タブの出し方をMacで整理する|4つの別の操作を切り分ける
タブの出し方、という言葉は短いぶん、指している操作が人によってまったく違う。新しいタブを開きたい人もいれば、あったはずのタブバーが画面から消えて困っている人もいる。1枚だけ別の画面に取り出したい人も、誤って閉じたものを戻したい人もいる。同じ言葉で検索しているのに、必要な手順は4種類ある。
先に自分がどれなのかを決めてしまえば、あとは短い。ここでは4つの要求を分けて、Macでの操作をそれぞれ示し、最後に「出し直す作業を毎日繰り返している場合、直すべきなのは操作ではない」という話をする。
「タブの出し方」が指している4つの要求
まず、自分の状況がどれに当たるかを確かめる。ここを間違えると、たどり着く手順が丸ごと役に立たない。
- 新しく開きたい … 白紙のタブを増やしたい、あるいはリンクを今の画面を離れずに別のタブで開きたい
- 見えなくなったものを戻したい … タブが並んでいた帯そのものが消えた、あるいはタブの名前が消えてアイコンだけになった
- 窓の外へ出したい … 1枚を今の窓から切り離して、独立した窓にしたい。2つの画面を並べて見比べたいときがこれにあたる
- 閉じたものを戻したい … 誤って閉じた、あるいは気づいたら消えていたタブを復元したい
このうち2番目と4番目は、症状が似ていて原因が違う。帯ごと消えているのか、1枚だけ消えているのかで、見る場所が変わる。3番目は操作としては単純だが、制限がひとつあり、それを知らないと「できない」と誤解しやすい。
新しいタブを出す
いちばん多い要求で、Macでは3通りの入口がある。
1つ目は、ツールバーのプラスの記号を押す方法。ブラウザを問わずほぼ同じ位置にある。2つ目は、キーボードでCommandキーとTキーを同時に押す方法で、こちらのほうが速い。3つ目は、リンクをCommandキーを押しながらクリックする方法で、いま読んでいるページを離れずに、リンク先を裏側のタブとして開ける。検索欄に入力した状態でCommandキーとReturnキーを押すと、検索結果も同じように別のタブで開く。
新しいタブに何を表示するかは設定で変えられる。Safariでは「Safari」から「設定」を開き、「一般」の中の「新規タブを開く場合」で選ぶ。空白のページ、お気に入り、以前のセッションなど、選択肢の中身はブラウザによって違う。毎回同じページを開いているなら、ここを変えるだけで操作が1つ減る。
開いた直後にそのタブへ移るかどうかも選べる。Safariの「タブ」の設定にある「新規のタブまたはウインドウを開くときに選択された状態にする」を入れると、開いたタブが手前に来る。外しておくと、リンクを次々に開いても読んでいる画面が入れ替わらない。調べ物をしながらリンクを溜めていく作業では、外しておくほうが手が止まらない。
さらに、リンクを窓ではなくタブで開くかどうかを、サイト側の指定に関係なく決める設定もある。Safariの「タブ」にある「ウインドウの代わりにタブでページを開く」がそれで、常にしない、自動、常に、の3つから選ぶ。別の窓が勝手に増えるのが煩わしい場合は、ここを「常に」にすると1つの窓にまとまる。
Commandキーを押しながらのクリックが窓ではなくタブで開くかどうかも設定側にある。Safariの「タブ」の設定には「⌘+クリックでリンクを新規タブで開く」という項目があり、ここを切ると同じ操作が別の窓を開くようになる。意図せず窓が増えていく場合は、この項目が外れていないかを見るとよい。
消えたのはタブか、タブバーか
タブが見当たらないときは、原因が3つある。どれなのかで対処がまったく違う。
1つ目は、タブの帯そのものが表示されていない場合だ。タブが1枚しか開いていないときは帯を隠す設計になっているブラウザが多く、「表示」のメニューにタブバーの表示を切り替える項目がある。フルスクリーンで使っているなら、ポインタを画面のいちばん上へ持っていけば帯が下りてくる。
2つ目は、タブのレイアウトの設定が変わっている場合で、これは気づきにくい。Safariには帯を独立して表示する形と、タブをツールバーの中に入れてしまう形の2つがある。設定では「セパレート」と「コンパクト」という名前で、コンパクトを選ぶと選択中のタブが検索欄そのものになる。帯が消えたように見えるのはこの状態で、実際には位置が変わっただけになる。
この2つは症状が似ているので、見分け方を決めておくと迷わない。帯そのものが無い場合は、ページの表示領域が画面の上端まで広がっている。位置が変わっているだけの場合は、アドレスを入れる欄の左右に小さなタブが並んでいる。上端をよく見れば、どちらなのかは数秒で分かる。
3つ目は、タブは並んでいるのに名前が読めない場合だ。開いている枚数が増えると1枚あたりの幅が縮み、やがてアイコンだけになる。Safariの「タブ」の設定には「常にWebサイトのタイトルをタブに表示」という項目があり、これを入れておくと幅が狭くても文字が残る。それでも読めないほど増えているなら、これは表示の問題ではなく枚数の問題になる。
タブを窓の外へ切り離す
2つのページを並べて見比べたい、片方を別のディスプレイに置きたい。このときに使うのが切り離しで、操作は2通りある。Appleが手順を公開している。
デスクトップでタブをドラッグするか、「ウインドウ」>「タブを新しいウインドウに移動」と選択します。 出典: support.apple.com
ドラッグは、タブをつかんで帯の外、デスクトップの上まで引っぱると新しい窓になる。逆に、切り離した窓のタブを別の窓の帯まで持っていけば、元に戻せる。この往復ができると、作業のまとまりごとに窓を組み替えられるようになる。
ここに制限が1つある。プライベートブラウズの窓のタブは、同じプライベートの窓にしか移せない。プライベートではない窓のタブも、プライベートではない窓にしか移せない。両者を同じ窓に混ぜられないのは、それぞれが別のログイン状態を持っているからで、仕様どおりの動きになる。ドラッグしても弾かれる場合は、まずどちらの種類の窓なのかを確かめるとよい。
切り離した窓は、そのまま別のディスプレイへ動かせる。左の画面に資料、右の画面に書く場所、という置き方をすると、切り替えの操作そのものが視線の移動に変わる。1枚の窓の中でタブを行き来していたときにかかっていた時間は、ここでほぼ消える。
なお、複数のタブをまとめて切り離すこともできる。帯の上でShiftキーやCommandキーを押しながら選ぶと複数枚を選択でき、その状態でドラッグすると、選んだ分がまとめて新しい窓になる。作業ごとにタブを分けたいときは、1枚ずつ動かすより速い。
閉じたタブを出し直す
誤って閉じた直後なら、Commandキーとシフトキーを押しながらTキーを押すのが最短になる。連続して押せば、閉じた順にさかのぼって復元されていく。
時間が経っている場合は履歴から探す。Safariでは「履歴」のメニューに「最近閉じた項目」があり、閉じたタブと窓が並ぶ。ここから選ぶと元のページが開く。窓ごと閉じてしまった場合も、この一覧には窓の単位で残っているので、中に入っていたタブをまとめて開き直せる。
それより古いものは、通常の履歴から日付をたどるか、検索欄にページの題名の一部を入れて探すことになる。閉じたのが数日前なら、こちらのほうが確実なことが多い。
気をつけたいのは、戻ってくるのがURLだけだという点だ。ページの中で入力していた文章、途中まで進んでいた手続き、スクロールしていた位置は、多くの場合そのままでは戻らない。復元は「同じ住所をもう一度開く」ことであって、「閉じる直前の状態に戻す」ことではない。
もう1つ、自分では閉じていないのにタブが消えるという相談がある。Safariには開いたままのタブを自動的に閉じる設定があり、1日、1週間、1か月、手動から選ぶ形になっている。手動以外を選んでいると、期間を過ぎたタブは自分の操作なしに消える。心当たりがない消え方をしているなら、この設定を確かめる価値がある。
出すのではなく、呼び出せるようにする
同じタブを何度も出し直しているなら、出す操作を速くするより、すでに開いているものへ一発で移れるようにするほうが効く。Macのブラウザには、そのための仕組みが3つある。
1つ目は固定だ。タブを右クリックして固定を選ぶと、帯の左端に小さく畳まれ、位置が動かなくなる。誤って閉じる操作の対象からも外れるので、毎日使うものを置くには向いている。ただし固定した数が増えると、結局そこが小さな帯になっていく。
2つ目は番号での切り替えで、Safariには「⌘+1から⌘+9でタブを切り替える」という設定がある。有効にしておくと、帯の先頭から9枚までは番号を押すだけで移れる。位置を固定して使う道具と組み合わせると、探す動作そのものが消える。
3つ目は一覧からの選択だ。タブが増えて名前が読めなくなっても、一覧を開けば題名が縦に並ぶ形で表示される。アイコンをなぞるより速く、キーボードで絞り込める。出し直す前に、まず開いているかどうかをここで確かめる習慣にすると、同じページを何枚も開く事故が減る。
「出し直す」を毎日繰り返しているなら
ここまでの4つは、どれも数秒で終わる操作だ。にもかかわらず「タブの出し方」を調べる人が多いのは、同じ操作を1日に何度も繰り返しているからだと考えられる。
繰り返しの中身を分けると、性質の違うものが混ざっている。今日だけ必要な資料を開く動作は、繰り返して当然のものだ。一方で、メール、チャット、案件の管理画面といった毎日使う道具を、そのつど開き直したり、閉じてしまって復元したりしているなら、それは操作の問題ではない。1日に何度も同じものを出し直しているという事実そのものが、置き場所が決まっていないことを示している。
タブという入れ物には、恒久的なものという考え方がない。2年間開き続けるものと、4分前の検索結果が、同じ帯の中で同じ幅を取り合う。だから毎日使う道具は、閉じられ、忘れられ、また探されることになる。
出し入れの対象を、置き場所ごと分ける
毎日使うものをタブの外に出してしまえば、帯に残るのは寿命の短い参照だけになる。Webアプリをまとめるブラウザは、アプリごとに独立したワークスペースを割り当てて、メールはメールの場所、チャットはチャットの場所に固定する。出し直す操作そのものが不要になり、切り替えは「開く」ではなく「移る」に変わる。
用途ごとの入れ物をどう組むかはワークスペースのページに手順があり、窓の分かれ方や通知の扱いはできることに整理されている。どのサービスがそのまま入るかは使えるアプリで確認でき、似た発想の製品との違いはShiftとの比較にまとめられている。
費用と対応する機能の関係は料金のページで確認できる。
まず、いま開いているタブのうち「明日も必ず開くもの」だけを数えてみるとよい。その数が多いほど、覚えるべきなのはタブの出し方ではなく、それらを出し入れしなくて済む形のほうになる。
よくある質問
タブバーが消えてしまいました。どこから戻せますか?
まず「表示」のメニューにタブバーの表示を切り替える項目があるか確かめてください。フルスクリーンで使っている場合は、ポインタを画面の最上部へ動かすと帯が現れます。Safariでタブのレイアウトを「コンパクト」にしていると、タブはツールバーの中に移動しているため、消えたように見えます。
タブを別のウインドウに移そうとしても移せません。
プライベートブラウズの窓のタブは、同じプライベートの窓にしか移せません。プライベートではない窓との間で行き来はできない仕様です。まず移そうとしている2つの窓が同じ種類かどうかを確かめてください。
閉じたタブを戻すと、入力していた内容も戻りますか?
多くの場合、戻るのはページの住所だけです。入力途中の文章や進行中の手続き、スクロールの位置までは復元されません。書きかけの内容がある画面は、閉じる前に送信するか、別の場所に控えておく必要があります。
自分では閉じていないのにタブが消えます。
Safariには開いたままのタブを自動的に閉じる設定があり、1日、1週間、1か月、手動から選べます。手動以外になっていると、期間を過ぎたタブは操作なしに閉じられます。設定の「タブ」から確認して、必要なら手動に変更してください。