web browser menu barが消えた・出したいときに見る3か所
ブラウザのメニューバーが見当たらない、あるいは邪魔なので消したい。そう思って調べ始めた時点で、実は3つの違う帯のどれかを指している。切り分けないまま設定をいじると、直したい帯とは別の帯の設定を変えてしまい、画面がさらに読みにくくなる。ここではMacを前提に、どの帯の話なのかを先に決めてから、戻し方と整理の仕方を順に見ていく。
メニューバーと呼ばれている3つの帯
1つ目は、画面のいちばん上を横切っている帯だ。左端にアップルメニューがあり、右端に時計が出ている。これはmacOSが描いているもので、ブラウザの持ち物ではない。
2つ目は、アドレス欄の下に並ぶ、フォルダやサイト名が置かれた行になる。これはブックマークバーで、ブラウザの機能だ。ChromeではCommand + Shift + Bで表示と非表示が切り替わる。新しいプロファイルを作った直後や、設定をリセットした後に姿を消すのはこの行で、消えたことを知らせる表示は出ない。「メニューバーが消えた」という相談の相当数が、実際にはこの行を指している。
3つ目は、画面上端の帯の右側、Wi-Fiやバッテリー、常駐アプリのアイコンが並ぶ区画になる。Appleはこれを状況メニューと呼んでいる。ここもブラウザの持ち物ではないが、ファイル同期のような補助アプリを入れると、ブラウザ関連のアイコンがここに増えていく。
日本語でメニューバーと言うとき、この3つのどれもが該当してしまう点が話をややこしくしている。人に聞くときも自分で調べるときも、「上端の帯」「ブックマークバー」「右側のアイコン」のどれなのかを先に言葉にしておくと、答えにたどり着くまでの時間が3分の1程度で済む。
上端の帯は、いま前面にあるアプリのものになる
macOSの上端の帯は、アプリごとに中身が入れ替わる。Appleの説明は次のとおりだ。
アプリメニューはアップルメニューの横にあります。使用中のアプリ名が太字で表示され、その次にほかのメニューが表示されます。ほとんどの場合、「ファイル」、「編集」、「フォーマット」、「ウインドウ」などの標準的な名前のメニューがあります。 出典: support.apple.com
ここに書かれている「使用中のアプリ」が、Webアプリを何十個も開いている人にとっての落とし穴になる。GmailのタブからSlackのタブへ、SlackからNotionへと移っても、太字で出ている名前は変わらない。macOSから見れば、どれも同じ1つのブラウザだからだ。ファイルメニューを開いても、出てくるのは「新規タブ」や「プリント」で、いま見ているサービスに関係する項目は1つも並ばない。
これは不具合ではなく、Macのメニューバーが最初から持っていた設計になる。1つの帯に1人の持ち主を決めておくことで、画面のどこを見ればコマンドがあるかが常に一定になる。仕事の中身が丸ごとブラウザの中に入る前提が、当時は無かっただけだ。
同じ理由でCommand + Tabも期待どおりには動かない。アプリを切り替える仕組みなので、メールもチャットも表計算も1つの行き先としてまとめられる。切り替えた先で、さらにタブを探す作業が残る。
消えたときに見る場所は3つ
上端の帯が出てこないときは、順に3か所を見れば足りる。
まず、ポインタを画面のいちばん上まで動かす。そこで帯が降りてくるなら、自動的に非表示にする設定が入っている。システム設定のメニューバーの項目で切り替えられる。
次に、ウインドウがフルスクリーンになっていないかを見る。フルスクリーン中は帯も時計も隠れる。緑のボタンかescキーで抜ければ戻る。ブラウザをフルスクリーンにしたまま自動非表示も有効にしていると、帯が完全に見えない状態になり、故障を疑う人が多い。
なお、この2つは同時に効く。フルスクリーンを解除しても帯が出てこないなら、自動非表示のほうがまだ残っている。片方ずつ確かめないと、直したつもりで直っていない状態になる。
3つ目は外部ディスプレイだ。ディスプレイごとに個別の操作スペースを持つ設定になっていると、帯は前面のウインドウがある画面の上端に付いていく。ノートの画面と外部モニタを行き来していると、帯が画面間を移動しているように見える。設定で挙動を決めておかないと、バッテリー残量を見たいときに毎回どちらの画面かを探すことになる。
右端が足りなくなる原因と整理の仕方
いまは「消えた」より「入り切らない」の相談のほうが増えている。同期クライアント、VPN、クリップボード履歴、会議の残り時間、画面収録。常駐アイコンは放っておくと増える一方で、しかも入り切らなかったアイコンは黙って描画されなくなる。
MacBookのカメラ部分が中央に張り出しているモデルでは、使える幅が左右に分断されるため、この上限に届くのが早い。アプリが起動していないように見えて、実際にはノッチの裏に押し出されているだけ、という状況が起きる。
整理はドラッグでできる。Commandキーを押しながらアイコンをドラッグすると並び替えられ、そのまま帯の外へ出すと取り除ける。並べる基準は「よく押す順」にしておくとよい。インストールした順のまま放置すると、いちばん見たいアイコンが中央寄りの見えにくい位置に残る。
日本語入力を使っている場合、入力ソースの表示(「あ」と「A」の切り替え)も右側に置かれる。この表示は前面のアプリの入力状態を示すので、ブラウザから別アプリへ移った瞬間に表示が変わる。Webアプリを行き来しているあいだは前面のアプリが変わらないため、この表示も変化せず、いま日本語入力なのか英数なのかを取り違えたまま入力を始める場面が出てくる。
上端の帯に住むアプリと、窓を持つアプリ
窓を持たず、右側のアイコン1つだけで動くアプリもある。Macで身近な例はGoogleドライブのパソコン版で、ヘルプには同時に4つまでのアカウントを使えると書かれている。アカウントを増やしてもアイコンは1つのままで、クリックすると小さなパネルが開く。
この形が向いているのは、開いている時間が短い用途になる。同期の状況を確かめる、直近のファイルを1つ開く、といった数十秒の作業なら、窓を作らないぶん速い。
向いていないのは、その逆だ。パネルはフォーカスが外れると閉じるので、書きかけの文章や、返信待ちの会話を置いておく場所にはならない。2つ目のウインドウを並べることもできない。チャットのように1日中開いているものを無理にパネルへ押し込むと、開くたびに前の状態が消えて、結局ブラウザのタブへ戻ることになる。
道具を並べ直すときは、起動する回数ではなく「開いている時間」で仕分けるとよい。数秒の確認は上端の帯、数時間の作業は独立した窓、という線を引くだけで、帯の混雑と探し物の両方が減る。
Windowsから移ってきた人がつまずく点
Windows版とLinux版のChromeには、そもそも独立したメニューバーが無い。ファイルや編集にあたる項目は、ツールバー右端の三点ボタンの中にまとまっている。Windowsで使っていたときの「表示メニューがない」という感覚のままMacを触ると、探す場所を間違える。
逆にMacからWindowsへ移った人は、上端に何も無いことに戸惑う。この場合の答えは三点ボタンで、キーボードからはAlt + FまたはAlt + Eでメニューが開く。プラットフォームごとの違いなので、設定で揃えることはできない。
ブックマークバーの切り替えは両方の環境で共通しており、Ctrl + Shift + B(MacではCommand + Shift + B)で表示と非表示が変わる。3つの帯のうち、環境が変わっても同じ操作で扱えるのはこの行だけになる。
キーボードから上端の帯に触る
Chromeのヘルプは、MacでControl + F2を押すとメニューバーへフォーカスが移ると記載している。ファンクションキーがハードウェア制御に割り当てられているノートではfnを足す。移った後は矢印キーで横に動き、returnで開く。
行く価値があるメニューは2つある。ウインドウメニューは、そのアプリで開いている全ウインドウを並べる。別のデスクトップに紛れたウインドウを探すのに、これがいちばん速い。もう1つはプロファイルメニューで、Chromeのプロファイルが名前ごとに並び、選ぶとそのプロファイルのウインドウが開く。
メニューバーの項目には、自分でキーを割り当てられる。システム設定のキーボードショートカット、アプリケーションのショートカットで、メニューの表記と完全に一致する文字列を入れて組み合わせを決める形だ。ただし上限がある。Appleの説明では、ショートカットを作れるのは既存のメニューコマンドに対してだけとされている。タブやフォルダの中のブックマークはメニュー項目ではないため、この方法では呼び出せない。ショートカットを作り込む前に、この線を先に確認しておくと無駄が減る。
帯が教えてくれないものと、単位の作り直し
ここまでで分かるとおり、上端の帯は「いまどのアプリが前面か」しか教えてくれない。仕事用と個人用のアカウントを1台で使い分けていても、帯の表示は同じで、ファイルメニューの中身も同じになる。見分けが付くのはウインドウの中の小さなアイコンだけだ。宛先を間違えたメールや、意図しないアカウントで開いたリンクの多くは、この「一目で分かる手がかりが無い」状態から生まれている。
対処の方向は2つに分かれる。1つは、仕事用と個人用でブラウザ自体を分ける方法だ。前面のアプリ名が変わるので帯が手がかりに戻る。ただし更新も拡張機能も2系統になり、3つ目のアカウントが来た時点で破綻する。
もう1つは、Webアプリの側をウインドウの単位に引き上げる方法になる。アプリごとに独立したワークスペースという考え方で、サービスごとに窓とセッションを分けておくと、Command + Tabとウインドウメニューが仕事の区切りと一致する。窓の分け方と、それぞれが何を持つのかはワークスペースの説明にまとまっている。
どの操作が窓の単位で使えるようになるのかはできることの一覧で確認できる。また、毎日開くサービスのうちどれを独立した窓に置けるのかは使えるアプリの一覧が目安になる。8時間開きっぱなしのチャットと、日に1度見るだけの管理画面を同じ扱いにしないことが、帯の読みやすさにも効いてくる。
この見直しは、設定を1つ変えて終わる話ではない。まず自分が毎日開いているサービスを書き出して、そのうち窓を持つべきものがいくつあるかを数えるところから始まる。数が3つ以内なら、ブラウザを分ける方法でも運用は回る。それ以上になったときに、帯とアプリの単位がずれたままの負担が効いてくる。手を付ける順番としては、上端の帯の混雑を片付けるのが最初、窓の単位を決め直すのはその次でよい。
よくある質問
ブラウザのメニューバーが消えたときはどこを見ればよいですか?
まずポインタを画面の最上部へ動かして、帯が降りてくるかを見てください。降りてくるなら自動的に非表示の設定が入っています。降りてこない場合はフルスクリーン中の可能性が高いので、緑のボタンかescキーで抜けます。アドレス欄の下の行が消えているなら、それはブックマークバーで、Command + Shift + Bで戻ります。
上端の帯にアプリのアイコンが並びきらないのはなぜですか?
常駐アプリが増えると幅が足りなくなり、入り切らないアイコンは表示されなくなります。カメラ部分が中央に張り出しているMacBookでは幅が分断されるため、より早く上限に届きます。Commandキーを押しながらドラッグすると並び替えと取り外しができるので、よく押す順に整理しておくと見落としが減ります。
メニューバーの表示でいまどのアカウントか判別できますか?
判別できません。上端の帯が示すのは前面にあるアプリの名前で、同じブラウザである限り、仕事用のプロファイルでも個人用でも表示は変わりません。見分けはウインドウ内のアイコンや配色に頼ることになるため、アカウントごとに窓を分けるほうが確実です。
メニューバーの項目にショートカットキーを割り当てられますか?
メニューに文字として並んでいるコマンドであれば割り当てられます。システム設定のキーボードショートカットにあるアプリケーションのショートカットで、表記どおりの文字列を入力して組み合わせを決めます。Appleの説明では既存のメニューコマンドにしか作れないとされているため、タブやフォルダ内のブックマークは対象外です。