ブラウザのタブが開きすぎなら|OneTabで畳む前に決めること
ブラウザのタブを開きすぎて、タイトルが読めない幅までタブが細くなっている。ファンが回り、目的のタブを探すたびに数秒が消える。この状態を一撃で片づける道具としてよく名前が挙がるのがOneTabで、クリック1回で開いているタブを1枚のリストに畳んでくれる。
ただし、畳んでよいタブと、畳むと毎日困るタブは別物だ。仕分けをしないまま全部畳むと、翌朝GmailとSlackとNotionを開き直すところから1日が始まることになる。ここでは、OneTabが実際に何をしているのかを確かめたうえで、どのタブを畳み、どのタブは別の置き場所に移すべきかを整理する。
タブが開きすぎになるのは、片づけ方ではなく分類の問題
タブが増える理由は2種類ある。1つは「あとで読む」で開いた資料が閉じられずに残るもの。もう1つは、Gmail・Slack・Notion・カレンダーのように、そもそも閉じる前提がないアプリが常駐しているものだ。
この2種類はタブバーの上では同じ見た目をしている。だから「タブが多い」という一言でまとめてしまい、同じ方法で片づけようとする。ところが性質は正反対で、前者は消えてくれた方が助かるのに対し、後者は消えると仕事が止まる。
数を数えると分かりやすい。仮に開いているタブが40枚あったとして、そのうち毎日必ず開くアプリは5枚から8枚程度に収まることが多い。残りの30枚以上は、その日その週の調べ物や、読み終えたまま閉じ忘れた記事だ。つまり量の問題は資料タブ側にあり、困っている「探せない」の問題はアプリタブ側にある。
片づけの道具を選ぶときは、この2つのどちらを相手にしているのかを先に決める。資料タブを減らすならOneTabのような一覧化が効く。アプリタブを整理したいなら、畳むのではなく置き場所を変える必要がある。
OneTabが実際にやっていること
OneTabの動作は単純で、ツールバーのアイコンを押すと、そのウィンドウで開いているタブがすべて閉じられ、代わりに1枚のリストページにURLとタイトルが並ぶ。必要になったら1件ずつでも一括でも復元できる。
公式サイトは効果をこう説明している。
タブを OneTab のリストに入れておけば、Google Chrome で開いているタブの数が減るため、メモリ使用量を最大95%節約できます。 出典: one-tab.com
配布元はOneTab Ltd.で、Chrome ウェブストアでは「注目」の表示が付き、評価は4.4、ユーザー数は200万人と表示されている。Chromeのほか、Firefox・Edge・Safariにも版があり、Brave・Opera・VivaldiなどはChrome版がそのまま動くと案内されている。サインアップや登録は不要で、アカウントを作らずに使い始められる。
プライバシーの扱いも明記されている。タブのURLが開発者や第三者に送信されることはなく、例外は「ウェブページとして共有」を自分で押した場合だけだ。この機能を使うとリストがウェブページとしてアップロードされ、他人と共有できる状態になる。裏を返せば、そのボタンを押さない限り外には出ない。
有料版の話が出ることはなく、基本機能は無料で使える。フォルダ・タスク・メモ・暗号化されたブラウザ間同期といった整理機能も案内されており、リストのエクスポートとインポートにも対応している。
「最大95%節約」という数字の読み方
公式サイトには使用前1,981MB、使用後99MBという比較が載っている。差は約95%で、この数字が「最大95%節約」の根拠だ。
ここで押さえておきたいのは、この削減が「タブを閉じたから」起きているという点だ。OneTabは魔法の圧縮をしているわけではなく、開いているタブを全部閉じて、URLの文字列だけを残している。同じことは手作業でタブを閉じてもできる。OneTabの価値は、閉じたあとに戻ってこられる保証を付けたところにある。
したがって効果の大きさは、畳む前にどれだけ重いタブを開いていたかで決まる。動画やダッシュボードや地図を開いたままなら削減幅は大きく、テキスト中心の記事が並んでいるだけなら体感はほとんど変わらない。Chromeは長時間触っていないタブを自動的に休止させるため、放置されたタブはもともとメモリをあまり使っていないからだ。
もう1つの注意点として、復元は再読み込みになる。50枚を一括復元すれば、その瞬間に50枚分の読み込みが走る。畳んだ直後は軽くなるが、戻した直後は畳む前と同じか、それ以上に重くなる場面がある。「畳む」は保管であって、削減効果が続くのは戻さない間だけだと考えた方が実態に近い。
畳んでよいタブと、畳むと困るタブ
仕分けの基準は「明日また開くか」で足りる。明日も開くものは畳んではいけないタブで、明日は開かないものは畳んでよいタブだ。
| タブの種類 | 具体例 | OneTabで畳む | 理由 |
|---|---|---|---|
| 資料タブ | 調べ物の検索結果、読みかけの記事、仕様書 | 向いている | 閉じても困らず、URLだけ残れば十分 |
| 作業中タブ | 編集途中のドキュメント、入力途中のフォーム | 向いていない | 入力内容は保存されず、URLだけが残る |
| アプリタブ | Gmail、Slack、Notion、カレンダー | 向いていない | 毎朝開き直す手間が増え、通知も受け取れない |
| ログイン後の画面 | 管理画面、社内システム | 条件つき | 復元時に再ログインを求められることがある |
表の3行目が、OneTabを入れた人がいちばん早く突き当たる壁になる。アプリタブを畳むと通知が届かなくなり、届かないから復元し、復元するとまたタブバーが埋まる。結果として畳む前の状態に戻る。
入力途中のフォームも要注意で、OneTabが保存するのはURLとタイトルであって、ページ上で打ち込んだ内容ではない。書きかけのメールやコメント欄を開いたまま畳むと、戻したときに空のページが表示される。
OneTabを入れる前に知っておきたい注意点
道具として素直な作りである分、前提を外すと失うものが大きい。公式サイトが自分で警告している点を含めて3つ挙げる。
アンインストールすると保存したタブが消える
公式サイトのトラブルシューティング欄には、読み込まれないときにアンインストールと再インストールで直そうとしないように、という注意が書かれている。アンインストールするとブラウザが保存済みタブを削除するためで、多くの場合はブラウザを終了して再起動すれば解決するとされている。畳んだリストは拡張機能のデータ領域にあり、ブックマークのようにブラウザ本体が持っているものではない。
リストは1つのブラウザの中にある
同期機能は用意されているが、既定の状態では畳んだリストはそのブラウザの中だけに存在する。別のMacや別のブラウザから同じリストを見たい場合は、エクスポートするか同期を設定する必要がある。バックアップの習慣がないまま数百件を溜めると、その1台が壊れたときに全部が消える。
ログイン状態は片づかない
畳んでも戻しても、Chromeのクッキーは1つのプロファイルで共有されたままだ。2つのGmailアカウントを使い分けている人がOneTabでタブを減らしても、アカウントの切り替えは同じ回数だけ発生する。タブの本数と、ログインの分離は別のレイヤーの話で、前者を減らしても後者は1ミリも動かない。
Chromeの標準機能で片づく範囲を先に使い切る
拡張機能を増やす前に、Chrome本体が持っている機能で足りるかを確かめた方が早い。ここ数年で、かつて拡張機能が担っていた役割の多くが標準機能に入っている。
- タブを縦に並べる。タブバーの空白を右クリックして「タブを縦向きに表示」を選ぶか、設定のデザインにある「タブの位置」で縦を選ぶ。Macなら「表示」メニューからも切り替えられる。縦に並ぶとタイトルが最後まで読めるようになり、幅も調整できる
- タブグループで畳む。タブを右クリックして「タブをグループに追加」でまとめ、グループ名をクリックすると色付きの丸だけに折りたためる
- タブ検索で探す。タブバーの端にあるタブ検索から、開いているタブをキーワードで絞り込める
グループは保存もされる。Chrome ヘルプは次のように説明している。
閲覧履歴とタブが Google アカウントと同期されている場合、タブグループに加えられた変更は自動的に保存され、すべてのデバイス間で同期されます。 出典: support.google.com
閉じたグループも削除されるわけではなく、ブックマークバーかメニューに保存されて、あとから開き直せる。つまり「畳んで、あとで戻す」という動作自体は、拡張機能を入れなくても標準機能の範囲でできる。OneTabが優れているのは、数百件を1枚のテキストに近い形で並べて、検索も並べ替えもできる一覧性の方だ。
毎日開くアプリは、タブではなく置き場所の問題
ここまでの仕分けで資料タブを外すと、手元には毎日開く5枚前後のアプリタブだけが残る。この5枚は畳めないし、畳んではいけない。にもかかわらず、タブバーの上では資料タブと同じ扱いを受け、同じ幅を奪い合っている。
ここを直す方向は、タブを減らすことではなく、アプリをタブから出すことだ。Webアプリを1つの窓にまとめて扱うアプリ集約ブラウザは、Gmail・Slack・Notionといったアプリを左側の一覧に固定し、それぞれを独立した領域として開く。タブバーの取り合いから外れるので、資料タブが何枚増えてもアプリの位置は動かない。何ができる道具なのかはできることにまとまっている。
もう1つ効いてくるのが、アプリごとに独立したワークスペースという考え方だ。アプリごとにクッキーの入れ物が分かれていれば、3つのGmailに同時にログインしたまま並べておける。OneTabでは動かせなかったログインの分離が、ここで初めて片づく。仕組みの説明はワークスペースにある。
同じ方向の道具は他にもあり、対応しているサービスの数や料金の考え方で差が出る。主要な1つとの違いはWaveboxとの比較で整理されているので、乗り換え先を検討する段階で読むと判断しやすい。どのサービスが最初から使える状態で並んでいるかは使えるアプリで確認できる。
結論として、OneTabは資料タブの保管庫として素直に役立つ道具だ。200万人が使っている実績もある。ただし対象は「明日は開かないタブ」に限る。明日も開くアプリまで同じ箱に入れようとすると、翌朝の開き直しという新しい手間が生まれる。今日の30枚は畳み、残る5枚は置き場所ごと変える。この2段構えが、タブが開きすぎになる状態を繰り返さない一番短い道になる。
よくある質問
OneTabは無料で使えますか?
基本機能は無料で、サインアップや登録も不要です。Chrome ウェブストアから追加してツールバーにアイコンを固定すれば使い始められます。フォルダやメモ、暗号化されたブラウザ間同期といった整理機能も案内されています。
OneTabで畳んだタブは消えませんか?
ブラウザを閉じても、再起動しても、クラッシュしてもリストは残ると案内されています。ただしOneTab自体をアンインストールすると保存済みタブは削除されます。動作がおかしいときは、削除せずブラウザの再起動を先に試すのが安全です。
タブを畳むとメモリはどのくらい減りますか?
公式サイトでは使用前1,981MB、使用後99MBという例が示され、最大95%の削減とされています。ただし削減幅は畳む前に開いていたタブの重さ次第です。動画やダッシュボードが多ければ大きく、テキスト中心なら体感は小さくなります。
GmailやSlackもOneTabで畳んで問題ありませんか?
毎日開くアプリを畳むと通知が受け取れなくなり、翌朝に開き直す手間が増えます。畳む対象は「明日は開かないタブ」に限り、常駐するアプリはタブから出して別の置き場所に移す方が、タブバーが埋まりにくくなります。