Wavebox 評判の中身|無料枠と月額、Macでの向き不向き
タブが40個を超え、Slackのワークスペースが2つで取り合いになり、2つ目のGoogleアカウントを開いた瞬間に1つ目からログアウトされる。取引先へのメールを別のアドレスから送ってしまった。wavebox 評判という言葉で調べる人の多くは、この時期に来ている。知りたいのは機能の一覧ではなく、この製品がその状況を実際に片づけるのか、維持にいくらかかるのか、その代わりに何を手放すのかの3点になる。この記事では、評判として繰り返し語られている内容を、無料枠の広さ、料金、メモリ、設定の重さ、macOSとの相性に分けて並べる。
Waveboxが何を中心に組まれているか
Waveboxは、タブではなくアプリケーションを中心に組み直されたChromiumのブラウザだ。画面の左端にアプリの一覧が並び、スマートフォンのホーム画面のような形でグループにまとめられる。それぞれの入れ物はCookieの保管場所を独立して持つため、同じサービスの2つのアカウントに同時にログインしたまま作業を続けられる。ここが評判の中心にある部分で、タブを整理する道具ではなく、ログインの状態を分ける道具として語られる理由でもある。
その土台の上に載っている機能の数が多い。画面を左右に分けて2つのアプリを並べる表示、通知とバッジと音をまとめて止める集中用のモード、開いているページだけでなくアプリやダッシュボードまでまたいで探す検索、Chromeウェブストアからの拡張機能の導入、アプリごとの細かい調整を足す追加要素、そしてページの上で動くAIのアシスタントが用意されている。
この幅の広さは意図的なものだ。長く提供され続けてきた製品で、機能の一覧は1つの尖った発想ではなく、年月をかけて集まった要望の反映になっている。場面ごとに手当てが用意されていることを好む人には魅力になり、設定なしで動く3つの機能だけが欲しい人には、最初の画面が混み合って見える原因になる。
土台がChromiumであるため、表示や拡張機能の作法はChromeと同じだ。Chromeでしか動作確認されていない業務システムでも、そのまま扱える点は実務では軽くない。
無料でどこまで使えるのか
評判を読むときに最初に確かめるべき数字がここにある。無料のプランは期限で止まらないが、使える範囲は2つのグループと、その中に2つずつのアプリ、拡張機能は1つ、ダッシュボードは1つとなる。合計で4つのアプリという計算になる。
Once your trial has ended you can continue to use Wavebox Basic with two groups and two spaces. So for example, you can stay signed-in to 2 gmail accounts, work and home. 出典: wavebox.io
提供元自身が例に挙げているのが「仕事と家庭の2つのGmail」であることからも分かるとおり、無料の範囲は常用のためではなく、この形が自分に合うかを確かめるための広さだ。冒頭に書いたような状況の人は、仕事のメール、個人のメール、Slack 2つ、案件管理、資料の置き場所で、任意のものを足す前に6つに届く。拡張機能が1つという制限も、パスワード管理を拡張機能で使っている人にはすぐ効く。その枠が最初から埋まるからだ。
試すときに知っておくとよい条件が2つある。1つは、クレジットカードの登録なしで7日間の有料版の試用が始まること。もう1つは、購入後30日間の返金の申し出があることだ。この2つがあるため、無料枠の狭さを見て「機能が足りない製品だ」と結論を出す必要はない。月末のいちばん荒れた日を含む1週間を、有料版で通して試すほうが判断は正確になる。教育機関や非営利の団体に所属している場合は、その所属のメールアドレスで試用を始めてからサポートに連絡すると割引の案内を受けられる仕組みも用意されている。
料金を横に並べる
| 道具 | 無料でできる範囲 | 有料 | 対応OS |
|---|---|---|---|
| Wavebox | グループ2つ(各2アプリ)、拡張機能1つ、ダッシュボード1つ | Pro 月8.33ドル(年払い)、Teams 1人あたり月12.50ドル | macOS、Windows、Linux |
| Shift | Spaces 5つ、1つにつきアプリ10個 | Advanced 年額199.99ドル | Mac、Windows |
| Ferdium | 制限なし(オープンソース) | なし | macOS、Windows、Linux |
数字は各社が公開している料金ページの記載で、予告なく変わる。見るべきは金額より契約の形だ。月額の購読は、やめやすい代わりに払い続けていることを忘れやすい。年額のライセンスは、途中でやめたときに残る損が大きい。無料で使い続けられるオープンソースの選択肢は、保守が有志に委ねられている分、対応の速さを自分で引き受ける必要がある。
それぞれの中身を項目ごとに突き合わせたものはWaveboxとの比較にまとめてあり、年額のライセンスを採る側についてはShiftとの比較で同じ形に並べてある。料金だけでなく、分離の単位がどこに引かれているかを揃えて見ると、選び方の違いがはっきりする。
評判で繰り返し出てくる2つの話
利用者の評価を読み進めると、同じ話題が繰り返し現れる。あらかじめ想定しておけば、どちらも対処できる。
メモリの使用量
分離された画面を多く走らせるとメモリを使う。この製品が重いと言われる場面の多くはここに集まっている。ただし、これは不具合というより設計の代金にあたる。独立したCookieの保管場所と、生きているページを1つずつ持つことが分離の実体であり、分けるほど処理も増えるからだ。使っていないアプリを眠らせる機能が用意されているのはそのためで、メモリに余裕のない機械では、この設定は任意ではなく必須になる。標準構成のMacで試すなら、試用の1週間はアクティビティモニタを一度は開いて、作業内容と使用量の関係を見ておくとよい。
覚えることの多さ
もう1つは、使いこなすまでに時間がかかるという評価だ。グループ、Cookieの入れ物、プロファイル、追加要素、ダッシュボード、アシスタントと、触れる部分が広い。良い評価を書いている人は、最初に腰を据えて構成を作り、その後は触らない使い方を説明していることが多い。うまくいかなかったと書いている人は、普通のブラウザとして使い始めて、違う動きをすることに戸惑った経緯を書いていることが多い。最初の1週間は設定の作業だと最初から見込んでおくほうが、試用は無駄にならない。
最初の1時間で決めること
設定に時間がかかる製品である以上、その1時間で何を決めるのかを先に知っておくと速い。
- 分け方の軸を決める。アカウントで分けるか、取引先で分けるか、仕事の種類で分けるか。3つとも成り立つが、混ぜると2か月後に自分でも探せない一覧ができる
- 同じサービスの2つのアカウントを、意識して別々の入れ物に入れる。同じ入れ物に両方を置くと、見た目が整っただけで元の問題がそのまま残る
- 眠らせる方針を決める。通知を受け取る必要があるチャットは起こしたまま、週に2回しか開かない資料の置き場所は積極的に眠らせる
- 通知を1つずつ切る。初期状態はすべてが鳴る状態で、そのまま使うと1日が悪化したという結論に最短でたどり着く。2つか3つだけ残すと集中用のモードが意味を持つ
- 拡張機能に何を見せるかを決める。パスワード管理、広告の遮断、記事の保存のそれぞれが、どの画面の中身を読めるのか。取引先のアカウントを扱う機械では、好みではなく方針の問題になる
この5点に1時間を使えば構成は残る。省くと、同じ散らかりを別の形で抱えた2つ目のブラウザができる。この分類の道具で試用が続かなかった話の多くは、これが正体だ。
Chromeのプロフィールに対して何が増えるか
Chromeのプロフィールでも、ログインの状態を分けること自体は無料でできる。だから確かめるべきは、料金を払う層が何を足しているのかになる。
いちばんはっきりしているのは、アプリが「探すもの」から「決まった場所にあるもの」に変わる点だ。左端の一覧で位置が固定されるため、探す手順が消える。未読の印はタブの題名の中ではなくアプリに付く。画面を左右に分ける表示は、資料とチャットを同時に開く人にとって、窓を並べ替える作業をまとめて削る。アプリをまたぐ検索は、プロフィールでは実現できない。プロフィールは互いの中を見られないからだ。
一方で、悩みがGoogleのアカウント2つだけなら、増える価値は小さい。その場合はChromeのプロフィールを1つ足せば数分で終わり、費用もかからない。そこに購読を重ねて買えるのは、能力ではなく手数の削減になる。
macOSの側で失うもの
これはこの分類の道具に共通する話で、3週目に離脱する人が出る理由でもある。
すべてが1つのアプリケーションの中に入るため、Macのアプリ切り替えに出てくるアイコンは1つになる。取引先のSlackにたどり着くには、まず入れ物を出して、その中で探す2段階になる。通知も同じアプリケーションの名前で届くため、集中モードの例外やアプリごとの通知設定は、アカウント単位ではなく入れ物単位でしかかけられない。Mission Controlでもまとめて扱われ、Dockのバッジは合算される。
最も鋭いのはリンクの扱いだ。メールアプリで開いたカレンダーの招待、Slackのデスクトップ版で押したリンク、ターミナルから開いたURLは、macOSに登録された既定のブラウザに渡る。渡された側は、そのリンクがどのアカウントのものかを知らない。アカウントを扱っている道具そのものが既定のブラウザになっていない限り、外から来る取り違えは残り続ける。
これは選んではいけない理由ではない。ただ、比べているのは費用と無料ではなく、費用と別の費用だという点は押さえておくべきだ。
比較データから見える向き不向き
複数の道具を同じ項目で並べていくと、評判の食い違いは好みではなく、抱えている問題の形の違いから出ていることが分かる。同じサービスの複数アカウントで困っている人と、種類の違うサービスを何十も行き来している人では、効く道具が別になる。前者は入れ物で分ければ済み、後者は入れ物を増やしても探す手間が残る。
向いているのは、扱うサービスの種類が多く、拡張機能やアプリごとの調整に価値を感じ、Linuxの機械も行き来している人だ。対応OSの広さはこの製品の実質的な強みで、試すなら無料枠ではなく有料版の試用で、設定に1時間を先に払うのがよい。
向いていないのは、悩みが同じサービスの2アカウントだけの人と、メモリに余裕のない機械で1日を回している人になる。後者には、アプリごとに独立したワークスペースを持たせて、macOSのアプリ切り替えと通知の仕組みをそのまま使う分け方も選択肢に入る。この考え方の理屈はワークスペースに、実際にどこまで分かれるのかはできることに、設定なしで置けるサービスの一覧は使えるアプリにまとめてある。料金の考え方は料金で確認できる。
判断を助ける数え方が1つある。1日のうち、アカウントを間違えて開き直した回数と、目的の画面を探して行き来した回数を、2日だけ書き出してみることだ。前者が多ければ入れ物で分ける道具、後者が多ければ切り替えを軽くする道具になる。評判の良し悪しではなく、この2つの数字で決めたほうが外れが少ない。
よくある質問
Waveboxは無料のままでも実用になりますか?
無料のプランは期限で止まりませんが、使える範囲はグループ2つ、各グループにアプリ2つ、拡張機能1つ、ダッシュボード1つです。合計4つのアプリという計算になるため、常用というより形が合うかを確かめるための広さです。カード登録なしの7日間の試用があるので、判断はそちらで行うほうが正確です。
評判でメモリが重いと言われるのはなぜですか?
分離された入れ物は、それぞれ独立した処理として動き、Cookieの保管場所も別々に持ちます。これが2つのアカウントを同時にログインさせたままにできる仕組みそのもので、分けるほど処理が増えます。使っていないアプリを眠らせる設定で相当量は戻せるため、メモリに余裕のない機械では初日に設定しておくとよいです。
Chromeの拡張機能やログイン状態はそのまま使えますか?
土台がChromiumのため、拡張機能はChromeウェブストアから導入でき、ページの表示もChromeと同じ作法になります。ただし無料のプランでは同時に有効にできる拡張機能の数に制限があります。既存のChromeとログイン状態は共有されないため、各アカウントはアプリの中で入り直すことになります。
導入すればアカウントの取り違えはなくなりますか?
アプリの中で開く分には解決します。入れ物ごとにログインの状態が分かれているためです。ただし、メールアプリやターミナルなど外から開いたリンクは、macOSに登録された既定のブラウザに渡されます。渡された側はどのアカウントのリンクか分からないため、その経路の取り違えは残ります。