Stackブラウザの手順|入れる前に決めておくこと
Stackブラウザの使い方は、公式サイトからMac用かWindows用の配布物を入れ、仕事用と私用の「プロファイル」を分け、作業ごとの「Flow」にWebサイトを「カード」として横に並べる、という3段階で覚えると迷いません。移動はFly Mode(⌘とEsc)を使うキーボード中心の操作で、無料のStarterプランでもプロファイルは無制限、Flowは5つまで作れます。この記事では、2026年10月18日にStackの公式サイト、料金ページ、ダウンロードページで確かめた内容をもとに、手順、料金、メリットとデメリット、そして入れる前に知っておきたい配布版の状況を整理します。なお、このサイトはWebアプリをまとめるブラウザの開発元が運営しています。
Stackブラウザとは:タブの代わりにカードを並べるブラウザ
Stackは、Webサイトをタブではなく「カード」として横に並べるブラウザです。公式サイトのトップページは、その考え方を次の一文で説明しています。
In Stack, instead of tabs, you have cards aligned side by side in a spatial environment. 出典: stackbrowser.com
普通のブラウザでは、タブを開くたびに前のページが隠れます。Stackでは、開いたページがカードとして横に連なり、GmailとSlackとNotionを同時に画面に並べられます。並べたカードのまとまりを「Flow」と呼び、仕事、私用、勉強のように切り替えます。ログイン状態を分ける単位は「プロファイル」で、公式サイトにはPersonal、Work、Incognitoのように好きなだけ追加して切り替えられると書かれています。
検索結果では、2019年ごろの紹介記事で「Webアプリの一元管理アプリ」として取り上げられていることもあります。名前の似たBrowserStackは、Webサイトの表示を多くのブラウザで確かめる開発者向けの別サービスで、ここで扱うStackとは関係がありません。
手順1:ダウンロードして入れる
公式サイトのダウンロードページは、OSを選ぶと配布が始まる作りです。選べるのはIntel、Apple M1/M2、Winの3つです。
- Macの場合、アップルメニューの「このMacについて」でチップの名前を確かめる
- チップの名前にAppleと入っていれば「Apple M1/M2」、Intelと入っていれば「Intel」を選ぶ
- ダウンロードされたdmgを開き、Stackをアプリケーションフォルダに入れる
ここで確かめておきたいのが、配布されている版です。2026年10月18日にダウンロードページから配られているファイルの名前は「Stack Next SE 4.9.13-beta.1」で、名前のとおりベータ版です。配布サーバーが返すファイルの更新日時は、Apple シリコン向けのdmgで2024年10月10日でした。少なくともダウンロードページの配布物は、約2年更新されていないことになります。仕事の道具として毎日使うつもりなら、この点を知ったうえで入れるかどうかを決めるのが確実です。
入れた直後は、既定のブラウザをまだ切り替えないでおきます。メールやチャットのリンクがどのブラウザで開くかはmacOSの設定で決まるので、最初の数日は今のブラウザと並べて使い、Stackの操作に慣れてから切り替えるほうが、不便の原因を切り分けやすくなります。
手順2:プロファイルで仕事と私用を分ける
最初に作るのはプロファイルです。プロファイルはCookieとログイン状態を分ける単位なので、同じサービスに2つのアカウントを持っている場合は、ここで分けておきます。
- 仕事の Google アカウントと Slack は Work のプロファイルでログインする
- 個人の Gmail や SNS は Personal のプロファイルでログインする
- 一度だけ確かめたいページは Incognito で開く
料金ページによると、プロファイルの数は無料のStarterでも「Unlimited profiles」です。アカウントを分けることだけが目的なら、有料プランは必要ありません。
プロファイルを分ける単位は、サービスではなく「誰としてログインするか」にしておくと破綻しにくくなります。「Google用」「Slack用」と分けると、仕事と私用の2つのGoogleアカウントが同じプロファイルに入ってしまうためです。取引先ごとにアカウントを持たされている場合も、取引先ごとにプロファイルを作ります。
手順3:Flowを作り、カードを並べる
次に、プロファイルの中にFlowを作り、Webサイトをカードとして追加します。Flowは同時に並べて使うカードのまとまりで、料金ページの例ではwork-work、personal、study、news、shopping、trip-to-Indiaのように作業や目的ごとに名前が付けられています。
無料のStarterで作れるFlowは5つまでです。この上限があるので、Flowの切り方は最初に決めておきます。
- サービス別に切ると、メール、チャット、ドキュメント、と並べただけで枠が埋まる
- 作業別に切ると、朝の確認、案件A、案件B、調べもの、私用のように、1日の時間の使い方と一致する
カードは横に並ぶため、1つのFlowに入れる数が増えると1枚あたりの幅が狭くなります。1つのFlowに入れるのは、同時に見比べたいものだけにしておくと見やすさが保てます。公式サイトには、ふだん使っているChromeの拡張機能も使えると書かれています。パスワード管理のように毎日必要なものだけを先に入れ、残りは足りないと感じてから追加すると、表示の不具合が出たときの切り分けが楽になります。
手順4:Fly Modeでキーボードから移動する
Stackはキーボードでの操作を前面に出しているブラウザです。公式サイトでは「Keyboard first」として、FlowやカードのあいだをFly Modeで移動する仕組みが紹介され、その呼び出しに⌘とEscが示されています。
最初の日に覚えるのは、Fly Modeの呼び出しだけで足ります。マウスでカードを探しているうちは、Stackの速さは出ません。移動が速くなると、カードを開きっぱなしにしておく必要が減り、1枚あたりの幅も広く保てます。この流れがカード型のブラウザで快適さが決まる仕組みです。公式サイトでは、広告やトラッカーなしで閲覧できることも特長として挙げられています。社内のシステムなどで表示が崩れるページがあれば、拡張機能と遮断の設定を一度切って原因を確かめます。
料金:無料のStarterと有料のPRO
2026年10月18日に公式の料金ページで確かめた区分は次のとおりです。
| プラン | 価格 | プロファイル | Flow | テーマ |
|---|---|---|---|---|
| Starter | 無料(Free forever) | 無制限 | 5つまで | 3色 |
| PRO Subscription | 年144ドル、または月15ドル | 無制限 | 無制限 | 11色 |
| PRO Lifetime | 199ドル(買い切り) | 無制限 | 無制限 | 11色 |
PRO Lifetimeは4,242本の数量限定で、料金ページには販売済みの数として「993 sold out of」と表示されています。ライブでの共同作業(live collaboration)は「coming soon」の扱いで、現時点で使える機能としては数えられません。検索上位の紹介記事には、年額84ドル、月額8.4ドルといった以前の価格が書かれているものもあります。料金は公式ページの表示が正なので、購入前には料金ページを開き直して確かめるのが確実です。
有料に切り替える判断が出てくるのは、Flowが5つでは足りなくなったときです。作業別に切れば5つで回ることが多いため、まずは無料のまま使い、足りなくなってから考えれば無駄がありません。
メリット、デメリット、利用者の声
ここまでの内容を、メリットとデメリットに分けて並べます。
メリットは次の3つです。
- 複数のWebアプリを横に並べて同時に見られる
- プロファイルは無料でも無制限なので、アカウントを分けるだけなら費用がかからない
- Chromeの拡張機能が使え、キーボードだけで移動できる
デメリットは次の3つです。
- ダウンロードページの配布物がベータ版で、ファイルの更新日時は2024年10月10日のまま
- カードを増やすほど1枚の幅が狭くなるため、ノートパソコンの画面では並べられる数に限りがある
- 無料のFlowは5つまでで、作業の数が多い人は有料のPROが前提になる
使い勝手については、Webアプリの一元管理アプリを紹介するブログに、利用者の次のような声が引用されています。
Stackアプリ、Stationより使いやすい感じはあるけど、登録サービス内で他のサービスのリンクを開いた時に元に戻る術がbackキーっぽいのが使いにくい。 出典: onechat.jp
カードの中で別のサービスのリンクを開くと、そのカードの中で画面が切り替わり、戻るのに戻る操作が要る、という指摘です。リンクをどこで開くかは、毎日使うと効いてくる点なので、試すときに確かめておきたい項目の1つです。
Stackが合う人と、ほかの選び方
Stackが合うのは、2つから4つほどのWebアプリを常に横に並べて見比べたい人、キーボードで移動するのが苦にならない人、そして配布版がベータであることを承知のうえで試せる人です。
一方で、毎日開いて閉じないWebアプリが多く、同じサービスの複数アカウントを行き来する人には、Webアプリをまとめるブラウザという別の作りもあります。アプリごとに専用の保存場所を持たせて左の列から切り替える形で、このサイトを運営する開発元のアプリ集約ブラウザでは、Slackで開いたFigmaのリンクがログイン済みのFigmaのスペースに開くなど、リンクの行き先をアプリごとに振り分けます。無料版はワークスペース1つ、アプリ3つまでで、上限なしのProは月額980円(税込)と案内サイトの料金ページにあります。アプリを仕事と私用に仕分ける考え方はワークスペースで、料金の区分は料金で確かめられます。
同じ分野のほかの道具と見比べるなら、月額の考え方や無料版の上限が異なるWaveboxとの比較、オープンソースで無料のFerdiumとの比較、ブラウザとして使う作りのSidekickとの比較が参考になります。どの道具を選ぶ場合も、最後に効くのは1日の流れです。朝に何を開き、打ち合わせ中に何を横に並べ、夜に何を閉じるかを書き出してから設定に入ると、プロファイルの数もFlowの切り方もほぼ自然に決まります。
よくある質問
Stackブラウザは無料で使えますか?
使えます。公式の料金ページでは、Starterプランが無料(Free forever)で、プロファイルは無制限、Flowは5つまで、テーマは3色と書かれています。アカウントを分けるだけなら無料の範囲で足ります。Flowを6つ以上作りたいときに、有料のPROが必要になります。
有料プランはいくらですか?
2026年10月18日時点の料金ページでは、PRO Subscriptionが年144ドル、または月15ドルです。買い切りのPRO Lifetimeは199ドルで、4,242本の数量限定と表示されています。以前の紹介記事には年84ドルなど別の価格が書かれているものがあるため、購入前に公式の料金ページで確かめてください。
Stackブラウザは今も更新されていますか?
2026年10月18日にダウンロードページから配られている版は「Stack Next SE 4.9.13-beta.1」というベータ版で、配布サーバーが返すファイルの更新日時は2024年10月10日でした。ダウンロードページの配布物は約2年更新されていません。仕事で毎日使うつもりなら、この点を踏まえて判断するのが確実です。
BrowserStackとStackブラウザは同じものですか?
別のものです。BrowserStackは、作ったWebサイトがさまざまなブラウザや端末でどう表示されるかを確かめる、開発者向けの検証サービスです。Stackブラウザは、Webサイトをカードとして横に並べて使う一般向けのブラウザで、目的も使う人も異なります。