを追加して運用していると、しばらくして片方から勝手にログアウトされることがあります。不具合ではなく、仕様として公開されています。

Notionのヘルプには、ログイントークンの有効期限が90日間であり、期限切れでログアウトされた場合は、切り替えメニューの別のアカウントを追加するボタンから再度追加する必要があると書かれています。

実務上の影響は2つあります。1つは、頻度の低いアカウントほどこれに当たりやすいことです。月に数回しか開かない取引先のワークスペースは、開こうとした日に限ってログインを求められます。急ぎの作業の直前にこれが起きると、2段階認証の待ち時間まで含めて数分が飛びます。

もう1つは、再ログインの入口が普通のログイン画面ではないことです。復帰の操作は、切り替えメニューの別のアカウントを追加するという、新規追加と同じボタンから行います。追加ではなく復帰なので迷いやすい場所です。

対処としては、使用頻度の低いアカウントも月に1度は開いておく、という運用が現実的です。開くだけでトークンは更新されます。

切り替えを速くする2つの設定

アカウントを両方ログインさせたあとに残るのが、切り替えの速さです。Macでは、Notionが持つ設定を2つ使うと短くできます。

1つ目がキーボードショートカットです。デスクトップアプリでは、コントロールキーとシフトキーと数字キーの組み合わせでワークスペースを切り替えられます。数字は切り替えメニューのドロップダウンに並んでいる順番に対応します。よく使うワークスペースを上のほうに並べておくと、指が覚える番号が小さくなります。

2つ目がコマンド検索です。Notionのデスクトップアプリには、アプリを前面に出さなくても検索を呼び出せる仕組みが用意されています。呼び出しは、変更可能なキーボードショートカットか、Macのメニューバーから行います。目的のページ名が分かっているときは、切り替えメニューを開く手順そのものを飛ばせます。

この設定は初期状態で有効になっていて、同時にNotionがログイン時に自動で起動する設定も入ります。常駐を望まない場合は、Dockのアイコンを右クリックしてオプションからログイン時に開くのチェックを外せます。設定のプリファレンスからコマンド検索自体を切ることもできます。

新しいタブを開いたときに検索窓を出す設定も、初期状態で有効です。ページを行き来する頻度が高い使い方とは相性がよく、決まったページから始めたい使い方とは合いません。プリファレンスで切り替えられます。

デスクトップアプリとブラウザ、どちらに置くか

MacではNotionをデスクトップアプリとしても、ブラウザのタブとしても使えます。複数アカウントを扱う場合、この選択は好みではなく運用の差になります。

デスクトップアプリの利点は、通知とショートカットです。メンションや担当の割り当てがあったときにプッシュ通知が届き、コマンド検索のショートカットも使えます。ブラウザのタブの中にいると、通知はブラウザの通知として届き、他のサイトの通知と混ざります。

一方で、デスクトップアプリに入れた複数アカウントは、macOSから見ると1つのアプリです。コマンドキーとタブキーによるアプリの切り替えで選べる行き先はNotionという1つだけで、その中でどのアカウントのどのワークスペースかを選ぶ操作は残ります。ブラウザのタブに置いた場合も事情は同じで、ブラウザという1つの行き先の中を探すことになります。

Notionのアカウントが2つで、他に行き来するサービスがないのであれば、デスクトップアプリに両方を入れて番号のショートカットを覚えるのが、いちばん手数の少ない形です。

Notionだけ直しても、往復は残る

作業がNotionの中で完結していることは、実際には多くありません。仕様をNotionで書き、連絡はSlackで受け、確認の依頼はGメールで届き、下書きはAIのチャット画面で作る、という往復が1日に何度も起きます。

このとき起きているのは、アカウントの取り違えではなく行き先の見えなさです。Notionの複数アカウントを整えても、Slackとの往復は1度もNotionの設定を通りません。macOSのアプリの切り替えで選べるのは、Notionとブラウザという大きな区分だけで、ブラウザの中に入っているサービスは区別されないからです。

行き先の数が5つを超えたあたりから、この探す時間が積み上がります。1回あたりは数秒ですが、失っているのは時間よりも、切り替える直前に考えていた内容のほうです。

ここを変える方法は、ブラウザの設定ではなく置き場所の設計になります。サービスごとに専用の窓を持たせて、切り替えをアプリの切り替えと同じ扱いにする、という考え方です。アプリごとに独立したワークスペースという作りは、分離のためというより、行き先を固定して探す工程を1段減らすためのものです。

置き場所を決めるときの見方

判断の材料は3つあります。

1つ目は、自分が使っているサービスがそのまま登録できるかどうかです。Notionのように認証の仕組みが独特なサービスも含めて、登録できるサービスの一覧は使えるアプリにまとまっています。2つ目は束ね方で、取引先ごとや案件ごとにサービスの組を切り替える使い方はワークスペースで説明されています。Notionのワークスペースと名前が同じですが、指している階層が違うので、読むときは混ぜないほうが分かりやすくなります。

3つ目が費用です。この種類の道具は無料で始められるものが多く、無料の範囲の切り方が製品ごとに違います。同じサービスにいくつのアカウントを入れられるかで区切る製品と、登録できるサービスの数で区切る製品があり、Notionを2アカウント入れたいだけなのか、SlackやGメールも同じ数だけ入れたいのかで、足りる製品が変わります。条件は料金に記載されています。既に有料の製品を使っていて費用だけが引っかかっている場合は、Waveboxとの比較に対応OSと金額の並びが整理されています。

変えるかどうかの基準は、切り替えの回数ではありません。回数は仕事の形で決まるので、設定では減りません。減らせるのは1回あたりの確認と探索で、そこが消えているかどうかを、導入から1週間の実感で測るのが現実的な見方です。Notionのアカウントが2つあるだけの段階なら、切り替えメニューへの追加と番号のショートカットで足ります。

よくある質問

Notionは複数アカウントに同時ログインできますか?

できます。画面左上のワークスペース切り替えメニューにある、別のアカウントを追加するから2つ目のアドレスでログインすると、以後は同じメニューに両方のアカウントとワークスペースが並びます。片方だけをログアウトすることもでき、その操作も同じ切り替えメニューから行います。ログアウトとログインを繰り返す必要はありません。

しばらく使っていないアカウントがログアウトされるのはなぜですか?

Notionのログイントークンの有効期限が90日間と公開されているためです。期限が切れたアカウントは切り替えメニューから外れ、復帰させるには別のアカウントを追加するボタンから再度ログインします。新規追加と同じ入口なので迷いやすい部分です。使用頻度の低いアカウントも月に1度開いておくと、この状態を避けられます。

アカウントを増やすのとワークスペースを増やすのはどちらがよいですか?

分けたい理由で決まります。同じメールアドレスのままで用途を分けたいなら、ワークスペースを足すほうが管理が簡単です。アカウントを増やすのは、メールアドレス自体が違うとき、つまり取引先の組織に招待された場合や、個人用のアドレスで別の場を持ちたい場合です。個人用や学校のアドレスでは他のワークスペースへの自動参加ができないため、その場合は管理者からの招待が必要になります。

デスクトップアプリとブラウザのタブでは何が違いますか?

通知とショートカットが違います。デスクトップアプリではメンションや担当の割り当てでプッシュ通知が届き、アプリを前面に出さずに検索を呼び出すコマンド検索も使えます。ブラウザのタブでは通知がブラウザの通知として届き、他のサイトの通知と混ざります。一方で、どちらの置き方でもmacOSから見た行き先は1つのアプリなので、行き来するサービスが多い場合は探す時間が残ります。

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