Slackのワークスペースを複数、常時開いておく方法と限界
Slackのワークスペースは、1つのメールアドレスでいくつでも参加でき、デスクトップアプリなら左端に全部を並べたまま切り替えられます。常時見ておきたいチャンネルは、数の制限なく別ウィンドウに出せます。ただし、ワークスペースごとにアカウントは別に作られ、通知やプランもワークスペースごとに分かれます。この記事では、2026年10月18日にSlackの公式ヘルプと料金ページで確かめた内容をもとに、追加と切り替えの手順、常時開いておく方法、そしてSlackの機能では解決しない部分を順に整理します。
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複数ワークスペースの前提:アカウントはワークスペースごとに別
最初に押さえておきたいのは、Slackの「アカウント」と「ワークスペース」の関係です。参加の手順を説明する公式ヘルプには、次のように書かれています。
同じメールアドレスで参加できるワークスペース数に制限はありませんが、ワークスペースごとに別の Slack アカウントが作成されることになります。 出典: slack.com
つまり、メールアドレスは1つで足りますが、プロフィール写真、表示名、通知の設定、プランはワークスペース単位で別々に持つことになります。自社のワークスペースで通知を絞ったのに、客先のワークスペースでは相変わらず全部鳴る、という状態はこの仕組みから生まれます。設定が「効かない」のではなく、別のアカウントの設定を触っているだけです。
もう1つの前提は、ワークスペースを増やしても、ログインし直す手間は基本的に増えないことです。デスクトップアプリは、サインインしたワークスペースを並べて保持します。困りごとが出るのは、ワークスペースの数が3つ、4つと増え、どこに未読があるかを確かめるための切り替えが1日に何十回も起きるようになってからです。この記事の後半は、その状態をどう減らすかに充てています。
ワークスペースを追加して切り替える手順
新しいワークスペースに入る手順は、公式ヘルプでは次の順で案内されています。
- デスクトップのブラウザで slack.com/signin を開く
- 自分のメールアドレスを入力し、「続行する」を押す
- Slackから届いたメールの確認コードを入力する
- 「招待を承諾する」の一覧で、参加するワークスペースの横の「参加」を押す
招待メールが届いている場合は、メールの「今すぐ参加」から氏名を入力して進めます。仕事用のアドレスで登録するよう勧められているので、客先から招待されたときも、招待が届いたアドレスでそのまま入るのが混乱の少ないやり方です。
サインインが済んだあとの切り替えは、ワークスペースを切り替えるのページに手順があります。デスクトップでは、左上のワークスペースアイコンを押すと、サインイン中のすべてのワークスペースが一覧で出ます。モバイルでは、ホームタブから右にスワイプしてワークスペースを選びます。
ここで決めておきたいのは、どの端末で、どのワークスペースにサインインしておくかです。私用のスマートフォンには自社のワークスペースだけを入れ、客先のワークスペースはパソコンだけにする、という分け方をしておくと、休日に客先の通知が鳴る事態を設定の前に防げます。
常時開いておく方法1:ワークスペースをサイドバーに並べたままにする
ワークスペースを切り替える回数を減らすうえで、最も効果が大きいのが、ワークスペースの一覧を常に表示しておく設定です。公式ヘルプのTipには、ワークスペーススイッチャーのアイコンを押すか、Macでは⌘ + Shift + Sを押すと、サイドバーにワークスペースを表示したままにできると書かれています。並び順は、アイコンをドラッグして変えられます。
この表示にすると、どのワークスペースに未読があるかが、開かなくても左端のアイコンで分かります。切り替えの操作そのものは変わりませんが、「何か来ていないか確かめるための切り替え」がなくなります。
並び順は、上から使う頻度の順にしておくのが実用的です。位置で覚えられるようになると、アイコンの絵柄を見分ける手間も消えます。客先が複数ある場合は、契約中の案件を上、終わった案件を下に寄せ、終わったものはサインアウトして一覧から外していくと、一覧が膨らみ続けません。
なお、Enterpriseプランでは、サイドバーの「すべてのワークスペース」を選ぶと、ワークスペースごとに会話を絞り込んで表示できると注記されています。同じ会社の中で複数のワークスペースを持つ大きな組織向けの機能で、自社と客先のように別々の組織のワークスペースをまとめる用途とは前提が違います。
常時開いておく方法2:独立ウィンドウで必要なチャンネルだけ出す
切り替えずに横に並べて見たい、という要望には、独立ウィンドウが向いています。公式ヘルプの独立ウィンドウのオープンには、デスクトップアプリで新規ウィンドウを開けること、ウィンドウの数に制限がないことが明記されています。
開き方は対象によって違います。
- チャンネルとDM:「ホーム」でCmdを押しながら、チャンネル名やDMの名前を押す
- スレッド:スレッドを開き、3つのドットのアイコンから「新しいウィンドウで開く」を選ぶ
- 「アクティビティ」と「To-do」:マウスポインターを重ねてウィンドウアイコンを押すか、⌘を押しながらサイドバーの項目を押す
- canvas:canvasを開き、3つのドットのアイコンから「新しいウィンドウで開く」を選ぶ
数に制限がないとはいえ、画面の広さには限りがあります。独立ウィンドウに出すのは、返信の速さが求められる2つか3つのチャンネルに絞るのが現実的です。たとえば、客先の案件チャンネルを右半分に置き、自社のワークスペースは本体のウィンドウで切り替えながら使う、という形なら、ノートパソコンの画面でも破綻しません。
注意点として、この機能はデスクトップアプリでの手順として案内されています。ブラウザのタブでSlackを開いている場合は、同じ操作がそのまま使えるとは限りません。複数のワークスペースを常時開いておきたいなら、まずデスクトップアプリを入れることが前提になります。
通知はワークスペースごとに設定する
ワークスペースが増えたときに効く調整は、実は通知の側にあります。前述のとおりアカウントはワークスペースごとに別なので、通知の設定も、ワークスペースごとに1回ずつ行う必要があります。
通知を設定するのページによると、設定の入口は、サイドバーの自分のプロフィール写真から「環境設定」、「通知」の順です。ここで扱える主な項目は次のとおりです。
- 「通知する内容」:「すべて」か「メンションとダイレクトメッセージ」かを選ぶ
- 通知スケジュール:特定の曜日と時間帯だけ通知を受ける。設定外の時間は通知が一時停止される
- 「チャンネルのキーワード」:登録した語が使われたときに通知し、黄色でハイライトする
- 「「アクティビティ」に表示する内容」:DMやTo-doのリマインダーなどを含めるかを選ぶ
キーワード通知には条件があります。大文字と小文字は区別されませんが、完全一致のときだけ通知され、フォローしていないスレッドの中のメッセージでは通知されません。案件名をキーワードに登録しても、スレッドの返信で使われた場合は鳴らないことがある、と知っておくと期待がずれません。
実務では、主に使う1つのワークスペースだけを「すべて」にし、ほかは「メンションとダイレクトメッセージ」に絞ったうえで、客先のワークスペースには業務時間だけの通知スケジュールを付ける、という組み合わせがよく効きます。通知が絞られていれば、未読のバッジが付いていても、急ぎかどうかを開かずに判断できます。
フリープランの上限は、ワークスペースごとにかかる
複数のワークスペースを持つと、プランもワークスペースごとに分かれます。2026年10月18日にSlackの料金プランのページで確認したところ、フリープランは料金が¥0で、メッセージの履歴は90日間保存されて検索でき、連携できるアプリは最大10個まで、という条件が示されていました。
この上限は、参加している人ではなく、ワークスペースの側にかかります。自分が有料プランの会社のワークスペースにいても、副業や地域の集まりで作ったフリープランのワークスペースでは、90日より前のメッセージは検索できません。複数のワークスペースを行き来していると、「前に共有されたはずのファイルが見つからない」原因が、プランの違いだったということが起こります。
大事な決定事項や受け取ったファイルは、フリープランのワークスペースに置いたままにせず、自分の管理する場所に残す運用を決めておくと、上限に振り回されません。逆に、客先のワークスペースが有料プランかどうかは、こちらからは選べません。履歴の扱いは相手のプランに合わせる、という前提で考えるのが安全です。
限界:詰まるのはSlackの外側
ここまでの方法で、Slackの中の切り替えはかなり減らせます。それでも机の上が片付かない場合、原因はSlackの外にあることが多いです。
自社と客先の両方に関わっていると、二重になるのはSlackだけではありません。メールも2つ、カレンダーも2つ、ファイルの置き場所も2つになります。Slackはアプリの中でワークスペースを並べてくれますが、Gmailの2つ目のアカウントや、客先のGoogleカレンダーまでは並べてくれません。結果として、Slackは整理できたのに、その周りのブラウザのタブは元のまま残ります。
対処の方法もサービスごとに違います。Slackはアプリ内の切り替え、Gmailはアカウントの切り替えかブラウザのプロファイル、別のサービスはまた別の手順、というように、サービスが増えるたびに覚えることが増えます。問いを「Slackのワークスペースを複数どう扱うか」から「1台のMacで2つの所属をどう扱うか」に置き換えると、打つ手が見えやすくなります。
所属ごとに場所を分ける:アプリ集約ブラウザという選択肢
所属を単位に分ける方法の1つが、Webアプリをまとめて使うアプリ集約ブラウザです。たとえば、このサイトを運営する会社の製品では、アプリを「会社A」「会社B」のようなワークスペースに分けて登録し、それぞれ別のアプリの組とログイン状態で使えます。同じサービスに2つ目のアカウントで入るときは、登録済みのアプリを右クリックして「別アカウントとして追加(セッションを分ける)」を選ぶと、「Gmail 2」のような名前で別のアプリが追加されます。アプリごとに独立したワークスペースなので、2つのSlackと2つのGmailを、ログインし直さずに開いたままにできます。
条件も公開されています。インストールから14日間はすべての機能を使え、その後の無料版はワークスペース1つ、1つのワークスペースあたりアプリ3つまでです。複数アカウントを使う機能はPro(体験期間中を含む)で、料金は税込で月額980円、年額8,800円、買い切り19,800円と案内されています。考え方の詳細はワークスペース、通知のまとめ方などはできること、金額は料金のページで確かめられます。
同じ種類の道具はほかにもあり、無料で使える範囲がそれぞれ違います。1対1で並べて確かめるなら、Waveboxとの比較やFerdiumとの比較のページが参考になります。
決める順番
手段が複数あるときは、費用のかからないものから順に試すのが早道です。
まず、Slackのデスクトップアプリを入れ、⌘ + Shift + Sでワークスペースをサイドバーに並べたままにし、使う頻度の順に並べ替えます。次に、ワークスペースごとに通知の設定を見直し、主に使う1つ以外は「メンションとダイレクトメッセージ」に絞ります。常に見ておきたいチャンネルが2つか3つあれば、独立ウィンドウに出します。ここまでは費用がかからず、その日のうちに終わります。
それでも切り替えが減らない理由が「Slack以外も二重になっている」ことにあるなら、次の段階として、所属ごとに場所を分ける方法を検討します。判断の目安として、1日のうちにワークスペースやアカウントを切り替えた回数を数えてみてください。中身を読むために開いた回数より、何か来ていないか確かめるために開いた回数のほうが多いなら、足りないのは機能ではなく、開かずに分かる見せ方のほうです。
よくある質問
複数のワークスペースに入るには、メールアドレスを分ける必要がありますか?
分ける必要はありません。Slackの公式ヘルプでは、同じメールアドレスで参加できるワークスペースの数に制限はないと案内されています。ただし、ワークスペースごとに別のSlackアカウントが作られるため、表示名や通知の設定はワークスペースごとに行います。
ワークスペースの一覧を常に表示しておくことはできますか?
できます。デスクトップアプリで、ワークスペーススイッチャーのアイコンを押すか、Macで⌘ + Shift + Sを押すと、サイドバーにワークスペースが並んだままになります。アイコンをドラッグすると並び順を変えられるので、使う頻度の順に並べておくと探す手間が減ります。
通知の設定は、全部のワークスペースにまとめて反映されますか?
反映されません。ワークスペースごとにアカウントが別になるため、通知する内容、通知スケジュール、キーワードは、ワークスペースごとに設定します。主に使うワークスペース以外を「メンションとダイレクトメッセージ」に絞ると、切り替えの回数を減らしやすくなります。
フリープランのワークスペースで、古いメッセージが検索できないのはなぜですか?
2026年10月18日時点のSlackの料金ページでは、フリープランのメッセージ履歴は90日間と案内されています。この上限はワークスペースごとにかかるため、自分が有料プランの会社にいても、フリープランのワークスペースでは90日より前のメッセージは検索できません。大事なファイルや決定事項は、自分で管理する場所に残しておくと安心です。