Braveブラウザが怪しいと感じたとき|Macで選べる代わりの候補

Braveブラウザが怪しいと言われる理由は、主に3つです。広告を消すブラウザなのに独自の広告と暗号資産(BAT)の仕組みを持っていること、2018年と2020年に批判を受けた出来事があったこと、そして日本では提供元の会社があまり知られていないことです。結論から言うと、Braveの広告は公式の説明で仕組みと止め方が公開されており、過去の2件も提供元が誤りを認めて直しています。一方で、既定の設定のまま使うと新しいタブにスポンサー画像が出るなど、気にする人には気になる部分も実際にあります。この記事では、公式の資料で確かめられる事実と、好みで決めるしかない部分を分け、不安が残る場合にMacで選べる代わりの候補を並べます。なお、このサイトはWebアプリをまとめるブラウザの開発元が運営しています。

怪しいと感じる理由を分けて確かめる

「怪しい」という感覚は、いくつかの別々の理由が重なってできています。どれに引っかかっているかで、確かめる方法も、乗り換えるべきかどうかも変わります。

  • 収益の仕組みが見えない。広告をブロックするブラウザを無料で配って、どこで利益を出しているのかが分からない
  • 暗号資産が組み込まれている。BAT(ベーシックアテンショントークン)を受け取る機能があり、投資の勧誘のように見える
  • 過去の出来事。寄付の画面と、アドレスバーの補完で批判を受けた件がある
  • 提供元をよく知らない。米国の会社で、日本語の情報が少ない

提供元については、Braveの会社案内に、2015年にJavaScriptの生みの親でMozillaの共同創業者でもあるBrendan Eich氏と、Brian Bondy氏が共同で創業したと書かれています。同じページの年表には、2017年にBATのトークン販売で3,500万ドルを調達したこと、2018年にデスクトップ版をChromiumを基盤にした版で出したことが載っています(出典: Brave「About」)。素性の分からない会社というわけではありませんが、暗号資産と深く関わる会社であることは事実です。この点をどう受け止めるかは、次の節の仕組みを読んでから判断するのが確実です。

広告とBATの仕組みは公式に説明されている

Braveの日本語の公式ページには、すべてのWebページから広告やトラッカーを標準でブロックすること、Brave独自の広告を見るかどうかは利用者が選べること、見ることに同意した場合にBATで報酬を受け取れることが書かれています(出典: Brave Rewards)。

同じページのよくある質問によると、Braveの広告が表示される場所は3か所です。

表示される場所 既定の状態 止め方
プッシュ通知の広告 オプトイン(自分で有効にしたときだけ) 無効にするか、表示頻度を0にする
Braveニュースのスポンサーカード Braveニュースを有効にすると表示される 現時点ではニュースの広告だけを消すことはできない
新しいタブのスポンサー画像 標準で表示される 新しいタブの「カスタマイズ」で「スポンサー画像を表示する」を切り替える

プッシュ通知の広告は、有効にした場合でも標準で1時間に最大5回までで、1回から10回の間で変えられると説明されています。Brave Rewardsを有効にするには、アドレスバーにあるBATのアイコンを押します。つまり、何もしなければ暗号資産の受け取りは始まりません。

Braveを広告ブロッカーとしてだけ使い、Rewardsを有効にせず、新しいタブのスポンサー画像を切っておけば、Braveの広告にも暗号資産にも触れずに使えます。逆に、そこまでの設定を自分で確かめるのが面倒だと感じるなら、それ自体が乗り換えを考える十分な理由になります。

過去の2つの出来事と、Braveの対応

不信の根拠として挙げられることが多いのは、次の2件です。

1件目は2018年12月の寄付の画面の件です。Brave Rewardsのチップの画面に、Braveのプログラムに登録していない制作者まで表示されていたことが批判を受けました。Braveは公式ブログで謝罪しています。

We apologize for the errors showing unverified creators in the Brave Rewards tipping panel, and look forward to sharing an improved system with you. 出典: brave.com

同じ記事では、翌日から未登録の制作者であることを画面にはっきり示すこと、未登録の制作者のYouTubeやTwitchの画像を表示しないことを発表しています。

2件目は2020年6月のアドレスバーの補完の件です。暗号資産の取引所のURLを入力すると、補完された行き先に紹介コードが付いていたことが見つかりました。報道によると、Eich氏はこれを直すべき誤りだと認め、「入力されたURLは、何も付け加えずにそのドメインへ行くべきだ」と説明して謝罪しています(出典: The Block)。

この2件を読んで、「誤りを認めてすぐに直したのだから問題ない」と判断する人もいれば、「収益につながる動作を既定で入れる考え方が合わない」と判断する人もいます。どちらの読み方も成り立ちます。後者に近いと感じたなら、乗り換えを考えるのは自然です。

Macで選べる代わりの候補

乗り換え先を選ぶときは、広告やトラッカーの防ぎ方、基盤の技術、提供元の収益の形の3つで比べると、Braveのどこが合わなかったのかと照らし合わせやすくなります。

候補 追跡や広告への対策 基盤 提供元
Safari 「サイト越えトラッキングを防ぐ」を設定で選べる WebKit Apple
Firefox Total Cookie Protectionが標準で有効 Gecko Mozilla
Vivaldi 広告とトラッカーのブロッカーを内蔵 Chromium Vivaldi Technologies
Chrome 拡張機能を自分で選ぶ Chromium Google

Safari

Macに最初から入っていて、iPhoneとブックマークやパスワードを共有している人にとっては、もっとも手間のかからない選択肢です。Appleのユーザガイドによると、「Safari」メニューの「設定」から「プライバシー」を開き、「サイト越えトラッキングを防ぐ」を選ぶと、第三者のコンテンツ提供元がサイトをまたいで利用者を追跡するのを止められます(出典: MacのSafariでサイト越えトラッキングを防ぐ)。広告そのものを消したい場合は、App Storeでコンテンツブロッカーの機能拡張を入れます。

Firefox

ChromiumでもWebKitでもない、Geckoという独自の基盤を持つブラウザです。Mozillaの公式ブログによると、Firefoxはサイトごとに別の「クッキーの入れ物」を作るTotal Cookie Protectionを標準で有効にしており、あるサイトが保存したクッキーを他のサイトから読めないようにしています(出典: Mozilla Blog)。暗号資産と無関係で、非営利の団体が母体であることを重視する人に向きます。

Vivaldi

BraveからChromiumの使い勝手をそのまま持ち込みたい人の候補です。公式サイトには、広告とトラッカーのブロッカーを内蔵していること、同期するデータをエンドツーエンドで暗号化していることが書かれています(出典: Vivaldi)。Chromiumが基盤なので、Braveで使っていたChromeウェブストアの拡張機能の多くがそのまま使えます。

Chrome

ブロックの強さは入れる拡張機能で決まるので、何を入れるかを自分で管理したい人に向きます。BraveもChromeもChromiumが基盤のため、ブックマークや拡張機能の引き継ぎはもっとも簡単です。

何を怪しいと思ったかで、乗り換え先は変わる

最初の節で分けた理由ごとに、向いている乗り換え先をまとめます。ここを取り違えると、乗り換えたのに同じ不満が残ります。

  • 暗号資産が組み込まれていることが気になるなら、Safari、Firefox、Vivaldi、Chromeのどれでも解決します。どれもトークンの仕組みを持っていません
  • 無料である理由が分からないことが気になるなら、Apple製品の一部であるSafariか、非営利の団体が母体のFirefoxが、収益の形を説明しやすい候補です
  • 過去の出来事のような「既定でそうなっている」動作が気になるなら、設定の画面を一通り開いて、既定で有効になっている項目を自分で確かめる習慣のほうが効きます。どのブラウザでも、既定の設定は提供元が決めています
  • 広告のブロックを手放したくないなら、内蔵のブロッカーを持つVivaldiに移るか、Safari、Firefox、Chromeでブロッカーの拡張機能を入れる前提で選びます

もう1つ、Braveを複数のアカウントを分けるために使っていた人もいます。たとえば、仕事のGmailをBraveで、個人のGmailをSafariで開く、という使い分けです。この使い方の不満は、ブラウザを替えても解決しないことが多く、ログイン状態をサービスごとに分けて保つ道具のほうが向いています。Webアプリごとに独立したログイン状態を持たせる考え方はワークスペースにまとまっていて、似た道具との違いはSidekickとの比較で確かめられます。無料で1つのワークスペースに3つのアプリまで使える製品もあり、条件は料金に載っています。

乗り換えるときの手順

ブラウザの乗り換えが途中で止まる原因は、たいてい手順の順番です。次の順に進めると、パスワードやブックマークを失わずに移れます。

  • 移る先のブラウザを先に入れて、ブックマーク、パスワード、履歴を取り込む。取り込みが終わるまでBraveは消さない
  • macOSの「システム設定」の「デスクトップとDock」で、右側を下にスクロールし、「デフォルトのWebブラウザ」を移る先に切り替える(出典: Macでデフォルトの Web ブラウザやメールアプリを変更する)。これを忘れると、メールやチャットから開いたリンクだけがBraveで開き続ける
  • 拡張機能は、毎日使うものから入れ直す。最初に全部を入れると、表示が崩れたときに原因を切り分けにくい
  • Braveの同期を使っていた場合は、使わないと決めた時点で同期を解除しておく

最初の2週間ほどは、Braveを消さずに残しておくと安心です。その間にBraveを開く回数がほとんどなくなれば、乗り換えは終わっています。何度もBraveに戻ってしまうなら、どの作業でBraveが必要になったのかを書き出すと、移る先で足りない機能や設定が分かります。

よくある質問

Braveブラウザはウイルスや詐欺のソフトですか?

いいえ。Braveは米国のBrave Software, Inc.が開発しているブラウザで、Chromiumを基盤にしています。公式サイトからダウンロードしたものであれば、不正なソフトではありません。怪しいと言われる主な理由は、独自の広告と暗号資産のBATの仕組みを持っていることと、2018年と2020年に批判を受けた出来事があることです。

Braveを使うと勝手に暗号資産の取引が始まりますか?

始まりません。公式の説明では、Brave Rewardsはアドレスバーにある BAT のアイコンを押して自分で有効にしたときだけ動きます。プッシュ通知の広告もオプトイン方式です。ただし、新しいタブのスポンサー画像は標準で表示されるので、気になる場合は新しいタブの「カスタマイズ」で切り替えてください。

Braveの広告をすべて消すことはできますか?

プッシュ通知の広告は無効にでき、新しいタブのスポンサー画像も設定で消せます。Braveニュースのスポンサーカードは、Braveニュースを有効にしている間は現時点では消せないと公式に説明されています。Braveニュースを使わなければ、表示されることはありません。

Braveから乗り換えるならどのブラウザが手間が少ないですか?

Chromiumを基盤にしたVivaldiやChromeは、Braveと同じ拡張機能の多くが使え、ブックマークやパスワードの取り込みも簡単です。MacとiPhoneを一緒に使っているならSafari、暗号資産や営利企業との関わりを避けたいならFirefoxが候補です。乗り換え後は、macOSの「デフォルトのWebブラウザ」を切り替えるのを忘れないでください。

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