Macのショートカットを変更する|ブラウザに取られる組み合わせを避ける

「mac ショートカット 変更」で調べて出てくる手順は、どれも似た形をしている。システム設定を開き、キーボードを選び、キーボードショートカットの画面でチェックボックスを入れて、組み合わせをダブルクリックして押し直す。ここまでは数分で終わる。

それでも思い通りにならない場面が2つ残る。1つは、変更したい操作がそもそもこの画面に並んでいない場合。もう1つは、押したキーが自分の狙った相手ではなく、ブラウザやページの側に吸われてしまう場合である。この記事では、設定画面で届く範囲を手順として押さえたうえで、届かない場合に何を見ればよいかを層ごとに分けて書く。

システム設定でショートカットを変更する手順

アップルメニューから「システム設定」を開き、サイドバーで「キーボード」をクリックする。下にスクロールが必要な場合もある。そこから「キーボードショートカット」を開くと、左側にカテゴリの一覧が出る。Mission Control、Spotlight、アプリケーションショートカット、修飾キーなどが並んでいる場所だ。

変更したいカテゴリを選び、対象のショートカットの横にあるチェックボックスを入れる。次に現在のキーの組み合わせをダブルクリックして、使いたい組み合わせを押す。Appleのユーザガイドはこの手順の直後に置くべき操作を明記している。

使用しているすべてのアプリを終了してからもう一度開いて、新しいキーボードショートカットを有効にします。 出典: support.apple.com

ここを飛ばすと、設定は保存されているのに動かない状態になる。効かないと感じたときに最初に試すべきはアプリの再起動で、設定の作り直しではない。

もう1つ守る点がある。1つの組み合わせの中で、同じ種類のキーは1回しか使えない。文字キーを2つ並べる指定や、ファンクションキーを2つ並べる指定は受け付けられない。そして、すでに別のコマンドやアプリが使っている組み合わせを重ねて割り当てると、後から設定したほうは黙って動かない。触った覚えのない挙動になったときは、全部を元に戻す手も用意されている。同じ画面の左下にある「デフォルトに戻す」で、すべてのショートカットが出荷時の組み合わせへ戻る。

逆に、邪魔な組み合わせを消したいだけのこともある。その場合は組み合わせを変える必要はなく、カテゴリを選んでチェックボックスを外せばよい。macOS側が受け取るのをやめるので、そのキーはアプリの側に素通りするようになる。

一覧に無い操作へ自分で組み合わせを作る

設定画面の左側には「アプリケーションショートカット」というカテゴリがある。ここでは、アプリのメニューに並んでいる項目に対して、自分でキーの組み合わせを作れる。プラスのボタンを押し、対象のアプリを選び、メニューに表示されている文字列を入力する形だ。

入力のしかたに独特の作法がある。メニューの階層は「->」で区切り、三点リーダも含めて画面に出ている通りへ正確に写す必要がある。「ファイル」から「PDFとして書き出す…」を呼ぶなら「ファイル->PDFとして書き出す…」と入れる。1文字違うだけで対応が付かず、押しても何も起きない。アプリの一覧に目的のアプリが出てこないときは「その他」を選んで本体を指定する。

この画面でよく使われるのは、アプリ側の既定の組み合わせが手の形に合わないときの差し替えだ。あるアプリだけがほかと違うキーで同じ操作を割り当てていると、アプリを移った瞬間に指が迷う。そのアプリのメニュー名を写して、ほかのアプリと同じ組み合わせを当てておけば、迷いは消える。

この機能には範囲の限界がある。

キーボードショートカットは既存のメニューコマンドに対してのみ作成できます。アプリの起動などの一般的な目的のタスクに対してキーボードショートカットを作成することはできません。 出典: support.apple.com

つまり作れるのはメニュー項目の呼び出しだけで、アプリを起動する、特定の窓へ移る、といった目的には使えない。多くのアプリで共通のメニュー項目にまとめて割り当てたい場合は、対象として「全アプリケーション」を選ぶ手がある。作ったショートカットを消すときは、一覧で選んでマイナスのボタンを押す。

日本語入力と重なる組み合わせを外す

日本のキーボードで使っていると、文字を打つための操作とショートカットが重なる場面が出てくる。入力ソースの切り替えに割り当てられている組み合わせが、アプリ側の操作とぶつかる型がその代表だ。

この種の競合は、システム設定のショートカット一覧で該当カテゴリのチェックボックスを外すのが最も素直な解き方になる。組み合わせを別のキーへ移す手もあるが、移した先でまた別の操作とぶつかることがあるため、まず使っていないものを黙らせて空きを作るほうが確実である。入力ソースの切り替えそのものは、英数キーとかなキーを使う方式に寄せておくと、修飾キーの組み合わせを消費しない。

もう1つ、文字を確定していない最中のキー操作には注意が要る。変換中に修飾キー付きの操作を押すと、アプリ側の操作が先に走って打っていた文字が消えることがある。これはショートカットの設定ではなく、アプリの作りによる挙動なので、設定画面では直せない。確定してから押す習慣に寄せるか、そのアプリで使う組み合わせを別のキーへ移す。後者を選ぶ場合、移す先は文字入力に使わない3つ以上の修飾キーを重ねた組み合わせにしておくと、ぶつかる確率が下がる。

キーボード本体の側で組み替えるという手

キーの組み合わせを押しにくいと感じているだけなら、OSの設定ではなくキーボードの側を組み替える道もある。キーマップ変更ツールを備えた製品では、1つのキーに複数の修飾キーをまとめて載せられる。

キーマップ変更ツールv1.0.3ではCtrlやShiftなどの修飾キーを1つのキーに割り当てられます。例えば右側のShiftキーに「Ctrl」と「Shift」割り当てると押すキーが単純に減るので、こんな感じでExcelとかAdobe系アプリのショートカットで結構重宝するかもしれません。 出典: happyhackingkb.com

この方式の利点は、設定がキーボード側に残るところにある。機械を乗り換えても、OSを入れ替えても、同じ指の動きがそのまま通る。WindowsとMacを行き来している人が、Ctrlの位置とCommandの位置をそろえる用途にも向く。

弱点もはっきりしている。対応している製品を持っていなければ始まらず、載せられる内容はその製品の仕様に縛られる。そして設定が機械の中に隠れるため、別の人がそのキーボードを触ったときに理由の分からない挙動として現れる。共用の机に置く機械では説明が要る。

手段 変えられる対象 設定の置き場所 向く場面
システム設定のショートカット一覧 OSが持つ操作の組み合わせ Macの中 一覧に載っている操作を直す
アプリケーションショートカット メニューに並ぶ項目 Macの中 アプリ固有の操作を呼ぶ
修飾キーの入れ替え 修飾キー5種の役割 Macの中(キーボードごと) 押す位置をそろえる
キーボードのキーマップ変更 その製品が許す範囲 キーボードの中 複数の機械で同じ指使いにする

同じキーを3者が取り合っている状態

ここまでの手段をすべて試しても直らない詰まりがある。ブラウザでWebアプリを使っているときの組み合わせだ。1回のキー入力に対して、受け取り手が3人いる。macOS、ブラウザ本体、そしてページの中で動いているアプリである。

例を挙げる。検索やコマンドパレットを呼ぶ組み合わせは、ページ側が自前のパレットを開くために使い、ブラウザ側は同じキーでアドレス欄やタブの検索を開くために使う。どちらが勝つかは開いているページとブラウザの版で変わるので、同じキーが日によって違う動きをするという形で症状が出る。macOSの設定画面には、この取り合いを調停する項目がない。

受け取り手が3人いることの実務的な意味は、直せる場所も3つに分かれているという点にある。macOSが受け取っているならシステム設定で外せる。ブラウザ本体が受け取っているならブラウザの設定や拡張機能の側で扱う。ページの中のアプリが受け取っているなら、そのサービスに設定画面があるかどうかで決まる。3つのうちどこに当たっているかを知らないまま手を動かすと、効かない設定を積み上げることになる。

切り分け方は単純だ。新しいタブを開いた状態でそのキーを押し、次に目的のページを開いた状態で同じキーを押す。動きが変わるならページ側が受け取っている。変わらないならブラウザ本体が受け取っている。前者ならサービス側の設定画面を探し、後者ならブラウザの設定を見る。2回押すだけで、直す相手が決まる。

この試行を先に済ませておく価値は大きい。取り合いが原因の症状に対して修飾キーの割り当てを何度入れ替えても、取り合い自体は解けない。設定をいじった履歴だけが残り、あとから元の状態が分からなくなる。

アカウントを複数持っている場合に起きるずれ

もう1つ、ショートカットの問題に見えて別物である型がある。同じサービスを複数のアカウントで開いているときだ。この場合、キー操作は正しく届いている。届いた先が目的のアカウントではないだけである。

症状の出方に特徴がある。押したあと画面を見て、違うほうが出ていることに気づき、窓を切り替えてもう一度押す。1回あたり数秒で、失敗した感覚は残らない。それが1日に何十回か積み重なる。押し間違いとして記録に残らないため、キーの割り当てを見直しても候補として上がってこない。

もう1つ厄介なのは、アカウントを分けるために窓を増やすほど、キーが届く先の候補も増えることだ。同じサービスの窓が3枚あれば、正しい窓に当たる確率は単純に下がる。ショートカットを短くしても、宛先を選び直す手間は短くならない。

確かめたいなら、半日のあいだ「押したあとに窓を探し直した回数」を数えてみるとよい。この回数が押し間違いの回数を上回っているなら、直す相手はキーではなく窓の持ち方のほうにある。

手を入れる順序の決め方

ショートカットの変更は、指の動きを短くするための仕組みである。注意の向き先を整理するために作られたものではない。この2つを混ぜると、設定画面を往復する時間だけが増える。

順序は次のように決まる。設定の一覧に目的の操作が載っているなら、そこで直す。載っていないがメニューに項目があるなら、アプリケーションショートカットで作る。押す位置そのものが合わないなら、修飾キーかキーボード側のキーマップを組み替える。そして、キーを押したあとに宛先を確かめているなら、どの層を触っても直らない。

Webアプリごとに窓と受け手を分けておくと、取り合いの相手が減る。アプリごとに独立したワークスペースという考え方は、タブではなくアプリを単位に置き場所を決めるもので、その仕組みはワークスペースにまとまっている。呼び出しの入口や1つの窓で抱えられる範囲はできることに並び、毎日使っているサービスがその形で開けるかは使えるアプリで確かめられる。ターミナルを同じ窓に置く使い方はターミナルにある。

この種の道具は月額の有無や対応OSで性格が変わる。条件を並べたWaveboxとの比較のような資料を先に読み、使い方に合うかを確かめるほうが早い。最初に試すのは1つの変更だけにして、1週間そのまま使う。それで詰まりが消えるなら層の見極めは当たっている。

よくある質問

ショートカットを変更したのに反応しません。何を確かめればよいですか?

まず使っているアプリをすべて終了してから開き直してください。新しい組み合わせは、アプリを開き直すまで有効になりません。それでも動かない場合は、その組み合わせが別のコマンドやアプリで既に使われていないかを見ます。重複していると、後から設定したほうが無効になります。

設定を全部元に戻すことはできますか?

できます。システム設定の「キーボード」から「キーボードショートカット」を開き、左下の「デフォルトに戻す」をクリックすると、すべてのショートカットが出荷時の組み合わせへ戻ります。個別に元へ戻す操作はないため、変更を1つずつ試すときは何を変えたかを書き残しておくと迷いません。

アプリの起動にショートカットを割り当てられますか?

システム設定のアプリケーションショートカットでは割り当てられません。この機能はアプリのメニューに並んでいる項目を呼ぶためのもので、アプリの起動のような一般的な操作は対象外です。起動に組み合わせを当てたい場合は、ランチャーアプリや外部のキーボードカスタマイズツールを使います。

ブラウザで開いたWebアプリのキーが効きません。OSの設定で直りますか?

macOSの設定では直りません。ページの中で動いているアプリのキー操作はメニューコマンドとして存在せず、ブラウザ本体とページのどちらが受け取るかもページ側の作りで変わります。新しいタブと目的のページで同じキーを押し比べると、どちらが受け取っているかが分かります。

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