Vivaldiのワークスペースの手順|最初に決めておくこと

ワークスペースの作り方そのものは数クリックで終わる。それなのに、作った翌週には区画が7つに増えていて、どれを開けばいいのか分からなくなる。この差を生むのは操作の巧拙ではなく、作る前に何を決めたかだ。Vivaldiのワークスペースを長く使える形にするために、区切る単位の決め方から作成、切り替えの割り当て、自動振り分け、使わなくなったときのたたみ方までを、手を動かす順番で整理する。

作る前に決めることが3つある

いきなりワークスペースボタンを押さない。先に紙かメモアプリで次の3つを書き出す。ここを飛ばした設定は、ほぼ確実に作り直しになる。

  • 区切る単位を1つに決める。案件ごとか、役割ごとか、時間帯ごとか。3つを混ぜない
  • 自分がいくつの身分でWebを使っているかを数える。会社の自分、個人の自分、取引先ごとの自分
  • 毎日開くサービスと、月に数回しか開かないサービスを分ける

単位を混ぜると何が起きるかは想像しやすい。「仕事」と「A社」と「午前中」という3つの区画を同時に持つと、A社の仕事を午前中にやるタブの置き場所が決まらない。置き場所が決まらないタブは、結局どこにでも開かれ、区切りは形だけになる。

身分の数を先に数えるのは、次の手順で効いてくるからだ。ワークスペースはログインを分ける機能ではないため、身分が2つ以上あるならプロファイルの作業が先に来る。毎日開くサービスを分けておくのは、常駐させる枠と、その日だけ使う枠を分けるための材料になる。月に数回しか開かないサービスに常設の区画を与えると、区画の数だけが増えていく。

順番を間違えると作り直しになる

手を動かす順番は決まっている。プロファイルが先、ワークスペースが後だ。

Vivaldiのユーザープロファイルは、拡張機能、ブックマーク、スピードダイヤル、Cookie、履歴をそれぞれ独立して持つ。キーボードショートカットやマウスジェスチャーの設定も別にできる。つまり身分を分ける役目はこちらが担っている。ワークスペースはその内側に置かれる区画なので、プロファイルを後から分けると、せっかく組んだワークスペースを新しいプロファイル側でもう一度作り直すことになる。

前の節で数えた身分が1つだけなら、プロファイルの作業は不要でそのまま次へ進める。2つ以上あるなら、先にプロファイルボタンから人を追加しておく。追加時に、macOSではデスクトップにそのプロファイル専用のショートカットを作るかどうかも選べる。使う身分が固定しているなら、作っておくと起動から目的の状態まで一直線になる。

プロファイルを分ける判断は、機能の好みではなく事実で決められる。同じサービスに2つのアカウントで同時にログインしたい場面が週に一度でもあるなら、分ける。無いなら、分けないほうが管理する対象が減って楽になる。

開いているタブから作ると、初回の移行が速い

区画の設計が決まったら作成に移る。空の状態から作る方法と、いま開いているタブを移す方法があり、最初の1回は後者のほうが速い。

  • タブバーの左側にあるワークスペースボタンを押す。縦型のタブバーならリストの一番上にある
  • 「新しいワークスペース」を選ぶ
  • 空で作るか、現在のウィンドウで開いているタブを移すかを選ぶ
  • 名前とアイコンを決めて、作成を押すかEnterキーを押す

特定のタブだけを移したい場合は、別の経路のほうが確実だ。ShiftキーやCtrlキー、⌘キーで移したいタブを選び、右クリックして「選択したタブで新しいワークスペースを作成」を選ぶ。すでに40枚のタブが開いている状態から仕分けを始めるなら、この方法で案件ごとに切り出していくほうが、空の区画を作ってから1枚ずつ引っ越すより手数が少ない。

名前は具体的にする。「仕事」や「その他」のような一般名の区画は、中身が期限切れにならないため永久に散らかる。取引先の名前や案件名を入れておけば、その案件が終わったことが目に見える形で残り、たたむ判断がしやすくなる。

アイコンの選び方にも実用上の理由がある。切り替えの一覧で目印になるのは、実際には名前より色と形のほうだ。似た系統のアイコンを2つの区画に付けると、一覧を開くたびに読む作業が発生する。取引先ごとに区画を作るなら、業種や色の系統をずらしておくと、目で拾う速度が変わる。

作った直後にもう1つやっておくことがある。区画の並び順を、使う頻度の高いものから上に置き直すことだ。並び替えは一覧の中でドラッグするだけで済み、新しく作った区画は自動的に一番下へ追加される。この順番は次の手順で割り当てるショートカットの番号に直結するため、後から入れ替えると番号も一緒にずれる。頻度の高い区画を先に決めておくと、覚え直しが起きない。

切り替えは、体が覚える1つの経路に寄せる

Vivaldiは切り替えの手段を多く用意している。一覧から選ぶ、クイックコマンドに名前を打つ、キーボードショートカットを使う、ボタンの上でマウスホイールを回す、マウスジェスチャーを割り当てる、ウィンドウパネルからタブを直接開く。選べること自体は利点だが、全部を覚えようとすると結局どれも身に付かない。

主に使う経路は1つに決める。並び順が頭に入っているなら Ctrl+Shift または ⌘⇧ と番号の組み合わせが最も速く、3番目の区画なら ⌘⇧3 で直接飛べる。区画の数が多くて番号を覚えきれないなら、クイックコマンドに名前の先頭2文字を打つ方式のほうが破綻しにくい。「次のワークスペース」と「前のワークスペース」にショートカットを割り当てて、順番に送る使い方もできる。

見た目の調整もこの段階で済ませておく。区画ごとに固有のアイコンを設定してあれば、名前の表示を消してタブの表示領域を広げられる。ワークスペースボタンを右クリックして「ワークスペース名の表示」を切ると名前が消え、アイコンだけが残る。タブバーからメニューごと隠して、ツールバーエディターで別の場所に置き直すこともできる。

新しいタブの行き先を、開く前に決めておく

区画が散らかる原因の大半は、タブを開いた瞬間に置き場所を決めていないことにある。Vivaldiはここを自動化できる。設定の「タブ」から「ワークスペース」を開き、新しいルールを追加して、条件と移動先を指定する。公式が挙げている例は「URLにbbc.comが含まれるならNewsで開く」という形だ。

登録するなら、行き先が固定しているものから始める。取引先のドメイン、社内の業務システム、調べもの用の検索サイト。反対に、案件によって行き先が変わるURLはルールにしないほうがいい。意図しない移動が起きると、タブを探す手間がかえって増える。

タブの枚数そのものに効く操作も別にある。ワークスペースを右クリックして休止状態を選ぶと、その中のタブがまとめてスリープし、メモリの使用量が下がる。公式のヘルプはこの機能の前提をはっきり書いている。

タブをワークスペースに分割すると、数百とは言わないまでも数十のタブを簡単に累積できるので、それほど多くのタブが開いていないような錯覚を覚えることがあるでしょう。 出典: help.vivaldi.com

見えていないだけで、タブは残っている。区画を増やすこと自体はタブを減らす行為ではない、という点は手順のどこかで一度自覚しておいたほうがいい。

運用で崩れる3つの場面と、そのときの直し方

ここまでの手順を終えたあと、実際に崩れるのは決まった3か所だ。

区画が増えすぎた場合は、数を減らす前に単位を見直す。増えているのはたいてい、最初に決めた単位以外のものを作ってしまったときだ。案件単位で決めたのに「調べもの」や「あとで読む」を作ると、どの案件にも属さないタブの受け皿ができて、そこだけが太っていく。

画面を並べて使いたい場合は、方法が限られる。1つのワークスペースは同時に1つの窓にしか置けず、別の窓で開いているものに切り替えると、そちらの窓へフォーカスが移動する。左右に並べたいなら、1つの窓の中をタブタイリングで分割するか、区画自体を2つに割るか、ワークスペースを使わずに窓を2つ立てることになる。

再起動後に配置が戻らない場合は、あきらめて手順の外に出す。タブは復元されるが、左に作業用、右に資料用という窓の並びは保存されない。毎朝この並べ直しに時間を使っているなら、区切る単位をタブではなく窓の側に置く道具を検討したほうが早い。

もう1つ、手順の途中では見えにくい崩れ方がある。通知の許可だ。サイトごとの通知許可はプロファイルとサイトの組で保存されるため、プロファイルを3つに分けた人は、同じサービスの通知許可を3回出すことになる。しかも届いた通知に書かれているのはサイトの名前だけで、どの身分宛てなのかは分からない。区画をどれだけ整えても、この点は設定で変えられない。通知で手が止まる回数が多いなら、直すべきは区画の作り方ではなく、通知を受け取る場所そのものになる。

増えた区画を減らすときの順番

減らす作業にも順番がある。いきなり削除すると、残しておくべきタブまで消える。まず、その月に一度も開いていない区画を候補として抜き出す。次に、候補の中で開いているタブを確認し、残すものを別の区画へ移す。最後に削除する。この3手を踏めば、数を半分にしても失うものはない。

使わなくなった区画は、たたみ方を間違えない

案件が終わったら区画をたたむ。ここに1つだけ注意点がある。ワークスペースを削除すると、中のタブもすべて閉じられる。残したいタブがあるなら、削除の前に別の区画へ移しておく。誤って閉じた場合は、最近閉じたタブの一覧から拾い直せる。

記録を残してからたたむ方法もある。ワークスペースを右クリックして「すべてのリンクをコピー」を選ぶと、その中で開いていたページのURLが一覧で取れる。案件の引き継ぎ資料に貼っておけば、区画を消してもたどり直せる。タブスタックや選択したタブに対しても同じ操作ができる。

たたむ頻度は、案件の終わりに合わせるのが素直だ。カレンダーに月末の点検を入れておき、その月に一度も開かなかった区画を候補にする。ここで消す判断ができるのは、区画に具体的な名前を付けておいた場合だけになる。手順の最初で名前を具体的にする理由は、ここで回収される。

手順を終えても残る判断がある

ここまでの手順で解けるのは、タブの見え方と置き場所の問題だ。費用はかからない。ブラウザに内蔵された機能なので、同じことを専用アプリで解く製品が年額$199.99までの幅で並んでいるのに対し、Vivaldiの支払いは0円で済む。

一方で、手順をどれだけ丁寧に踏んでも残る項目もある。通知にアカウント名が出ないこと、⌘Tabの行き先がブラウザ全体になること、窓の配置が保存されないこと。この3つは設定で消せない。区切る単位をアプリの側へ移すと、この3つの性質が変わる。アプリごとに独立したワークスペースという考え方は、案件単位で窓をまとめる発想としてワークスペースにまとめてある。ブラウザの機能のうち何を窓の中に取り込むのかという線引きはできることにある。

比較して決めたい場合、価格帯と機能の広さの違いはWaveboxとの比較、無料のオープンソースとの線引きはFerdiumとの比較にまとまっている。判断に迷う点はよくある質問を先に見ておくと、比べる順番を間違えにくい。

次に手を付けるなら、区画を増やす作業ではない。1週間、切り替えの回数を数える。数えた結果が1日に数回なら、ここまでの手順で十分に足りている。何十回にもなるなら、足りていないのは設定ではなく区切りの単位のほうだ。

よくある質問

ワークスペースはいくつまで作るのが現実的ですか?

上限を機能として設けているわけではないので、判断材料は数ではなく単位のほうです。案件、役割、時間帯のどれか1つに単位をそろえた結果として出てくる数が適正で、多くの場合は週に実際に使っている身分の数に近づきます。単位を混ぜたまま増やすと、どの区画にも属さないタブが生まれて置き場所が決まらなくなります。

先にプロファイルを分けるべきか、ワークスペースから作るべきですか?

同じサービスに2つのアカウントで同時にログインする場面があるなら、プロファイルが先です。ワークスペースはログイン状態を分けないため、後からプロファイルを分けると、組んだ区画を新しいプロファイル側で作り直すことになります。身分が1つだけなら、プロファイルの作業は不要でそのままワークスペースから始められます。

開いているタブを一括でワークスペースに移せますか?

移せます。新しいワークスペースを作るときに、現在のウィンドウで開いているタブをそのまま移す選択肢が出ます。特定のタブだけを選びたい場合は、ShiftキーやCtrlキー、⌘キーで複数選択してから右クリックし、選択したタブで新しいワークスペースを作る操作を使うと、案件ごとに切り出していけます。

使わなくなったワークスペースは削除しても大丈夫ですか?

中のタブも一緒に閉じられる点だけ注意してください。残したいタブは削除の前に別の区画へ移すか、右クリックの「すべてのリンクをコピー」でURLの一覧を控えておくと安全です。誤って閉じてしまった場合は、最近閉じたタブの一覧から復元できます。タブを一時的に減らしたいだけなら、削除ではなく休止状態が向いています。

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