Braveの使い方を仕事用に整える|Macでの設定の順番

Braveの使い方を調べる人は、だいたい2つの入口から来ます。広告やトラッカーの遮断を目当てに入れてみたものの設定の場所が分からない場合と、Chromeから乗り換えたあとで仕事の置き方が定まらない場合です。前者は数分で片が付きますが、後者は設定画面をいくら眺めても終わりません。Gmail、Slack、Notion、管理画面、生成AIの画面を毎日行き来している人にとって、ブラウザを替えて本当に変わる部分と、替えても変わらない部分ははっきり分かれているからです。ここでは、入れた直後に触る設定から、複数アカウントの分け方、同期、費用の境目までを順番に整理します。

Braveに替えて変わる部分と、変わらない部分

BraveはChromiumを土台にしたブラウザです。土台が同じなので、Chromeで使っていた拡張機能や、ブックマーク、保存したパスワードはそのまま持ち込めます。キーボード操作もChromeとほぼ共通で、乗り換えの学習コストは低いほうに入ります。

替えて明確に変わるのは、広告とトラッカーの扱いです。Braveは遮断の仕組みをブラウザ本体に組み込んでいて、拡張機能を入れなくても最初から動きます。Brave自身は、その仕組みについてこう説明しています。

Braveブラウザにネイティブに組み込まれているので拡張機能は必要ありません。また、ShieldsはオープンソースのChromiumコードベースに直接組み込まれているため、MV2やMV3に依存することはありません。 出典: brave.com

拡張機能の規格が入れ替わっても遮断の機能が道連れにならない、という設計です。ページの表示は軽くなり、読み込みの待ち時間も短くなります。

一方で、替えても変わらない部分があります。毎日戻るWebアプリを20枚も30枚もタブに積んでおく、という置き方そのものです。タブは本数が増えるほど1本あたりの幅が縮み、10本を超えたあたりで文字が読めなくなります。同じサービスのタブが横に並んだ瞬間、目当ての1本を選ぶ手がかりは消えます。これはブラウザの銘柄ではなく、タブという入れ物の性質から来ているので、Braveに替えても同じ形で残ります。使い方を整えるというのは、この2つを切り分けて、それぞれ別の手で対処することです。

入れた直後に触る設定は3つでよい

設定画面は項目が多く、上から順に見ていくと途中で力尽きます。仕事で使うなら、先に決めるべきものは3つに絞れます。

1つ目は遮断の強さです。アドレスバーの右側にあるライオンの印から、開いているサイトだけ遮断を弱めたり、切ったりできます。社内の勤怠システムや、古い作りの取引先の管理画面は、遮断が効きすぎてボタンが反応しないことがあります。そのたびに全体の設定を下げるのではなく、そのサイトだけ下げるのが後腐れのないやり方です。全体を強くして、詰まったサイトだけ個別に緩めるという順番にしておくと、あとで原因を探しやすくなります。

2つ目は既定の検索エンジンです。Braveは自社の検索を既定に置いていますが、設定画面から他の検索に変えられます。仕事で特定の検索の演算子や、社内で共有されている検索リンクに依存している場合は、ここを最初に合わせておくと混乱が減ります。

3つ目は起動時に開くページです。毎朝同じ5枚を開くなら、起動時に前回のタブを復元する設定にするか、決まったページの組を開く設定にしておきます。ここを決めないまま使い続けると、朝の最初の数分が毎日「昨日の画面を探す時間」で消えます。

補足として、乗り換えた直後に確認しておくと手戻りが減る項目がもう1つあります。既定のブラウザをどれにするかです。macOSの設定で既定を切り替えないままにしておくと、メールやチャットから開いたリンクだけが以前のブラウザで開き、同じサイトに2つのブラウザから別々のアカウントでログインしている状態になります。取引先の管理画面でこれが起きると、どちらの窓で作業していたのかが分からなくなります。試用の期間を置くなら、既定は変えずに手で開く運用にして、本採用を決めた時点で切り替えるほうが混乱しません。

この3つを決めたあとは、必要が出るまで設定画面を開かない、という運用で困りません。残りの項目は、実際に不便が出たときに、その症状で検索したほうが早く片が付きます。

同じサービスを2つのアカウントで開く

仕事で一番詰まるのは速度ではなく、同じサービスに複数のアカウントで入る場面です。取引先ごとの管理画面、仕事用と個人用のGmail、複数のワークスペースを持つチャットなどが該当します。ここは設定の調整では解決しません。保存領域そのものを分ける必要があります。

Braveは2026年7月にコンテナという仕組みを入れました。Brave自身の説明では、次のような機能だとされています。

クッキーやストレージがコンテナ外と共有されないように、タブ同士を分離するための機能 出典: brave.com

Windows、macOS、Linuxのデスクトップ版のBrave 1.92に標準で入っており、既定でPersonal、Work、Social、Schoolという区分が用意されています。タブを右クリックして開く先のコンテナを選ぶ形なので、窓を増やさずにタブ単位で分けられます。

もう1つ、Chromiumの標準機能であるプロファイルも使えます。こちらは窓ごと分かれるので、Dockのアイコンから別々に呼び出せて、間違えて別のアカウントで送信する事故が起きにくくなります。タブ単位で細かく分けたいならコンテナ、窓ごと物理的に分けたいならプロファイル、という使い分けになります。3つ以上のアカウントを抱えている場合は、窓ごと分かれるほうが取り違えは減ります。

同期は「アカウント」ではなく「チェーン」で動く

Chromeから移ってきた人が最初に戸惑うのが同期です。Braveにはサインインするアカウントがありません。代わりに、端末どうしをつなぐ「同期チェーン」という考え方を採っています。

1台目で同期を有効にすると24語のコードが表示され、それを2台目に入力するか、QRコードを読み取ると、その2台が同じチェーンに入ります。ブックマーク、パスワード、開いているタブなどが端末間で共有されます。通信は端末側で暗号化され、鍵は利用者の手元にあるため、Brave側のサーバーは中身を見られない作りだとされています。

実務で覚えておく価値があるのは2点です。1点目は、24語のコードを失うと、他の端末から入り直す手段がなくなることです。アカウントが無いということは、パスワード再設定の窓口も無いということです。コードは端末とは別の場所に控えておくのが安全です。

2点目は、同期は複製ではなく共有だということです。片方の端末でブックマークを整理して消すと、もう片方からも消えます。自宅のMacで夜に片付けた資料が、翌朝の会社のMacから消えている、という形の事故が起きます。整理のつもりの操作が、別の端末に対する削除になっている点は意識しておく必要があります。

無料のまま使える範囲と、費用が出る範囲

Braveは本体が無料で、付属する機能の一部が有料です。境目を先に知っておくと、あとで「使おうとしたら有料だった」という手戻りが減ります。

機能 無料の範囲 費用
広告とトラッカーの遮断 制限なし 無料
同期 制限なし 無料
生成AIの補助機能 基本の利用は無料 上位版は有料
ビデオ通話 主催は4人まで、回数と時間の制限なし 5人以上は有料
VPNとファイアウォール なし 月額と年額の2種類

ビデオ通話は、主催する側が4人までなら無料で、通話の回数にも長さにも制限がありません。社内の短い打ち合わせなら、これで足りる場面があります。5人以上を集める場合や、録画を残す場合は有料の契約が必要です。

VPNとファイアウォールは、公式ページの表示で月9.99ドル、年払いなら年99.99ドルで、1つの契約が10台まで対象になります。ブラウザの中だけでなく端末全体を対象にする点が、他のブラウザに付属する簡易なものとは違います。すでに会社でVPNを契約しているなら重複するので、入れる前に確認したほうがよい項目です。

通知の許可を、どこで管理しているかを把握する

Webアプリを何枚も抱えていると、通知が二重に管理されている状態になりがちです。ブラウザ側でサイトごとに許可した通知と、macOS側の通知センターの設定が、それぞれ別に効いているためです。片方を切っても鳴り続ける、あるいは両方切っていて重要な連絡に気づかない、という食い違いはここから生まれます。

Braveでも、サイトが通知を出そうとすると許可を求める表示が出ます。ここで反射的に許可を押し続けると、数か月後には許可の一覧が読み切れない長さになります。設定画面のサイトの権限から一覧を確認して、実際に鳴ってほしいものだけを残すのが手入れの基本です。そのうえで、macOS側の通知センターで、ブラウザからの通知をどう扱うか(バナーで出すか、通知センターにためるか、集中モード中は止めるか)を決めます。

もう1点、裏に回ったタブは資源を節約するために動きが抑えられます。常時つながっていてほしいチャットや監視画面をタブの奥に沈めておくと、通知が遅れたり、戻ったときに読み込み直されたりします。鳴ってほしいものほどタブの中に置かない、という判断が必要になる場面があります。

設定を詰めても残る部分を、窓の割り当てで扱う

ここまでの設定を全部決めても、毎日戻るWebアプリが10枚を超えると、探す手間は残ります。原因は設定ではなく、macOSが整理の対象にしているのがウィンドウであってタブではない、という点にあります。Mission Controlも、アプリの切り替えも、Dockも、すべてウィンドウとアプリを単位にしています。タブに沈めている限り、OS側が用意した仕組みは一切効きません。

この食い違いに正面から手を付けているのが、Webアプリをそれぞれ独立した場所に置く種類のブラウザです。アプリごとに独立したワークスペースを持つ作りでは、常時つながっていてほしいアプリは眠らされない場所に固定され、素のブラウザ側は調べものと重いページのために空けておけます。何を単位として分けられるかはできることに、案件や役割ごとに面を丸ごと切り替える仕組みはワークスペースにまとまっています。作業中にコマンドを叩く人向けのターミナルのように、切り替えの回数そのものを減らす方向の機能もあります。

同じ発想の道具は複数あり、通知の扱い、対応するOS、料金の考え方が違います。自分の詰まりが遮断の設定なのか、アカウントの取り違えなのか、探す手間なのかで選ぶ相手が変わるため、Waveboxとの比較Ferdiumとの比較のように、機能の差を1つずつ並べた資料を見てから決めると、乗り換えたあとの後悔が減ります。手持ちのサービスが対象に入っているかは使えるアプリで、費用の目安は料金で確認できます。

Braveの設定は、遮断の強さと、アカウントの分け方と、同期の3つを決めればほぼ終わります。そこまで詰めたうえでまだ手が止まるなら、直すべきはブラウザの中の設定ではなく、Webアプリをどこに置いているかのほうです。

よくある質問

BraveにChromeの拡張機能はそのまま入りますか?

BraveはChromiumを土台にしているため、Chromeウェブストアで配布されている拡張機能を入れられます。ブックマークや保存したパスワードもChromeから取り込めます。ただし広告やトラッカーの遮断はBrave本体に組み込まれているので、その用途の拡張機能は重ねて入れなくても動きます。

同じサービスを2つのアカウントで同時に開くにはどうしますか?

タブ単位で分けるならコンテナ、窓ごと分けるならプロファイルを使います。コンテナはBrave 1.92からmacOSを含むデスクトップ版に標準で入っており、クッキーやストレージがコンテナの外と共有されない作りです。取り違えを確実に避けたい場合は、窓ごと分かれるプロファイルのほうが安全です。

同期コードを無くすと、どうなりますか?

Braveにはサインインするアカウントが無いため、パスワード再設定にあたる復旧手段がありません。24語のコードを失うと、そのチェーンに新しい端末を追加できなくなります。すでにつながっている端末が1台でも残っていればそこからコードを再表示できるので、全台を初期化する前に確認してください。

Braveを入れると費用はかかりますか?

ブラウザ本体、遮断の機能、同期は無料です。費用が出るのは、5人以上のビデオ通話や録画、そしてVPNとファイアウォールの契約です。VPNは公式ページの表示で月9.99ドルまたは年99.99ドルで、1契約が10台まで対象になります。

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