Macのブラウザのおすすめは用途で決まる|Operaを仕事用に整える手順

Macで使うブラウザのおすすめを探すと、Safari・Chrome・Arc・Operaと候補が並び、それぞれに支持する声が付いています。迷いが長引く原因は、比較記事の多くが「どんな1日を送る人向けか」を書いていないことにあります。Webアプリを何枚も抱えて仕事をする人に限れば、判断の材料は数個に絞れますし、選んだ後に何を設定するかのほうが、銘柄選びより結果を左右します。この記事では、Operaを仕事用のブラウザとしてMacに入れた場合に、最初に触る設定と、設定では届かない領域を順番に見ます。

Macでブラウザを選ぶときに、最初に決めること

Macのブラウザに求められる性質は、使い方によって正反対に振れます。動画と記事を読む使い方では、省電力と表示の速さ、そして広告の少なさが効きます。一方、Gmail・Slack・Notion・管理画面を毎日行き来する使い方では、開きっぱなしの40枚から目当ての1枚を選べるか、裏に置いたタブが勝手に読み込み直されないか、同じサービスに2つのアカウントで入れるかが、そのまま作業時間に跳ね返ります。

この2つは同時には満たせません。1枚を速く保つ設定は、他の数十枚を眠らせることで実現されるからです。おすすめが人によって割れるのは、書き手がどちらを前提にしているかを書いていないためであり、どちらかが間違えているわけではありません。

Operaは後者に寄せた作りをしています。標準でタブを自動的にまとめる仕組みと、タブより上の入れ物であるワークスペース、そしてチャットを常駐させるサイドバーを持っています。ここに広告ブロッカーと無料VPNが乗り、料金はかかりません。この記事がOperaを題材にするのは、無料で試せる範囲が広く、仕事用の設定を練習する対象として使いやすいからです。

なお、Operaという名前の製品は1つではありません。通常のOperaブラウザのほかに、Opera Air、ゲーム向けのOpera GX、モバイル向けのOpera Mini、自動処理を前面に出したOpera Neonがあります。以下は通常のOperaブラウザについての手順です。

インストール直後に触る設定

導入したその日に触っておく価値がある設定は、4つです。

  • 縦タブの切り替え。Operaの説明では、簡単設定で「垂直タブストリップを使用」をオンにするか、任意のタブを右クリックして有効にできます。レイアウトはいつでも戻せます
  • タブの自動グループ化の可否。右上の3本線のアイコンから開く簡単設定に、「タブアイランドを自動的に作成する」の切り替えがあります
  • ワークスペースの作成。サイドバーの上部に並び、名前とアイコンを付けられます
  • 既定のブラウザにするかどうか。仕事用に分けて使うなら、あえて既定にしない選択もあります

縦タブは、枚数が増えたときに効きます。横に並べるタブは本数に応じて幅が縮み、10本を超えたあたりで文字が読めなくなります。縦であればページのタイトルが残るため、同じサービスのタブが並んでも見分けが付きます。

タブアイランドは、リンクをクリックして開いたタブを元のタブと同じ島にまとめる仕組みで、既定で有効です。公式の説明は、設定が要らない点を強調しています。

タブは1つあれば十分だ。Operaでは、タブが自動的にグループ化されるため、最初からアイデアを整理するスペースが確保される。設定は不要だ。 出典: opera.com

自動でまとまる挙動が合わない人もいるので、最初の数日で判断して、合わなければ簡単設定から切ることになります。島の名前と色は、色付きのハンドルにカーソルを合わせると変えられ、クリックで折りたためます。

ワークスペースの作り方と、名前の付け方

ワークスペースは、タブアイランドの1つ上の入れ物です。公式の説明は次のとおりです。

タブを別々のワークスペースに保管し、好きなようにブラウジングを整理できます。 出典: opera.com

サイドバーの上部に並び、ワンクリックで切り替わり、ホットキーも設定できます。アイコンと名前を選べるほか、使っていないものは削除せずに非表示にできます。

実務で効く分け方は、案件名ではなく作業の種類で分けることです。「連絡」「制作」「調べ物」「請求まわり」のように、手の動きが違うものを別の入れ物にすると、切り替えたときに視界から消えるものが正しく消えます。案件名で分けると、どの案件でも連絡と制作が混ざるため、切り替えても視界が散らかったままになります。

作る数は3つから4つが現実的です。増やすほど、どこに何を置いたかを覚える負担が増えます。切り替えのホットキーを割り当てるのは、数を絞ってからにしたほうが定着します。

サイドバーに何を置いて、何を置かないか

Operaのサイドバーには、チャット系のサービスをパネルとして常駐させられます。macOS向けのページには次の案内があります。

ブラウジングしながら友達とチャットできる。 出典: opera.com

同じページに並んでいるのは、Facebook Messenger、WhatsApp、Discord、Bluesky、Slack、Telegramです。仕事で使うのはSlackとTelegramが中心になります。

ここに置くべきなのは、1日のうちで見に行く回数が最も多い1つだけです。タブに置いたチャットは他のタブに押されて埋もれ、見に行くたびに今のページを手放すことになります。サイドバーのパネルはページの横に開くので、そのコストが消えます。

逆に置かないほうがよいのは、1日に数回しか見ないものです。パネルは横幅が狭く、表や管理画面には向きません。使わないパネルはサイドバーから外しておくと、切り替えの迷いが減ります。

制限も覚えておく必要があります。パネルに入るアカウントは、サービスごとに1つです。取引先ごとにSlackのワークスペースを3つ持っている場合、サイドバーに入るのは1つで、残りはタブに戻ります。

眠るタブを止める設定と、通知の確認

仕事で実害が出るのは、タブの見た目ではなく裏側の挙動です。Chromiumを土台にしたブラウザは、裏に回ったタブの動きを抑え、メモリを回収するためにタブを眠らせます。Operaのヘルプにも、タブのスヌーズやバッテリーセーバーが機能として並んでいます。症状はどれも同じで、朝から開いたままのタブをクリックすると再読み込みが走り、書きかけの内容が消えます。

対処の順番は決まっています。眠らせる設定を見つける。絶対に読み込み直されては困るサービスを2つか3つ選び、個別に除外する。そのうえで、しばらく放置した後に通知が本当に届くかを試す。眠ったタブは、見た目には起きているのに通知だけが止まっていることがあるためです。この確認にかける5分は、誰かを待たせる事故を防ぐ費用として安いほうです。

Macでは電源の設定も関係します。電源につないでいないときだけ動きが落ちるなら、原因はブラウザではなく省電力の設定です。ブラウザを替える前に、システム設定の省電力の項目と、ブラウザ側のバッテリーセーバーの両方を見るほうが早く終わります。

Macならではの見落としやすい点

macOSには、ウィンドウを並べ替えたり切り替えたりする仕組みが用意されています。Mission Controlも、Stage Managerも、アプリの切り替えも、対象はウィンドウです。タブはOSから見えません。

ここが、Macでブラウザを選ぶときに最も見落とされる点です。毎日戻る道具をタブに沈めている限り、OSが用意した整理の仕組みは1つも使えません。どれだけタブをきれいにまとめても、切り替えの操作は常にブラウザの中で完結し、他のアプリと同じ土俵には乗りません。

もう1つはウィンドウの見分けです。同じブラウザのウィンドウを4枚開くと、アプリの切り替え画面ではすべて同じアイコンで並びます。ワークスペースで分けても、プロファイルで分けても、この見分けにくさは残ります。アイコンが違うものは一瞬で選べるという当たり前の差は、1日に何十回も切り替える人にとっては無視できない大きさになります。

通知の許可は、ブラウザとMacの2段構えになっている

Webアプリの通知は、2つの関門を通って初めて画面に出ます。1つ目はサイトごとの許可で、これはブラウザの中の設定です。2つ目はmacOS側のアプリごとの許可で、システム設定の通知の項目にブラウザの名前で並びます。どちらかが閉じていると通知は出ませんし、閉じているのがどちらなのかは画面を見ただけでは分かりません。

ここで起きやすい取り違えが2つあります。1つは、ブラウザを乗り換えた直後に通知が来なくなる現象です。サイト側の許可は以前のブラウザに紐づいているため、新しいブラウザでは同じサイトでも初めから許可を取り直すことになります。もう1つは、集中モードを入れたまま忘れている場合で、この場合はブラウザの設定をいくら見直しても何も届きません。

仕事で使うなら、通知を出すサービスは絞ったほうが結果が良くなります。全部のサービスに許可を出すと、重要な連絡が広告や更新のお知らせに埋もれます。許可を出すのは、返事が遅れると誰かを待たせるものだけにして、残りは自分から見に行く。この方針にすると、サイドバーに常駐させる1つを何にするかも自然に決まります。

拡張機能と引っ越しの手間

OperaはChromiumを土台にしており、開発者向け資料にはCRXファイル、つまりChrome用の拡張機能をそのまま動かせると書かれています。Operaの製品ページは、自社のアドオンが2,500以上あり、それに加えてChromeの拡張機能も使えると案内しています。

引っ越しで実際にかかるのは時間です。ブックマークとパスワードのインポート、拡張機能の入れ直し、業務システムの動作確認、そしてキー操作に指が慣れるまでの数日。社内システムが特定のブラウザを前提にしている場合は、移す前に確認が要ります。

費用を抑える進め方は、置き換えではなく併用です。今のブラウザを残したまま、ワークスペース1つ分のタブだけを移して1週間使う。1週間後に残った不満が「目当てのタブが見つからない」なら、設定で解けています。残った不満が「2つ目のアカウントの置き場所が無い」なら、そこから先は設定では届きません。

タブの整理では届かない領域

ここまでの手順で解けるのは、詰まりのうち1種類です。整理して、探しやすくして、眠らせない。しかし、同じサービスに2つのアカウントで同時に入る問題だけは、どの設定でも解けません。ワークスペースが分けるのはタブであって、CookieやログインのセッションはOperaのプロファイル単位で共有されているからです。

この壁に当たったときの選択肢は2つです。1つはプロファイルを分ける方法で、無料でできる代わりに、見分けの付かないウィンドウが枚数分並びます。もう1つは、サービスごとに窓とログイン状態を最初から分けてしまう方法です。アプリごとに独立したワークスペースという考え方がこれにあたり、macOSのウィンドウ管理にそのまま乗るため、上で挙げた見落としやすい点も同時に解けます。

この形で何ができるのかはできることにまとまっており、サービスごとに入れ物を分ける考え方そのものはワークスペースで説明されています。どのサービスが対象になるかは使えるアプリで確認できます。同じ分野の製品は料金と通知の扱いで差が出るため、Waveboxとの比較を先に読むと、自分の詰まりに当たっているかどうかが早く分かります。無料の範囲で足りるのか、費用を払う価値があるのかを決めるには、料金で金額を見てから、上に書いた1週間の併用を試すのが順番として無駄がありません。

よくある質問

Macで仕事に使うブラウザは、1つに絞るべきですか?

絞る必要はありません。重い1枚を動かす用途と、軽い数十枚を生かしておく用途では必要な設定が逆になるため、用途で分けるのは合理的な答えです。仕事用と私用でブラウザを分けると、履歴や自動入力の混在も同時に防げます。

Operaは無料で使えますか?

ブラウザ本体は無料です。ワークスペース、タブアイランド、サイドバーのメッセンジャー、広告ブロッカー、無料VPN、ブラウザAIのいずれも料金はかかりません。有料なのは、VPNをブラウザの外まで広げるVPN Proの契約だけです。

Macに入れた後、最初に変えるべき設定はどれですか?

縦タブの切り替え、タブアイランドを自動で作るかどうか、ワークスペースを3つほど作ること、そして眠らせたくないサイトの除外設定です。この4つで、タブが見つからない問題と、書きかけの内容が消える問題の大半は軽くなります。

同じサービスに2つのアカウントで入るには、どうすればよいですか?

ワークスペースでは分かれません。分けるのはタブであり、ログインのセッションはプロファイル単位で共有されるためです。プロファイルを分けるか、サービスごとに窓とログイン状態を分ける仕組みを持つ道具を使うかの二択になります。

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