MacBookのドックに追加する|手が届く場所に並べるものを選ぶ
MacBookのドックに追加したいものは、たいてい2種類に分かれる。1つはFinderやアプリフォルダから探して開いているアプリで、もう1つはブラウザのタブに埋もれている仕事用のWebサービスである。前者の手順はドラッグだけで終わるが、後者は同じやり方が通らない。macOS側の扱いが違うためで、そこを知らずに試すと「追加できない」という結論になりやすい。
この記事では、アプリを追加する入口が4つあること、Webサイトを追加すると何ができて何ができないのか、そして追加したあとで効いてくる設定を順に見ていく。手順そのものは短い。時間を取られるのは、何を並べるかを決める部分である。
Dockが並べているものと、2本の区切り線
Dockは画面下端に並んだアイコンの列に見えるが、内部では3つの区画に分かれている。左側(または上側)が自分で固定したアプリ、中央が最近使ったアプリ、右側(または下側)がファイルとフォルダの区画になる。区画を分けているのが細い区切り線で、この線のどちら側にドラッグしたかで結果が変わる。
Appleのユーザガイドはこの点を手順として書いている。
Dockに項目を追加する: 最近使用したアプリを区切る線の左側(または上)に、アプリをドラッグします。最近使用したアプリを区切るもう1つの線の右側(または下)に、ファイルとフォルダをドラッグします。その項目のエイリアスがDockに置かれます。 出典: support.apple.com
ここに重要な言葉が2つある。1つは「エイリアス」で、Dockに並ぶのは本体ではなく参照にすぎない。もう1つは「最近使用したアプリを区切る線」で、Dockに固定していないアプリのうち直近で使ったものが最大3つまで自動で表示される仕組みがある。ダウンロードフォルダが最初から右側に用意されているのも同じ設計による。
この構造から、よくある2つの誤解が解ける。1つ目は、アイコンをDockの外へドラッグして「削除」と出たときに消えるのはエイリアスだけで、アプリ本体はMacに残っているということ。2つ目は、中央の枠に勝手に現れるアイコンは追加された結果ではなく、最近使ったアプリの表示だということ。前者は消したあとに慌てる原因になり、後者は「並び順が毎日変わる」という相談の正体になっている。
なお、ファイルとフォルダを右側へ入れた場合はスタックとして扱える。フォルダをドラッグすると中身を扇状に展開できるようになるので、案件ごとの作業フォルダをそこへ入れておく使い方は、初心者にも扱いやすいおすすめの形になる。
アプリを追加する4つの入口
やり方は1つではない。状況によって速い入口が違うので、4つとも押さえておくと迷わなくなる。
- Finderから追加する。アプリケーションフォルダを開き、目的のアプリを区切り線の左側へドラッグする。いちばん確実で、まだ一度も起動していないアプリでも追加できる
- 起動中のアイコンから追加する。すでに開いているアプリのアイコンをControlキーを押しながらクリックし、「オプション」から「Dockに追加」を選ぶ。Finderを探す手間が要らない
- Launchpadから追加する。Launchpadを開いてアイコンをそのままDockへドラッグする。名前を覚えていないアプリを探すときに向く
- 中央の枠から引っ張る。最近使ったアプリとして中央に出ているアイコンを、区切り線の左側へドラッグして固定する
4つのうち、間違って消したときの復旧に使えるのは2番目になる。Appleのユーザガイドは、Dockから消してしまったアプリはもう一度開いてからControlキーを押しながらクリックし、「オプション」から「Dockに追加」を選べば戻ると説明している。アプリ本体は消えていないので、再インストールは要らない。
並べ替えはドラッグだけで済む。左右の位置は自由に入れ替えられるが、区画をまたいだ移動はできない。アプリをファイル側の区画へ動かそうとしても戻ってくるのは、仕様どおりの動きである。
Webサイトを追加すると何ができるのか
ブラウザで開いているサービスをドックに追加したい場合、ブックマークをドラッグする方法では望んだ結果にならない。macOS 14 Sonomaに入ったSafari 17.0からは、Webページそのものをアプリとして扱う仕組みが用意されている。手順はSafariで対象のページを開き、メニューバーの「ファイル」から「Dockに追加」を選ぶだけである。名前とアイコンはその場で変えられる。
できあがるものはブックマークではない。Dockから開くと専用のウィンドウで立ち上がり、Launchpadにも並び、Command+Tabの切り替え対象にもなる。サイト側がWebアプリ用の設定ファイルを用意していなくても専用ウィンドウで開くので、対応しているサイトを選ぶ必要はない。通知の仕組みにも対応していて、サイトが送信に対応していればDockのアイコンに未読の数が出る。
ログインの扱いには1つ知っておくべき決まりがある。Dockに追加した時点で、そのサイトのCookieがWebアプリ側へ複製される。Safariでログイン済みなら、作った直後からログイン済みの状態で開ける。ただし複製されるのはCookieだけで、それ以外の保存領域は運ばれない。ログイン状態をCookie以外に持つサイトでは、初回にログイン画面が出ることになる。
2つのアカウントを同時に開き分けたい場合は、この仕組みでは足りない。Safariから1回だけCookieを写す動きであって、同じサービスの別セッションを2つ並べる用途は想定されていない。仕事用と個人用のGmailを両方ドックに追加したいという要望は、ここで壁に当たる。
普段使うブラウザがSafariでない場合
同じことはChromeでもできる。呼び名が違うだけで、Googleのヘルプでは「ウェブアプリ」として説明されている。手順は対象のページを開き、右上のその他アイコンから「キャスト、保存、共有」を開いて「ページをアプリとしてインストール」を選ぶ。サイトによってはアドレス欄の右端にインストールのボタンが直接出ることもある。
取り消し方も覚えておいたほうがよい。インストールしたウェブアプリを開き、その他アイコンから「アンインストール」を選ぶと消える。このときChromeに残っているそのサイトのデータも一緒に削除するかどうかを選べる。いま何をインストールしているのかを一覧で確かめたい場合は、アドレス欄にchrome://appsと入れると並んで表示される。
SafariとChromeで実務上いちばん違うのは、セッションの扱いになる。Chromeのウェブアプリは、作ったときのプロファイルに属する。仕事用と個人用でプロファイルを分けて運用している人にとっては、その分け方をそのまま引き継ぐ形になるので、すでにある使い分けを壊さずに済む。逆に言えば、プロファイルを分けていない状態で2つのアカウントを分けたいなら、先にプロファイルを作る作業が必要になる。
追加したあとに効いてくる設定
並べ終わったら、見た目と操作を自分に合わせておくと使用感が変わる。設定はシステム設定アプリのサイドバーにある「デスクトップとDock」に集まっている。表示位置を左端や右端へ移す、サイズを変える、使わないときは隠す、といった項目はすべてここで切り替えられる。
サイズだけは設定画面を開かずに変えられる。Dockの区切り線の上にポインタを合わせると双方向の矢印に変わるので、そのまま上下へドラッグすればよい。区切り線をControlキーを押しながらクリックすると、他の操作もショートカットメニューから選べる。
キーボードだけで触れることも覚えておくと速い。Fnキー、Controlキー、F3キーを同時に押すとDockへ移動し、左右の矢印キーでアイコンを移り、Returnキーで開ける。トラックパッドへ手を伸ばさずに済むので、アイコンの数が少ないほど効果が出る。
アイコンに付く赤い丸は、そのアプリかシステム設定で対応すべきことがある印になる。メールなら未読の件数を示す。逆に言えば、通知を出さないサービスをドックに追加しても赤い丸は出ない。バッジ目当てでアイコンを増やしても、押されないアイコンが並ぶだけになる。
手が届く場所に何を並べるかの決め方
ドックは画面の一等地であり、並べられるアイコンの数には実質的な上限がある。アイコンが増えるほど1つあたりの幅が狭まり、目で探す時間が伸びる。押す回数で選ぶという基準を1つ持っておくと、判断が速くなる。
MacのDockに設置するアプリは自由にカスタマイズすることができます。よく利用するアプリはDockに追加したり、使用頻度が低いアプリはDockから外して、自分好みで使いやすいDockを作り上げましょう。 出典: pc-koubou.jp
実際の線引きは3つの問いで足りる。
- 1日に何回押すか。1日1回未満のアプリは、Launchpadかキーボードのランチャーから開いたほうが速い
- アイコンを見て中身が分かるか。似た色の丸が3つ並ぶと、押す前に読む時間が発生する
- 通知を受け取るか。未読の数を見たいサービスだけがバッジの恩恵を受ける
この基準で選ぶと、残るのは6個から10個程度になることが多い。上限を決めて、新しく追加するときは何かを外す、という運用にしておくと元に戻りにくくなる。
外したものの行き先も決めておくと迷わない。週に1度しか触らないアプリはLaunchpadから開けばよく、名前の一部を覚えているならSpotlightで呼び出したほうが速い。案件ごとのフォルダは右側の区画へまとめてスタックにしておけば、アイコン1つで中身を展開できる。ドックを短く保つことと、必要なものに手が届くことは両立する。両立させる鍵は、ドックを唯一の入口にしないことである。
アプリごとに窓を分けるという別の答え
ドックに追加したいものを並べていくと、その多くがブラウザの中で動いているサービスだと気づくことになる。メール、チャット、タスク管理、デザインツール。これらは本来アプリとして扱いたいのに、実体はタブであり、1つのCookieの入れ物を共有している。Webアプリとしてドックに追加する方法はここに効くが、数が増えると別の散らかり方が始まる。アイコンが10個になれば、通知の許可も10回、切り替え先の窓も10枚に増える。
この段階で選択肢になるのが、Webアプリを1つのウィンドウにまとめて扱うブラウザである。アプリごとに独立したワークスペースを持たせる考え方で、同じサービスの複数アカウントを同時にログインしたまま保てる点が、ドックに追加する方法との違いになる。アプリをどう束ねるかという設計の話はワークスペースのページに整理されている。
自分が毎日開いているサービスが対象に入っているかどうかは使えるアプリの一覧で確かめられる。キーボードから手を離さずに作業したい場合は、同じウィンドウの中でシェルを開ける仕組みがターミナルのページで説明されている。無料で使える範囲と有料の線引きは料金のページに書かれていて、この種の道具を比べるときは他社の製品と並べたWaveboxとの比較を見ると、どこに差があるのかを項目ごとに追える。
どちらか一方を選ぶ話ではない。ドックへの追加は、毎日押すもの数個に絞れば今日から効く。窓の分け方まで手を入れる価値が出てくるのは、追加したいものが数えきれなくなってからである。
よくある質問
Dockに追加したアイコンを間違って消してしまったら元に戻せますか?
戻せます。Dockから消えたのはエイリアスだけで、アプリ本体はMacに残っています。そのアプリをもう一度開き、Dockに出てきたアイコンをControlキーを押しながらクリックして「オプション」から「Dockに追加」を選べば固定されます。再インストールする必要はありません。
WebサイトをDockに追加するにはどのバージョンが必要ですか?
Webページをアプリとして扱う仕組みはmacOS 14 SonomaのSafari 17.0から入りました。それより古いバージョンではメニューに「Dockに追加」の項目がなく、設定で出せるものでもありません。Appleメニューの「このMacについて」でバージョンを確かめてください。
Dockに追加できるアイコンの数に上限はありますか?
システム側の上限に当たる前に、画面の幅で頭打ちになります。アイコンが増えると1つあたりが自動で細くなり、目で探す時間が伸びます。1日1回以上押すものに絞ると6個から10個程度に収まるので、上限を自分で決めてから並べるほうが扱いやすくなります。
Webアプリとして追加すれば、同じサービスの2つのアカウントを並べられますか?
同時には難しいです。追加した時点でSafariのCookieが1回だけ複製される仕組みなので、同じサービスの別セッションを2つ並行して持たせる用途は想定されていません。仕事用と個人用を同時にログインしたまま保ちたい場合は、ブラウザのプロファイルを分けるか、アプリごとに入れ物を分けるブラウザを使う形になります。