ブックマークをバックアップする|壊れても戻せる形で残しておく
ブックマーク バックアップを調べている人の多くは、同期をオンにしているから大丈夫だと思っていた直後につまずいている。プロファイルを作り直したら消えた、同期の相手を間違えて上書きした、会社のアカウントから抜けたら一緒に消えた。どれも同期が正常に動いた結果として起きる。ここでは、同期と控えがどう違うのかをはっきりさせたうえで、書き出す手順、保管する場所、戻す手順、複数アカウントで使っている場合の注意点を順に示す。読み終えた時点で、今日から月に1回動かせる手順が決まる状態を目指す。
同期は控えではない
最初に押さえたいのは、同期と控えが別の役割を持っていることになる。
同期は、複数の端末の状態を同じにする仕組みだ。ある端末でブックマークを削除すると、その削除もほかの端末へ運ばれる。つまり、消えた状態が正しく複製される。控えは、ある時点の中身を別の場所に固定して残す仕組みで、あとから消した操作の前に戻せる。この2つを混ぜると、同期しているのに消えたという状況になる。
手元の説明としては、次のような整理が分かりやすい。
そして、ここで説明しますブックマークのバックアップ(エクスポート)は、Google Chrome上でなく別の所へ保管することを指します。 出典: jemtc-study.net
ブラウザの中に置いたままのものは、ブラウザが壊れたときに一緒に失われる。ブラウザの外に出したファイルだけが控えになる。同じ考え方は、別のアカウントへ移すときにも効いてくる。書き出したファイルがあれば、別のアカウントに同じ並びを読み込める。
Chromeで書き出す
Chromeの書き出しは、ブックマークマネージャから行う。Googleが公開している手順は次の通りになる。
- パソコンでChromeを開く
- 右上のその他アイコンから、ブックマークとリスト、ブックマークマネージャを選ぶ
- 上部のその他アイコンから、ブックマークをエクスポートを選ぶ
これでブックマークがHTMLファイルとして書き出される。このファイルは1つのHTMLで、開くとリンクの一覧として表示される。中身がテキストなので、容量は数百KB程度にとどまることが多い。写真や動画と違って場所を取らないため、控えを何世代も残しておける。
書き出したファイルの名前は、既定では日付が入った形になる。あとから見返すときに世代が分かるよう、ファイル名の先頭に年月日を付けて統一しておくと並び順で最新が分かる。月1回の頻度で書き出し、直近の3世代だけ残す形にすると、置き場所が増えすぎない。
読み込むとどこに入るかを知っておく
戻す手順で迷いやすいのは、読み込んだブックマークがどこに現れるかになる。ここはGoogleが場合分けを示している。
読み込みそのものは2つの入口がある。1つは、右上のその他アイコンからブックマークとリスト、ブックマークと設定をインポートを選び、ファイルを選択する形だ。もう1つはブックマークマネージャから入る形で、左上の管理をクリックし、プルダウンメニューでHTMLファイルからブックマークをインポートを選び、保存したHTMLファイルをアップロードする。
現れる場所は、読み込む前の状態で変わる。Chromeにそれまでブックマークがなかった場合、読み込んだブックマークはブックマークバーに表示される。すでにブックマークがある場合は、ブックマークバーの最後にあるその他のブックマークというフォルダに追加される。Googleの説明では、インポートしたブックマークという名前の新しいフォルダに入る場合も示されている。
つまり、戻したのに見当たらないという状況は、多くの場合フォルダの奥に入っているだけになる。ブックマークマネージャを開いて、左側のフォルダの一覧を下まで見るのが先になる。同じファイルを2回読み込むと同じ項目が二重に並ぶため、読み込む前に今の状態を書き出しておくと、失敗しても元に戻せる。
SafariとFirefoxの入口
Macで複数のブラウザを併用している場合、それぞれの入口を知っておくと移し替えが早い。
SafariはAppleのユーザガイドに手順が載っている。ファイル、ブラウザから読み込む、Google Chromeの順に選ぶ形で、Firefoxを選ぶこともできる。この操作はSafariの使用を開始した後ならいつでもでき、項目を読み込んだことがある場合でも可能とされている。読み込むにはChromeまたはFirefoxがMacにインストールされている必要がある。HTML形式で書き出されたブックマークを読み込むこともできるため、Chromeから書き出したファイルをそのまま渡せる。
読み込んだ結果の並び方も公開されている。読み込まれたブックマークは既存のブックマークの後に表示され、読み込まれた履歴は既存の履歴と共に表示される。読み込まれたパスワードはiCloudキーチェーンに保管される。
Firefoxは、ブックマークの管理画面から戻す形になる。
- ブックマークボタン( )を押します。 2. 1番下の「すべてのブックマークを表示」をクリックします。 3. 「インポートとバックアップ」をクリックし「復元」「ファイルを選択」をクリックします。 出典: rescue-center.jp
同じインポートとバックアップのメニューの中に、HTMLとして書き出す項目も並んでいる。ブラウザをまたいで持ち運ぶならHTML、Firefoxの中で世代を残すなら専用の形式という使い分けになる。
置き場所は2か所に分ける
書き出したファイルを、書き出したMacのデスクトップに置いたままにすると、控えの役に立たない。そのMacが壊れたときに一緒に失われる。
置き場所は2か所に分けるのが基本になる。1つはそのMacの中で、Time Machineの対象に入るフォルダだ。Time Machineは外付けのストレージデバイスにファイルを自動でバックアップする仕組みで、USBドライブやThunderboltドライブをMacの適切なポートに接続して使う。Appleはバックアップディスクの容量について、Macのストレージ容量の2倍以上を用意するよう案内している。書類フォルダの中に控え用のフォルダを作っておけば、日々のバックアップに自動で乗る。
もう1つは、そのMacの外だ。クラウドストレージのフォルダに置くか、外付けディスクに置く。どちらでも構わないが、ブラウザの同期とは別の系統にするのが要点になる。ブラウザのアカウントに紐づく場所に置くと、アカウントごと失ったときに控えも一緒に消える。
バックアップの頻度は、Time Machineの設定で変えられる。Time Machineメニューから設定を開き、オプションをクリックしてバックアップ頻度のメニューから選ぶ形になる。初回のバックアップは予想以上に時間がかかることがあるが、その後は前回のバックアップ後に変更されたファイルだけが対象になる。
アカウントを分けて使っている人がつまずくところ
ブックマークが消えたという相談で多いのは、実は消えていないという場合になる。見ている場所が違うだけだ。
ChromeやSafariは、プロファイルという単位で中身を分けて持てる。仕事用のアカウントと個人用のアカウントでプロファイルを分けていると、ブックマークも履歴もパスワードも別に保管される。仕事用のプロファイルで作ったブックマークは、個人用のプロファイルには出てこない。この状態で書き出すと、開いているプロファイルの分だけが書き出される。控えを取るときは、プロファイルの数だけ書き出す必要がある。
会社のアカウントを使っている場合は、もう1つ注意がある。組織の管理下にあるアカウントでは、退職や契約の終了でアカウントが無効になると、そのプロファイルに紐づいた同期の中身に手が届かなくなる。仕事に必要なリンクを個人の判断で持ち出していいかは組織の規定に従う話になるが、少なくとも自分で作った分類の構造を失うことは避けたい。組織の規定の範囲で、自分のアカウントに属する分を書き出しておく判断になる。
プロファイルを複数使っている環境では、どのプロファイルで開いているのかが見えにくいことも問題になる。同じChromeのアイコンから開いた窓が2つ並んでいると、見た目で区別が付かない。書き出す前に、右上のプロファイルのアイコンで今どのアカウントにいるかを確かめる工程を入れると、取り違えを防げる。
書き出したファイルが本当に使えるか確かめる
控えを取ったつもりで、中身が空だったという失敗は珍しくない。取ったあとに1分だけ確かめる工程を入れると、この失敗は消える。
確かめ方は2つある。1つは、書き出したHTMLファイルをブラウザで開くことだ。リンクの一覧が並んだページとして表示され、フォルダの構造も見出しとして残っている。目当てのフォルダが並んでいるかを上から下まで眺めれば、抜けがあるかどうかは分かる。開いても白紙のままなら、書き出しが途中で止まっている。
もう1つは、ファイルの容量を見ることだ。リンクが数百件ある環境で、容量が数KBしかないなら中身が足りていない。前の世代のファイルと容量を並べて、大きく減っていないかを見る形が簡単になる。前の月より減っている場合は、消したフォルダがあったか、別のプロファイルで書き出したかのどちらかになる。
確認まで含めて手順にしておくと、いざ戻すときに初めて壊れていたと気付く事態を避けられる。控えは、取った瞬間ではなく戻せたときに完成する。
消えたときの復元は、順番を間違えない
すでに消えてしまった状態から戻す場合、手を動かす順番で結果が変わる。
最初にすることは、今の状態を書き出すことになる。中身が減っていても、消えていない分は残っている。ここで控えを取らずに古いファイルを読み込むと、残っていた分と読み込んだ分が混ざり、どちらが新しいのか分からなくなる。作業用の控えを1つ作ってから始めると、何度でもやり直せる。
次に、同期を一時的に切る判断がある。同期がオンのままだと、戻す途中の状態がほかの端末へ運ばれる。ほかの端末に正しい並びが残っている可能性があるときは、その端末の同期を先に切って中身を守るほうが先になる。正しい並びが残っている端末を見つけたら、その端末で書き出せば控えが手に入る。
最後に、読み込む世代を選ぶ。直近のファイルが壊れているなら、1つ前の世代を使う。世代を残しておく意味はここにある。読み込んだあとは二重になった項目を整理する作業が残るが、失われた状態から作り直すより短く済む。
リンクを探す時間そのものを減らす
控えを取る話と並べて考えたいのが、ブックマークが増え続ける理由になる。
毎日使うWebアプリの入口をブックマークで管理していると、数はどこまでも増える。Gmail、Slack、Notion、Claudeのように1日に何十回も開く画面は、探すためのリンクではなく置き場所として扱ったほうが早い。ブックマークの中から目で探す工程は、項目が増えるほど時間がかかる。
対象をリンクから窓に移すと、この部分が探す問題ではなく指定する問題に変わる。Webアプリを1枚のタブではなく1つの窓として置く考え方はワークスペースに整理されている。アプリごとに独立したワークスペースを持たせると、仕事用と個人用のGmailが別の窓として同時にログインしたまま並ぶため、ブックマークから開き直す往復が減る。通知の集め方やアプリごとの拡大率の扱いはできることにまとめられている。
ブラウザを1つに絞るか、用途で分けるかを決めるなら、項目ごとに並べたWaveboxとの比較とFerdiumとの比較が材料になる。手元のサービスが対象に入っているかは使えるアプリで照らし合わせられ、無料で使える範囲と有料になる線は料金で確かめられる。控えを取る手順を月に1回動かしつつ、毎日開く画面はブックマークの外に出す。この2つを分けて置くと、消えても戻せる状態と、探さずに開ける状態が同時に成り立つ。
よくある質問
同期をオンにしていれば、バックアップは要りませんか?
別の役割なので要ります。同期は複数の端末の状態を同じにする仕組みで、削除の操作もそのまま複製されます。ある端末で消したブックマークは、ほかの端末からも消えます。控えは、ある時点の中身をブラウザの外に固定して残すもので、消した操作より前の状態に戻せます。書き出したHTMLファイルがあれば、別のアカウントに同じ並びを読み込むこともできます。
Chromeのブックマークはどこから書き出しますか?
ブックマークマネージャから書き出します。右上のその他アイコンからブックマークとリスト、ブックマークマネージャを選び、上部のその他アイコンからブックマークをエクスポートを選ぶ順番です。ブックマークがHTMLファイルとして書き出され、そのファイルを別のブラウザに読み込むこともできます。中身はテキストなので容量は小さく、世代を複数残しても場所を取りません。
戻したのにブックマークが見つかりません。どこにありますか?
フォルダの中に入っていることが多くあります。Chromeにそれまでブックマークがなかった場合はブックマークバーに表示されますが、すでにブックマークがある場合は、ブックマークバーの最後にあるその他のブックマークというフォルダに追加されます。インポートしたブックマークという名前のフォルダに入る場合もあります。ブックマークマネージャを開き、左側のフォルダの一覧を下まで確かめてください。
仕事用と個人用でアカウントを分けています。何に注意すればよいですか?
プロファイルごとに書き出す必要があります。ChromeやSafariはプロファイル単位でブックマークや履歴を分けて保管するため、開いているプロファイルの分だけが書き出されます。書き出す前に右上のプロファイルのアイコンで今どのアカウントにいるかを確かめてください。組織の管理下にあるアカウントは、無効になると同期の中身に手が届かなくなるため、規定の範囲で控えを残す判断が必要になります。