Waveboxの使い方|入れる前に決めておく4つの手順
Waveboxの使い方でつまずく人の多くは、操作が分からないのではなく、設定の順番を間違えています。インストールそのものは数分で終わり、初回の案内に沿って進めればアプリも並びます。それでも1週間後に作り直しになるのは、最初の画面で決めた「どのメールアドレスでログインしたか」と「スペースをいくつ作ったか」が、後から変えにくい土台になっているからです。ここでは、インストーラを起動する前に決めておく項目から順に並べます。
入れる前に決める4つ
順番として先に決めておくのは次の4点です。どれも後から変えられますが、変えると入れ直しややり直しが発生します。
- 最初にログインするメールアドレス
- スペースをいくつ、どういう単位で作るか
- 別Profileにするものがあるか
- 今のブラウザから何を持ち込むか
この4つを決めずに進めると、初期設定の画面で3つのスペースを作る場面が来たときに、その場の思いつきで名前を付けることになります。仕事、プライベート、副業という初期の例がそのまま残っている状態は、実際の作業の単位と合っていないことが多く、結局あとで組み替えることになります。
最初のログインアドレスが、既定のスペースを決める
いちばん影響が大きいのが1つ目です。アカウント作成には3通りあります。GoogleまたはMicrosoftのアドレスでログインする、任意のアドレスでアカウントを作る、チームに招待されているなら招待先のアドレスを入れる、の3つです。チームの招待アドレスで入った場合は、以降の初期設定が省略され、管理者の作った雛形が入った状態で起動します。
ここで重要なのは、最初に使ったアドレスが既定のスペースの主サインインになるという点です。つまり、そのアドレスでログインするサービスは、既定のスペースに入れておけばサインインが維持されます。逆に言えば、普段いちばん多く使うアドレスとは別のもの(試しに作った捨てアドレスなど)で始めてしまうと、いちばん使うアカウントが主ではない扱いになります。
既定のスペースは後から変えられます。設定のスペース一覧で対象のスペースの三点メニューを開き、既定に指定し直す形です。ただし、この操作のあとは新しい既定スペース側のアプリに入り直す作業が発生します。最初に選ぶアドレスを1つ間違えるだけで、この入り直しが全アプリ分ぶら下がってくる、と考えておくと判断を急がずに済みます。
インストールと初期設定の順番
決めるものが決まったら、実際の手順は次の流れです。macOSの場合の順番は公式のナレッジベースに掲載されています。
- ダウンロードしたdmgをFinderで開き、アイコンをアプリケーションフォルダへドラッグする
- アカウントを作る(上の3通りのいずれか。メールで届く確認コードを入れる方式では迷惑メールフォルダも確認する)
- ブックマークとパスワードを今のブラウザから取り込む(任意)
- スペースを作る(初期画面では3つまで作れる)
- 各スペースに使うメールアドレスを割り当てる
- 各スペースへ、よく使うアプリをドラッグして入れる
- 広告ブロックの拡張機能を追加し、アドレスバーの検索エンジンを選ぶ
3の取り込みは任意ですが、パスワードは端末の外に出ない形で複製されると明記されています。ここを飛ばして後からパスワード管理の拡張機能を入れる方針でも構いません。ただし無料のBasicでは拡張機能が1つまでなので、広告ブロックとパスワード管理の両方を入れたい場合は有料前提の設計になります。
5の「各スペースにメールアドレスを割り当てる」は、飛ばしやすいわりに後で効く工程です。ここで割り当てたアドレスが、そのスペースでサインインする際の既定になります。取引先ごとにスペースを切るなら、そのスペースで使うアドレスをここで入れておくと、以降の入り直しが減ります。
スペースにするか、Profileにするか
2つ目と3つ目の判断は、公式が「部屋と書類棚」の喩えで整理しています。部屋がインストールしたアプリ本体、棚がProfile、棚の引き出しがスペース、という対応です。
スペースはログイン情報だけを分けます。分かれるのはCookieとサインイン状態だけなので、検索は全スペースを横断し、未読バッジは1か所に集まり、別スペースのアプリを左右に並べることもできます。取引先AのGmailと自分のGmailを同時に開いたまま、片方をもう片方の隣に置ける、という状態です。
Profileは環境ごと分けます。設定も拡張機能もパスワードも、スペースの構成そのものも共有されません。切り替えは画面右上のアイコンからで、切り替えた先は別の世界になります。
判断は次の基準で足ります。
- アカウントは分けたいが、検索も通知もまとめて見たい → スペース
- 経理や機密性の高い案件のように、環境ごと閉じたい → Profile
- 同じMacを別の人も使う → その人に別Profileを渡す
- 1つの案件の未読だけを独立して見たい → その案件をProfileに切り出す
最後の項目は見落とされがちです。未読とバッジと検索が全部まとまるのは普段は利点ですが、案件が大きいと逆に雑音になります。その場合だけProfileに切り出すと、その案件の未読だけが閉じた形で見られます。
グループは「アプリ」ではなく「作業の単位」で切る
スペースが決まったら、次はグループです。グループはサイドバーに並ぶ角丸四角のアイコンで、色とアイコンと未読バッジをそれぞれ持ちます。1つのグループに複数のアプリを入れられ、アプリが1つだけのグループではタブ列を隠せます。
切り方の基準は、スマートフォンのホーム画面でフォルダを作るときと同じです。アプリの種類ではなく、やることでまとめます。旅行、経理、動画といった用途で切る形と、取引先1、取引先2、副業、学校のようにアカウントの持ち主で切る形の2通りが公式にも例示されています。
グループにはスペースが1つ結び付いています。そのグループで作業しているときに開いたアプリやタブは、自動的にそのスペースへ入ります。毎回どのアカウントで開くかを選ばずに済むための既定であって、固定の規則ではありません。必要であれば1つのグループに別々のスペースのアプリを混ぜられます。
サイドバーの表示は2通りあります。今いるスペースのグループだけを見せる表示と、全スペースのグループを一覧で見せる表示です。スペースを5つ以上に増やすなら、前者に切り替えないとサイドバーが長くなりすぎます。
スペースを何個作るかは、招待状の数で決まる
2つ目の項目、スペースの数は、感覚で決めると多すぎるか少なすぎるかのどちらかになります。基準になるのは、抱えているアカウントの数ではなく、同じサービスに対して複数のアカウントを持っている数です。
たとえばGmailを3つ、Slackのワークスペースを2つ持っているとします。このとき必要なスペースは3つです。同じサービスでいちばん数が多いもの(この場合Gmailの3つ)が、スペースの必要数を決めます。Slackの2つは、そのうちの2つのスペースに分けて入れれば足ります。サービスごとに数を足していくと、実際より多くのスペースを作ることになります。
この数え方が効くのは、スペースを増やすほど再ログインの総量が増えるからです。スペースを6つ作れば、6つ分のサインイン作業が発生します。同じサービスで重複していないアカウントを別々のスペースに散らすと、この作業だけが増えて、得られる分離は変わりません。
実務では、取引先から届いた招待状の数を数えるのが早い方法です。招待されたワークスペースやアカウントは、招待元ごとに分かれている必要があるものです。自分で作ったアカウントは、多くの場合1つのスペースにまとめられます。
もう1つの目安は、切り替えの頻度です。1日に何度も行き来するものは同じスペースに置いても混ざらない限り問題になりませんが、月に1度しか開かないものにスペースを1つ与えると、サイドバーの場所を常時占有します。頻度の低いものは、必要になったときに作るほうが画面は軽くなります。
7日間の試用は、体験ではなく検証に使う
試用期間は7日です。クレジットカードの登録は不要で、期間中はすべての有料機能が使えます。ここで「便利かどうか」を眺めるのではなく、有料に移る判断に必要な項目を潰しておくと、8日目の判断が早く済みます。
確かめる項目は次の4つです。
- 通知とバッジが、実際に使っているサービスで正しく数えられるか。数え方が合わないサービスがあると、集約した意味が半分になる
- リンクの行き先の指定が、自分の流れで機能するか。チャットに貼られたリンクが、意図したアカウント側で開くか
- 入れたい拡張機能が全部動くか。無料に落ちると1つまでになるため、2つ以上必要なら有料が前提になる
- 2台目のMacで同じ設定が使えるか
4つ目には条件があります。ナレッジベースには次のように明記されています。
When installing on a second computer, you must login using the same email address as your first computer in order to pick up your subscription and any cloud/sync profiles or team templates. 出典: kb.wavebox.io
2台目で別のアドレスを使うと、契約もクラウド上の設定も引き継がれません。最初のアドレス選びがここでも効いてきます。なお、7日で判断しきれない場合は、試用終了の通知メールに返信して延長を依頼できると案内されています。判断材料が揃っていないまま期限で決めるより、延長を頼むほうが結果的に早く終わります。
順番を間違えたときに、どこからやり直すか
設定の順番が実務に効く理由は、やり直しの範囲が階層で決まるからです。アプリの置き場所を変えるのは数秒で済みます。グループの切り方を変えるのも、ドラッグで動かせる範囲です。ところがスペースを増やしたり既定を変えたりすると、そのスペースのアプリ全部でサインインをやり直すことになります。Profileを分ける判断に至っては、拡張機能もパスワードも入れ直しです。
だから、決める順番は外側から内側です。Profileをどう分けるか、スペースをどう切るか、グループをどうまとめるか、アプリをどこへ置くか。この順で決めれば、やり直しは常に内側だけで済みます。逆にアプリを並べることから始めると、外側を変えるたびに内側が全部崩れます。
この「面を先に決めてから中身を入れる」という順番自体は、アプリごとに独立したワークスペースを持つ道具に共通する考え方です。面の単位をどう取るかの整理はワークスペースに、どのサービスを面に載せられるかは使えるアプリにまとめてあります。機能の範囲そのものはできることで確認でき、導入前後に出てくる細かい疑問はよくある質問に集めています。
最初に決めるのは4つだけです。アドレス、スペースの数、Profileの要否、持ち込むもの。この4つを紙に書き出してからインストーラを起動すると、初期設定の画面で迷う時間がなくなります。
よくある質問
インストールの前に決めておくことは何ですか?
最初にログインするメールアドレス、スペースをいくつどういう単位で作るか、環境ごと分けたいものがあるか、今のブラウザから何を持ち込むかの4点です。特に最初のアドレスは既定のスペースの主サインインになるため、普段いちばん多く使うアドレスを選んでおくと後の入り直しが減ります。
スペースとグループはどう使い分けますか?
スペースはログイン情報の箱で、同じサービスの別アカウントを同時にサインインさせるために切ります。グループはサイドバーに並ぶ作業のまとまりで、色とアイコンと未読バッジを持ちます。グループには既定のスペースが1つ結び付いていて、そのグループで開いたアプリは自動でそのスペースに入ります。
設定をやり直すことになったら、どこから直せばよいですか?
外側から内側の順です。Profile、スペース、グループ、アプリの順で決め直します。アプリの置き場所やグループの切り方はドラッグで済みますが、スペースを増やしたり既定を変えたりすると、そのスペースのアプリでサインインをやり直すことになります。
7日間の試用中に何を確認しておくべきですか?
通知とバッジが実際のサービスで正しく数えられるか、リンクの行き先の指定が自分の流れで働くか、必要な拡張機能が全部動くか、2台目の端末で同じ設定を引き継げるかの4つです。2台目では1台目と同じメールアドレスでログインしないと契約もクラウド設定も引き継がれません。