Gmail 複数アカウント切り替えが効かない場所|Macでの分け方

2つ目のGmailはもうログイン済みで、右上の切り替えメニューにも並んでいます。それでも、返信が個人のアドレスから飛び、共有したリンクは相手の画面で権限エラーになり、届いた通知はどちらの受信箱のものか教えてくれません。壊れているわけではありません。gmail 複数アカウント切り替えという仕組みを、アカウントを分ける仕組みとして使ったときに、必ずこうなります。

考えるべきなのは「どうやって2つ目を開くか」ではありません。それは10秒で終わります。開いたあとに何が共有されたまま残るのか、そこが分かると、タブ1枚で足りるのか、専用の入れ物を用意すべきなのかが決まります。

切り替えメニューは、並べているだけで分けていない

同じブラウザで2つ目のGoogleアカウントにログインしても、セッションが2つになるわけではありません。一覧に追加されて、その一覧にGoogleが番号を振ります。最初にログインしたアカウントが mail.google.com/mail/u/0/、次が /u/1/、その次が /u/2/ です。

この番号は名前ではなく、一覧の中の位置です。ここから、同じブラウザで複数アカウントを扱うときの不満のほとんどが説明できます。

  • 番号は動く。/u/1 のアカウントからログアウトすると、/u/2 にいたアカウントが繰り上がって /u/1 になります。/u/2 を指していたブックマークも覚えた手順も、その瞬間から別の受信箱を開きます。警告は出ません
  • 番号はその環境の中でしか通じない。アドレスバーからコピーしたリンクには /u/1 が入っていて、同僚のMacでは同じ番号がまったく別のアカウントを指します。送った側では正常に開けて、受け取った側だけ権限エラーになる、という食い違いの原因はこれです
  • ログアウトはアカウント単位ではない。切り替えメニューからログアウトすると、そのブラウザでログイン中の全アカウントが同時にログアウトされます。1つだけ残して他を落とす、という操作は用意されていません

対処の1つ目は簡単で、GmailやドライブのURLを人に渡す前に /u/番号/ の部分を消すだけです。これだけで、共有まわりの行き違いはほぼ消えます。

同じ窓のまま2つ目を開く4通り

Macでよく使われる形は4つあります。違いは「セッションのどこまでが共有されたままか」の一点で、ここだけ見れば選べます。

切り替えメニューは、Cookieも拡張機能も履歴も保存済みパスワードも共有したまま、身元だけを2つ重ねる形です。準備はゼロで、同時に使う頻度が低い2つ目までなら十分に通用します。

シークレットウィンドウは、通常の窓にログインしたまま、別のアカウントを開けます。ただしChromeではシークレットウィンドウ全体で1つのセッションを共有するため、3つ目を同じやり方で足すことはできません。最後のシークレットウィンドウを閉じると全部消えるので、確認用としては便利でも、毎日の作業の置き場所にはなりません。

ブラウザのプロファイルを分ける形は、Chrome・Edge・Firefoxが対応していて、SafariもmacOS Sonomaで追加されました。プロファイルごとにCookie・拡張機能・履歴・ブックマークが独立するので、身元を重ねるのではなく本当に分かれます。2つのプロファイルがそれぞれ /u/0 として別のGmailを持てるため、番号の繰り上がりも起きません。

コンテナタブは、FirefoxにMozillaが公開しているMulti-Account Containersを入れて使う形です。タブごとにCookieの入れ物が分かれるので、1つの窓の中で2つのGmailを並べられます。分離としては最も軽い形で、ブラウザの内側で完結します。

切り替えメニュー シークレット プロファイル コンテナタブ
Cookieが分かれる 分かれない 分かれる 分かれる 分かれる
再起動後も残る 残る 消える 残る 残る
拡張機能が分かれる 分かれない ほぼ無効 分かれる 分かれない
3つ目を足せる 足せる 足せない 足せる 足せる
Dockのアイコンが分かれる 分かれない 分かれない 分かれない 分かれない
準備の手間 なし なし 数分 数分

表の最後の2行が、このあとの話につながります。Cookieを分ける方法は複数ありますが、Dockのアイコンを分ける方法はこの4つの中に1つもありません。

共有されたまま残る部分が、静かに漏れる

切り替えメニューは、Gmail・ドライブ・カレンダーの中ではよく働きます。問題が出るのはその外側で、しかも失敗の仕方が静かです。

複数サインインに対応していないサービスは、いま画面に出ているアカウントではなく、位置0にあるアカウントで動きます。リンクを開き、ページが読み込まれ、確認もないまま別の人格として処理が進みます。「Googleでログイン」を提供している他社サービスも同じ性質で、ログインの流れが既定のアカウントを掴みにいくため、意図と違うアカウントで登録が完了してしまうことがあります。契約と請求先がそちらに紐づくので、あとから直すのは面倒です。

拡張機能も共有されます。個人の用途で入れた拡張機能が、仕事のメール画面でも同じ権限で動きます。本人がどれだけ気を付けていても、組織のルール上これが問題になる場合があります。

ダウンロードも1つのフォルダに落ちます。2社分の添付ファイルが、ファイル名だけを頼りに同じ場所へ並びます。

通知はブラウザの名前で届く

ここが、タブの使い分けでは越えられない線です。

Webの通知許可は、オリジン(サイトの単位)ごとに与えられます。2つのアカウントはどちらも mail.google.com にあるので、許可は1つしかありません。全部通すか、全部止めるかの二択です。仕事のアカウントだけ割り込ませて個人のアカウントは黙らせる、という設定はブラウザの中に存在しません。

そして通知を出しているのはブラウザなので、macOSから見た発信元はブラウザの名前とアイコンになります。新着があったことは分かっても、どちらの受信箱に届いたのかは分かりません。集中モードはアプリ単位で通知を絞る仕組みなので、この2つを区別できません。通知をクリックすると、すでに開いていたタブ、つまり届いたのとは別のアカウントの画面が前に出てくることもあります。

プロファイルを分けてもこれは変わりません。プロファイルはどれも同じアプリケーションの別の窓で、macOSから見れば1つのアプリだからです。macOSに独立したアプリとして認識される入れ物だけが、通知センターに自分の名前で並び、集中モードの許可リストに1行として載ります。Webアプリを1つずつ別の窓で動かす形についてはワークスペースに仕組みがまとまっていて、この線を越えるために何を買うのかがはっきりします。買っているのはタブ整理ではなく、システムから見た身元です。

分けたあとに、見分けが付くようにする

入れ物を分けても、見た目が同じなら効果は半減します。プロファイルを分けた環境でいちばん多い失敗が、2つのウィンドウが区別できず、気づいたときには間違ったほうで操作していた、という形です。

ChromeとEdgeはプロファイルごとに名前・アイコン・テーマの色を持てます。ここで効くのは色です。青い窓と橙色の窓は離れた位置からでも区別できますが、「プロファイル1」と「プロファイル2」という名前は、窓を開いてからでないと読めません。設定は数秒で終わり、分けた意味を保つ効果はいちばん大きい部類です。Firefoxのコンテナタブも、タブの下線の色で同じことをしています。

もう半分は、目的のプロファイルを直接開けるようにすることです。Dockのアイコンを押すと、最後に使ったプロファイルが開きます。つまり1日の最初の操作が切り替えになりがちです。Chromeは起動時のオプションに --profile-directory を渡すと特定のプロファイルで開けるので、それを小さな起動用のスクリプトにしておけば、クリックできる入口を作れます。ただしmacOSのChromeは、Windows版のようにプロファイルごとのアイコンをDockに自動で作りません。欲しければ自分で用意する必要があります。

そしてここでも、通知のときと同じ壁に当たります。これらはすべて「1つのアプリの窓が増えた」状態です。macOSは未読の数も集中モードの許可もアプリ単位で持っているので、プロファイルごとの通知設定という項目は存在しません。それを持てるのは、システムに別のアプリとして登録される入れ物だけです。

どのアドレスに専用の入れ物が要るか

すべてのアドレスに窓が要るわけではありません。次の2つの問いで仕分けられます。

  • そのアドレスから送るメールは、そのアドレスの名前で相手に届く必要があるか
  • そのアドレスに届くメールは、1時間以内に気づく必要があるか

どちらも不要なアドレスは、専用の入れ物ではなく1つの受信箱にまとめるのが正解です。Gmailの設定にある「アカウントとインポート」からPOPで他のアドレスのメールを取り込めます。

他のメール アカウントからメールを読む(POP3 を使用): 最大 5 件のメールアカウントを追加できます 出典: support.google.com

取り込みは巡回のタイミングなので即時ではなく、送信元アドレスを登録しておかないと返信の差出人も変わりません。領収書や発送通知しか届かないアドレスなら、この遅さは問題になりません。逆に、専用の窓とアイコンと通知設定を用意する価値もありません。

どちらも必要なアドレスが、分ける価値のあるものです。多くの環境ではそれが2つ、多くて3つに収まります。同じ分野の道具をすでに検討している場合は、対応サービスと料金の違いを並べたWaveboxとの比較が判断の材料になります。どのサービスが専用の窓で動くようにしてあるかは使えるアプリで確認できます。この置き方の中心にあるのはアプリごとに独立したワークスペースという考え方で、アカウントの数ではなく仕事の単位で区切ります。

そもそもブラウザで開かなくてよいアドレスもあります。サーバーの請求書や監視の通知しか届かないアドレスに、ログインした状態を保つ理由はありません。主アカウントへ転送し、届いたときにラベルが付くフィルタを1つ作っておけば、見落とさずに済みますし、切り替えも起きません。必要になったときだけログインすれば足ります。

Google Workspaceのアドレスには、忘れられがちな4つ目の選択肢もあります。委任を使うと、そのアカウントにログインしないまま別のメールボックスを開けます。委任された側は読む・送る・アーカイブするはできますが、設定は変更できません。複数人で見る問い合わせ窓口のアドレスには、2つ目の個人アカウントを作るより合っています。

番号ではなく、入れ物の数で決める

gmail 複数アカウント切り替えの話は、たいてい「何個までログインできるか」から始まります。効いてくるのは数ではなく、その置き方が通知と共有リンクの2か所で破綻していないかどうかです。

まず、共有するリンクから /u/番号/ を外す習慣を付けてください。手間はゼロで、日常的な行き違いのいちばん多い原因が消えます。そのうえで手元のアドレスを書き出し、送信元の正しさと反応の速さの2軸で仕分けます。両方に当てはまるアドレスが2つ以上あるなら、次に変えるのはタブの開き方ではなく、macOSがそれぞれを別のアプリとして扱う入れ物を持つかどうかです。

よくある質問

同じブラウザで2つのGmailを同時に開けますか?

開けます。Googleの複数サインインは、1つのブラウザで複数アカウントを同時にログイン状態にでき、アドレスの中では /u/0/u/1 という番号で区別されます。ただしCookie・拡張機能・通知許可は共有されたままなので、分離ではなく身元を重ねている状態です。

1つのアカウントだけログアウトできないのはなぜですか?

切り替えメニューからのログアウトは、そのブラウザでログイン中の全アカウントを同時に終了させる仕様のためです。1つだけ残したい場合は、ブラウザのプロファイル・コンテナタブ・独立したアプリのいずれかで、入れ物そのものを分けておく必要があります。

シークレットウィンドウで2つ目を開けば分けられますか?

通常の窓とはCookieが分かれますが、Chromeではシークレットウィンドウ全体で1つのセッションを共有するため、3つ目以降を同じやり方で分けることはできません。最後の窓を閉じると消えるので、一時的な確認向けです。

プロファイルを分ければ通知の問題も解決しますか?

解決しません。プロファイルはCookieや拡張機能を分けますが、macOSから見ればどれも同じアプリケーションの窓なので、通知の発信元も集中モードの単位も1つのままです。アカウントごとに通知を分けるには、システムが別のアプリとして扱う入れ物が必要になります。

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