ブラウザの電池消費を抑える|どのタブが減らしているか
ブラウザ 電池 消費で調べると、タブを閉じる、同期を切る、省電力の設定を入れるという手順が並ぶ。どれも間違いではないが、順番が逆になっている。先に何が減らしているかを絞れば、当てる手が1つか2つに決まる。Macには測る道具が最初から入っているので、推測で設定を触る必要はない。ここでは見る画面と列を指定し、そこから原因のタブを特定し、当てる設定を選ぶまでを順に並べる。
減っている量と減らしている相手は測れる
質問の形として多いのは、何をすると減るのかを具体的な数字で知りたいというものだ。実際にそう問われている例がある。
ブラウザのバッテリー消費量について質問です。Yahooで10分調べごとをするのと、YouTubeで10分動画を見るのではどちらの方がバッテリーを消費するか検証していただきたいです。 推測ではなく、実際に検証していただき具体的な数字が知りたいです。お願いします。 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
この問いに他人の環境の数字で答えても、自分の機材では違う値が出る。だから自分のMacで測る。アクティビティモニタを開き、「エネルギー」をクリックすると、アプリごとの状況が並ぶ。
見る列は4つでよい。エネルギー影響は、そのアプリの現在の消費の相対的な測定値で、低い方が望ましいとされている。12時間の電力は、過去12時間または起動してからの平均で、Macノートブックでのみ表示される。App Napは、そのアプリでApp Napがアクティブかどうかを示す。非スリープの列は、そのアプリがMacをスリープさせないようにしているかどうかを示す。
窓の下部にはエネルギー消費全般の情報が出る。ノートブックなら、充電残量、電源に接続していないときの残り時間の推定、バッテリー電源の使用時間、過去12時間のバッテリー充電レベルも並ぶ。この下部の数字と、上部のエネルギー影響の上位に出るアプリの名前を、同じ時刻に記録する。これで減っている量と、減らしている相手が同じ表に載る。
どのタブが減らしているかまで絞る
ブラウザ全体のエネルギー影響が高いことは分かっても、開いている20枚のうちどれが原因かは、この画面では分からない。そこはブラウザ側の道具で絞る。
Chromeなら、その他のツールからタスクマネージャを開く。ここでメモリ使用量をクリックして、使用量が多い順に並べ替える。公式の案内では、このときバックグラウンドページという項目が無いかを探すことが勧められている。前面に出ていないのに動き続けているものが、そこに現れる。原因が特定できたら、そのタスクを選んでプロセスを終了する操作になる。保存していない作業内容は失われると明記されているので、書きかけのフォームがある画面は先に保存する。
絞り込みの順番としては、まず動画や音声を再生しているタブを疑う。次に、会議やチャットのように接続を保ち続けるもの。その次が、数秒ごとに画面を書き換える種類の画面で、株価や監視のダッシュボードが該当しやすい。最後が機能拡張になる。機能拡張はタブとして見えないが、常に動いている。
Appleのサポートに載っている手順と、ブラウザ側のヘルプに載っている手順は役割が違う。前者でアプリを特定し、後者でタブを特定する。順番を守ると、切り分けにかかる時間が短くなる。詳しくはAppleのサポートを参照できる。
電池を減らしている動きは4種類に分けられる
特定したタブが何をしているかで、当てる手が変わる。減らしている動きは、大きく4つに分かれる。
- 映像や音声の再生。デコードが走り続けるため、消費はまとまった量になる
- つながり続ける通信。チャットや会議の画面は、接続を保つために定期的に通信する
- 繰り返し動くスクリプト。数秒ごとに画面を書き換える種類の画面が当たる
- 先読み。次に開きそうなページを事前に読み込む動作も、通信と処理を使う
1つ目は避けようがない。見ている間は減る。効くのは画質の設定を落とすことで、再生しているものの解像度が下がれば処理は軽くなる。2つ目は接続そのものを切るしかないので、使っていない時間帯だけ閉じる形になる。3つ目と4つ目は設定で止められる。
機能拡張の整理は、この4つのどれにも効く。Chromeの公式の案内では、動作を速くする手順として、本体の更新、使っていないタブを閉じること、使っていない機能拡張を無効にするか削除すること、タスクマネージャで重いものを止めることという並びが示されている。機能拡張が上のほうに来ているのは、見た目に出ないところで常に動いている量が大きいからだ。判定のしかたは決まっている。一覧を開き、この1か月で実際に使った覚えがないものを無効にする。削除ではなく無効から始めれば、必要だと分かったときに戻せる。無効にしたあとで1日使い、エネルギー影響の並びが変わるかを見れば、効いたかどうかが数字で分かる。
最後の先読みは見落とされやすい。Chromeの設定のパフォーマンスには、ページをプリロードする項目がある。閲覧と検索を高速化するために、アクセスが予想されるページを先に読み込む動作で、オンとオフを切り替えられるとChromeのヘルプに説明されている。速さを取るか電池を取るかの選択になるので、電源から離れている時間が長い人はここを見る価値がある。
先に当てる設定と、その条件
設定は入れる順番がある。効く順に並べると次のようになる。
Chromeの省エネモードは、設定のパフォーマンスにある。オンにすると、デバイスが電源に接続されていないときか、バッテリー残量が少なくなったときに自動で動く。電源に接続している間はオンにならないと明記されている。動作中はCPU使用率の高いバックグラウンドのタブを停止して消費電力を抑えるが、ビデオ会議を使っているタブや音声を再生しているタブには影響しない。つまり会議中に切られる心配はいらない。
同じ画面にあるメモリセーバーは、使っていないタブを無効にして、アクティブなタブがスムーズに動くようにする。非アクティブ化のレベルは、適度、バランス重視、最大の3つから選べる。無効になったタブは次に開いたときに自動で再読み込みされる。ただし無効にできない条件が公開されていて、音声や動画の再生または通話、画面共有、ページ通知、アクティブなダウンロード、一部記入済みのフォーム、固定タブ、接続済みのUSBやBluetoothのデバイスが当たる。仕事で開く画面はこの条件に引っかかるものが多いので、設定を入れても本数が減らないことがある。
落ちてほしくない画面は、逆に常にアクティブにするサイトの除外リストへ入れて指定する。手動で追加するときの書式も公開されていて、google.com と書くとサブドメインまで含み、先頭にドットを付けて .google.com と書くとサブドメインは含まない形になる。パフォーマンスの問題に関するアラートという設定もあり、これは既定でオンになっている。通知が出たときに修正を選ぶと、タブの無効化が実行される。
機材を替えると数字そのものが変わる
設定を当てても足りないときは、機材の側の話になる。Appleは自社のSafariの製品ページで電力効率の数字を公開している。Apple M5を搭載した15インチMacBook Airで最大18時間のビデオストリーミングができ、Chromeより最大5時間長いとされている。
条件も併記されている。テストは2026年8月に実施され、再生しているのは1080pのコンテンツ、ディスプレイの明るさは最低輝度から8回クリックした位置、キーボードのバックライトはオフ、WPA2のWi-Fiに接続した状態となっている。ここから読み取れるのは2つある。1つは、同じブラウザでも明るさの設定だけで持ち時間が動くという点だ。もう1つは、この18時間が動画を再生し続けたときの数字であって、仕事の使い方とは負荷の形が違うという点になる。
明るさは、設定の中で最も手軽に効く項目になる。キーボードのバックライトも同じで、明るい部屋では切っておける。ブラウザの設定を全部触るより、この2つを先に見たほうが結果が出る場面は多い。
同じ機材で測り比べる手も使える。アクティビティモニタのエネルギーパネルの下部には、過去12時間のバッテリー充電レベルが出る。片方のブラウザを主にして1日使い、翌日はもう片方にして、同じ時刻に充電残量とエネルギー影響の上位を記録する。作業の内容を毎日そろえるのは難しいので、1回の比較では判断せず、数日間の記録を並べて傾向を見る形にする。これで他人の環境の数字を当てにする必要がなくなる。
スマートフォン向けの手順をそのまま当てない
検索結果の上位には、Androidのスマートフォンでの手順を書いた記事が並ぶ。アプリごとに電池の使用量を制限なし・最適化・制限の3段階で管理する設定を変える、というような内容だ。これはスマートフォンの機能なので、Macには同じ項目が無い。
自動の同期を切るという手順も並ぶが、これも扱いが違う。Macで仕事に使っているなら、ブックマークやパスワードの同期を切ると、iPhoneやiPadと行き来する作業のほうが遅くなる。同期が通信するのは変更があったときで、量としては映像の再生や会議の接続に比べて小さい。切る順番としては後ろに置いてよい。
当てる順番を整理すると、画面の明るさとキーボードのバックライト、次に動画と会議のタブを閉じること、その次に省電力の設定、そのあとに機能拡張の整理、最後に同期の見直しになる。上から順に効きが大きく、下に行くほど効きが小さくなる。
本数そのものを減らせないときに残るもの
ここまで当てても、毎日開くサービスが6つや7つある人には残る部分がある。閉じられないから開いているのであって、順番を守っても本数は減らない。
残るのは2つだ。1つは、休止させたいタブと休止させたくないタブが混ざる問題になる。通知を受け取りたい画面は休止の対象外に置くしかなく、そこは負荷として残り続ける。もう1つは、同じサービスを2つのアカウントで開いているときの見分けで、仕事用のGmailと個人用のGmailはタブの上でほぼ同じ文字列になるため、毎回目で探すことになる。
この2つが当たっているなら、対象をタブから窓に移す方向が噛み合う。アプリを1枚のタブではなく1つの窓として置けば、名前ではなく置き場所で指定でき、使っていないものを窓の単位で止められる。Webアプリを窓の単位で分ける考え方はワークスペースに整理されている。アプリごとに独立したワークスペースを持たせると、2つのGmailが同時にログインしたまま別の窓として並ぶため、探す工程とログインの往復が消える。アプリごとに消音や拡大率を覚える形や、通知を1か所に集める形はできることに並んでいる。
移る前に確かめるのは、いまの機能拡張を持ち込めるか、毎日開くサービスが載っているかの2点になる。項目ごとに並べた比較はWaveboxとの比較とSidekickとの比較にあり、対応しているサービスの一覧は使えるアプリにまとまっている。無料で使える範囲と有料になる線は料金で確認できる。細かい疑問はよくある質問にまとめられている。
よくある質問
どのタブが電池を減らしているかを調べる方法はありますか?
2段階で絞れます。まずアクティビティモニタの「エネルギー」を開き、エネルギー影響が高いアプリを特定します。次にブラウザ側の道具でタブを特定します。Chromeならその他のツールからタスクマネージャを開き、メモリ使用量で並べ替えます。公式の案内では、このときバックグラウンドページという項目が無いかを探すことが勧められています。前面に出ていないのに動き続けているものが見つかります。
省エネモードは会議中にタブを止めてしまいませんか?
止めません。Chromeの省エネモードは、CPU使用率の高いバックグラウンドのタブを停止して消費電力を抑えますが、ビデオ会議を使っているタブや音声を再生しているタブには影響しないと明記されています。またこのモードは、デバイスが電源に接続されていないときかバッテリー残量が少なくなったときに自動で動き、電源に接続している間はオンになりません。
最初に手を付けるべき設定はどれですか?
画面の明るさとキーボードのバックライトです。Appleが公開している電力効率のテストでも、明るさは最低輝度から8回クリックした位置、キーボードのバックライトはオフという条件が併記されています。次に動画や会議のタブを閉じること、その次に省電力の設定、そのあとに機能拡張の整理という順番になります。同期の見直しは効きが小さいので後ろでよいです。
Androidの記事にある手順はMacでも使えますか?
そのままでは使えません。アプリごとに電池の使用量を制限なし・最適化・制限の3段階で管理する設定はスマートフォンの機能で、Macには同じ項目がありません。同期を切るという手順も、Macで仕事に使っている場合はiPhoneやiPadとの行き来が遅くなる側の影響が大きくなります。Macでは、アクティビティモニタで測ってから当てる手を選ぶ順番が確実です。