Backlogで複数アカウントを使い分ける|案件ごとに入り口を分ける

backlog 複数 アカウントで検索する人の状況は、実は3つに分かれている。取引先ごとに別のBacklogへ招かれている人、自社と受託先の両方で使っている人、そして過去に別のメールアドレスで登録してしまい入り口が2つある人だ。この3つは見えている症状が似ていても、直し方がまったく違う。ここではBacklogの公式ヘルプが使っている用語に沿って、どれが自分の状況なのかを見分けたうえで、アカウントを分けるべき場合と分けなくてよい場合、そして毎日の行き来を減らす手立てを順に並べる。

困っているのはアカウントか、スペースか

最初に区別する。Backlogで「複数」になり得るものは3つある。アカウント、スペース、ログインの方法だ。

アカウントが複数というのは、自分が2つ以上のログイン用の資格情報を持っている状態になる。過去に個人のメールアドレスで登録し、後から会社のアドレスで招かれた場合などに起きる。

スペースが複数というのは、アカウントは1つのまま、入れる場所が複数ある状態になる。取引先ごとに別のBacklogへ招かれている人はここに当たる。こちらのほうが件数としては多い。

ログインの方法が複数というのは、Backlogがアカウントのしくみを2通り持っていることから来る。Backlogのヘルプでは、Gitへの接続の説明などで、利用しているプランとログインの方法によって使う情報が変わると案内されている。自分がどちらでログインしているかを把握していないと、資格情報を求められた場面で詰まる。

自分の状況がどれなのかで、この先に読む節が変わる。アカウントが複数なら統合するかどうかの判断になり、スペースが複数なら行き来を減らす工夫の話になる。判別のしかたは単純で、ログインの画面に入力しているメールアドレスが1種類か2種類かを数えるだけで足りる。1種類なのに入る場所が複数あるなら、スペースが複数という状況になる。2種類あるなら、どちらを残すかを先に決めてから次に進む。

スペースはURLで仕切られている

Backlogの構造は、公式ヘルプが4つの用語で説明している。この4つを押さえておくと、どこで仕切られているのかが見える。

  • スペースは、Backlogを利用する組織ごとに提供されるURLごとに仕切られた共有の場所
  • プロジェクトは、業務のまとまりごとにタスクや関連ファイル、チームメンバーを収容する入れ物
  • 課題は、担当者を決めて処理すべき事柄、つまりタスク
  • 状態は、課題の進捗を表すもの。標準では4種類が用意されている

要点は1つ目にある。仕切りはURLで入っている。つまり、取引先Aのスペースと取引先Bのスペースは、別のアドレスで開く別の場所になる。1つの画面に混ぜて表示する前提では作られていない。

もう1つ、プロジェクトの単位も押さえておく。公式ヘルプには、自分が参加しているプロジェクトのみ中の情報にアクセスできると書かれている。同じスペースの中でも、参加していないプロジェクトは見えない。したがって、社内で1つのスペースを共有していても、見えている範囲は人によって違う。この前提を共有していないと、「送ったのに見えていない」という行き違いが起きる。

1つのヌーラボアカウントで複数のスペースに入れる

スペースが複数あるとき、アカウントを増やす必要があるのかという疑問が出る。ここには公式の答えがある。

Backlog、Cacooなど、ヌーラボの全てのサービスに1つのアカウントでログインできるようになるサービスです。また、複数の Backlog スペースに1つのアカウントでログインすることもできます。 出典: support-ja.backlog.com

つまり、取引先ごとに別のアカウントを作る必要はない。1つのアカウントで複数のスペースに所属できる。招かれる側が用意するのは、招待を受け取るメールアドレスだけになる。

招く側の手順も公開されている。スペース設定からユーザー設定のユーザーの画面を開き、権限を選んでメールアドレスを入力して招待する。この操作には管理者の権限が必要になる。人数が多い場合は、用意されているテンプレートのファイルを使って一度にまとめて招待することもできる。招待された相手には招待メールが届くので、参加の操作をしてもらう流れになる。

ここまでを踏まえると、アカウントを2つ持っている人が取るべき道が見えてくる。同じ人物が2つの入り口を持ち続ける理由は、通常は無い。どちらか一方に招待を集め、もう一方は使わない状態にしておくほうが、後で権限を見直すときに混乱しない。

アカウントを分けるべき場合と、分けなくてよい場合

1つのアカウントで足りるとしても、分けたほうがよい場面はある。判断の軸は3つで、アドレスの持ち主、退職や契約終了のときの扱い、それに記録の残り方になる。

状況 分けるかどうか 理由
取引先ごとに別のスペースへ招かれる 分けなくてよい 1つのアカウントで複数のスペースにログインできる
会社のアドレスと個人のアドレスの両方で招かれている 片方に寄せる 同じ人が2つの入り口を持つと権限の見直しが漏れる
会社を辞めたあとも個人の仕事で使い続ける 分ける 会社のアドレスは退職時に使えなくなる
副業の案件に個人として参加する 分ける 会社のアドレスで参加すると記録の持ち主が会社側になる

表の3行目と4行目は、同じ理由から来ている。招待の宛先になったアドレスが使えなくなると、そのアカウントでの参加履歴に手が届かなくなる。将来も自分の手元に残したい案件は、自分で管理しているアドレスで参加しておくほうが安全になる。逆に、会社の業務として関わる案件は会社のアドレスで参加するのが筋になる。ここを混ぜると、辞めるときにどちらの資産なのかで揉める余地が残る。

2行目については、統合の仕方に注意が要る。Backlog側でアカウントを合併する操作ではなく、使い続ける側のアドレスで招待を受け直し、使わない側を各スペースの管理者に外してもらう流れになる。管理者の権限がないと外せないので、自分だけでは完了しない。放置すると、退職した人の名前が担当者の一覧に残り続けるのと同じ状態になる。

横断して見る手段が用意されていない

1つのアカウントで複数のスペースに入れるとしても、それは「入れる」という話であって、「まとめて見える」という話ではない。実務で不便が出るのはここになる。

普段ダッシュボードで自分が担当の課題へアクセスするんですが、これが複数のスペースでまとめて課題を表示することができないじゃあーりませんか。みんなどうしてるの.. 出典: note.com

同じ記事では、通知についても同じ問題が挙がっている。スペースごとに通知が分かれているため、1か所で見られる手段があるとよいという声になっている。前の節で見たとおり、スペースはURLで仕切られた場所なので、この構造からすると自然な結果になる。

対処の方向は2つに分かれる。1つはBacklogの中で完結させる方向で、担当している案件のスペースを減らす、あるいは1つのスペースにプロジェクトとして寄せる。取引先が相手なら、この道はたいてい選べない。もう1つは、Backlogの外で入り口を並べる方向になる。スペースごとの画面を開いたまま横に置いて、切り替えの手間を減らす。後者は次の節以降で扱う。

どちらを選ぶにしても、まず「見落としが起きているのは通知か、一覧か」を切り分けると打つ手が決まる。通知が問題なら受け取り方を変える。一覧が問題なら開き方を変える。両方だと感じる場合は、まず通知を整えてから一覧に手を付けると、効果が出た理由を取り違えずに済む。

料金はスペース単位で決まる

複数のスペースに関わる場合、費用の考え方も押さえておくと判断が早い。Backlogの料金ページでは、課金の単位がスペース単位だと示されている。公開されている内容を整理すると次のようになる。

プラン 月払いの料金(税抜) ユーザー数 プロジェクト数 容量
フリー 無料 10人まで 1 記載なし
スターター 2,700円/月 30人 5 1GB
スタンダード 16,000円/月 無制限 100 30GB
プレミアム 27,000円/月 無制限 無制限 100GB
プラチナ 75,000円/月 無制限 無制限 300GB

年払いにすると月払いに比べて5パーセント引きになると示されている。年額で見ると、スターターが30,780円、スタンダードが182,400円、プレミアムが307,800円、プラチナが855,000円になる。表示はいずれも税抜で、別に消費税がかかると注記されている。全プランで30日間の無料お試しが用意されており、ユーザー数が無制限のプランについては安定した運用のために最大10,000人までを推奨すると書かれている。

この表の読み方で1つ補う。課金がスペース単位ということは、招かれる側に費用は発生しないということになる。取引先のスペースに10か所参加していても、支払うのはそれぞれのスペースの契約者になる。したがって、受託の仕事で複数のBacklogに入っている人が悩むのは費用ではなく、行き来の手間だけになる。逆に、自社でスペースを2つ持つ判断をする場合は、2つ分の契約になる点を先に見ておく。

なお、フリープランはユーザー10人とプロジェクト1つまでという範囲になる。小さく始めて、プロジェクトを分けたくなった時点で上のプランを見る流れになる。1つのプロジェクトに複数の案件を詰めると課題の一覧が読みにくくなるので、案件が2件目に入る時点が切り替えの目安になる。

案件ごとに入り口を分けて、開いたまま並べる

ここまでで、残る課題は1つに絞られた。スペースが複数あることは避けられず、横断して見る手段も用意されていない。つまり、毎日の行き来そのものを軽くする以外に手がない。

ブラウザのタブを並べる方法には限界がある。タブが増えるとどれがどのスペースなのか見分けがつかなくなり、通知の印も混ざる。加えて、同じブラウザで別のアカウントを使う必要がある場合、Backlog以外のサービスで資格情報が混ざる場面も出てくる。

案件ごとに独立した入り口を持たせる作り方だと、この2つが同時に片付く。アプリごとに独立したワークスペースという考え方が何を指すのかはワークスペースのページで説明されている。何をどこまでまとめられるのかはできることのページで確かめられる。Backlog以外の業務のWebサービスも同じ形で並べられるかは使えるアプリの一覧で見られる。

同じ用途の製品を比べる材料も公開されている。Waveboxとの比較とShiftとの比較のページには、軸ごとの違いが並んでいる。無償で使える範囲を含めた費用の条件は料金のページ、導入前に出やすい疑問はよくある質問にまとまっている。

最後に、入り口を分けるときの目安を1つ置いておく。分ける単位は、取引先でもプロジェクトでもなく、スペースにそろえるのが読みやすい。Backlogの仕切りがURLで入っているので、その仕切りと同じ単位で窓を割り当てると、どこを見ているのかが一致する。仕切りの単位を自分で作り替えると、慣れるまでのあいだ取り違えが増える。公式の構造に合わせておくほうが、後から人に引き継ぐときも説明が短くて済む。

よくある質問

Backlogで取引先ごとに別のアカウントを作る必要はありますか?

必要はありません。公式ヘルプには、1つのヌーラボアカウントで複数のBacklogスペースにログインできると書かれています。招かれる側が用意するのは招待を受け取るメールアドレスだけになります。すでに2つのアカウントを持っている場合は、どちらか一方に招待を集めるほうが権限の見直しが楽になります。

複数のスペースの課題を1つの画面でまとめて見られますか?

スペースはURLごとに仕切られた場所として作られているため、横断して一覧する手段は用意されていません。通知もスペースごとに分かれます。見落としが通知で起きているのか一覧で起きているのかを切り分けて、受け取り方か開き方のどちらかを変える形で対処します。

招かれる側にも料金はかかりますか?

かかりません。Backlogの料金ページでは課金の単位がスペース単位と示されているため、支払うのは各スペースの契約者になります。取引先のスペースに複数参加していても、参加する側の負担は増えません。自社でスペースを2つ持つ場合は、2つ分の契約になります。

フリープランではどこまで使えますか?

公式の料金ページでは、フリープランは最大10ユーザー、プロジェクトは1つまでと示されています。有料のスターターは月額2,700円で30人と5プロジェクト、容量1GBという内容になります。全プランに30日間の無料お試しが用意されているので、プロジェクトを分けたくなった時点で試す流れが取れます。

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